シュナーベル:ピアノ協奏曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シュナーベル:ピアノ協奏曲 | Klavierkonzert d-Moll | 作曲年: 1901年 出版年: 1986年 初版出版地/出版社: Association for the Promotion of New Music: New Jersey 献呈先: Artur Rosenheim |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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Moderato, d-Moll | No Data | No Image | |
Sehr rasch und frisch, A-Dur | No Data | No Image | |
Intermezzo. Andante grave, b-Moll | No Data | No Image | |
Rondo. Allegretto grazioso, D-Dur | No Data | No Image |
作品解説
交響曲的な4楽章編成、和声進行やオーケストレーションに関してはブラームスのピアノ協奏曲、ピアノ独奏者に要求される演奏技法の点ではシューマンのピアノ協奏曲からの影響を感じさせる。
1901年にシュナーベル自身がベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演で初演したが、反響はあまり芳しくなく、以後この協奏曲が作曲者本人によって演奏されることはなかった。1920年代前半、弟子のエドゥアルド・エルトマンがこの作品の最後の2つの楽章、すなわちインテルメッツォとロンドを頻繁に演奏した。その際この2楽章編成の協奏曲は、恵まれた才能にも関わらず若くして作曲を断念した作曲家「レオポルト・ベックLeopold Beck」の作品として売り出され、かなりの人気を博した。この偽名はフランス語の“le bec”(「くちばし」の意)に由来し、ドイツ語で「くちばし」を意味する「シュナーベルSchnabel」を暗に示している。それ以来この協奏曲は、全2楽章のこのバージョンで知られ、出版・演奏されている。
最終楽章のロンド主題は、シュナーベルの第3交響曲(1949)の最終楽章の主題として後年再び用いられている。シュナーベルの書簡は、ここで印象的に用いられる5音モチーフ、すなわち、ホ-嬰ヘ-ニ-イ-嬰ヘ音の音型が妻テレーゼの隠喩であること、この主題を含んだこのロンド楽章を指揮者のアルトゥール・ニキシュが絶賛したことなどを伝えている。
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