開発・研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 08:16 UTC 版)
近年では表面筋電位の閾値ではなく、表面筋電位の波形そのものから義手が動作するような筋電義手も研究されている。しかし表面筋電位は極めて微弱であることから検知が難しく、誰でも使用可能というわけではない。また内蔵されたモーターが重く、価格も高価であるので、試用体験を通し、長所・短所をよく理解しなければならない。したがって切断に詳しい医師の診断と、経験豊富な作業療法士・義肢装具士のサポートが不可欠である。現在では筋肉の電気信号だけでなく脳波の読み取りや AI を併用することによって文字を書く、ピアノ を演奏するなどといった繊細な作業をこなすことができる。さらに、リハビリや練習などをしなくても 従来の義手よりもよりシームレスに動かすことができるほか、AI の学習により使用するほど自然な動作 が可能になる。 世界初の商用の筋電義手は1964年にソ連のCentral Prosthetic Research Instituteによって開発され、イギリスのHangar Limb Factoryによって広められた。 日本国内でも1968年から研究が行われたが、どれも試作段階で実用化されなかった。1979年に早稲田大学理工学部で加藤一郎教授が考案した「WASEDA ハンド」を元に今仙技術研究所のワイムハンドが完成した。 2015年、電気通信大学の横井浩史教授らの研究チームによって思い通りに動かせる義手が開発された。1-2分の訓練で使いこなせるようになるのが特徴。
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