ごかせ‐がわ〔‐がは〕【五ヶ瀬川】
五ヶ瀬川
五ヶ瀬川は、その源を宮崎県と熊本県の県境にそびえる向坂山(標高1,684m)に発し、多くの渓流を合わせつつ高千穂渓谷を流下し、更に岩戸川、日之影川、綱ノ瀬川等の支流を合わせ延岡平野に入ります。その後、三輪において大瀬川を分派後、延岡市街地を貫流し河口付近にて祝子川、北川を合わせ、日向灘に注ぐ、幹川流路延長106km、流域面積1,820km2の一級河川である。 |
日向灘に注ぐ五ヶ瀬川 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.五ヶ瀬川の歴史 |
"五ヶ瀬川の下流の延岡市内には全国でも珍しい「畳堤」という特殊堤が980m残っています。「畳堤」とは大正から昭和の初期にかけて造られたもので、洪水時は堤防に畳をはめ込み、堤防を越えようとする水を防いでいました。どのような理由でこの珍しい堤防が造られたか詳細は分かっていませんが、川とともに生きた先人の治水対策の知恵で、住民が協力してまちを守ったシンボルともいえます。" |
五ヶ瀬川の歴史と先人の知恵の活用 |
200年以上使用されている水利施設 住民の協力で町を守った畳堤 五ヶ瀬川の下流の延岡市内には全国でも珍しい「畳堤」という特殊堤が980m残っています。「畳堤」とは大正から昭和の初期にかけて造られたもので、高さ60cmの橋の高欄に似たコンクリート製の枠で上から見ると幅7cmの隙間があり、洪水時はこの隙間に畳をはめ込み、堤防を越えようとする水を防いでいました。枠のサイズはこの地方の民家の畳がちょうど入るサイズで、隙間の幅7cmは畳が水を含み膨れたときの厚さに対応しています。畳は周辺の民家から住民が自ら持ち寄りはめ込みました。どのような理由でこの珍しい堤防が造られたかは詳細は分かっていませんが、川とともに生きた先人の治水対策の知恵で、住民が協力してまちを守ったシンボルともいえます。また畳堤の分布と重なるように水害・水難防止を祈願する「水神さま」が祭られています。この地域が水害に悩まされていたのが分かります。
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2.地域の中の五ヶ瀬川 |
"上流では高千穂峡など風光明媚な自然景観が観光資源となっており、中流部では大型アユを求めて多くの釣り人で賑わっています。秋の五ヶ瀬川では、九州最大の規模を誇る鮎やなが設けられ、やな場でアユを焼くかおりが河原を漂い、広く市民に浸透した秋の風物詩となっています。 また環境省の「かおり風景100選」にも選ばれています。" |
上流では高千穂峡など風光明媚な自然景観が観光資源となっており、中流部では大型アユを求めて多くの釣り人で賑わっています。 夏には、鹿川渓谷、見立渓谷などでは、避暑を求めて多くの人がキャンプに訪れるなど、 河川の水辺は広く親しまれています。 一方、下流部では、延岡市の貴重なオープンスペースとして、 水面はアユ釣りやカヌー、高水敷はスポーツや散策、イベント会場として多様に利活用されています。 8月には、大瀬川で「まつりのべおか」が盛大に催され、ばんば踊りや花火大会が行われています。 また、延岡市は、マラソン等の陸上競技が盛んな町であり、近年ではまちづくりの さらに、五ヶ瀬川流域圏における地域連携を深めるための情報交換と人的交流を促進する目的で、近年、さまざまな住民活動が展開されています。 河川水の利用については、五ヶ瀬川は水量が豊富であり、農業用水として約 2,400haに及ぶ耕地の灌漑に利用され、水力発電としては昭和14年に 建設された |
3.五ヶ瀬川の自然環境 |
"五ヶ瀬川は、その源を宮崎県と熊本県の県境にそびえる向坂山(標高1,684m)に発し、 多くの渓流を合わせつつ高千穂渓谷を流下し、更に岩戸川、日之影川、綱ノ瀬川等の支流を 合わせ延岡平野に入ります。 その後、三輪において大瀬川を分派後、延岡市街地を貫流し河口付近にて祝子川、北川を 合わせ、日向灘に注ぐ、幹川流路延長106km、流域面積1,820km2の一級河川です。" |
五ヶ瀬川の自然環境 五ヶ瀬川流域は、宮崎県、大分県及び熊本県の3県にまたがり、流域の土地利用は、山地等が約94%、水田や果樹園等の農地が約5%、宅地等市街地が約1%となっています。 五ヶ瀬川の源流付近は、スギ、ヒノキなどの山林を中心とする山峡で、その一部の区間では巨石が点在し、自然河川の様相を呈した風景を見ることができます。源流部の山峡を抜け、峡谷を流下する上流部は、コジイ群落やシイ・カシ萌芽林などが分布しています。また「高千穂峡」に代表される五ヶ瀬川峡谷として国の名勝及び天然記念物に指定され、秋の紅葉など四季に富んだ自然環境に年間約100万人を超える観光客が訪れています。 五ヶ瀬川中流部流域の大部分が 河口周辺ではアカウミガメの産卵が見られる砂浜が存在し、大瀬川の また、最大支川である北川は、湧水に支えられた湿地やワンドが点在し、ハマボウ及びオグラコウホネなど70種以上もの貴重種が生育・生息しています。さらに水晶部の崖地の淵には河畔林があり、瀬はアユの産卵場となっています。汽水域にはカワスナガニが広く分布し、 |
4.五ヶ瀬川の主な災害 |
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
五ヶ瀬川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 23:48 UTC 版)
五ヶ瀬川(ごかせがわ)は、宮崎県北部(一部熊本県阿蘇地方)を流れる五ヶ瀬川水系の本流で、延岡市から日向灘に注ぐ一級河川である。
- ^ 五ヶ瀬川畳堤(ごかせがわたたみてい)
- ^ 五ヶ瀬川の歴史的治水施設「畳堤」
- ^ 川とともに生きた先人たちが、畳で水害から街を守った知恵のシンボル
- ^ 五ヶ瀬川畳堤
- ^ “ふるさとへの熱い思いが 奇跡の堤防を産んだ”. 国土交通省. 2022年6月9日閲覧。
- ^ “【五ヶ瀬川】の概要/国土交通省九州地方整備局河川部”. www.qsr.mlit.go.jp. 2019年9月8日閲覧。
- ^ “みやざきの神話と伝承101:五ヶ瀬川水系の守護神”. www.pref.miyazaki.lg.jp. 2019年9月8日閲覧。
- 1 五ヶ瀬川とは
- 2 五ヶ瀬川の概要
五ヶ瀬川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/11 14:39 UTC 版)
現存する最古の物で、大正末期から昭和初期に五ヶ瀬川と大瀬川に計2キロメートル分が作られた。このうち現存するのは五ヶ瀬川の両岸に残る約980メートル分である。平成27年に土木学会選奨の土木遺産に認定されている。
※この「五ヶ瀬川」の解説は、「畳堤」の解説の一部です。
「五ヶ瀬川」を含む「畳堤」の記事については、「畳堤」の概要を参照ください。
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