鈴鹿川
鈴鹿川は、三重県関町と滋賀県土山町、甲賀町の境にある高畑山にその源を発し、幾つもの渓流を合わせながら、関町で山間の地を離れ、以降安楽川を合わせ、亀山市、鈴鹿市の中心を東北に流下し、鈴鹿市地先の河口より5kmの地点で鈴鹿川派川を分派したのち、内部川を合わせ伊勢湾に注いでいる流域面積323km2、幹川流路延長38kmの河川です。 |
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一大工業地帯四日市コンビナートの工業用水を担っている鈴鹿川 |
河川概要 |
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1.鈴鹿川の歴史 |
"鈴鹿川は、河川沿いに街道が発達し、流域に関所跡や宿場町の面影を残しつつ、下流部に日本屈指の石油コンビナート地帯をあわせもつ川です。鈴鹿川は急峻な地形を有し土砂流出が多い砂河川であり、江戸時代より上流では現在でいう砂防工事が、下流では築堤が行われてきました。築堤工事においては右岸側が神戸城下であったことから左岸堤の強化が許されず、女人堤防なる話も伝えられています。" |
2.地域の中の鈴鹿川 |
"鈴鹿川の上流部は鈴鹿国定公園に指定され、豊かな渓谷美を背景にキャンプ場などがあり四季を通じて賑わいを見せています。下流部の河川敷にはサッカー、野球場やサイクリングロード等が整備され多くの市民に利用され憩いの場となっています。また、夏には花火大会なども行われます。" |
鈴鹿川の上流域は鈴鹿国定公園に指定されていて、内部川上流の宮妻峡・御幣川上流の小岐須渓谷・安楽川上流の石水渓等は、渓谷美を背景にキャンプ場の施設が整備され、四季を通じて行楽の賑わいを見せています。 また、猿田彦大社の総本社といわれる椿大神社のほとりを流れる鍋川上流には椿渓谷があり、キャンプ場としても親しまれています。
本川の下流部では内部川合流点付近を中心に、両岸に発達した比較的広い高水敷を利用して野球場、サッカー場などが整備された鈴鹿川緑地が設けられ、中流部では定五郎橋から庄野橋にかけて野球場、サッカー場、テニスコートなどが整備された鈴鹿川河川緑地があり、休日などは多くの市民に利用されています。また、この鈴鹿川河川緑地を起点として、サイクリングロードが下流高岡橋付近まで整備されています。 これら2つの緑地とサイクリングロードのほかにも、各所に小規模な運動広場が見られたり、採草地として利用されています。
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3.鈴鹿川の自然環境 |
"鈴鹿川流域は、その大半を人工林が占め、自然植生が見られるのは標高の高い地域や神社林等に限られています。流域内には特別天然記念物であるニホンカモシカが生息するとともに、キリヤマミドリシジミ、ムカシトンボなどの昆虫が生息しています。また、河口付近はシギ・チドリ類の渡来地となっています。" |
鈴鹿川水系は、地勢が急峻で、上流部は山間をぬって渓谷を刻み、亀山市の市街地あたりから段丘状の平地が開けてきます。中流部から下流部を北側・南側に分けてみると、北側は鈴鹿山麓から発する扇状台地が波状に重なり、その間を支川が流れます。これに対し南側は海岸に至るまで沖積平野が開け、そのほとんどが水田に利用されています。 上流部の地質は花崗岩が主体であり、特に安楽川・内部川の源流付近は美しい渓谷となっています。しかし、風化による土砂の流出が多く、砂河川の傾向があり表面を流れる水量は乏しくなっています。流域の年平均降水量は1,800mm程度ですが、上流山間部では2,000mmを越えています。
本川の生態系を見ると、鳥類では河口付近にシギ・チドリ類の渡来地があり、中流部ではコアジサシの生息も見られるほかブッポウソウ・コノハズク等も生息しています。
ほ乳類では国指定の特別天然記念物のニホンカモシカが特に有名で、当流域では、内部川・鍋川・御幣川等の源流域の山地に生息しています。 このほかにも、ニホンザル・キツネ・シカ等のほ乳類、モリアオガエル・ヒダサンショウウオ等の両生類、三重県指定の天然記念物であるキリシマミドリシジミやムカシトンボ・ムカシヤンマの昆虫類が生息しています。 |
4.鈴鹿川の主な災害 |
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
鈴鹿川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 05:12 UTC 版)
鈴鹿川 | |
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水系 | 一級水系 鈴鹿川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 38 km |
平均流量 | 7.21 m3/s (高岡観測所:2000年(平成12年)) |
流域面積 | 323 km2 |
水源 | 高畑山(三重県・滋賀県) |
水源の標高 | 773 m |
河口・合流先 | 伊勢湾(三重県) |
流域 | ![]() |
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概要
川の名前は大海人皇子が東国へ向かう途中、洪水に難渋しているところに駅路鈴をつけた鹿が現れ、その背に乗って川を渡ったという伝説から付けられたとされる[1]。
歌枕として古来多くの和歌に詠まれてきた。
地理
滋賀県との県境を成す鈴鹿山脈の高畑山(三重県・滋賀県)に発し、伊勢湾に注ぐ。流路のほとんどで東海道(国道1号)が並行する。上流域はかつて鈴鹿郡関町だったが、2005年(平成17年)1月11日から亀山市に編入された。
また、特筆すべき事項として、1956年(昭和31年)8月1日、旧鈴鹿郡関町加太一ツ家が分水界を越えて旧阿山郡伊賀町に編入され、伊賀町一ツ家(現在は伊賀市一ツ家)となったため、主な支流の一つである加太川は伊賀市も流れている。
流域の自治体
主な支流
河川 | よみ | 次数 | 管理者 | 主な経過地 | 河川延長 (km) |
備考 |
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鈴鹿川 | すずかがわ | 本川 | 中部地方整備局 三重県 |
四日市市、鈴鹿市、 亀山市 |
38 | |
内部川 | うつべがわ | 1次支川 | 中部地方整備局 三重県 |
四日市市、鈴鹿市 | ||
春雨川 | はるさめがわ | 2次支川 | 三重県 | 四日市市 | ||
小池川 | こいけがわ | 3次支川 | 三重県 | 四日市市 | ||
足見川 | あしみがわ | 2次支川 | 三重県 | 四日市市 | ||
鎌谷川 | かまたにがわ | 2次支川 | 三重県 | 四日市市 | ||
谷川 | たにがわ | 1次支川 | 三重県 四日市市 |
四日市市 | ||
鈴鹿川派川 | すずかがわはせん | 1次支川 | 中部地方整備局 | 四日市市 | ||
浪瀬川 | なみせがわ | 1次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
椎山川 出屋敷川 |
しいやまがわ でやしきがわ |
1次支川 | 三重県 鈴鹿市 |
鈴鹿市 | ||
蒲川 | がまがわ | 2次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
芥川 | あくたがわ | 1次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
安楽川 | あんらくがわ | 1次支川 | 中部地方整備局 三重県 |
鈴鹿市、亀山市 | 17.7 | |
御幣川 | おんべがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市、鈴鹿市 | ||
鍋川 | なべがわ | 3次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
八島川 | やしまがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市、鈴鹿市 | ||
亀淵川 | かめぶちがわ | 3次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
兎田川 | うさぎだがわ | 4次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
寺川 | てらかわ | 3次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
源明川 | げんめいがわ | 3次支川 | 三重県 | 鈴鹿市 | ||
原田川 | はらだがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
前田川 | まえだがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
大門川 | だいもんがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
我女川 | がめがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
水晶谷川 | すいしょうだにがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
宮川 | みやがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
椋川 | むくがわ | 1次支川 | 三重県 | 鈴鹿市、亀山市 | ||
亀田川 | かめだがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
竜川 | たつがわ | 1次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
桜川 | さくらがわ | 1次支川 | 三重県 亀山市 |
亀山市 | ||
石場川 | いしばがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
小野川 | おのがわ | 1次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
加太川 | かぶとがわ | 1次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
越川 | えちがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
牛谷川 | うしたにがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
平子川 | ひらこがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
小神武谷川 | こじんむたにがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
虻谷川 | あぶたにがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
神武谷川 | じんむたにがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
出雲谷川 | いずもたにがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
吉ヶ谷川 | きちがたにがわ | 3次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
喜和田川 | きわだがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
アマタノ川 | あまたのがわ | 3次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
大岡寺川 | たいこうじがわ | 2次支川 | 三重県 | 亀山市、伊賀市 | ||
市の瀬川 | いちのせがわ | 1次支川 | 三重県 | 亀山市 | ||
中津川 | なかつがわ | 1次支川 | 三重県 | 亀山市 |
並行する交通
鉄道
道路
架橋
江戸時代には橋はなく水かさが増したときは甲斐の渡し(鈴鹿川)の通行は容易でなかった[5]。前川定五郎(1832年 - 1917年(大正6年))が寄付金を集め私財を投じ、1908年(明治41年)に定五郎橋が完成した[5]。1952年(昭和27年)5月27日、鈴鹿川堤防沿いに定五郎の顕彰碑が建てられた[5]。
脚注
外部リンク
- 鈴鹿川について - 国土交通省 中部地方整備局
- 河川事業 > 鈴鹿川水系 - 国土交通省 中部地方整備局 三重河川国道事務所
- 河川整備基本方針 > 鈴鹿川水系 - 国土交通省
関連項目
鈴鹿川と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 鈴鹿川のページへのリンク