過度経済力集中排除法とは? わかりやすく解説

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かどけいざいりょくしゅうちゅうはいじょ‐ほう〔クワドケイザイリヨクシフチユウハイヂヨハフ〕【過度経済力集中排除法】

読み方:かどけいざいりょくしゅうちゅうはいじょほう

日本の財閥解体一環として大企業経済力集中排除し分散させるために、昭和22年1947)に制定され法律GHQ占領政策転換徹底せず、昭和30年(1955)に廃止された。集中排除法


過度経済力集中排除法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/03 13:34 UTC 版)

過度経済力集中排除法

日本の法令
通称・略称 集中排除法
法令番号 昭和22年法律第207号
提出区分 閣法
種類 経済法
効力 廃止
成立 1947年12月9日
公布 1947年12月18日
施行 1947年12月18日
所管持株会社整理委員会→)
公正取引委員会審査局
主な内容 財閥企業による経済支配の排除とその手続
関連法令 独占禁止法財閥同族支配力排除法
条文リンク 衆議院
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過度経済力集中排除法(かどけいざいりょくしゅうちゅうはいじょほう、昭和22年12月18日法律第207号)は、既存の独占的大企業の分割に関する法律である[1]

日本において大東亜戦争太平洋戦争第二次世界大戦終結直後1947年昭和22年)12月18日片山内閣の時に公布された[2]。通称集中排除法[3]

概要

当時の連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) 最高司令官ダグラス・マッカーサーの指示の下に行われた財閥解体を実施するための法律で、巨大独占企業を分割するための手続を定めていた。当初、325もの会社が分割の対象として指定されたが、その後のGHQの方針転換(逆コース)により、実際に分割されたのは次節の11社に留まった。

独占禁止法により持株会社が禁止されたため、コンツェルンの形での財閥はなくなったが、三井財閥住友財閥三菱財閥などは株式を持ち合う企業グループ三井グループ住友グループ三菱グループ)という形でその後も温存されることになる。

1955年(昭和30年)、第53代内閣総理大臣日本民主党総裁鳩山一郎率いる鳩山内閣は、過度経済力集中排除法等を廃止する法律案(内閣提出第42号)を提出し、田中角栄が委員長を務めた衆議院商工委員会等の審議の上、本法は、過度経済力集中排除法等を廃止する法律(昭和30年7月25日法律第87号)により、同日をもって廃止された[4]

以降は、事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立や、他の国内会社の株式を取得、または所有することにより国内で事業支配力が過度に集中することとなる会社になること等は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)によって制限されている[5]

なお、大日本帝國植民地時代朝鮮半島(現・大韓民国)で発祥した財閥は、21世紀の現在に至るまでそのままの形で存続している。

分割された会社

参考

  1. 陸上交通事業調整法に基づいて合併成立した鉄道会社は、過度経済力集中排除法の対象外とされた。このため、いわゆる「大東急」(戦時統合下の東京急行電鉄)の解体及び近鉄から南海の分離は、過度経済力集中排除法の適用を直接受けて実施された訳ではない。
  2. 1949年に実施された帝国銀行の分割は同法とは無関係である。
  3. 1950年に実施された三井物産三菱商事の解体も、同法とは別個に実施された。また、富士産業(旧・中島飛行機)の解体も同様である。
  4. 下記は状況が似ているが、同法の適用による企業分割ではなく、企業再建整備計画による分割である。

脚注

関連項目

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