四葉家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:46 UTC 版)
達也と深雪の実家。十師族の中では七草家と並び最有力勢力だが、徹底した秘密主義を敷いており世間には現当主の名前しか公開しておらず、その家風は良く言えば自主独立、悪く言えば唯我独尊と評されている。血統的な特徴として、精神干渉系魔法か、特異かつ強力な魔法のいずれかを身に付けやすい。四葉家本邸(旧第四研跡地)は旧山梨県の北西部にあるが、認識阻害の結界により外部からは発見されにくくなっている(最寄の駅は小淵沢駅)。他家にはない独自の風習がいくつかあり、分家は四葉と悟られないよう別の姓を名乗っており、「椎葉」「真柴」「新発田」「黒羽」「武倉」「津久葉」「静」の有力七家から構成されている(「司波」は深夜の結婚に伴い新設された)。また、四葉真夜誘拐事件の反省として四葉一族の重要人物には「ガーディアン」と呼ばれる護衛が原則、就くことになっている。 2062年に起こった四葉真夜誘拐事件の報復として単独で大漢を崩壊に追い込んだ通称「2062年の悪夢」により、全世界の魔法関係者からは「触れてはならない者たち(アンタッチャブル)」と忌避されている。 また四葉家には政府とは別に四葉家のスポンサーとなり、凶悪犯罪を目論む、または犯した魔法師のような「魔の闇に落ちた人間」を捕らえ、秘密裡に処分する役目を与えた非公式の秘密組織「元老院」と呼ばれる後援者がおり、その意向は現当主の四葉真夜ですら無碍に扱えない。四葉家の工作活動には政府の要請以外にもその人物からの依頼であるものも多いようであり、実質四葉家が気にかけ、影響されることを受け入れている唯一の存在である。 四葉 真夜(よつば まや) 声 - 斎藤千和 四葉家の現当主。司波兄妹の実母である司波深夜の双子の妹で、達也と深雪の叔母にあたるが、2097年からは達也の戸籍上の母親となる(後述)。身長165cm、体重58kg。 およそ45歳(2097年2月4日時点で47歳)という齢をまるで感じさせない若さに見える妖艶な美女で、「極東の魔王」「夜の女王」の異名を持つ当代における世界最強の魔法師の一人と目されている。十師族としては東海地方、長野・岐阜方面の監視・守護を担っており、他の十師族当主のように表向きの家業には就いていないが私生活では主に魔法研究に努める。光の分布を偏らせる収束系統魔法を、生来の得意分野とする。 12歳の時に台北で大漢に誘拐され、魔法師の人工繁殖などを含めた非人道的な魔法師開発の人体実験に利用される。救出された後に実験で壊されていた精神を癒すため、姉の深夜によって精神構造干渉を用いて経験の記憶を知識の記憶へと変質させられた。この事件により生殖機能を破壊され喪失したことが理由で七草弘一との婚約は破談となり、記憶の変質で自分が自分以外のものに変えられた(=過去の自分を殺された)と感じた事が原因で姉を憎み姉妹仲も険悪なものとなった。当主になりたてのころに「人造魔法師実験」を計画し、通常の魔法師としての能力を持たない達也はこのままでは四葉の中で生きていけないと実験体にして魔法師に仕立てた。性格は二面的で、情が深くおだやかな口調で話すも、暗殺や洗脳といった行為を日常的な口調で命じるなど、冷酷な性格でもある。また、かつて深夜と共に九島烈の教えを受けていた時期がある。 姪にあたる深雪を自らの後継者候補とする一方、達也を深雪のガーディアンという低い立場に置き、無関心を装いつつも彼を「最悪最凶の魔法兵器」と称し注視していた。真夜は達也に対して歪んだ愛情を抱いており、これは自身の世界に報復したいという願いが母体である双子の姉に作用した結果、彼という世界を破壊する者が誕生したのだから、血が繋がっていなくとも達也は姉のではなく自分の子供であるというもの。司波兄妹の叛意を承知しており、兄妹が四葉を裏切らないよう策を巡らせ、深雪を次期当主に指名。その婚約者として達也が自分の息子であると世間に公表した。自らの専属執事である葉山に対しては、彼がスポンサーから派遣された監視役のエージェントという事実を踏まえた上で公私共に信頼を置く。 七賢人の一人。四葉家を排除すべき脅威とみなしたクラークによって四葉家の秘密を探る目的でフリズスキャルヴのアクセス権限を与えられていたが、ディオーネー計画の宣言後はその権限を停止させられる。 司波 深夜(しば みや) 声 - 井上喜久子 達也と深雪の実母で、真夜の双子の姉。旧姓は「四葉」。故人。世間では結婚もせず、子供も作らぬまま死去したとされている。 真夜と同じく、およそ42歳だった3年前でも「少女のように可愛らしい」と言われ、実年齢が30歳、外見年齢が20歳過ぎ程度の桜井穂波と並べて歳下に映ったほど若々しい美女。禁忌の系統外魔法「精神構造干渉」を世界で唯一扱う魔法師として、「忘却の川の支配者(レテのミストレス)」の異名で畏怖されていた。 真夜が計画した「人造魔法師実験」の実行役を担い、当時6歳の達也に「人工魔法演算領域」を植え付けた代わりに「強い情動を司る部分」を白紙化した張本人。深雪は「お母様自身も感情の一部を喪失している」と推測しているが、達也に対しては使用人同然に恐ろしく冷淡に接する。しかし追憶編の沖縄開戦時においては、実の息子である達也を自慢するような言い方もしていた。真夜の話では達也の魔法が暴走しないよう人造魔法師実験で感情を奪い取ろうとした際には最後まで抵抗の意思を見せ、結局息子を世界の破壊者にしないために実行し、自分の負担も惜しまずに彼の情動だけを取り除くよう配慮する。また、深雪が魔法を暴発させ、達也がコキュートスで止められないようにするため、深雪に達也への無関心を植え付けようと深雪の前で達也に対し冷淡な態度をとり、淑女として徹底的に教育を施す。 双子の妹の真夜とは仲睦まじい姉妹であったが、2062年の誘拐事件で心に深い傷を負った真夜を救うために父親に命じられて精神構造干渉を用いた結果、真夜からは恨まれることとなり、それ以来険悪な仲となった。また、事件前は真夜と共に九島烈の教えを受けていた時期がある。 過度な魔法の酷使によって10代から健康を損ね入退院を繰り返し、本編開始直前の2094年に死去している。 司波 龍郎(しば たつろう) 声 - 子安武人 達也と深雪の実父。旧姓は司馬。サイオン保有量が規格外に多いという魔法資質を持ち、その遺伝子に目を付けた四葉家によって深夜と結婚させられる。達也と深雪のサイオン保有量の多さは父親譲りであるが、CADの発達により本人はその資質を成果に結びつけられず、魔法師としては大成しなかった。 四葉家が正体を隠して出資し設立したFLTの開発本部長を務める重役で「椎原 辰郎」というビジネスネームを使用している。亡き妻である深夜の持ち株を相続して最大株主となっているが、実質的には次期当主候補である深雪の管財人に過ぎず、支配権は四葉家に握られている上に、四葉本家への出入りも認められていない。 達也とは互いに無関心、深雪からは深夜の死後半年もせず元恋人である愛人(小百合)と再婚したことや、達也を息子扱いしない点などで嫌悪されている。深夜の生前から仕事を表向きの理由として愛人宅で生活しており、再婚後もFLTにほど近い小百合のマンションに居住し、兄妹とは別居している。 司波 小百合(しば さゆり) 声 - 豊口めぐみ 司波龍郎の後妻。旧姓は古葉。龍郎とは同い歳で、深夜と結婚する前から恋人関係にあったが、四葉家の横車によって別れさせられ、深夜が死去するまで愛人の立場に甘んじていた。 魔法工学の研究者としてFLTに入社しながらも大した成果を上げられずに管理部門に異動させられた経歴から、研究者として華々しい成果を上げている達也に嫉妬と対抗意識を抱いており、義理の母親という立場から達也を利用しようと目論んでいる。深雪からは龍郎と同じく嫌悪されており、母ではなく他人の扱いを受けている。 四葉 元造(よつば げんぞう) 四葉家先々代(初代)当主。深夜と真夜の父で司波兄妹からは祖父にあたる。故人。妻の阿部 泰夜は2062年の事件以前に死去している。 九島烈とは親しい間柄だったようで、その縁で烈に深夜と真夜の家庭教師を務めてもらっていた。 2062年に大漢が真夜を誘拐した末に人体実験の実験台とした非道への報復のため、四葉の総力を挙げて復讐を成し遂げるも過度な魔法の酷使によって死亡。この際に行われた報復により「四葉に手を出してはいけない」というタブーを世界各地に知らしめる結果となった。また、元造達の死因である魔法の過剰行使により魔法演算領域の機能が損なわれる現象、『魔法演算領域のオーバーヒート』の治療法の開発に四葉が乗り出すきっかけともなった。 四葉 英作(よつば えいさく) 四葉家先代(二代目)当主。椎葉家現当主の父で深夜と真夜から見て叔父(元造の弟)に当たる。故人。 他人の魔法演算領域を解析し、潜在的な魔法技能を見通す精神分析系の能力を備えており、四葉に伝わる魔法演算領域分析系の術式の基を築いた人物。 生まれたばかりの達也の魔法資質を解析し、分家衆の反対を押し切りその有効活用を目指した。そのため、達也に幼少期から戦士としての訓練を徹底的に施した。 黒羽 貢(くろば みつぐ) 声 - 斧アツシ 四葉家中で諜報・工作を担当する分家筆頭「黒羽家」の現当主で、亜夜子と文弥の父親。黒羽重蔵(故人)と四葉夢女(元造の妹)の息子で、深夜と真夜とは従姉弟の関係(司波兄妹から見た叔従父)。 身内のパーティなどでよく子供たちの自慢話をするなど亜夜子と文弥を溺愛しているが、二人が達也と親しくするのを快く思っていない。芝居がかった大仰な口調が特徴だが、暗殺を平然と命じ、時には部下を見捨てる非情な対応をとりながらその部下に対して甘いとも言える態度を取るなど矛盾した性格で、部下でさえも本心が掴めない男性。一方、黒羽家は本家当主への絶対の忠誠を刷り込まれているため、内心で真夜を畏怖しており、また後述の理由から達也と接する時(もしくは達也が関連する時)は感情的になることが多い。 達也をガーディアンとして見下していたのではなく、出生の秘密を知るが故に「四葉の罪の結晶」と呼び、自分たちの身勝手な思いが作り出した怪物として忌避し、四葉家内に封じ込めておくことが自分たちの義務だと思い込んでいる。このことは新発田、椎葉、真柴、静の四家も同様である(武倉と津久葉は譲歩を見せている)。 東雲 吉見(しののめ よしみ) 四葉家の遠縁(と思われる)東雲家の娘で、黒羽貢の妻・「東雲 亜弥」の姪(兄の娘)で黒羽姉弟から見て母方の従姉にあたる。現在21歳だが大学などには通っておらず、高校も融通が利く通信制を卒業しており、在学中から黒羽の諜報任務に従事していた。キャスケットにサングラス、マフラーで人相を隠しているが世界的に稀有な異能「サイコメトリー」能力者で、人体に残った想子情報体の痕跡を読み取ることができ、この能力で死者の記憶を読み取っている。吉見の能力こそが黒羽家の奥の手であり、異様な諜報能力の高さの秘密である。 黒川 白羽(くろかわ しらは) 黒羽家配下の魔法師で、若くて腕が立つという条件から工作員として黒羽文弥をサポートしている。甲賀二十一家の末裔で、奇術の方の空蝉の術と『照陰鏡(しょういんきょう)』という殺気を見る忍者技術に長けている。 津久葉 夕歌(つくば ゆうか) 津久葉家現当主である津久葉冬歌の一人娘で、津久葉家次期当主。身長160cm、体重48kg。魔法大学を卒業し、現在は大学院生。第一高校OGで、2091年二学期から半年間生徒会副会長を務めた。高校在学中は魔法力を隠していたが精神干渉系魔法全般に強く、母譲りの高い適性を持つ。大学院では『魔法演算領域のオーバーヒート』を研究している。性格は親しみやすい口調だがドライなところがあり、自分のガーディアンが死んだ際にも悲しむより自分の護衛から解放されてほっとしているだろうと淡白な返答をした。 四葉家次期当主候補の一人で深雪との関係は中立的で相互不干渉、達也に対しても本当の能力を知っているため見下すようなことはなく、むしろ達也が一族内で忌避されている理由に興味を抱いている。新発田など分家衆から妨害を受ける司波兄妹を援護し、元々母共々深雪を推していたため予定通り大晦日の会食で候補を返上、深雪を当主に推薦した。 使用する魔法は想子の音で恐怖という情動を強制的に発生させ、精神を攻撃する「マンドレイク」。想子の音で広がるため物理的に音波を妨害してもとめられないが、魔法による音波遮断であれば軽減できる。 津久葉 冬歌(つくば とうか) 四葉家の分家である「津久葉家」現当主。冬歌の母である津久葉彩歌と四葉元造が従兄妹の関係で、夫は入り婿である。 精神干渉系魔法を得意とし、特に「誓約(オース)」という特殊な魔法の第一人者である。「誓約」は被術者の同意の下、半永続的に被術者の精神活動を制限する効果を持つ。「誓約」の条件として施術者の意思によらない解除用の鍵を設定しなければならないが、相手の自我を維持しつつマインドコントロールが可能な利用価値の高い魔法である。 夕歌によれば「津久葉家」は「黒羽」や「新発田」に比べると、実力で一段劣るらしい。また一族の懸案事項となっている達也の処遇に対しても、他の分家当主が達也を忌避する中、武倉と共に譲歩の姿勢を表明している。 桜崎 千穂(おうざき ちほ) 津久葉夕歌の新しいガーディアンを務める女性魔法師で、調整体「桜」シリーズの一人。桜井穂波や桜井水波とは異なる受精卵をベースにした、別の血統の第二世代で年齢は水波より八歳上。桜崎奈緒という妹がいる。 桜崎 奈穂(おうざき なお) 調整体「桜」シリーズの一人で、桜崎千穂の妹。2096年の時点で15歳の少女で、子供のような外見をしている。過去の歴史的有名人の辞世の句を呟くことで発動する、独自のフラッシュ・キャストを使用する。コードネームは「シェル」。 姉の千穂とは違って魔法特性が護衛向きではなかったために、暗殺者としての訓練を受けて、2096年5月に家政婦兼暗殺者見習いとして榛有希の下へ派遣される。 新発田 理(しばた おさむ) 四葉の分家「新発田家」現当主。理の父・四葉兵馬(故人)は元造の叔父にあたり、元造とは従兄弟の間柄。武断的な気質の持ち主で息子の勝成が四葉次期当主に相応しいと思いつつも、四葉としての魔法の資質に優れる深雪の当主指名には反対していない。 達也への忌避感が強く、勝成に2097年元旦の深雪たちの慶春会出席を妨害を指示し、「椎葉」「真柴」「静」と共に妨害計画を主導する。 新発田 勝成(しばた かつしげ) 新発田家現当主である新発田理の一人息子。第五高校OBで、魔法大学を卒業し今年防衛省に入省した23歳。高校在学中は魔法力を隠していた。身長188cm、体重80kg。 物質の密度を直接操作する収束系魔法「密度操作」を得意とする。普通の魔法を得意とする、四葉の魔法師らしからぬ普通の意味で優れた魔法師。事務職だが体格にふさわしい格闘戦能力を持ち、四葉家が現在抱える戦闘魔法師の中でもトップクラスの実力の持ち主。直系の血筋である達也を見下しておらず、その実力と有益性を把握している。琴鳴とは恋人同士であり、ガーディアンにしているのは側に置くための口実である。 四葉家次期当主候補の一人だったが、深雪の当主指名自体には納得している。理の指示で深雪たちの慶春会出席を妨害するが失敗に終わり、大晦日の会食で候補を返上、代わりに真夜にガーディアンの堤琴鳴との結婚を口添えしてもらい、2097年の慶春会で婚約を発表する。 ワイアット・カーティス上院議員から依頼されたミッドウェー監獄でのカノープスの脱獄計画では達也のサポートとして同行し、クラークによって主導された巳焼島事変ではパラサイト化したスターズの恒星級3人を相手に圧倒するほどの実力差を見せつけた。 堤 琴鳴(つつみ ことな) 新発田勝成のガーディアン。奏太の実の姉で魔法大学卒の24歳。第五高校OBだが、勝成のため年齢を一歳誤魔化して高校に通っていた。勝成とは恋人同士。身長165cm、体重58kg。 調整体「楽師シリーズ」の第二世代。「楽師シリーズ」は振動系魔法、特に音波に干渉する魔法を得意とする戦闘用に作られた魔法師である。琴鳴は攻撃的魔法より索敵や幻惑、探知妨害、ダメージ軽減を得意としている戦闘補助タイプである。「サイレントヴェール」「パッシブソナー」「音響爆弾」を得意とする。 2097年の慶春会で勝成と婚約する。 堤 奏太(つつみ かなた) 新発田勝成のガーディアンで琴鳴の弟。第五高校OBで、魔法大学二年生の20歳。ライブハウスでセミプロのミュージシャンとして活動もしている。身長170cm、体重62kg。 姉と同じ調整体「楽師シリーズ」の第二世代で音に関する魔法に高い適性を持つ。攻撃的な魔法である「フォノンメーザー」や「音響砲(アコースティック・キャノン)」を得意とする。 作間(さくま) 新発田家に長く仕えている初老の男性の使用人で、本家の葉山と同じような役割を新発田家で担当している。 葉山 忠教(はやま ただのり) 声 - 中博史 先代の四葉当主から引き続いて真夜に仕える序列第一位の執事長。外見は初老のようだが実年齢は70歳を越している。 他の執事達が各部門の統括責任者であるのに対して、当主のプライベートな用向きを果たす執事は葉山のみで、主である真夜に直言出来る四葉家中の数少ない人物であり、真夜が仕事以外のプライベートや本音を含んだ会話をするなど公私にわたって信頼されている四葉家の重鎮。当主専属の執事という職業柄、四葉の内情を知り尽くしており達也の能力を知っているため達也を見下すようなことはなく、達也に対して四葉家の直系として敬意を抱いており、達也に対して忌避感を抱く貢を逆に戒める発言をしている。分家当主ですら知らない深雪の秘密や真夜と達也の偽りの親子関係も知らされるなど抱える情報量では四葉分家当主すら超えている。分家当主ですら立ち入ったことのない真夜の私室への入室も許されており、国防軍との達也の貸与交渉では真夜の名代として交渉を担当するなど佐伯からも一目を置かれている。 実力は高くないが実は魔法師で、その能力を給仕などに使っているとのことで、真夜をして「細やかな魔法の使い方では自分も敵わない」と言わしめるほどである。 スピンオフ『魔法科高校の優等生』の第1話では、達也に対して好意的な態度で登場している。四葉家の中で、序列の低い達也を見下していない点でも数少ない人物の一人である。 実は四葉家のスポンサーである組織「元老院」から四葉家を監視するために派遣されたエージェントであり、当主にのみ知る秘密であるが、本人は長きに渡り苦楽を共にした経験から、元老院エージェントとしてより真夜の執事としての自分に重きを置いている。 花菱 但馬(はなびし たじま) 四葉家の仕事の斡旋を行う序列第二位の執事で四葉が外部からスカウトした魔法師。四葉の内情を知る「内陣(インナー)」。魔法力は平凡だが実戦経験が豊富な退役軍人で四葉の実働部隊(私兵)の統括、魔法関連の裏仕事のスケジュール調整や装備の支給も担当する、ある意味で四葉の司令塔の役目を果たす執事。 花菱 兵庫(はなびし ひょうご) 花菱執事の息子で、四葉家の青年執事。かつて身元を偽って、イギリスのPMSC(民間軍事会社)に潜伏していた。2097年4月14日の時点で日本に帰国しており、以降は達也の専属執事の役割を果たしている。 達也と深雪を主と認め、その補佐を忠実に務めており、逆に達也を息子とみなしていなかった父親の龍郎に対しては口調は慇懃ながらも軽蔑し見下した態度を隠そうとしていない。 紅林(くればやし) 四葉家の序列第三位「内陣(インナー)」の地位にいる執事。五十代前後の外見の男性。四葉家において魔法師調整施設の管理を担当しており、調整体魔法師の製造設備だけでなく、後天的な魔法力強化施設も管理している。四葉家の内情を知る「内陣(インナー)」であることと、本人の性格から達也に対しても丁寧な態度で接する。「魔法科高校の劣等生 ドリームゲーム8」に登場する。 青木(あおき) 声 - 佐藤晴男 四葉家の財務を担当する序列第四位の執事。深雪に敬意を払う一方で、同じ血を引く達也を使用人と同列にしか見ていない(これは上位三人とは異なり、国家機密でもある達也の能力を全て知らされていないからでもある)。 黒田(くろだ) 四葉家の外部の人材採用・スカウトと村外の不動産の管理を担当する序列第五位の執事。 白川(しらかわ) 四葉家の使用人の統括において葉山の補佐を担当する序列第六位の執事。夫人は本家の家政婦を統括しているメイド長。 木村(きむら) 四葉家の本拠地の村長代行と村内の不動産の管理を担当する序列第七位の執事。 小原(おばら) 四葉家の車の手配を担当する序列第八位の執事。達也に対しては比較的まともな態度をとるが、達也の能力を全て知らされていないため目下と見做している。前歴は交通機動隊。 桜井 穂波(さくらい ほなみ) 声 - 遠藤綾 故人。遺伝子操作により魔法資質を強化された調整体魔法師「桜」シリーズの第一世代で、生まれる前から四葉家に買い取られている。2087年ごろから司波深夜のガーディアンとなり、身の回りの世話も担当していた女性。ガーディアンになる以前は、警視庁に就職してSPをしていた。 司波兄弟からは姉のような存在として慕われていたが、大亜連合による沖縄侵攻時に艦砲射撃への防御力を持たない達也を守るために障壁魔法を酷使して死亡しており、彼女の死は感情のほとんどを失った達也にとってもトラウマとして心に残り続けている。 若宮 刃鉄(わかみや はがね) 調整体魔法師「鉄(くろがね)」シリーズとして生まれた男性。元軍人で、鉄シリーズの最高傑作とされていたが、12歳のころに「魔人兵士開発研究会」通称「魔兵研」のメンバーであった多中少佐によって強化兵士の実験体にされ、3年後に強化施設を脱走した。以後魔兵研のメンバーを憎悪し、フリーの殺し屋「リッパー」として活動していた。ナイフを使った高周波ブレードと術式解体を得意とする。 魔兵研のメンバーを狩り続けている最中に、偶然黒羽家から同じターゲットの暗殺を依頼されていた亜貿社のメンバーと一時対立するも、有希の判断により互いに不干渉という協定を結び、さらに若宮に目をつけた四葉家の使者として両角からスカウトを受ける。多中少佐の暗殺には護衛の仲間杏奈によって阻まれ失敗し、負傷するも黒羽家により救出された。以降は黒羽家の傘下として有希、奈穂とチームを組むことになり、文弥の意向で術式解体の向上のために九重寺にて八雲の高弟である巻雲に修行をつけてもらうこととなった。その際文弥から自分以上の術式解体の使い手として達也の話を聞かされ、戦慄を感じると同時に会ってみたいと興味を抱く。九重寺での修行後は剃髪してスキンヘッドとなり、粗暴な口調が矯正され丁寧で謙虚な態度となった。 四八 徹(よつや てつ) 『メイジアン・カンパニー』からの登場人物で、司波達也専用ジェット機の男性パイロット。 かつては「四十谷 徹(あいたに てつ)」とい名前の国防空軍のパイロットだった。しかし、2097年8月のUSNA軍による巳焼島攻撃を座視した国防軍に失望し、国防軍を退役して四葉家の配下になった。その際、百家・四十谷家の出身であったことから、四十谷家と縁を切って、名字を「四十谷」から「四八」に改姓した。
※この「四葉家」の解説は、「魔法科高校の劣等生」の解説の一部です。
「四葉家」を含む「魔法科高校の劣等生」の記事については、「魔法科高校の劣等生」の概要を参照ください。
- 四葉家のページへのリンク