近藤 浩平:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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近藤 浩平:ピアノ協奏曲 | Op.84 | 作曲年: 2005-2006年 |
スクリャービン(スクリアビン):ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):ピアノ協奏曲 | Concerto for piano and orchestra Op.20 | 作曲年: 1896-97年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 7分30秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante | 8分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro moderato | 11分00秒 | No Image |
作品解説
スクリアビン前期の作風は、特にエチュードOp.8などにおいては、よくショパンとの類似性を指摘されるが、この作品もその傾向を反映している。また、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(1901頃作曲)などともよく似た雰囲気がある。
スクリアビンに特徴的なクロス・リズムの多様などにより、技巧的な難易度は高い。後期ロマン派の情緒をよく表す美しい曲想をもつが、ラフマニノフの作品と比べると、演奏機会は大幅に少ない。
ヒンデミット:ピアノ協奏曲
バーバー:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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バーバー:ピアノ協奏曲 | Piano concerto Op.38 | 作曲年: 1961-62年 |
ピアノ協奏曲
シェーンベルク:ピアノ協奏曲
ロドリーゴ:ピアノ協奏曲
アーン:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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アーン:ピアノ協奏曲 | Concerto pour piano et orchestre | 作曲年: 1931年 |
小山 和彦:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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小山 和彦:ピアノ協奏曲 | Klavierkonzert | 作曲年: 2008年 |
シュナーベル:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シュナーベル:ピアノ協奏曲 | Klavierkonzert d-Moll | 作曲年: 1901年 出版年: 1986年 初版出版地/出版社: Association for the Promotion of New Music: New Jersey 献呈先: Artur Rosenheim |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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Moderato, d-Moll | No Data | No Image | |
Sehr rasch und frisch, A-Dur | No Data | No Image | |
Intermezzo. Andante grave, b-Moll | No Data | No Image | |
Rondo. Allegretto grazioso, D-Dur | No Data | No Image |
作品解説
交響曲的な4楽章編成、和声進行やオーケストレーションに関してはブラームスのピアノ協奏曲、ピアノ独奏者に要求される演奏技法の点ではシューマンのピアノ協奏曲からの影響を感じさせる。
1901年にシュナーベル自身がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演で初演したが、反響はあまり芳しくなく、以後この協奏曲が作曲者本人によって演奏されることはなかった。1920年代前半、弟子のエドゥアルド・エルトマンがこの作品の最後の2つの楽章、すなわちインテルメッツォとロンドを頻繁に演奏した。その際この2楽章編成の協奏曲は、恵まれた才能にも関わらず若くして作曲を断念した作曲家「レオポルト・ベックLeopold Beck」の作品として売り出され、かなりの人気を博した。この偽名はフランス語の“le bec”(「くちばし」の意)に由来し、ドイツ語で「くちばし」を意味する「シュナーベルSchnabel」を暗に示している。それ以来この協奏曲は、全2楽章のこのバージョンで知られ、出版・演奏されている。
最終楽章のロンド主題は、シュナーベルの第3交響曲(1949)の最終楽章の主題として後年再び用いられている。シュナーベルの書簡は、ここで印象的に用いられる5音モチーフ、すなわち、ホ-嬰ヘ-ニ-イ-嬰ヘ音の音型が妻テレーゼの隠喩であること、この主題を含んだこのロンド楽章を指揮者のアルトゥール・ニキシュが絶賛したことなどを伝えている。
ヴァーレン:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヴァーレン:ピアノ協奏曲 | Piano Concerto Op.44 | 作曲年: 1949-50年 |
ブリテン:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブリテン:ピアノ協奏曲 | Concerto for piano and orchestra Op.13 |
ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲 | Koncert na fortepian i orkiestre | 作曲年: 1987年 献呈先: Krystian Zimerman |
作品解説
その生涯を通じ新古典主義、民族主義、前衛など多様な音楽スタイルを提示してみせたルトスワフスキだが、彼の唯一のピアノ協奏曲は円熟した創作期である1987~88年に作曲された。部分的に「偶然性」の要素や、調性感ある音響、クライマックスの形成、ルトスワフスキ自らが考案した「チェーン」形式を盛り込むなど、多彩なファクターが散りばめられており、繊細で高度な技術をもってして実現したピアノ協奏曲の傑作である。
全4楽章構成。楽章間は休みを置くことなく、アタッカで一気に奏される。第一楽章の導入部では木管楽器により、静かにざわめくような音響が提示される。アド・リビトゥムの指示があるこの導入部は、演奏者一人ひとりが指定された音型を各々反復することで生じる音群。ルトスワフスキがジョン・ケージの音楽と出会ってから60年代に多用した「偶然性」の技法の一端がここに見られる。しかしこの作品では、これ以上不確定性の要素は拡大しない。その後に続く濃淡豊かなオーケストラの音響や、細かなパッセージが織り成すピアノパートはいずれも、音高、リズム、拍子等がスコアに精緻に書き込まれている(現代音楽では、それらが矢印や図形などで記されることが多い)。ルトスワフスキ自身もこの点について強調しており、次のように述べている。
「この作品のどこにも即興はない。演奏されるべき全ての音は詳細に書き記してある。それらは演奏者によって正確に再現されなくてはならない。アド・リビトゥムの部分と伝統的な書法による部分の基本的な違いはというと、前者においては演奏者たちが、共通した時間的区切りを一切持たないということである。つまり、個々の演奏者は独奏状態にあり、他の演奏者と調和しない。これによってある特定の効果、つまり、豊かで不規則なリズムによる柔軟なテクスチュアが生じるのだ。これは他の方法では得られない。」※(翻訳筆者)
第二楽章ではピアノとオーケストラが戯れのように掛け合いを繰り返す(モト・ペルペトゥオ)。後半にはカデンツァのような長いピアノソロの後、弦楽器により突如としてE-Gis-Hの調三和音の響きが提示される。この三和音は再び、静謐にして厳しい音響へと消えていくために印象深い。続く第三楽章の冒頭でもまた、長いピアノソロが独白のように続くが、後半には圧倒的な厚みのあるトゥッティ(全楽器が一度に奏する)が起こる。第四楽章では、バロック音楽のシャコンヌ、すなわち変奏曲の形態をとっている。またこれは、ルトスワフスキ自身が生み出した「チェーン形式」という技法が仕組まれている。ここではオーケストラの奏でるレイヤーとピアノが織り成すレイヤーが存在する。それぞれのレイヤーは、細かなセクションに分かれるが、そのセクションの始まりと終わりは互いにオーバーラップして起こり、同時に終始することはない。両者が重なり、かみ合うように、つまりチェーンが絡み合って構成されるようにして、楽曲が進行していくのだ。このチェーンの両レイヤーは楽章の終結部で初めて一つに収斂し、やがてオーケストラを背景としたピアノの力強い叙唱があり、続くコーダで締めくくられる。
ザルツブルク音楽祭からの委嘱作品であり、初演は1988年8月19日、ルトスワフスキ自身の指揮、オーストリア放送交響楽団、クリスチャン・ツィメルマンのピアノで行われた。演奏時間はおよそ27分。
チェルニー(ツェルニー):ピアノ協奏曲 イ短調
レスピーギ:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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レスピーギ:ピアノ協奏曲 イ短調 | Concerto for piano and orchestra P 040 | 作曲年: 1902年 |
アルベニス:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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アルベニス:ピアノ協奏曲 イ短調 | Concerto pour piano et orchestre Op.78 |
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲 イ短調 | Konzert für Klavier und Streichorchester a-Moll O 2 | 作曲年: 1821-22年 出版年: 1997年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
シューマン, クララ:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン, クララ:ピアノ協奏曲 イ短調 | Konzert für Klavier und Orchester Op.7 | 作曲年: 1833/36年 出版年: 1836年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro maestoso | 7分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Romanze: Andante non troppo con grazia | 5分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Finale: Allegro non troppo - Allegro molto | 11分30秒 | No Image |
作品解説
1833年、クララがわずか14歳の少女であった時に作曲された協奏曲。この協奏曲は、それまで相互に関連性の薄い小品集ばかりを作曲していたことを考えると、クララにとって大きな成長といえるだろう。これはクララのオーケストラ作品で唯一現存する作品である。
当初ヴェーバーやシュポーアの例に倣って協奏楽章、すなわちピアノと管弦楽のための単一楽章作品として構想されていた。そしてそれを、ローベルトと共同で作り上げようとしていた。1833年11月22日、クララは日記にこう記している。「私は協奏曲を完成した。シューマンは今、私が演奏会で弾けるように、それをオーケストレーションしようとしている。」また残されているスコアの最初のページに、ローベルトの字で「クララによる協奏楽章、ぼくの管弦楽編曲」と書かれている。しかしクララの中で、この頃には協奏曲にしようという考えがまとまっていたようで、1834年2月24日にローベルトがオーケストレーションを終えクララに渡した時、彼女はそれを「フィナーレ」と日記に記した。1834年にこの協奏楽章が初演され、他の楽章が完成するまで何度か単独でこの「フィナーレ」のみを演奏し成功を収めた。そして全楽章は1835年にメンデルスゾーンの指揮と、もちろんクララ自身のソロで初演された。
2つの速い楽章と1つのゆっくりとした楽章という、このジャンルの伝統的な構成。これを全楽章アタッカでつなぐという形式は、メンデルスゾーンのト短調の協奏曲(作品25)の影響だと思われる。第2楽章は明らかだが、全体を通してピアノ・ソロの優位が効果的であるが、これは19世紀前半の協奏曲にはよく見られる特徴である。なお、この時代の協奏曲によくあるように、この作品もピアノ五重奏やピアノ・ソナタ用としても出版され、作品の普及に貢献した。
第1楽章
自由なソナタ形式。まずオーケストラが、そしてピアノ・ソロが主要テーマを奏する、慣習的な方法を用いている。テーマがピアノに移ると、そこからはピアノが音楽をリードし、オーケストラは主にピアノを支える。変イ長調に転調した展開部は、ピアノ・ソロが主要テーマを変奏する。そして両手のオクターヴで一気に下行したのち、短縮された再現部へ。主調ではなく属調で、オーケストラによって進められる。ピアノによるアダージョの1小節が、ロマンスへの懸け橋となる。
第2楽章
上品で優しさにあふれるロマンス。冒頭の上行音形は、第1楽章との結びつきを示している。3部形式からなるが、はじめの2部分は叙情的にピアノのみで奏される。そしてオーケストラではなく、独奏チェロに旋律が引き継がれピアノと二重奏を演じる。これはシューマンのピアノ協奏曲やブラームスのピアノ協奏曲での有名なチェロ声部への刺激となったのかもしれない。
第3楽章
ロンド形式。ピアノがfで奏し始めるロンド主題が何度も現れる。356小節と第1・2楽章を合わせた長さよりも長く、規模・内容ともに充実した楽章。締めくくりにふさわしいだけでなく、単独で演奏されたことも納得できる。
それまでよりもオーケストラの重要性が増し、オーケストラの音色の操作、そしてピアノとの対話が光る。先ほども述べたように、ローベルトによるオーケストレーションだが、しかし彼の手が加わっているからといって、クララにとってこの作品の重要性が減少することはないはずだ。またローベルトの初期のオーケストラ書法を知るうえでも貴重な例となっている。
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 | Konzert für Klavier und Orchester a-Moll Op.54 | 作曲年: 1841,'45年 出版年: 1846年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 16分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Intermezzo | 5分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro vivace | 11分30秒 | No Image |
作品解説
唯一完成されたピアノ協奏曲。それまでたくさんのピアノ独奏曲や歌曲を書きつづけたシューマンであったが、1838年には自ら「ピアノは私にとってあまりに窮屈になってきた」と語り、前後にも4つの「交響曲」をはじめ数々のオーケストラ作品を残した。さてこの曲は第1楽章が1841年、第2、3楽章が1845年の作曲だが、ロマン派の他の多くの協奏曲がピアノにあくまでもきらびやかなヴィルトーゾ性を追及させることを最優先しているのとは少々異なり、時にはピアノがオーケストラの伴奏を受け持ったり一つのメロディーをかけあったりと、ピアノを多分にオーケストラ楽器の一つとして扱っているところに、後にたくさん残した素晴らしい室内楽曲の予兆を感じられる。
第1楽章:短いオーケストラによるドミナントの投げかけにピアノが連続する下降和音で答え、極めてドラマティックに幕をあける。第1主題はまずオーボエによって一度きいたら忘れられないメランコリックなテーマが奏でられ、すぐにピアノによって模倣される。そのあとメロディーは再びオーケストラに移り、長い駆け引きの後第1主題を発展させた第2主題が現れる。ここでもはじめピアノは管楽器によるメロディーの伴奏を受け持つが、このアルペジオによる伴奏形が実はかなりの超絶技巧である。展開部ではテンポ標示が「Andante」に変わり、思いがけない変イ長調で再び第1主題のモティーフが現れる。その後は突然冒頭の下降音型がオーケストラとの掛け合いで最高潮まで盛り上がったところで第2主題の発展型に続き、落ち着いたところで再現部を迎える。もともとこの楽章は作曲された時期的にも構成的にも独立した楽曲として構想されたと思われる。
第2楽章:Intermezzo 「間奏曲」という題にふさわしい短い楽章である。軽く愛らしい主題がピアノとオーケストラの掛け合いで進み、中間部は一転してチェロによる朗々としたメロディーをピアノが伴奏し、間合い的にピアノによるカデンツが挿入される。第1楽章のモティーフの後はそのまま第3楽章に突入する。
第3楽章:打って変わってイ長調の明るいホルン五度のテーマがここではピアノによって奏され、オーケストラが伴奏する。
途中でピアノが本来の三拍子、オケがヘミオラで掛け合いアルペジオを主体とした軽いピアノソロに続くが、これがまたくせもので軽さと和声進行をはっきりきかせるのは至難の技である。コーダはサブドミナントで余韻を残すように始まり、最後は華々しく分散オクターブで終わる。
パデレフスキ:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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パデレフスキ:ピアノ協奏曲 イ短調 | Klavierkonzert Op.17 | 作曲年: 1888年 |
フンメル:ピアノ協奏曲 イ短調
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 | Piano Konsert Op.16 | 作曲年: 1868年 出版年: 1872年 初版出版地/出版社: ライプツィヒ |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro molto moderato | 12分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Adagio | 6分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro moderato molto e marcato - Quasi presto - Andante maestoso | 9分30秒 | No Image |
作品解説
グリーグの作品においてのみならず、古今のピアノ協奏曲の中でも重要な位置を占める「名曲」。親友のエドムント・ノイペルトに捧げられており、完成の翌年、ノイペルトによって初演された。
フランツ・リストが本作品を初見で弾いて絶賛したというエピソードが伝わっており、今日一般的に使用される版は、このときのリストのアドヴァイスを反映したものとされている。また、シューマンのイ短調協奏曲との類似もよく指摘される。レコード商品としては、この2曲が組み合わされることが多い。
第1楽章は、イ短調のアレグロ・モルト・モデラート。4分の4拍子で書かれている。ティンパニのトレモロで開始し、そのすぐ後にピアノが、オクターヴによるパッセージを繰り広げる。このパッセージからして、既にノルウェーの情緒をうかがわせている。そこに続く第1テーマは、オーケストラの軽快なメロディーと歌唱声に溢れたメロディーから構成されている。そして、それに対比を成す第2テーマは、チェロが提示する。
第2楽章は、第1楽章の主調からみて長3度にあたる調の異名同音の変ニ長調で書かれている。アダージョのこの楽章は、8分の3拍子で、3部リート形式の形をとっている。弱音器を付けた弦楽器がノルウェーの情緒溢れるメロディーを歌い始う。中間部の繊細な音楽を経て、再現部では、ピアノが前面に出て歌いあげる。アタッカで次の楽章へと続く。
第3楽章は、アレグロ・モデラート・モルト・エ・マルカート。第1楽章と同じイ短調で書かれ、4分の2拍子の自由なロンド・ソナタ形式の形をとっている。マーチによる導入の後、ピアノのカデンツァで開始する。ノルウェー舞曲を思わせる第1テーマは、ピアノが提示する。そして、中間部では、フルートがとりわけ叙情性に溢れた牧歌的なメロディーを歌いあげる。その後、一度クァジ・プレストにテンポを急迫させてから、アンダンテ・マエストーソとなり、堂々とした終曲に至る。
ドヴォルザーク(ドボルザーク):ピアノ協奏曲 ト短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ドヴォルザーク(ドボルザーク):ピアノ協奏曲 ト短調 | Concerto for piano and orchestra Op.33 B.63 | 作曲年: 1876年 出版年: 1883年 初版出版地/出版社: ブレスラウ |
ヴィオッティ:ピアノ協奏曲 ト短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヴィオッティ:ピアノ協奏曲 ト短調 | Concerto per piano e orchestra | 作曲年: 1794年 |
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調 | Concerto pour piano et orchestre | 作曲年: 1929-31年 |
ハンソン:ピアノ協奏曲 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ハンソン:ピアノ協奏曲 ト長調 | Piano concerto Op.36 | 作曲年: 1948年 |
モーツァルト:ピアノ協奏曲 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ協奏曲 ト長調 | Konzert für Klavier und Streicher G-Dur K.107-2 | 作曲年: 1772年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 4分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Theme and Variations: Allegrett | 4分00秒 | No Image |
作品解説
ピアノ協奏曲第1~4番と同様、他人のピアノ・ソナタの編曲である。この作品の原曲にはそれぞれ、ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-82)の6曲のピアノ・ソナタ作品5から、第2、第3、第4番が取り上げられている。
クリスティアン・バッハはJ. S. バッハの末子で、最終的に活躍した地名から「ロンドンのバッハ」と呼ばれる。ミラノで勉強を重ねた彼の音楽は、イタリア風の優美で明るいギャラントな様式を特徴とし、モーツァルトに多大な影響を及ぼしたと考えられている。モーツァルトが彼と親しくなったのは、1764年から翌年にかけてロンドンに滞在した際、すなわち8歳のときであった。
この3つのピアノ協奏曲(K.107)は独奏ピアノ(チェンバロ)とヴァイオリン2部、そしてバスという簡素な編成で、原曲を大きく改作することなくその雰囲気を保持している。第2曲は、流麗な主題の耳に心地よい第1楽章と、独奏ピアノと弦楽による奥行きをみせながら変奏される第2楽章(主題と4つの変奏)から成る。モーツァルト自身によるカデンツァは残されていない。
ドライショック(ドライショク):ピアノ協奏曲 ニ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ドライショック(ドライショク):ピアノ協奏曲 ニ短調 | Konzert für Klavier und Orchester, d-moll Op.137 | 初版出版地/出版社: Senff |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ Mov.1 Allegro ma non troppo | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 アンダンテ Mov.2 Andante | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ Mov.3 Allegro vivace | No Data | No Image |
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 ニ長調 | Konzert für Klavier und Orchester D-Dur Op.61 | 作曲年: 1807年 出版年: 1808年 初版出版地/出版社: Bureau d'art et d'industrie |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 1.Satz | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 2.Satz | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 3.Satz | No Data | No Image |
作品解説
ピアノ協奏曲Op.61a(ヴァイオリン協奏曲Op.61の編曲)
Op.61aはベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲Op.61を、出版業も営んでいたクレメンティの依頼により、作曲家自身がソロパートのみをピアノ用に編曲したものである。この時ピアノ用のカデンツァも新たに書かれた。ベートーヴェンはピアノソロパートの作曲と平行で初演ヴァイオリンパートも改訂した。そのため現在演奏されている2稿には編曲と原曲の両層が重なり合うと言え、単純にヴァイオリン稿を原曲、ピアノ稿を編曲とは定めにくい。作曲家が初演稿を同時に2つの楽器のために練り直したとも捉えられる。
冒頭楽章はソナタ形式、第2楽章は変奏曲。ロンド楽章はソロパートのカデンツァからアタッカで始まる。終楽章のコーダは長いトリルに導かれ、ソリストの見せ場が絶頂に達して曲が終わる。
ベートーヴェンの自作編曲の多くは原曲を単に別媒体へ移したものではない。原曲と編曲の違いから楽曲構造や作曲家が意図しただろう奏法が細かく読み取れるのに加え、編曲は独自の創意工夫にも溢れている。Op.61aではピアノの左手という新たなパートが鍵を握る。左手は大部分が右手の旋律や管弦楽伴奏の補強に留まるように見えるが、その補佐的な左手から、小節内の強弱変化やアーティキュレーションなど、曲の構造や奏法へのヒントが得られる(ex.第1楽章409小節~、496小節~(右手2音を左手和音が纏める))。
一方Op.61aには、ヴァイオリンとは全く別の旋律線や、管弦楽とソロ及び両手パートの動機の呼応、ペダルの指示など、鍵盤楽器語法、左手の存在や楽器の特性に深く関わる独創的な点も目立つ(ex.第1楽章111~、333~、第3楽章)。更にOp.61aは、第1楽章全体を統一するティンパニの動機が、本来ソリストのみのカデンツァにも組込まれている点で、協奏曲として画期的な作品でもあるのだ。
Op.61aは、確かに弦楽器向けの音形も多く残るため演奏の難点が度々批判されるが、ピアノ協奏曲として独自の価値を持つことは疑いないだろう。
モーツァルト:ピアノ協奏曲 ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ協奏曲 ニ長調 | Konzert für Klavier und Streicher D-Dur K.107-1 | 作曲年: 1772年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 5分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante | 4分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Tempo di Menuetto | 4分00秒 | No Image |
作品解説
ピアノ協奏曲第1~4番と同様、他人のピアノ・ソナタの編曲である。この作品の原曲にはそれぞれ、ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-82)の6曲のピアノ・ソナタ作品5から、第2、第3、第4番が取り上げられている。
クリスティアン・バッハはJ. S. バッハの末子で、最終的に活躍した地名から「ロンドンのバッハ」と呼ばれる。ミラノで勉強を重ねた彼の音楽は、イタリア風の優美で明るいギャラントな様式を特徴とし、モーツァルトに多大な影響を及ぼしたと考えられている。モーツァルトが彼と親しくなったのは、1764年から翌年にかけてロンドンに滞在した際、すなわち8歳のときであった。
この3つのピアノ協奏曲(K.107)は独奏ピアノ(チェンバロ)とヴァイオリン2部、そしてバスという簡素な編成で、原曲を大きく改作することなくその雰囲気を保持している。第1曲は、ニ長調という明るい調性を活かした陽気な第1楽章、弦と独奏ピアノの調和した柔らかな緩徐楽章、そして主に独奏ピアノが主体のメヌエット楽章から成る。
カデンツァは、3曲のうち、この第1曲ニ長調の第1、2楽章にだけモーツァルトによって残されている。
コジェルフ:ピアノ協奏曲 ニ長調
ディーリアス:ピアノ協奏曲 ハ短調
ピエルネ:ピアノ協奏曲 ハ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ピエルネ:ピアノ協奏曲 ハ短調 | Concerto pour piano et orchestre Op.12 | 作曲年: 1887年 |
ヴォーン・ウィリアムズ:ピアノ協奏曲 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヴォーン・ウィリアムズ:ピアノ協奏曲 ハ長調 | Piano concerto | 作曲年: 1926-31年 |
レーガー:ピアノ協奏曲 ヘ短調
タールベルク:ピアノ協奏曲 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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タールベルク:ピアノ協奏曲 ヘ短調 | Konzert für Klavier und Orchester, f-moll Op.5 | 作曲年: 1830年 初版出版地/出版社: Cranz 献呈先: Czerny |
ヘンゼルト:ピアノ協奏曲 ヘ短調
メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲(第3番) ホ短調 (未完)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲(第3番) ホ短調 (未完) | Konzert für Klavier und Orchester Nr.3 e-Moll O 13 | 作曲年: 1842-44年 出版年: 2008 etc.年 初版出版地/出版社: Bärenreiter etc. |
モシュコフスキ:ピアノ協奏曲 ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モシュコフスキ:ピアノ協奏曲 ホ長調 | Piano concerto / Konzert für Klavier und Orchester, E-dur Op.59 | 作曲年: 1898年 初版出版地/出版社: Peters |
フンメル:ピアノ協奏曲 ロ短調
フンメル:ピアノ協奏曲 変イ長調
ザジツキ:ピアノ協奏曲 変イ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ザジツキ:ピアノ協奏曲 変イ長調 | Konzert für Klavier und Orchester, As-dur Op.17 | 作曲年: c1859-60年 出版年: c1868年 初版出版地/出版社: Bote |
ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲 変ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲 変ニ長調 | Concerto for piano and orchestra in D major | 作曲年: 1936年 |
マスネ:ピアノ協奏曲 変ホ長調
タネーエフ, セルゲイ・イヴァノヴィチ:ピアノ協奏曲 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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タネーエフ, セルゲイ・イヴァノヴィチ:ピアノ協奏曲 変ホ長調 | Piano Concerto in E flat major | 作曲年: 1876年 出版年: 1957年 初版出版地/出版社: Moscow |
アイアランド:ピアノ協奏曲 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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アイアランド:ピアノ協奏曲 変ホ長調 | Piano Concerto | 作曲年: 1930年 |
ゲッツ:ピアノ協奏曲 変ホ長調
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 変ホ長調 | Konzert für Klavier und Orchester Es-Dur WoO.4 | 作曲年: 1784年 出版年: 1890(独奏パートのみ)/1943(補筆完成版)年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
モーツァルト:ピアノ協奏曲 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ協奏曲 変ホ長調 | Konzert für Klavier und Streicher Es-Dur K.107-3 | 作曲年: 1772年 |
作品解説
ピアノ協奏曲第1~4番と同様、他人のピアノ・ソナタの編曲である。この作品の原曲にはそれぞれ、ヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-82)の6曲のピアノ・ソナタ作品5から、第2、第3、第4番が取り上げられている。
クリスティアン・バッハはJ. S. バッハの末子で、最終的に活躍した地名から「ロンドンのバッハ」と呼ばれる。ミラノで勉強を重ねた彼の音楽は、イタリア風の優美で明るいギャラントな様式を特徴とし、モーツァルトに多大な影響を及ぼしたと考えられている。モーツァルトが彼と親しくなったのは、1764年から翌年にかけてロンドンに滞在した際、すなわち8歳のときであった。
この3つのピアノ協奏曲(K.107)は独奏ピアノ(チェンバロ)とヴァイオリン2部、バスという簡素な編成で、原曲の雰囲気をそのまま残している。第3曲は、弦楽器が効果的に独奏ピアノによる主題を際立たせている第1楽章と、ヴァイオリンが独奏ピアノに代わって前面で活躍する場面をもつ第2楽章から成る。モーツァルト自身によるカデンツァは残されていない。
ウェーバー:ピアノ協奏曲 変ホ長調
ゲッツ:ピアノ協奏曲 変ロ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ゲッツ:ピアノ協奏曲 変ロ長調 | Konzert für Klavier und Orchester, B-dur Op.18 | 作曲年: 1867年 初版出版地/出版社: Kistner |
バークリー:ピアノ協奏曲 変ロ長調
固有名詞の分類
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