登山 登山禁止とマナー問題

登山

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登山禁止とマナー問題

西ヨーロッパの最高峰モンブラン登山の出発点となるサンジェルベ・レ・バン英語版の市長は、2017年8月に「適切な装備を整えていない登山者」に対して即時罰金を科する条例を発布した。これは、連続する死亡事故を受けての措置である[97]

2023年5月31日、インドネシアのバリ州知事ワヤン・コスター英語版は観光客の相次ぐ迷惑行為を受けて、「山々は聖なる存在として崇拝されている。その神聖さが損なわれれば、それはバリの神聖さをおとしめるに等しい」と述べ、バリ州にある22山の登山客の登山、宗教儀式や災害対処などの理由のない地元住民の登山を無期限禁止とした[98]

日本では、富士山への休憩なし、装備なしの弾丸登山に対して、多くの自治体などが警戒しており、場合によっては登山制限などの検討を行っている[99]

登山に関する組織・団体

山岳会

登山愛好者の団体を山岳会(さんがくかい)と称する。山岳会には山または歩くことにちなんだ名前が付けられることが多い。 学校または職場単位で結成される山岳会は部活動として特に山岳部や登山部、ワンダーフォーゲル部などと称する[* 9]。 1857年には世界最初の山岳会である英国山岳会が設立され、1905年には日本最初の山岳会である日本山岳会が設立された。それ以降も日本国内で様々な山岳会が結成され、全日本山岳連盟(現・日本山岳・スポーツクライミング協会)と勤労者山岳会(現・日本勤労者山岳連盟)のような統括団体が生まれた。 山岳会は主に団体での山行や会員同士による登山技術の研修指導を行っている。会によっては、登山道もしくは山小屋の維持修繕、救助活動の支援、非会員への講演・研修、森林の保護、高山へ挑戦する会員の支援などを行っている。また、登山用品メーカーに対しては消費者団体としての側面も持つ[* 10]

登山ガイド団体・登山学校

1965年にイタリア、フランス、オーストリア、スイスの山岳ガイド協会の会議が行われ、国際山岳ガイド連盟英語版が設立された。

日本の山岳ガイドは、古くは強力(ごうりき)が行っていた。1934年ごろの富士山表口強力案内組合には100名を超える強力が加盟していた[100]。1990年に日本山岳ガイド連盟が設立され、翌1991年に国際山岳ガイド連盟に加入した。2003年に日本山岳ガイド連盟と日本アルパイン・ガイド協会は合併し日本山岳ガイド協会に改組した[101]

フランス、スイスオーストリアロシアインドなどに登山学校があり、指導者養成と研修が行われている[84]。日本では立山に国立登山研修所があるほか、神奈川県長野県兵庫県に県立の登山学校がある[84]

競技者団体

山岳遭難対策協議会

山岳事故を防止・救難するための情報提供を行ったり、警察・消防などの公的機関に協力して救助活動を行う団体である。山岳遭難防止対策協会、山岳遭難防止対策協議会など地域によって名称に若干の差異があるが活動内容はほぼ同一である。[要出典]1964年以降国立登山研修所とスポーツ庁等が全国山岳遭難対策協議会を毎年開催している[102]。 また、1992年に東京都山岳連盟の提唱により日本山岳レスキュー協議会が設立され、遭難救助に関する情報交換を行っている[要出典]

行政機関

  • 日本では管轄の警察や消防、自衛隊が山岳事故の防止活動と山岳救助を実施している。詳細は山岳救助を参照。
  • 市町村では地域振興課や観光振興課のような名称の部署があり、登山道に関する情報を発信していることがある。
  • 東京都においては環境局に自然保護専門員を設置し、登山マナーの啓発指導・密猟盗掘の監視・登山道の管理を行っている。詳細は東京都レンジャーを参照。
  • 国においては国立公園の管理を環境省が行っているが、登山技術の向上という点では文部科学省およびスポーツ庁(独立行政法人日本スポーツ振興センター国立登山研修所)がその担当である。
  • 国土地理院は自治体と協力して、登山道の調査と地図への反映を担当している。登山道の改廃を早く反映させるため、2017年12月には登山者からインターネットで情報を収集する民間企業であるヤマレコ(長野県松本市)、ヤマップ(福岡市)と協定を結んだ[103]

芸術文化団体

山を対象にした画・写真などの作家団体が存在する。山全般を対象にする団体や、富士山など特定の山や地域を対象にする団体がある。

登山用品メーカー・販売店など

登山用品は多岐にわたるため、登山用品に限っても多くの総合・専門メーカーが存在する。 また、登山専門を謳わないアウトドア用品メーカーや総合スポーツ用品メーカー、一般の衣類メーカーなどでも登山に使用できる用品を作成・販売している。 総合スポーツ用品店を含む登山用品販売店では、登山学校と称して登山知識や技術の講習会を実施していることがある。

この他に登山に関連するビジネスとしては、登山客の輸送・宿泊を担う交通・旅行会社や旅館・ホテル・山小屋などの観光産業、ヤマレコのようなインターネットでの登山情報の提供、登山地図や雑誌の出版社などがある。

季語

北海道の山に登り、見晴るかす大地を望む/画像は雌阿寒岳からの風景。
日本の山小屋/画像は、中央アルプス空木駒峰ヒュッテ

季語としての登山(とざん)は、の季語(晩夏の季語)である[104]。分類は行事/人事[105][* 11]。季語の世界では「登山」は「山に登ること」全般を指す[104]

「登山」を親季語とする子季語[* 12]は、以下のとおり、かなり多い。山登り(やまのぼり。山に登ること。登山)、登山宿(とざんやど。登山者のための宿)、登山小屋(とざんごや。登山者のための小屋)、山小屋(やまごや)、登山口(とざんぐち。山の登りくち)、登山杖(とざんずえ。登山のときに使用する)、登山笠(とざんがさ。登山のときに使用する)、登山帽(とざんぼう。登山のときに使用する帽子)、登山馬(とざんうま。山登り用の)、登山電車(とざんでんしゃ。登山用の鉄道)、登山地図(とざんちず。登山するための地図)、ザイル寝袋(ねぶくろ)[104]

  • 例句:をだまきの花に牀几しやうぎ山登り ─ 阿波野青畝
  • 例句:かわふしかざりに 登山宿 ─ 鷹羽狩行
  • 例句:うしろより を噴きゐる 登山小屋 ─ 深見けん二
  • 例句:山小屋ストーヴの熱 背へとほる ─ 山口誓子
  • 例句:天高てんたかところさら登山口 ─ 山口誓子
  • 例句:ふくらはぎ 登山杖もて 叩かるる ─ 阿波野青畝
  • 例句:来世らいせには 天馬てんまになれよ 登山馬 ─ 鷹羽狩行
  • 例句:トンネル登山電車の ひた下る ─ 阿波野青畝
  • 例句:朱線しゅせん縦横じゅうわう 吾子あこにまかせし 登山地図 ─ 能村登四郎

関連季語として歳時記に記載されていないものの、関連性のある季語としては、夏の山(なつのやま。三夏の季語。分類は地理)と[106][107]その子季語(夏山〈なつやま。夏の青葉が繁った山〉、夏嶺〈かれい。夏山と同義〉、青嶺〈あおね、歴史的仮名遣:あをね。夏山と同義〉、夏山路〈なつやまじ。草木の生い繁った夏の山路〉、夏山家〈なつやまが。草木の生い繁る夏の山中の家〉、青き嶺〈あおきみね。夏の山〉、山滴る〈やましたたる〉、滴る山〈したたる山。五月山[さつきやま。陰暦5月ごろのの多い山]の異称〉、翠巒〈すいらん。緑色に連なる山々〉)を始め、ケルン山頂山道道標記念として石を円錐形に積み上げたもの。登山で亡くなった人を哀悼する記念碑もある。晩夏の季語。分類は人事)、積石(つみいし。ケルンと同義で子季語)、冬登山(ふゆとざん。冬山の登山。危険を伴ない、遭難者も多い。の季語。分類は地理)を挙げることができる[106]登山靴(とざんぐつ)を挙げる場合もある。

  • 例句:君積みし ケルン探すや みね光る ─ 森村誠一
  • 例句:登山靴穿うがいて歩幅の決まりけり ─ 後藤比奈夫

注釈

  1. ^ うっかりテントのポール(柱)をザックに入れ忘れて、山中で窮地に陥る登山者も多い。
  2. ^ 登山の楽しみのひとつでもあるので、若干量ならば嗜好品も持ってゆく登山者も多い。
  3. ^ ただし、複数のウェアにフードがついている場合は反って邪魔になることもある。レイヤリングの中で1着だけフード付きのウェアにすると解決できる。
  4. ^ アパレルメーカーによってはスキンウェアまたはドライレイヤーと称する場合もある。いずれの場合でも汗をベースレイヤーに吸収させる役割を持つ。[要出典]
  5. ^ 冬山用には中綿やフリースを組み合わせてミッドレイヤーとしての役割も合わせ持つアウターもある。[要出典]
  6. ^ 体力や装備、あるいは天気図に関する技能・知識や、高山植物応急処置の方法、テントの設営技術等を、審査員がそれらの達成度を採点し、高校ごとに順位を決定する。隊列に遅れず登頂を目指すのも体力点として高得点ではあるが、他にもマナーや態度、知識や服装にも気を遣う必要がある。
  7. ^ 3〜4日間をテントで過ごし、食事も寝床もすべて自分達で持ち歩き準備しなければならない登山競技は、インターハイにおいては最も厳しい競技のひとつである。
  8. ^ 地方大会では実力の優劣をはっきりとさせるために重量規制があり、現段階では4人で60kgという規定がある。その60kg以外に、飲料として使用する、ケガの治療などとして使用するために綺麗な水なども要するため、実質70kgにも75kgにも及ぶことなどが多々あるという。
  9. ^ 厳密に言えば登山とトレッキング、ハイキング、ワンダーフォーゲルには細かい差異があるが、山岳での野外活動という点で共通している。
  10. ^ ナイロンザイル事件を参照。
  11. ^ 「行事」も「人事」も、ここでは、人間が行う事柄を指す。
  12. ^ ある主要な季語について別表現と位置付けされる季語を、親子の関係になぞらえて、親季語に対する「子季語」という。「傍題」ともいうが、傍題は本来「季題」の対義語である。なお、子季語の季節と分類は親季語に準ずる。

出典

  1. ^ ただしアルピニズムという語が生まれたのは19世紀後半であるとされている[4][6]
  2. ^ モーセシナイ山から十戒を授かり、神との契約関係に入ったとされる[5][7]
  3. ^ 山が美の対象として認識されるようになったのはルネサンス時代からであるとされる[11]
  4. ^ 翌年にはソシュール自身も登頂に成功した[11]
  5. ^ 羽根田治『山の遭難 あなたの山登りは大丈夫か』 (平凡社、2010年)は、近代登山以降という尺度で見た場合という観点からとして、この大正期から昭和初期、戦争によって下火になるまでの間のブームを、第1次登山ブームと呼んでいる[30]
  6. ^ 東久邇宮稔彦王秩父宮雍仁親王が登山に親しんだ[31]
  7. ^ 1925年(大正14年)長野県制定の登山者休泊所及案内者取締規則により山案内人の公的な資格認定が始まり、その流れは1953年(昭和28年)の長野県観光案内業条例に引き継がれた。この条例の資格を受けた者は、2001年(平成13年)は579人[35]
  8. ^ 登山者は非国民と呼ばれるなどの時代情勢になった[39]
  9. ^ アンナプルナはフランス隊による「人類初」の8000メートル峰登頂、エベレストはイギリス隊のエドモンド・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイによる世界最高峰初登頂、マナスルの初登頂は槇有恒率いる日本山岳会隊の今西壽雄とシェルパのギャルツェン・ノルブによるもの。
  10. ^ 谷川岳の遭難死者数は2008年(平成20年)までに792人であり、「世界でいちばん遭難死者が多い山」としてギネス世界記録に認定されているという[44]
  11. ^ 羽根田治『山の遭難 あなたの山登りは大丈夫か』 (平凡社、2010年)は、近代登山以降という尺度で見た場合という観点からとして、このブームを第2次登山ブームと呼んでいる[46]。同書によれば、一般的には、このブームを第1次登山ブームと呼ぶ場合が多いという[47]
  12. ^ 「旅行会社のパック旅行のような[49]」形態のツアー登山の先駆けは、1970年代末頃と考えられる[48]
  13. ^ 2007年(平成19年)日本アルパイン・ガイド協会が日本山岳ガイド協会を脱会、2010年(平成22年)1月現在、山岳ガイドの資格認定を行う全国的な団体は2団体となっている[45]
  14. ^ メンバーの体力・技術・経験からパーティの能力を考え、それに適合した山を選ぶ[8]
  15. ^ 極地法と反対に、少人数でメンバー交代をせず、行動開始地点から短期間で一挙に目的地に達する方法をラッシュタクティクスという[52][53]
  16. ^ 尾根をつたい、いくつもの山頂を歩いてゆくこと[60]
  17. ^ 「高山病」の発症リスクは体力の有無とは関係なく、また、高齢者より若い人に多く発症する症候群である[72]
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  109. ^ Альпинисты Северной столицы. История появления жетона «Покоритель высочайших гор СССР» («Снежный барс»).”. www.alpklubspb.ru. 2023年9月21日閲覧。






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