臨海部とは? わかりやすく解説

ウォーターフロント

(臨海部 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/24 22:31 UTC 版)

ウォーターフロント英語: waterfront)は、文字通りには「河岸・海岸通の土地・水辺」といった意味となるが、今日メディアに多用されている用途では、過密化する都市の新たな開発区域としての港湾・臨海部を指して使用される。

ウォーターフロント開発の先駆とされるアメリカ・ボルチモアのインナーハーバー地区英語版

歴史

日本において港湾部が注目されはじめたのは、神戸市ポートアイランド1981年)とされる。埋立地のほかにも、既存の港湾周辺では、コンテナ化など物流形態の変化による空き倉庫の増加や、工場の撤退などの状況があって荒廃が進んだため新たな開発で再生が期待されるようになったものである。

世界的な先駆は、アメリカ合衆国ボルチモアとされる。1960年代後半から30年に亘る計画の元に着手され、ショッピングセンターや大型水族館が整備されるにいたり、湾岸部が市民や観光客に開放されて賑わいを取り戻した。

日本におけるウォーターフロントブーム

神戸ハーバーランドMOSAIC(手前)とメリケンパーク
青森ベイブリッジ(右奥)とアスパム(左前)が佇む青森ウォーターフロントの夜景

サンフランシスコフィッシャーマンズワーフボストン水族館などのウォーターフロント開発の成功事例を参考に1980年代より日本でも導入された。

はじまりとなったのは、1981年に竣工した神戸市の当時世界最大であった人工島ポートアイランドである。これに、倉庫街や貨物駅といった古い港湾施設の再開発によって誕生した神戸ハーバーランドの二つの事業に対し、今後の都市開発に先人的な役割を果したとして日本都市計画学会石川賞がそれぞれに授与されている。神戸市ではその後も六甲アイランドHAT神戸マリンピア神戸などウォーターフロント開発が活発に行われた。

首都圏では、東京佃島天王洲臨海副都心お台場有明)・汐留葛西横浜市横浜みなとみらい21千葉市幕張新都心などの再開発が行われた。本来、これらの地域は工業・港湾用地として造成されたものだったが、石油危機以降の重厚長大産業の衰退や港湾施設の移転に伴い商業・住宅用地に計画変更された。芝浦の空き倉庫を利用したディスコライブハウス浦安市東京ディズニーリゾートなども人気を集めた開発の一つである。

大阪では、天保山ハーバービレッジや南港の咲洲USJといった港湾地区以外に、河川を活用した湊町リバープレイス道頓堀川沿いの「とんぼりリバーウォーク」などの開発がみられる。中之島周辺では、阪大病院跡地を開発した水都・OSAKA αプロジェクトも展開している。大阪近郊では堺市堺浜シーサイドステージも知られる。

その他の日本でのウォーターフロント開発の例として、青森市青森ウォーターフロント釧路市フィッシャーマンズワーフMOO小樽市ぱるて築港名古屋市ガーデン埠頭金城埠頭敦賀市金ヶ崎緑地高松市サンポート高松北九州市門司港レトロ地区、福岡市シーサイドももち長崎市長崎水辺の森公園佐世保市ポートルネッサンス21鹿児島市ドルフィンポートなどが挙げられる。

ギャラリー

日本

北海道地方

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

海外

関連項目


臨海部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:04 UTC 版)

日本の港町」の記事における「臨海部」の解説

三津七湊 - 室町時代末に成立した日本最古海洋法規集である『廻船式目』に、日本の十大港湾として記されている三津・七湊港湾都市総称 旧居留地横浜大阪神戸長崎東北地方 野蒜築港 十三湊 - 日本中世から近世にかけて、青森県五所川原市十三湖辺りにあった土崎 - 室町時代には安東水軍拠点となる。江戸時代には北前船中継地、大戦前は近辺油田から集積した製油産業栄えた現在の秋田港酒田 - 最上川河口位置し内陸との水運西廻海運一大中継地として大い栄えた関東地方 船橋 - 鎌倉時代から江戸湾東京湾)と房州常陸下野各地を結ぶ重要な戦略物資集積拠点として発展した都市銚子 - 醤油味噌、みりん、海産物江戸に運ぶ利根海運交易都市として、また東北からの東廻海運の港で栄えた三崎 - 古くより漁港として栄える。かつては日本一のまぐろ水揚げ量を誇る。いまも三崎まぐろブランドで有名。 浦賀 神奈川県横須賀市 - ペリー来航によって開港 六浦 - 神奈川県横浜市金沢区にある地名かつては武蔵国久良岐郡属し江戸湾港町として栄えた 品川 - 戦国時代から江戸湾における重要な戦略物資拠点として発展した神奈川湊 - 武蔵国橘樹郡神奈川現在の神奈川県横浜市神奈川区神奈川本町青木町付近にあった神奈川宿#神奈川湊 下田 - ペリー来航によって開港した伊豆の港 中部地方 安濃津 - 伊勢国安濃郡現在の三重県津市)に位置し日本古代から中世にかけて栄えた港湾 神社港 - 三重県伊勢市 船江 (伊勢市) - 三重県伊勢市 桑名市・港 - 室町時代から商人たちによる自由都市城下町 大湊 (伊勢市) - 24名の会合衆による自治都市 三国港 近畿地方 鳥羽市 - 鳥羽港#歴史近世以降志摩国政治・経済文化の中心地鳥羽藩城下町 堺 - 中世日本最大自由都市貿易都市堺泉北港参照高砂 - 能「高砂」で知られる古代からの港町で、近世は米と特産物集散地として栄えた室津 - 参勤交代西国大名大半室津入港して陸路進んだという、江戸時代拠点港にして最大級宿場摂播五泊 - すべて兵庫県内 新宮市 - 熊野川舟運利用した木材集散地 渡辺津 - 摂津国旧淀川左岸河口近く存在していた港湾。「窪津九品津)」とも呼ばれ現在の大阪市中心部天満橋から天神橋の間くらいの位置 住吉津 - 現在の大阪府大阪市住吉区西流する細江川通称細井川)の河口形成されていた住吉細江呼ばれる入江 難波津 - 古代大阪湾存在した港湾施設の名称である。現在の大阪市中央区付近 大輪田泊 - 兵庫県神戸市兵庫区所在していた港。日宋貿易栄えた中世にあっては兵庫湊(ひょうご(の)みなと)と呼ばれた坂越 - 兵庫県赤穂市東部坂越湾面する港町 中国・四国地方 牛窓 - 日本エーゲ海呼ばれる美港。古代より風待ち潮待ちの港と知られ瀬戸内水運要衝、また漁港物資集散港として栄えた鞆の浦 - 古代より潮待ちの港と知られた。江戸時代港湾施設が残る。現在は走島との連絡港や漁港としても機能倉敷 - 古くから水運要衝で、江戸時代初期には内陸との物資中継地。干拓により河港となる。 下津井 - 岡山県倉敷市児島地域にある地区古くから漁港物資中継港として栄える。玉島港生まれてからは、四国との連絡港として変化する玉島 - 江戸時代備中松山藩外港として栄える。 連島 - 中世から近世初頭高梁川河口沖の物資集散港としてさかえるも、干拓玉島港影響で港としては衰退西阿知 - 中世高梁川河口沖の物資集散港として栄えるも、干拓により陸地化し港町としての役目終える。 引田 - 醤油積出し港として昭和初期まで栄えた往時街並みが残る。 御手洗 - 瀬内海の島にある、昭和初期まで栄えた港。近代以前港町の姿を残す。 三田尻 - 山口県中南部地域。現在は防府市 竹原 - 広島県南中部 撫養 - 徳島県鳴門市撫養南浜撫養木津 九州地方 坊津 - 薩摩国川辺郡現在の鹿児島県南さつま市坊津町坊)の地名であり、日本古代栄えた三角港 - 熊本県宇城市三角町 日南 - 伊東家城下町飫肥港町油津 日向 - 廻船問屋港町

※この「臨海部」の解説は、「日本の港町」の解説の一部です。
「臨海部」を含む「日本の港町」の記事については、「日本の港町」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「臨海部」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「臨海部」の関連用語

1
京葉臨海コンビナート デジタル大辞泉
56% |||||




5
50% |||||

6
シンガポール‐フライヤー デジタル大辞泉
50% |||||

7
トロント‐アイランド デジタル大辞泉
50% |||||

8
ベネト州 デジタル大辞泉
50% |||||

9
マーライオン公園 デジタル大辞泉
50% |||||

10
レッド‐フック デジタル大辞泉
50% |||||

臨海部のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



臨海部のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウォーターフロント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本の港町 (改訂履歴)、神奈川区 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS