千代川とは? わかりやすく解説

せんだい‐がわ〔‐がは〕【千代川】

読み方:せんだいがわ

鳥取県東部流れる川。中国山地那岐(なぎ)山付近に源を発して北流し鳥取市賀露(かろ)で日本海に注ぐ。長さ52キロ下流域鳥取平野形成し流砂鳥取砂丘をつくる。河口西方潟湖(せきこ)の湖山池がある。


千代川

因幡清流千代川
千代川は、鳥取県八頭郡智頭町にある沖ノ山にその源を発し幾つも支川合わせながら、鳥取市より日本海注いでます。途中支川合流させると流域面積1,190km2流路延長52kmの河川です。

因幡の清流千代川
因幡清流千代川

河川概要
水系千代川水系
河川名千代川
幹川流路延長52km
流域面積1,190km2
流域内人200,000
流域関係都県鳥取県

千代川流域図
○拡大図
1.千代川の歴史
"改修前鳥取市では、江戸時代から明治にかけて250年間におよそ100回の洪水発生していましたまた、その後市街化にともない洪水被害増大傾向なりましたこのため本川支川河口付け替え等の大規模な改修行いました。"

流域の概要
千代川はその源を鳥取県八頭郡智頭町の沖ノ山(標高1,319m)に発してます。源流から途中佐治川八東川砂見川袋川野坂川などの支川合わせながら北に流れ鳥取平野中央貫流して鳥取市より日本海注いでます。
その流域面積は1,190km2流路延長は52kmで、流域放射状です。

名前の由来
千代川の名の由来には次の説があります
円山という高い山があり、変化に富んだ非常に美しい山だったので、弘法大師がこの山を霊場にしようと考えられました。この川筋に千の谷があったので、千の仏像刻み、谷に一体づつ安置して札所としようされました。しかし、その後もう一度谷の数をあらためたところ、谷は九百九十九しかありませんでした。そのため、霊場断念し、千体の仏像をこの川に全て川に流されました。それ以来、この川を「せんたいがわ」(千代川)と呼ぶようになったと言われています。

過去大規模な河川改修
改修前鳥取市では、江戸時代から明治にかけて250年間におよそ100回と3年1回洪水発生しその後市街化にともない洪水頻度増大傾向ありました。そこで、これを防ぐために以下に示す大規模な改修行ないました。
  1. 改修前の千代川河口から上流4km区間大きく湾曲していたが、直線的に付け替えました。(昭和5年通水
  2. 市内流れ袋川現在の旧袋川)の氾濫を防ぐため、この袋川付け替え行ないました。(昭和9年通水
  3. 千代川河口部閉塞による洪水を防ぐため、河口付け替え行ないました。
    昭和58年概成

河川改修前
河川改修後
河川改修河川改修



河口付け替え前
河口付け替え後
河口付け替え河口付け替え
2.地域の中の千代川
"地域社会と千代川のつながりとしては、江戸時代から続く農業用水や、伝統行事用瀬流しびな高水敷運動広場として活用袋川整備した2箇所水辺の楽校利用など見られます。"


概要
千代川の源流である沖ノ山から河口にかけての途中には、伝統行事としての用瀬流し雛鳥取県無形文化財)が今なお残り下流部では豊富な流水背景とした大井手用水大口用水によりかんがいが行われるなど、古くから人々の生活と千代川は密接な関わりありました

関係市町村
流域構成する市町村は、鳥取市岩美郡八東郡の1市8町1におよび、県都鳥取市貫流する千代川は鳥取県東部地区における社会・経済文化基盤をなしています。

利水大井手用水大口用水
千代川は昔より漁場飲料水輸送路として流域住民多大な利益与えてきました。特に農業与え恩恵として、約7,600haの農地かんがいしています。
大井手用水
大井手用水は千代川左岸側かんがいする用水で、慶長5年1600年)に亀井武守により築造された用水路です。この用水開発契機に、領主亀井武守は新田開発積極的な施策推し進めこれまでかんがい難しかった川沿いの微高地周辺秋里江津晩稲などの荒涼とした乾田生気取り戻したといわれています。
大口用水
大口用水は千代川右岸沖積平野かんがいする用水です。この用水はいつの時代築造されたのか明確な記録もなく、今なお謎につつまれています。堰の規模構造からすれば大井手用水と時を同じくするものと推論されていますが、右岸側の藩主池田氏土木事業といえば鳥取城下町中心とした袋川付け替え城下町拡張整備などで、農耕地記録はあまり残されていません。


農業用水のかんがい範囲凡例
農業用水かんがい範囲
3.千代川の自然環境
" 千代川が運んだ土砂潮流風の影響を受け、鳥取砂丘形成してます。
河川代表するとしてアユがあり、毎年多く釣り人見られます。
貴重種としてもミクリフジバカマなどの植物スナヤツメ等の魚類など、レッドデータブック等に記載のある動植物生息してます。"

概要
千代川流域の上流域は「氷ノ山後山那岐山国定公園昭和44年4月指定)」となってます。また河口部右岸側の鳥取砂丘を含む東部海岸部は「山陰海岸国立公園昭和38年7月指定)」となってます。千代川はこれらを結ぶように流下しています。

鳥取砂丘
鳥取砂丘全体は千代川の河口挟んで東西広がる、西に湖山末恒、東に浜坂福部と4ブロックからなる砂丘群です。一般には、千代川河口東側広がる浜坂砂丘鳥取砂丘称します。その成因は、千代川が運んだ山地からの土砂のうち、比較細かな砂粒潮流風の影響を受け、砂州から丘陵へと成長していったものです。
風が吹いた早朝には美し風紋見られます。

鳥取砂丘
鳥取砂丘

植物
千代川の特徴的な植物は、河口部砂丘生育するハマヒルガオ群落防風林として植樹されクロマツ群落があり、その上流の緩流区間にはオギ群落あります河口から10km付近にエノキムクノキ群落があり鳥類昆虫類良好な生息となってます。
貴重種にはミクリフジバカマなどが存在してます。

魚類
千代川の特徴的な魚類としてアユあります毎年多く釣り人見られます。
河口部汽水域では、ヒラメやイシガレイ・ボラなどが生息してます。
中・上流域ではギンブナやスナゴロモ、カワムツなどが生息してます。
千代川の貴重な種としては、スナヤツメカマキリ(アユカケ)が確認されています。

鳥類
河口部にはカモメ類が、上流部にはカワガラスキセキレイイワツバメ生息してます。 貴重な種としてカワウミサゴコハクチョウなどが確認されています。

小動物哺乳類爬虫類・両生類
千代川には哺乳類としてタヌキキツネカヤネズミなどがいます。また、爬虫類ではカナヘビクサガメスッポンなどが、両生類ではトノサマガエルウシガエル生息してます。
貴重な種としてカジカガエルイモリ確認されています。

昆虫類
河口部ではシロスジコガネ確認されています。
中流域ではセミ類クワガタ類が確認されています。
貴重な種としてオオカワトンボやタガメなどが確認されています。

アユ釣りの様子
アユ釣り様子
4.千代川の主な災害

主な洪水

発生発生原因被災市町村被害状況
昭和54年10月台風20号鳥取市死者2名
負傷者2名
浸水家屋2,833棟
鳥取県全域
昭和10年10月台風10号鳥取市全壊家屋2棟
浸水家屋462
鳥取県全域

(注:この情報2008年2月現在のものです)

千代川

読み方:センダイガワ(sendaigawa)

所在 鳥取県

水系 千代川水系

等級 1級


千代川

読み方:チヨガワ(chiyogawa)

所在 熊本県

水系 津奈木川水系

等級 2級


千代川

読み方:チヨガワ(chiyogawa)

所在 熊本県

水系 津奈木川水系


千代川

読み方:チヨカワ(chiyokawa)

所在 京都府(JR山陰本線)

駅名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

千代川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/11 15:22 UTC 版)

千代川
流しびなの館から南望(鳥取市用瀬町)
水系 一級水系 千代川
種別 一級河川
延長 52 km
平均流量 47.55 m3/s
(行徳観測所 2000年)
流域面積 1,190 km2
水源 沖の山(鳥取県)
水源の標高 1,319 m
河口・合流先 日本海(鳥取県)
流域 日本 鳥取県

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智頭町中心部を流れる土師川
智頭町の桜土手

千代川(せんだいがわ)は、鳥取県の東部、八頭郡智頭町および鳥取市を流れる一級水系本流である。

地理

智頭町の沖の山に源を発して北流し、鳥取市日本海に注ぐ。河口一帯には鳥取砂丘が広がり、中流の鳥取市用瀬は流し雛で有名。

2006年(平成18年)4月に河川法に定められ河川整備の百年の計となる「河川整備基本方針」が策定され、国土交通省等により鋭意改修が続けられている。

名称の由来

2つの説がある[1][2]

  • 因幡国の多くの谷の流れがみなこの川に集まり、大河となることから、古くは「千谷川」と書かれていたのを「せんだい」というようになり、これに「千代」のあて字をされたとされる。
  • 昔、弘法大師八上郡の兵円山を高野山のような霊場にしようと考え、山にある千の谷に仏像を一体ずつ安置しようと仏像を作り始めた。しかし、この山に住むアマンジャクはこのことを知って、自分の住処を霊場にされたくないから、1つの谷を隠そうとして、土をもっこで担いでに捨てに行った。再び兵円山に戻ってきた弘法大師は谷の数を改めたところ、谷は九百九十九しかなかったため、霊場づくりを断念し、千体の仏像をこの川に流した。それ以来、この川は「千体川」と呼ぶようになり、のちに「千代川」となったと言われる。

歴史

織田信長の命令を受けた羽柴秀吉中国攻めにおける戦いの一つである天正9年(1581年)の鳥取城の戦いの際、千代川は吉川経家の籠城した久松山鳥取城の重要な補給線となった。とくに河口は、伯耆国以西の山陰地方からの日本海を通じた海上交通と千代川をさかのぼる河川交通の結節点にあたり、丹後宮津細川藤孝の派遣した水軍毛利水軍とのあいだで激しい海戦が起こっている(因幡湊川口の戦い)。

関ヶ原の戦いの後、邑美郡法美郡巨濃郡を与えられて鳥取城に入った池田長吉気多郡高草郡を与えられて鹿野城主となった亀井茲矩の二人の領地の境界線とされた。

流域の自治体

鳥取県
八頭郡智頭町鳥取市

主な支流

並行する交通

鉄道

道路

主な橋梁

  • 鳥取大橋 - 国道9号線
  • 八千代橋
  • 千代橋 - 県道41号線
  • 千代川橋梁 - (山陰本線)
  • 千代大橋 - 県道21号線
  • 因幡大橋 - 国道29号線
  • 叶水管橋
  • 源太橋 - 県道227号線
  • 新円通寺橋 - 国道53号線
  • 円通寺橋 - 国道298号線
  • 稲常橋
  • 布袋大橋 - 鳥取自動車道
  • 袋河原橋 - 国道53号線
  • 出合橋 - 県道287号線
  • 河原橋 - 県道32号線
  • 佐貫橋 - 県道231号線
  • 佐貫大橋 - 鳥取自動車道
  • 八日市橋 - 県道232号線
  • 和奈見橋 - 県道195号線
  • 美成橋 - 県道49号線
  • ひいな橋(人道橋)
  • 中橋
  • 用瀬橋 - 国道482号線
  • 三角橋
  • 第一智頭川橋梁(JR因美線)
  • 古用瀬橋 - 県道174号線
  • 新用瀬橋 - 国道53号線
  • 日の出橋
  • 樟原橋
  • 新川中橋- 国道53号線
  • 川中橋
  • 第二智頭川橋梁(JR因美線)
  • 第三智頭川橋梁(JR因美線)
  • 市瀬橋
  • 新市瀬橋
  • 智頭高架橋 - 国道373号線、志戸坂峠道路
  • 鳥の巣橋
  • 智頭ランプ橋
  • 錦橋
  • 備前橋
  • 京橋- 国道53号線
  • 沖代橋
  • 南方橋
  • (智頭線)
  • (智頭線)
  • 毛谷高架橋 - 志戸坂峠道路
  • 乳尾橋
  • 郷原橋
  • 河合橋
  • 小又橋
  • 大内橋
  • 酒屋橋
  • 馬渡瀬橋
  • 小馬場瀬橋
  • 尾見谷橋
  • 尾見橋 - 志戸坂峠道路智頭南IC
  • 智頭南ランプ橋 - 志戸坂峠道路智頭南IC
  • 智頭南高架橋 - 志戸坂峠道路
  • 名引橋
  • 横瀬橋
  • 中原橋 - 国道373号線
  • 山郷橋 - 志戸坂峠道路
  • 天狗谷橋
  • わらびお谷橋
  • あそう谷橋
  • 福原橋 - 国道373号線
  • 樽見橋 - 国道373号線
  • 富田橋 - 国道373号線
  • 第一上田橋 - 国道373号線
  • 志戸坂大橋 - 志戸坂峠道路
  • 第二上田橋
  • 第三上田橋
  • 吉方橋
  • 久松橋
  • 弥生橋

脚注

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