かけはし‐がわ〔‐がは〕【梯川】
梯川
梯川は、白山山系大日山連峰の鈴ヶ岳(標高1,174m)に源を発し、大杉谷と通称される山間部を北流して能美・江沼丘陵に入り、東より郷谷川、滓上川、仏大寺川を合流しながら流れを西に転じて平野部に入り、北から鍋谷川、八丁川が合流、河口近くで木場潟から流れ出る前川が南より合流して、「勧進帳」で名高い安宅の関近くで日本海に注ぐ、流域面積271km2、幹川流路延長42kmの河川です。 |
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小松市内を貫流する梯川 |
河川概要 |
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1.梯川の歴史 |
"梯川の流域では、古くから人々が生活が営んできました。流域を舞台とする「勧進帳」などの逸話や、「小松城跡」などの史跡の存在も、その歴史を物語っています。 また、幾度の洪水を受け、進められてきた河川改修事業は、現代に引き継がれ、より安全な郷土を目指して整備が進められています。" |
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歴史・文化とのつながり 梯川の流域は、縄文時代から人々の生活が営まれてきた古い歴史を持つ地域です。
また、加賀藩三代藩主前田利常によって築城された小松城は、梯川の蛇行によってつくられた沼地を利用した平城であり、川の水を引き入れた堀の中に8個の島が兵法に従って配置されていました。城の面積は、金沢城の倍近い約56万m2に及ぶ広大なものであり、堀が城地の約30%を占めるその様は「小松の浮城」とも呼ばれる類い希な景観を持つ名城でした。 治水事業の歴史
昭和9年7月10日に、手取川上流で降雨量460mmと平年の55日分の雨が降り、手取川で氾濫した洪水が、手取川左岸から梯川右岸一帯にかけて巨大な湖を作り、大災害が発生しました。その後、昭和43年8月の豪雨災害など、幾度の洪水を経て、抜本的な河川改修の必要性が高まり、昭和46年に梯川は一級河川に指定されました。
現在は、下流部の改修を進めるとともに、河川本来が持つ豊かな自然環境の保全、潤いのある水辺空間の整備を行っています。 |
2.地域の中の梯川 |
"梯川では、堤防のウォーキングスケールや、レガッタ場などの整備、梯川を教材とした総合学習など、人々が川と気軽にふれあい、学べる環境づくりを行っています。 また、流域の小松市では江戸時代より続く「お旅まつり」が毎年盛大に行われ、流域の歴史と伝統の息吹を今に伝えています。" |
地域産業とのつながり
梯川の水は、古くから農業用水として利用されており、発電用水、工業用水及び水道用水としての利用は行われていません。また、手取川水系の大日川ダム(県)から滓上川への導水が行われており、麦口町の大日川第二発電所での発電や下流域のかんがいに利用されています。 人々と梯川とのふれあい 梯川の堤防にはウォーキングスケールを兼ねた距離標が設置されています。これにより、地域住民の人々は梯川により親しみ、より関心を持ちながら、ふれあえることができるようになりました。また、小松大橋付近にあるレガッタ場は、主に高校生の部活動や地域住民の方々の散策等に利用されています。毎年8月の第1日曜日には、「小松市民レガッタ大会」が開催され、市民のコミュニティの場となっています。
梯川流域の小松市中心街では江戸時代より続く「お旅まつり」が毎年、盛大に行われています。 中でも華やかな「曳山子供歌舞伎」は何代にもわたる町人の粋と努力で支えられ、今なお240年近く脈々と多くの人々の手に引き継がれ、伝統の息吹を伝える伝統行事となっています。
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3.梯川の自然環境 |
"多様な地形・地質を有する梯川流域は、日本海側特有の冬季に降水の多い気候となっています。 水質は基準を満足し、流域には様々な動植物の生息が確認されており、特に魚類については、石川県の河川の中で、最も多くの種類が確認されています。" |
下流の平野部では低湿な沖積平野が広がり、梯川は典型的な緩流河川となっています。その沖積平野の南西部には海跡湖である木場潟、柴山潟、今江潟の加賀三湖があり、北は手取川扇状地と接します。 また、海岸沿いには高さが10~20mの海岸砂丘が発達しています。 梯川上流地域の地質は、火山性岩石が多く、安山岩も見られるほか、中上流地域の能美丘陵では、砂礫を主体とする後期洪積層からなる段丘堆積物及び新第三紀層の火山性岩石である緑色凝灰石と流紋岩類が広く分布しています。下流の平野部では、砂やシルトを主体として礫を含んだ未固結堆積物からなる沖積層が広っています。 梯川流域は、日本海に面して広がる平野と白山山系に続く山地とに大別され、このことが四季を通じて気候に影響を与えており、日本海側特有の冬季に降水の多い気候となっていますが、7月の梅雨末期、9月の秋雨と台風時期も降水が多くなっています。平野部での年平均気温は14~16℃、年平均降水量は約2,100~2,600mmで推移しており、多雨地帯となっています。 梯川の水質は、環境基準点における近年の水質の変化を見ると、いずれの地点でも環境基準を満足しています。
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4.梯川の主な災害 |
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
梯川
梯川
梯川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/08 14:42 UTC 版)
梯川 | |
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河口付近
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水系 | 一級水系 梯川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 42 km |
平均流量 | 14.2 m3/s (埴田観測所2000年) |
流域面積 | 271 km2 |
水源 | 鈴ヶ岳(小松市) |
水源の標高 | 1,174 m |
河口・合流先 | 日本海 |
流域 | ![]() |
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梯川(かけはしがわ)は、石川県小松市を流れる一級河川。上流域では大杉谷川と呼ばれている。
語源
古くは大川と呼ばれたが、前田利常が小松城に入城したのち、寛永17年(1640年)に既にあった舟橋をより堅固な橋に架け替えた。この橋は川の増水時に橋板を増し、平水時には橋板を減らし、洪水を予見したときには橋板を外して舟の流出を防ぐ仕組みを取っていたため、「かけ橋」(梯)と名付けられた。のちに川も橋の名前を取り、「梯川」と呼ばれた[1]。
地理
小松市と加賀市との境界にある鈴ヶ岳に源を発し北流。赤瀬ダムを経て、小松市大野町で郷谷川を合わせる。ここから梯川となり北上。小松市千代町で鍋谷川を、河口近くで前川を合わせ、小松市安宅町で日本海に注ぐ。小松天満宮付近では分水路となっている[2]。上水道には使用されていない。
災害
主な支流
河口より記載
河川施設
河口より記載
- 軽海用水頭首工 - 軽海用水
- 御茶用水頭首工 - 御茶用水
- 赤瀬ダム(赤瀬町)
橋梁
河口より記載
- 住吉橋
- 梯川橋 - 北陸自動車道
- 城南橋 - 石川県道25号金沢美川小松線
- 石田橋
- 天神水道橋
- 小松大橋 - 石川県道101号小松根上線
- 梯大橋
- 梯川橋梁 - IRいしかわ鉄道線[8][9]
- 小松新橋 - 国道305号
- 白江大橋[2] - 石川県道54号寺畠小松線
- 能美大橋
- 梯川高架橋 - 国道8号小松バイパス
- 舟場橋
- 荒木田大橋[2] - 石川県道22号金沢小松線(加賀産業開発道路)
- 鴨浦橋 - 石川県道55号小松辰口線
- 軽海新橋 - 国道360号
- 中海大橋 - 石川県道165号金平寺井線
- 百石谷橋
脚注
- ^ 津金一彦 (2018年11月27日). “梯(かけはし)川_下流部” (PDF). 松本市. 2022年1月26日閲覧。
- ^ a b c d “【石川】堤防整備率 全国で下位 大雨で氾濫の梯川”. 北陸中日新聞Web. (2022年8月13日). オリジナルの2022年8月13日時点におけるアーカイブ。 2022年8月21日閲覧。
- ^ “石川では14年前の浅野川水害以来…8/4の記録的大雨『激甚災害』に指定へ 小松市で梯川が氾濫”. 石川テレビニュース (2022年8月23日). 2022年8月25日閲覧。
- ^ a b c d “石川県内大雨 250棟超被害 小松 低体温症など7人”. 北陸中日新聞Web. (2022年8月6日). オリジナルの2022年8月6日時点におけるアーカイブ。 2022年8月21日閲覧。
- ^ “石川県小松市 梯川で氾濫が発生 警戒レベル5相当の氾濫発生情報発表”. ウェザーニュース (2022年8月4日). 2022年8月21日閲覧。
- ^ “登山中だった馳浩知事、大雨で足止め…雨に関係ないFB投稿は削除”. 読売新聞オンライン. (2022年8月6日). オリジナルの2022年8月6日時点におけるアーカイブ。 2022年8月21日閲覧。
- ^ “石川 小松 大雨で崩れた川の護岸の応急的な復旧作業進む”. NHK NEWS WEB (2022年8月17日). 2022年8月21日閲覧。
- ^ “北陸新幹線延伸、どうなる「サンダーバード」と新快速 - 敦賀駅へ”. マイナビニュース (2022年7月24日). 2022年8月21日閲覧。
- ^ “北陸新幹線24年延伸 JRと石川県、並行在来線譲渡で合意”. 日本経済新聞. (2022年8月17日) 2022年8月21日閲覧。
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
- >> 「梯川」を含む用語の索引
- 梯川のページへのリンク