日本の海草類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/19 21:14 UTC 版)
日本には5科10属28種30亜種(4雑種を含む)の海草類が分布していると考えられている。下記に大場・宮田(2007)における日本産海草類のリストを記載する。 日本列島近海は暖流と寒流が交わるため海草類とっては好適な条件にあり、多くの種が分布している。本州周辺海域でよく見られる海草類はアマモ属で、アマモとより小型のコアマモが多く、いずれも細長い葉をしている。他に丸い葉で小型のウミヒルモなどが知られている。北海道周辺ではスガモが見られる。また、南西諸島は日本の中でも海草類の多様性が高く、マツバウミジグサ、リュウキュウスガモ、ボウアマモ、ウミショウブなどの多くの種が様々な場所で見られ、5科9属18種の生育が確認されている。 カワツルモ科はWorld Atlas of Seagrasses(Spalding et al. 2003)で海草類として扱われるようになり、コアマモをアマモ属ZosteraからNanozosteraとすることが報告されているなど、新発見や新たな提案がなされている。ウミヒルモ属Halophilaについては分類学的研究が進んでおり、以前にはウミヒルモ H. ovalis しか知られていなかったが、1995年に沖縄県の泡瀬干潟でトゲウミヒルモ H. decipiens (以前にはヒメウミヒルモも含められていた)が新たに記録され、2006年には同地より2種の新種(ホソウミヒルモ、ヤマトウミヒルモ)の発見と、ヒメウミヒルモやオオウミヒルモなどの日本新産が記録されている。それ以外にも、大場・宮田(2007)は2亜種、4雑種を新亜種・新雑種として報告している(下記のリストの*が付いているもの)。 Zosteraceae アマモ科(Potamogetonaceae ヒルムシロ科に含む場合もある)Phyllospadix スガモ属P x choshiensis ヒメスガモ* P. iwatensis スガモ P. japonicus エビアマモ Zostera アマモ属Z. asiatica オオアマモ Z. caespitosa スゲアマモ Z. caulescens タチアマモ Z. marina アマモ Z. japonica コアマモsubsp. austroasiatica ナンカイコアマモ* Cymodoceaceae ベニアマモ科(シオニラ科)(Potamogetonaceae ヒルムシロ科に含む場合もある)Cymodocea ベニアマモ属(リュウキュウアマモ属)C. rotundata ベニアマモ C. serrulata リュウキュウアマモ Halodule ウミジグサ属H. x linearifolia ホソニラウミジグサ* H. pinifolia マツバウミジグサ H. x serratifolia マツニラウミジグサ* H. tridentata ホソバウミジグサ H. uninervis ウミジグサ(ニラウミジグサ) Syringodium シオニラ属(ボウバアマモ属)S. isoetifolium シオニラ(ボウバアマモ) Hydrocharitaceae トチカガミ科Enhalus ウミショウブ属E. acoroides ウミショウブ Halophila ウミヒルモ属H. decipiens トゲウミヒルモ H. nipponica ヤマトウミヒルモsubsp. notoensis ノトウミヒルモ* H. major オオウミヒルモ H. minor ヒメウミヒルモ H. ovalis ウミヒルモ H. okinawensis ホソウミヒルモ H. x tanabensis タナベウミヒルモ* Thalassia リュウキュウスガモ属T. hemprichii リュウキュウスガモ Zannichelliaceae イトクズモ科(Potamogetonaceae ヒルムシロ科に含む場合もある)Zannichellia イトクズモ属Z. palustris イトクズモ Ruppiaceae カワツルモ科(Potamogetonaceae ヒルムシロ科に含む場合もある)Ruppia カワツルモ属R. maritima カワツルモ R. cirrhosa var. truncatifolia ヤハズカワツルモ
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