コアマモとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 生物 > 植物 > 藻類 > コアマモの意味・解説 

コアマモ Zostera japonica Aschers. et Graebn

オモダカ目 アマモ科 (Helobiales Zosteraceae)
コアマモ 生態写真
潮間帯下部から潮下帯にかけての砂泥
分   布
日本各地
コアマモ 花写真
(花写真)
コアマモ 根写真
(根写真)
コアマモ 切片写真
横断切片)
コアマモ 葉部先端写真
先端写真)
コアマモ 枝拡大写真
拡大写真)
コアマモ 生標本写真
(生標本写真)
コアマモ 生標本写真2
(生標本写真2)
コアマモ 生標本写真3
(生標本写真3)

からだは細長い地下茎からなり砂泥域に地下茎伸ばして生育する雌雄同株多年生草本種子植物)である。アマモより細く葉脈平行脈維管束)は2~3本であり,先端わずかに尖り縁辺にはスガモエビアマモのような鋸歯持たないアマモよりもやや塩分の低い海域河口域多く生育する

属名Zostera女性名詞で,細長い形の特徴を表すギリシャ語のzoster(帯,ベルト)に由来する種小名japonica」は女性形で,「日本の」の意味

長さ10~30cm


小甘藻

読み方:コアマモ(koamamo)

アマモ科沈水多年草

学名 Zostera japonica


コアマモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 02:50 UTC 版)

コアマモ
コアマモ
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: アマモ科 Zosteraceae
: アマモ属 Zostera
: コアマモ Z. japonica
学名
Zostera japonica
Ascheron et Graebner
シノニム

Zostera nana

和名
コアマモ

コアマモ(小甘藻、小海藻、学名Zostera japonica)は、アマモ科新エングラー体系ではヒルムシロ科)アマモ属に分類される海草の一種である。浅海域に生育するが藻類ではなく種子植物(顕花植物)の仲間である。

特徴

分布

主に温帯の沿岸域に分布するが、一部亜熱帯にも分布する。日本では北海道から本州四国九州南西諸島種子島奄美大島沖縄島宮古島石垣島西表島)に至る全域に分布し、日本国外ではサハリンカムチャツカ半島中国南部、ベトナム北アメリカ西岸等に分布する。

日本では全国的に分布する海草であるが、南西諸島においては沖縄島でごく小規模な群落が十数ヵ所確認されている一方で、種子島、奄美大島、宮古島及び石垣島では各1ヵ所でしか確認されておらず植物地理学上興味深い[1][2]。なお、西表島の分布状況は不明である[1]

形態

多年草沈水植物(根茎)は直径0.5 - 1.0ミリメートル程度で細く、砂泥中を匍匐して分岐し、いくつかの節(ふし)を付ける。節の間隔は1 - 3センチメートルで、節から細かいを出して砂泥にからみつく。また節からは葉をつける枝と花序をつける枝も出る。は2列に互生し、長さ10 - 25センチメートル、幅0.1 - 1.3ミリメートルの狭線形、葉縁は全縁、明瞭な2-3本の平衡脈を持つ。葉の先端は鈍く尖り、基部には長さ1.2 - 6センチメートルの葉鞘をつける。雌雄同株。花期は6月頃。花序は長さ約2センチメートル程度の肉穂花序で鞘状苞に包まれる。雄花は花序の先端に、雌花は花序の中央につける。種子は長さ2センチメートルの楕円形。

名前の通り近縁種のアマモに比べ小型の植物で、葉が小さく、根茎の節の間隔が狭い。

生育環境

主に水深1 - 2メートル程度の浅海域の砂泥地に生育するが、一部汽水域でも生育する。また、他の海草類と比べて乾燥に強く[3]、低潮線付近まで見られ、干潮時には一部が水面から出る潮間帯でも生育することができ、ごく浅いところに小規模な藻場を形成する。当真(1999年)は河口域に繁茂する傾向があるとしている。

保護上の位置づけ

日本のほぼ全域に分布しており、2007年に発表された環境省レッドリストではそれまでの情報不足(DD)からランク外にはずされた。しかし地域によっては、沿岸域の埋め立てによる個体及び生育地への影響や水質汚染による生息環境の悪化などにより個体数・生育地が減少しており、本州及び四国の太平洋側、九州・沖縄地方などの県のレッドデータブックに掲載されている。

脚注

  1. ^ a b 横田昌嗣 「コアマモ」 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2006年、185-186頁。
  2. ^ 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物-鹿児島県レッドデータブック植物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年、571頁、ISBN 4-9901588-1-4
  3. ^ 当真(1999年)によると5時間以上空気中に葉が露出しても枯死しない。

参考文献

  • 千原光雄 『標準原色図鑑全集 第15巻 海藻・海浜植物』 保育社、1970年、115頁。
  • 当真武 「琉球列島の海草‐I. 種類と分布」 『沖縄生物学会誌』37号、1999年、75-92頁。
  • 山下貴司 「コアマモ」 『福岡県の希少野生生物 -福岡県レッドデータブック2001- 』、佐賀県自然環境課、2001年。
  • 横田昌嗣 「コアマモ」 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2006年、185-186頁。

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コアマモ」の関連用語

コアマモのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コアマモのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
海藻海草標本図鑑海藻海草標本図鑑
Copyright (C) 2025 千葉大学海洋バイオシステム研究センター 銚子実験場 All rights reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコアマモ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS