展開部
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展開部(てんかいぶ、英: Development、独: Durchführung)では、提示部で提示された主題(提示された複数の主題を扱う場合もあれば、もっぱらひとつの主題のみを展開させる場合もある)をさまざまに変形、変奏させる。激しい転調を伴う場合が多く、全曲中きわめて緊張感が高まる部分である。展開部の入り方は、反復進行(英: シークエンスsequence, 独: ゼクエンツSequenz. 音高を変えながら同じ音形を繰り返す)を行いながら転調して始まる、提示部や序奏の冒頭を用いるなどの方法が一般的である。展開の仕方の代表的な例では、まず主題をさまざまに転調し、次いでフーガ風・ポリフォニックに重ねた後、展開部の最後には属音を保続し(英: オルガンポイントorgan point, 独: オルゲルプンクトOrgelpunkt, 仏: ポワンドルグpoint d'orgue)、音響的に頂点を築いた後、再現部の冒頭で和声的な解決へと導く、というのが展開部の構成として一般的である。 モーツァルトは晩年の「戴冠式協奏曲」、「ピアノソナタ第16番」で提示部終結部(コデッタ)の主題を徹底的に展開させている。ハイドンは、交響曲の多くで展開部の途中に第一主題を一時的に主調で再現する「擬似再現部」を用いている。
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展開部
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「交響曲第5番 (ショスタコーヴィチ)」の記事における「展開部」の解説
ピアノが登場するところからが展開部である。ピアノのリズムの上にホルンが第1主題部の副主題を奏する。これを合図に本格的にこの主題が展開されてゆき、やがてクライマックスに達し、主題はトランペットによって行進曲風に変奏される。そのあとに低音の楽器によって第1主題が奏され、これはさらに木管楽器と弦楽器に受け継がれる。同時に、金管楽器は第2主題を奏する。そのままテンションがどんどん高まり、クライマックスに達すると事実上の「アレグロ」のまま再現部に突入する。
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展開部(第122 - 157小節)
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「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の記事における「展開部(第122 - 157小節)」の解説
イ長調から変ホ長調へと転じ、スケルツォ風の楽想となる。木管楽器によって「マイスタージンガーの動機」が縮小リズムとスタッカートで喜劇的に変容する。つづいて弦楽器群が「衝動の動機」を出す。これらは、ワーグナーの標題的注釈によれば「やきもち焼きの徒弟たちが子供じみた学者気取りで邪魔をし、それに苛立つヴァルター」の心理描写である。
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「展開部」の例文・使い方・用例・文例
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