フランセとは? わかりやすく解説

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フランセ【(フランス)français】

読み方:ふらんせ

フランス人フランス語


フランセ

【英】:Françaix, Jean
[フランス]  1912~1997

2008年9月 執筆者: 齊藤 紀子

 ピアニストとして活動したフランス作曲家ピアノ編成に含む作品に、《ピアノ・コンチェルティーノ》(1932)、《ピアノ協奏曲》(1936)、2台ピアノのための《8つの異国風舞曲》、独奏ピアノのための《若い娘たちの5つの肖像》(1936)、《ピアノ・ソナタ》(1960)などがある。
 生地ル・マン市の音楽院院長務めていた父親と、同校声楽指導合唱指揮にあたっていた母親との間に生まれた作曲をナディア・ブランジェに師事しパリ音楽院ではイシドール・フィリップピアノ学んだ卒業後は、伴奏者として演奏活動行いながら、様々な編成作曲を手がけた。オペラオーケストラバレーのための作品から、各種楽器のための協奏曲室内楽オラトリオカンタータ声楽作品多岐にわたっている。フランセの活躍した時代は、いわゆるアヴァン・ギャルド台頭してきた頃である。フランセの作風には、気品洗練優雅さといった言葉似合メロディー活き活きとしたリズム明快さ機知共存している。

ピアノ独奏曲

ピアノ合奏

管弦楽ピアノ


フランセ

名前 FrançaisFrançaix; Francey

ジャン・フランセ

(フランセ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/06 21:06 UTC 版)

ジャン・ルネ・デジレ・フランセ
Jean René Désiré Françaix
ジャン・フランセ
(孫であるオリヴィエ・フランセが撮影)
基本情報
生誕 (1912-05-23) 1912年5月23日
フランス共和国ル・マン
死没 (1997-09-25) 1997年9月25日(85歳没)
フランスパリ
学歴 パリ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 作曲家
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ジャン・ルネ・デジレ・フランセ(Jean René Désiré Françaix, 1912年5月23日 - 1997年9月25日)は、フランス新古典主義音楽作曲家ピアニスト編曲家としても活躍し、多作家で、生気あふれる作風で知られる。没後の翌年から、フランス国内でフランセを讃えたジャン・フランセ国際音楽コンクールも開催されている。

生涯

フランセの天与の才能は、幼い頃から家庭環境によって育まれた。父親は音楽学者・作曲家・ピアニストであり、母親は声楽教師だった。6歳で作曲を始め、1922年の最初の出版作品は、ナディア・ブーランジェの注目を集める。当時彼女は、楽譜出版社のための仕事をしており、ブーランジェはフランセに音楽活動を薦めた。フランセ自身はしばしば自作を演奏して、公衆の注目を集めた。たとえば、『ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ』のバーデン=バーデン初演(1932年)が有名である。

フランセは若い頃から洗練されたピアニストで、パリ音楽院ピアノ科では首席に輝いており、ソリストや伴奏者としての道を模索したこともあった。チェリストのモーリス・ジャンドロンとの共演が有名だが、ジャック・フェヴリエの代役として、フランシス・プーランクの『2台のピアノのための協奏曲』で作曲者自身とピアノを共演することもあった。

しかしフランセの、やはり主要な業績といえば、きわめて積極的な作曲活動であった。生涯を通じて多作家であり、1981年においてさえ、「いつでも作曲している」と公言していたように、別々の作品を掛け持ちで書き上げるのが常だった。この習慣は没年まで続けられた。

作品

モーリス・ラヴェルはフランセの少年時代に、その両親に次のように述べている。

「この子の才能のうちで、私が見る限り、一人の芸術家として最も将来が有望視されるのは、旺盛な好奇心に恵まれているということです。くれぐれも親御さんが、かけがえないこの才能を潰したり、坊ちゃんの感受性をしなびさせたりしませんように」

フランセは多産な作曲家であり、幅広い作曲様式によって200曲以上の作品を残した。

作品はピアノ曲が中心を占めており、あらゆる管絃楽曲や合奏曲、とりわけ多くの室内楽曲では、ピアノの存在が目立っている。フランセは管弦楽法の手腕に長けており、音色の扱い方にその能力が発揮されている。フランセは大形式の楽曲を数多く手懸け、協奏曲交響曲オペラ、劇場音楽、バレエ音楽を残した。またカンタータなど、20世紀に関心が失われつつあった伝統的な楽種にも手を染めている。フランセは、古くからの表現方法に現代的なスピード感を付け加えたものの、自他ともに認める新古典主義者として、無調性や無形式の迷宮を斥け、声楽曲の作曲では、過去の偉大な前例に倣っている。また10点の映画音楽も残した。

作曲様式は、生涯を通じてほとんど変わらず、軽快さと機智にあり(自ら述べたところによると、目指したところは「喜びを与えること」だった)、旋律線同士のやりとりも目立っている。尊敬していた作曲家、たとえばイーゴリ・ストラヴィンスキーやラヴェル、プーランクらに影響されたが、取り入れたものは自分自身の確たる美学へとまとめ上げている。こういう側面は初期作品にも認められる。

主要作品

  • スケルツォ "Scherzo" (1932年、最初の成熟した作品)
  • ピアノと弦楽四重奏のための「8つのバガテル」 (1932年)
  • 弦楽三重奏曲 (1933年)
  • 木管四重奏曲 (1933年)
  • バレエ音楽「海辺」 (1933年)
  • フルート、ハープ、弦楽器のための四重奏曲 (1934年)
  • サクソフォン四重奏のための「小四重奏曲」 "Petit quatour" (1935年)
  • ピアノ協奏曲 (1936年)
  • オラトリオ「ヨハネの黙示録 L'apocalypse selon Saint-Jean 」 (1939年)
  • 音楽喜劇「 L'apostrophe 」(1940年)
  • 木管五重奏曲 (1948年)
  • バレエ音楽「夜の令嬢 Les demoiselles de la nuit 」(1948年)
  • 映画音楽「ナポレオン Napoléon」 (1954年)
  • オーボエと管弦楽のための「花時計 L'horloge de Flore 」(1959年)
  • 無伴奏フルートのための組曲 (1962年)
  • 弦楽合奏のための「6つの前奏曲 Six preludes 」(1963年)
  • 2台ピアノのための協奏曲 (1965年)
  • 歌劇「クレーヴの奥方 La princesse de Clèves 」(1965年) 成功作の一つ
  • フルート協奏曲 (1967年)
  • クラリネット協奏曲 (1968年)
  • 10の管楽器のための性格的な9つの小品 (1973年)
  • コントラバス協奏曲 (1974年)
  • 3群のオーケストラのための「カッサシオン Cassazione 」(1975年)
  • クラリネット五重奏曲 (1977年)
  • ギターのためのセレナータ (1978)
  • コントラバスと10本の管楽器のためのモーツァルトニュールック(1981)
  • リコーダーとギターのためのソナタ (1984年)
  • フルートとクラリネット、管弦楽のための二重協奏曲 (1991年)
  • アコーディオン協奏曲 (1993年)
  • オーボエ、ファゴット、ピアノのための三重奏曲 (1994年)
  • バリトン独唱、テナー・サックス、ピアノのための「 Neuf Historiettes de Tallemant des Réaux 」 (1997年、絶筆)
  • 4つのトランペットとオルガンのための「凱旋行進曲 Marche Triomphale

文献

  • Muriel Bellier, Les Années trente au Mans : aspects de la vie culturelle et musicale, in Revue historique et archéologique du Maine, Le Mans, 1998, 3 série, tome 18, tome CXLIX de la collection, p. 305-336 (ill.)

脚注


外部リンク


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