低体温症
体温の低下によって身体の生理的な機能が害される症状。体温が外部に放出され続け、体温が維持できなくなった場合にかかりやすい。
一般的に、人体の体温が35度以下に下がると低体温症になるとされる。30度を下回ると意識の低下や心拍数の低下が起こるなどの重篤な状態に陥り、20度を下回ると凍死に至る危険がある。
2011年3月に発生した東日本大震災では、多くの被災者が住居を失って避難所生活を強いられることとなったが、残寒の非常に厳しい3月の東北地方で低体温症に罹る場合が多く見られた。重度の肺炎「津波肺」などと共に低体温症は助かった被災者を悩ませている。
関連サイト:
低体温症 地震で被災された方へ - 日本登山医学会
ていたいおん‐しょう〔テイタイヲンシヤウ〕【低体温症】
低体温症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/07 22:34 UTC 版)
低体温症 | |
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ロシア遠征時に凍死したナポレオン軍の兵士 | |
概要 | |
診療科 | 救急医学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | T68 |
ICD-9-CM | 991.6 |
DiseasesDB | 6542 |
eMedicine | med/1144 |
Patient UK | 低体温症 |
MeSH | D007035 |
ヒトの体温分類 | ||||||||||||
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低体温症(ていたいおんしょう、Hypothermia)とは、恒温動物の深部体温(中核体温)が、正常な生体活動の維持に必要な水準を下回ったときに生じるさまざまな症状の総称。ヒトでは、深部体温(直腸や食道で計測)が35℃以下に低下した場合に低体温症と診断される。
研究の歴史
1957年からイングランド北部の高原地帯で開かれている徒歩競技であるフォー・インズ・ウォークで1964年3月14日から15日にかけて開かれた大会で強風、豪雨の悪天候により気温が4~7度まで下った結果、参加者240人の中で完走できたものはわずか22名であり、3人が低体温症で亡くなった。これをきっかけにイギリス人生理学者であり、1936年のドイツ冬季オリンピックのアルペン・スキー代表に選出されたスキーヤー、更には1953年にはエベレスト初登頂を成功させたイギリス隊に参加した登山家でもあるグリフィス・ピューを中心に低体温症の研究が推進されるようになった。ピューはエベレスト登頂のサポート要員として高地における気温、風速、湿度、それに伴う人間の体温を克明に記録し、低体温症研究の基礎データをまとめた。[7]
低体温症の機序
人の体は体表より2〜2.5cmより外側の外皮(英語ではshell) と2〜2.5cmより内側の深部(英語ではcore temperature)の二つに分別される。外皮までの体温は比較的変動しやすいが深部の温度は通常の環境では早朝から夕方までで0.5〜1度程度の変動に留まる。医学的には人間の体温とは普段は口腔内や腋下、鼓膜で、手術時や集中治療室(ICU)などでは直腸や食道で測定される深部(心臓、肺、肝臓といった複数の重要な臓器が含まれている)の温度の事を指す。そして深部温度は作る熱と失う熱のバランスによって一定に保たれている。[8] 恒温動物の体温は、恒常性(ホメオスタシス)により通常は外気温にかかわらず一定範囲内で保たれている。しかし、自律的な体温調節の限界を超えて寒冷環境に曝され続けたり、何らかの原因で体温保持能力が低下したりすると、恒常体温の下限を下回るレベルまで体温が低下し、身体機能にさまざまな支障を生じ多臓器不全にいたる。この状態が低体温症である。 低体温症は必ずしも冬季や登山など極端な寒冷下でのみ起こるとは限らず[注釈 1]、水泳用20-24℃のプール[9]、濡れた衣服による気化熱や屋外での泥酔状態といった条件次第では、夏場や日常的な市街地でも発生しうる。軽度であれば自律神経の働きにより自力で回復するが、重度の場合や自律神経の働きが損なわれている場合は、死に至ることもある症状である。これらは、生きている限り常に体内で発生している生化学的な各種反応が、温度変化により、通常通りに起こらないことに起因する。
臨床的には[10]、
- 細胞機能の低下・酸素消費量の低下
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低体温症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 21:16 UTC 版)
標高が高く、風も強い富士山では、低体温症になる危険が高まる。気温は100メートル登るごとに0.4度から0.6度低下し、体感気温は風速が1m強まるごとに1.0度低下するためである。
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低体温症
出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 04:41 UTC 版)
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