植物群落 (しょくぶつぐんらく)
植物群落
植物群集
植物群落
植物群落
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:58 UTC 版)
「長崎県指定文化財一覧」の記事における「植物群落」の解説
福江島のヘゴに見られるように、盗掘を含む環境の悪化により、実態は現地案内表示より厳しいものとなっている。国指定の群落としては、藻類では土黒川のオキチモズク発生地(雲仙市)、草本シダでは御橋観音シダ植物群落(佐世保市)、草本被子植物ではキイレツチトリモチ自生北限地(長崎市)がある。低木では池ノ原みやまきりしま群落(雲仙市)、地獄地帯しろどうだん群落(雲仙市)、多良岳ツクシシャクナゲ群落(大村市)がある。高木群落には鰐浦ヒトツバタゴ生地(対馬市)、野岳いぬつげ群落、大村のイチイガシ天然林がある。前述のとおり現状では壊滅状態だが、福江と玉之浦にそれぞれヘゴ自生北限地が設定されている。辰の島海浜植物群落はハイビャクシンの一大群生地だが、その他の海浜植物との複合群落と見なすのが現状にかなっている。 名称位置指定日解説琴海のカネコシダ群落 長崎市琴海形上町 1983年8月30日 明治37年(1904年)に金子保平が佐賀県黒髪山で発見した新種のウラジロ科シダで、西九州各地で自生地が確認されている。湿度や日照など環境の激変に弱く、国の絶滅危惧種IB。琴海の自生地は面積2875平方メートルに及び、県下最大の規模を持つ。 壱岐志原のスキヤクジャク群落 壱岐市郷ノ浦町志原大原触 1956年4月6日 熱帯性のミズワラビ科(諸説あり)シダで、胞子のほかに根にできる小体からも繁殖する。国内では硫黄島・屋久島・的山大島・壱岐と極端に分散して自生する。国の準絶滅危惧種NT。志原は自生北限にあたり、集落に近い流水溝に群生する。 脇岬ノアサガオ群落 長崎市旧野母崎町脇岬 1960年3月22日 なじみ深い園芸植物アサガオの原種で、原産地は南西諸島。西海市大島町が分布の北限とされる。園芸種は一年草だが、ノアサガオは多年草。ただし低温に弱い。脇岬陸繋島先端の祇園山山頂から海岸に掛けて、南側に群落が分布している。 多良岳せんだいそう群落 大村市大村市萱瀬町 1949年5月20日 ユキノシタ科の多年草。仙台市にちなむ名に反して紀伊半島以西の太平洋側に自生する温帯性の植物。開花期は9~10月。多良山系に群落が2箇所確認されており、経ヶ岳と金泉寺の間に位置する断崖にある群落が指定された。 島原のシマバライチゴ自生地 島原市千本木町 1960年3月22日 華南・台湾原産の野苺で、雲仙山系・多良山系に自生する絶滅危惧種IB。渋味・苦味が強く、食用には不適とされる。千本木の疎林・植林地に分布する。平成2年(1990年)からの火山活動で絶滅が危惧されたが、沈静化後の調査で無事が確認された。 岐宿町タヌキアヤメ群落 五島市岐宿町松山郷 1952年5月13日 アヤメ科とは別種の湿地植物。日本で唯一自生するタヌキアヤメ科植物で、福江島が世界の分布北限とされる熱帯性植物。晩夏に黄色い花を咲かせる。環境の悪化にともない、岐宿でも徐々に減少傾向にある。県の絶滅危惧種IB。 小佐々のハカマカズラ 佐世保市小佐々町矢岳 1977年1月11日 ハマカズラはマメ科の大型つる性植物で、大木に絡みつきながら成長し、自身も幹回り40センチの太さに成長する。熱帯性で、北九十九島の下島に自生するハマカズラが九州西岸の北限地に位置する。秋に熟す種子は数珠やロザリオの材料とされてきた。 五ヶ原岳ツクシシャクナゲ群落 大村市五ヶ原岳一帯 1957年3月8日 「筑紫」の名のとおり、九州から紀伊半島に掛けて自生し、7弁の派手な花で園芸種も多い。多良山系には国指定の群落もあるが、県指定の群落は1キロほど西の五ヶ原岳北麓に広がる。カシ・カエデ・ナナカマドなど広葉樹林がの樹下に群落を形成している。 荒川のハマジンチョウ 五島市玉之浦町荒川郷 1954年12月21日 内湾の満潮線に発生する南方系の低木で、花がジンチョウゲに似るが別種である。コルク質の果実が波に乗って伝播する。九州の北限地は宇久島といわれる。荒川の群落は玉之浦湾の海岸線に20メートルほど並んでいる。 奈留島皺の浦のハマジンチョウ群落 五島市奈留町大串郷 1989年9月29日 ハマジンチョウは海岸に自生するが、皺浦の群落は海から途絶した塩水潟湖の岸辺に広がる。奈留島先端の潟湖は長径100メートル、短径50メートルで、群落は湖岸に80メートル並ぶ。ハマボウやシバナなど塩湿地の植物も自生している。 久賀島のツバキ原始林 五島市田ノ浦町 1972年5月26日 五島列島にはヤブツバキの自生地が多かったが、椿油の需要減少とともに伐採が進んだ。久賀島東岸1ヘクタールの指定地は自生地保護のために残された。土壌がやせているために細い木が多いが、雑木林の合間にヤブツバキが自生する。 頓泊のカラタチ群落 五島市玉之浦町丹奈郷 1954年12月21日 カラタチは生垣やミカン栽培の接木として中国から輸入されたものが多く、「唐橘」が転じたものとも言われる。五島や対馬には自生地がある。福江島西岸の指定群落は海岸に近い雑木林にあり、多様な木の合間に多数の株が自生している。 平戸古館のビロウ自生地 平戸市大久保町 1956年4月6日 ビロウはヤシ科の高木で、福岡県沖ノ島が北限である。旧藩邸跡といわれる一帯は「古館」と呼ばれ、50本ほどのビロウを中心に民有林が形成されている。高さ10mを超える高木も見られる。ビロウ林の足元に多様な低木・草本が広がる。 平戸口のビロウ自生地 平戸市田平町山内免 1956年4月6日 ハクモクレンの巨木で知られる海寺跡に隣接し、野田熊野神社の境内に自生する20本あまりのビロウ林。沖ノ島をはじめ玄界灘の離島を除くと本土最北端のビロウ自生地となる。境内を含む周辺を含めると、40本あまりが確認できる。 勝本のハイビャクシン群落 壱岐市勝本町東触 1951年7月3日 風の強い海岸に自生するため、匍匐成長するビャクシンの一種。園芸種は全国的に普及しているが、自生地は朝鮮半島から西九州に点在し、国の軽度懸念LC。勝本港外の辰ノ島群落は国指定で、壱岐本島北端の串山半島の群落が県指定。 平戸市中の浦の蘇鉄群落 平戸市大久保町 1952年5月13日 藩政時代に平戸藩家老熊沢邸があった中の浦海岸沿いの丘陵地に60株前後のソテツが群落を形成する。旧熊沢邸を中心に500メートル連なる。敷地内に人工植樹された株も指定対象だが、敷地外の群落は自然発生したものと考えられる。 七岳のリュウビンタイ群落 五島市玉之浦町荒川郷 1954年12月21日 リュウビンタイは全長1メートルを超える大型シダで、県絶滅危惧II類。北限は伊豆半島。福江島最高峰の七ッ岳登山道に沿う渓流に雑木林があり、樹床の各地にリュウビンタイが自生していた。平成19年(2007年)調査では数株が残存するのみだった。 丹奈のヘゴ、リュウビンタイ混交群落 五島市玉之浦町丹奈郷 1954年4月13日 ヘゴは高さ4メートルを超える木生シダで、県絶滅危惧IA。北限は紀伊半島・五島列島。国指定北限地から離れた雑木林に、指定当時は多数のリュウビンタイと40株のヘゴが自生していたが、平成7年(1995年)調査ではヘゴが発見できなかった。 島山島のヘゴ自生地 五島市玉之浦町玉之浦郷 1970年1月16日 玉之浦湾の西岸をなす島山島中部の浅切浦の雑木林に数本のヘゴが自生している。高さ7メートルを超える巨木も見出せたが、指定時の段階で若木・幼木の発生が確認できなかった。西海国立公園保全計画の中でも重要拠点として保護が進められる。 奈良尾のヘゴ自生地 新上五島町奈良尾郷 1966年4月18日 昭和初期に遠足中の小学生が発見した若木の群落で、大正15年(1926年)に国指定天然記念物となった玉之浦の北限地を更新した。発見当時の樹高は3メートル程度。福江島のヘゴが壊滅に近い状態のため、保護が急務になっている。
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植物群落
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植物群落(しょくぶつぐんらく)とは何種類かの植物がまとまってつくる植物の集団を指している言葉である。単に群落ともいう。主に場所ごとに異なった植物群を識別することができる。そのことにより、それぞれ特有の種類組成を示して見せることができる。これを比較してゆくと、類似した環境にはほぼ同一の植物群が出現することがわかる。そこで植物名や環境の名称を頭にかぶせてそれぞれの植生を植物群落として認め、それぞれの名を与えて用いる。植物社会学で植物群落を分類する際には、群集を基本単位として用いる。このような研究に於いては、まずその場にどのような植物の種が、どの程度の量、面積で生育しているか、といった情報を集める必要がある。そのための調査を植生調査という。
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