斬人(スパイダー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:05 UTC 版)
「バロックワークス」の記事における「斬人(スパイダー)」の解説
※この「斬人(スパイダー)」の解説は、「バロックワークス」の解説の一部です。
「斬人(スパイダー)」を含む「バロックワークス」の記事については、「バロックワークス」の概要を参照ください。
斬人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 02:16 UTC 版)
「OUT (井口達也・みずたまことの漫画)」の記事における「斬人」の解説
西千葉を拠点とし、地元でも指折りの勢力を誇る暴走族。総長である丹沢敦司をはじめ猛者揃いのチームであり、一部のチームから狙われることも多く、当チームに関連するトラブルや揉めごとがこの物語の中心となっている。作中での幹部連は7代目となっている。 丹沢 敦司(たんざわ あつし) 斬人7代目総長。17歳。やや小柄で細身の体型と金色の長髪に加え、中性的な顔立ちから一見すると女子そのものであり、初対面の達也が女子だと思い込んでナンパ口調で話しかけたほどである。バイクの扱いが異常にヘタで、チームのメンバーから馬鹿にされている。チュッパチャプスのような棒付きキャンディを舐めていることが多く、常に両腕にバンテージを巻いている。 総長に君臨するに相応しい戦闘力・頭脳・カリスマ性を兼ね備えているが、普段は無邪気でおどけた立ち居振る舞いが多く、同い年のメンバーからは「あっちゃん」と呼ばれ慕われている。中学生のころから男女問わずモテていて、幼馴染である副総長の要曰く「ずっとモテ期の確変に入っている」とのことである。普段は自身もしくは身内が経営する「(有)丹沢解体所」で自動車の解体・メンテナンスを行っており、その社内が斬人の主な集会場所となっている。 爆羅漢との抗争では、No.1の下原一雅からの「手打ちにして同盟を組みたい」という要求を跳ね除け、最終戦でその一雅と対決。対決前は実力伯仲と思われていたが、一撃で立ち上がれない程のダメージを与えて圧倒し勝利、その喧嘩を見た達也も「こいつは格が違う」と確信するまでに至った。 敵、味方をはっきりと区別しており今井曰く一度でも反目した相手や敵と見なした人間には容赦せず、6代目のメンバーの先輩を二度と単車に乗れない体にしている。また目黒曰く「中と外とで完全に割り切ることのできる性格」であり、爆羅漢との抗争でも、殺し合いのような展開にまで発展した達也のタイマンには介入しなかったものの、大量出血で危険な状態であると見なした圭吾のタイマンには真っ先に制止に入っており、達也に対して仲が良くともあくまで一線を引いていることを暗に示している。高いカリスマ性を持つ反面、上述の通り冷酷かつ残忍な一面を持っているためか、自身のことを「最低最悪の救えねぇどうしようもないクズ野郎」と評している。 「斬人のメンバーに手を出した人間を許さない」「メンバー内での喧嘩・モメごとは禁止、自身もメンバーに手を出さない」というルールを信条としている。そのため要の紹介で知り合った達也とは仲良く接しているものの、要に手を出した達也を心底では許せずにいる。達也に手を出さないよう斬人のメンバーに勧誘しているが、上述の通り断られている。 狂乱鬼との抗争中、達也と狂乱鬼幹部が接触していたことを耳にし、達也には1年前の狂命戦争の概要および斬人5代目総長である皆川状介の人となりなどを話した上で、たとえ何があっても今回の抗争には関わらないで欲しいと釘を刺した。 狂命戦争で皆川状介を殺害した犯人を弦巻良樹と確信しており、彼に対して異様な復讐心を抱いている。 中学の時母親の彼氏である南田龍介に恐怖し、母のある言葉をきっかけに自殺しようとするも皆川に止められ、後日南田の暴力によって意識不明の重体に陥るも一命を取り留め(その際母親とも和解している)、後に南田が誰かに殺されたことを知り、その犯人が皆川だと勘付きつつも黙認し、二度に渡って皆川に救われたことから、以降は彼とは固い友情で結ばれている。 安部 要(あべ かなめ) 斬人7代目副総長。達也と同い年の17歳であるが、188センチメートルの高身長と鍛え上げられた肉体に加え、老け顔のため17歳には見えない風貌をしている。特に老け顔は本人もかなり気にしている。 上述の理由から出院初日の達也と喧嘩になり惜敗。それ以降は元々「三塁」の常連であることから従業員の達也と意気投合し親友同士となり、弟分の今井と共に遊ぶようになる。趣味は筋トレであり、その点も達也とウマが合い、達也の自宅でトレーニングをしながらお互いの筋肉を誉め合う姿を、今井からは気持ち悪がられている。普段は土木作業に従事しており、それにより肉体が鍛え上げられているとも言えるため、自身の筋肉を「ガテン筋」と呼んでいる。 達也ほどではないが少々短気ではあるものの、律儀で優しい性格の持ち主。爆羅漢No.2の下原孝二を倒した後、共にいたメンバーには病院に連れて行くよう促したり、腹心である武藤が捕えた爆羅漢のメンバーをわざと見逃すなど、敵対するチームのメンバーにも妙に優しい一面がある。そのため丹沢からはやや心配されているものの、チーム内での人望は非常に厚い。また保護委託中の達也をことあるごとに気に掛けており、軽い気持ちで斬人と爆羅漢の抗争に介入しようとしていた達也に対しては、関わらせないように殴り合いの喧嘩にまで発展している。 爆羅漢との抗争では、上述の通り自身よりさらに巨漢であるNo.2の下原孝二にゲリラ戦を仕掛けられ、窮地に追い込まれながらも逆転勝利。しかし後日、上述の達也との喧嘩後、No.3の下原賢三が仕掛けたゲリラ戦にて彼の運転するワゴン車に撥ねられたことにより意識不明の重体となった。達也がその下原賢三に勝利してほどなくしてから意識を取り戻し、数週間で健常体になるまでに回復した。退院直後はチームの集会への参加が禁止されていたことからストレスを溜め込み、「キモ悪」を合言葉に自身にブレーキをかけ同じくストレスを溜めていた達也とはギクシャクした関係になっていたが、今井の作戦により和解している。 達也が6代目斬人幹部であった良樹達に遭遇したことを耳にした際は、達也を必要以上には責めず、丹沢から抗争の背景の詳細を聞いた後の達也の所感を聞き、自身が斬人5代目総長である皆川状介を慕うきっかけになった出来事を達也に話した。 狂乱鬼が仕掛けたゲリラ戦で斬人の半数近くの戦力を失ったことを受け、かつて斬人と友好関係であった阿修羅の集会場所へ乗り込み、現在の斬人と阿修羅との関係性および元阿修羅の副総長であり現狂乱鬼の副総長の三浦の転身の理由等を総長である火咲に確認した。その際今の斬人の方針を見直すよう火咲から勧められたが、一定の理解は示しつつも、もうそんな時代ではないと言って勧めを拒否した。 張間充(はりま みつる) 斬人副総隊のNo.2。特攻隊の長嶋、山口とは中学時代からの不良仲間で、彼等と同様の経緯で斬人に入隊する。 長嶋 圭吾(ながしま けいご) 斬人7代目特攻隊長。180センチメートル超の長身で非常に無口、メガネが似合う17歳。幼少期は父の教えで剣道を習っており、中学では全国レベルの実力者であった。そのため相手の攻撃の見切りがよく、木刀を使う技術に長けている。多対戦においてはその木刀1本で相手をなぎ倒す。ただし、木刀を使うのは多対戦のときだけと決めている。 喧嘩好きのバトルジャンキー。自分勝手な喧嘩が禁止されている斬人では喧嘩衝動が高まったとき折り鶴を折る癖があり、その癖に対しての丹沢や達也からの評価はよくない。無類の喧嘩好きという性質からメンバーの喧嘩にいち早く駆け付けるため、チーム内では要に勝るとも劣らない人望の持ち主である。 爆羅漢との抗争では要が意識不明の重体に陥った直後、特攻隊のメンバーを引き連れ爆羅漢を襲撃し多数のメンバーを倒し下原一雅の連絡先を入手したが、不意を突かれ脇腹をナイフで刺されてしまい重傷を負う。タイマン3本勝負への参戦を丹沢から止められていたが、要の返しに懸ける思いからこれを振り切り参戦。2戦目を務め、相手であるNo.2 下原孝二の膝をへし折り圧倒したが、大量出血のため丹沢より制止が入り敗北となった。 狂乱鬼の遊撃隊長、風間美鈴(以下フーリン)がメンバー数人を引き連れ丹沢へゲリラ戦を仕掛けた際、駆け付けると同時にフーリン以外のメンバーを次々となぎ倒したものの、フーリンの一撃で大ダメージを負い、そのショックからか行方知れずとなっていたが、狂乱鬼の服を着て、金属バットよりも太く長い八角棒を持ち狂乱鬼メンバーと共に達也・トシの前に現れる。狂乱鬼に寝返ったと思いきや、その集団のリーダーであった元爆神蜘特攻隊長・柿崎の喉元に八角棒で強烈な一撃を喰らわせ、その場にいた狂乱鬼メンバーも殲滅。しかしその直後トシの頭部にも八角棒を振り下ろし、それに怒った達也とタイマンになり、達也の猛スピードの特攻で八角棒を弾かれる。直後トシの制止にあい勝負は中断となり、起き上がった柿崎を幾度となく八角棒で殴打し、再び姿を消してしまった。 山口 俊男(やまぐち としお) 斬人特攻隊のNo.2で要や丹沢と同い年の17歳。五分刈りにした短髪と左頬の傷が特徴。通称「トシ」。普段は温和な性格をしており達也に対しても友好的に接している。 圭吾に対しては友情を超えた愛情を持っている。 狂乱鬼の抗争では狂乱鬼メンバー数名に強襲され、何とか逃げ切ったものの頭部に6針を縫う怪我を負う。フーリン強襲以降1箇月以上姿を消している圭吾を心配しあちこちを探し回り、はては群馬方面にまで脚をのばしている。 公園でトレーニングをしていた達也と談笑していたところに、狂乱鬼のメンバー含め上述の圭吾と遭遇。圭吾と共に狂乱鬼メンバーをなぎ倒すが、直後圭吾から八角棒で頭部を殴打される。タイマンに発展した達也と圭吾を制止し、再び立ち去った圭吾を追って東奔西走している模様。 橋本建信(はしもと けんしん) 斬人特攻隊No.3。17歳。ヤードでの戦いでは、現狂乱鬼メンバーで元爆神蜘親衛隊長の桐野剛を瞬殺して一方的に痛めつけ、助っ人に現れたフーリンとも一時渡り合う実力者。フーリンからは腕っぷしと統率能力は幹部クラスに勝るとも劣らない実力を有しているが、人格面に難があると評されている。占い好きの一面を持つが、あまり当たらない模様。 田口 勝(たぐち まさる) 斬人7代目遊撃隊長。17歳。チーム1の巨漢で柔道経験者であり、マウンティングスタイルの喧嘩を得意とするパワーファイター。気性が荒く周囲と揉めごとを起こしやすいトラブルメーカーであり、幼馴染である目黒から頻繁に注意を受けている。 また、金銭面でもだらしないなど欠点が目立つが、斬人への愛情と丹沢への忠誠心は周囲からも認められていた。中学時代から目黒とのコンビで札付きの悪と言われていたが、自身よりもさらに有名で人気の高い丹沢に幾度となく喧嘩をしかけるが全て敗北し、次第に自分と対等に接してくれる丹沢を敬愛するようになったことが、忠誠心のきっかけである。 爆羅漢との抗争後、丹沢からの斬人勧誘を断った達也を気に入らず、その上直属の後輩である沢村達が爆羅漢との抗争で奮闘した達也に憧れを持つようになったことで、ますます達也を目の敵にするようになり、街の不良達のみならず後輩の沢村達までも一方的に痛めつけた上にカツアゲを行うなど、荒んだ私生活を送るようになっていた。そのことを聞きつけた丹沢から「もし再度仲間に手を出したら斬人を抜けてもらう」という忠告を受けていたが、それに逆上しさらに沢村達を痛め付けた。 その所業に耐えかね、フーリンの扇動も受けた沢村達から逆襲されるが、嘘泣きをして油断させた上で逆転。偶然通りかかった達也がこの一部始終を見ていた上に、上述の通り目の敵にしていたこともありタイマンに発展。序盤は得意のマウンティングスタイルで有利に対決を進めていたが、隙を突かれた肘打ちや頭突きを受けダメージを負い、最終的には達也の渾身の右を受けて倒れる形で敗北となった(達也自身は引き分けと言っているが、目黒はあれは井口の勝ちと評している)。 達也とのタイマン後、騒ぎを聞いて駆け付けた要に丹沢の忠告を無視したことを注意されるが、目黒が口止めを頼み込んだことと達也の後押しもあり、見逃される形となった。しかしこの騒動を聞いた斬人別動隊のマルコ・王が丹沢に内容を伝えたことで、最も敬愛する丹沢から脱退を命じられるという自身にとって最悪の形で斬人を去ることとなった。 その後は一度西千葉から去るものの、かつての暴挙に恨みを持つ人間たちの手により自宅のならず同居していた祖母までもが襲撃される憂き目に遭い、祖母を守るために戻ったものの襲撃はエスカレートする事態となっていた。困窮しきっていたところを海に声を掛けられ、狂乱鬼への参加を果たすこととなった。その手始めに狂乱鬼メンバーを引き連れ、マルコ・王を襲撃し拘束している。 狂乱鬼入隊後は海・角田兄弟に付き従い隠れ家のヤードの仕事をこなしていたが、海から幼馴染である目黒の殺害を命じられる。元々その程度の腹をくくっていたということで快諾したが、公衆トイレで恐怖心に打ち震えていたところをニカクに目撃され、重責を負わない内に去るよう勧められた後、行方不明になっていたが、目黒襲撃の場となった公園の茂みに斧を持って潜んでいた。目黒を襲撃するかと思われたが、タイミングを逃した上、目黒とイッカクとの会話の中で彼の仲間を思いやる言葉を聞き、苦悶の表情を浮かべていた。そして、イッカクを倒した後にニカクとの連戦になった目黒の元に駆け付け、目黒と共闘してニカクを倒した。その後、隙を突いて目黒を殺害したが、実は狂乱鬼に参加した時から既に丹沢らと繋がっており、狂乱鬼のヤードを突き止めるためスパイになっていたことが判明し、目黒も殺害したフリをして生かしており、前述のマルコと王の襲撃もわざと手加減し、拘束時も二人が逃げられるよう仕組んでいた。そして、計画通り海の信用を得たことでヤードに匿われ、その居場所を丹沢らに伝えた。その後、捕らえられた翔と蓮を助けた際、裏切りに気付いた海に襲撃されるも、機転を利かせて海を銃撃した。 軽部 玄也(かるべ げんや) 斬人遊撃隊No.2で金髪ミディアムヘアの17歳。チャラい外見と、語尾を妙に伸ばした喋り方と「キキキッ」という笑い方が特徴のお喋りだが、遊撃隊No.2という立場が示す通り一定の実力を有する男。斬人から狂乱鬼にスパイとして潜入している田口のサポートに努める。ヤードでは、真っ先に田口の安否確認に向かい、田口の指示に従って下原賢三の窮地を救う。 目黒 修也(めぐろ しゅうや) 斬人7代目親衛隊長。17歳。オールバックにした長めの金髪と常時装備しているサングラスが特徴。父親が4回変わっている等複雑な家庭環境で育ち、同じく複雑な家庭環境で育った田口とは気の置けない幼馴染の親友同士である。サングラスは頼みごとや謝罪に際して頭を下げるときのみ外している。サングラスを外したその眼は青色であり、小学3年生のころから6年生の不良少年数人を圧倒できる程の実力を有していたことも相まって、周囲からは「青目の目黒」と呼ばれ恐れられていた。気性の荒い田口とは対照的に冷静沈着な性格の持ち主であり、トラブルメーカーである田口をことあるごとに気に掛けている。 また要のような律儀な面もあるがやや堅い印象があり、上述の通り田口とタイマンになった達也に対しては、要に田口の暴走の口止めを進言したことへ真摯に感謝を告げたものの、達也からはやりづらいという印象を持たれている。ただし酒に酔うと口も態度も悪くなってしまう。田口を上から押さえつけられる程の喧嘩の実力を有しており、斬人別動隊の王からもその強さを高く評価されている。 上述の丹沢の田口への脱退勧告に対して強く反対の意を示し、狂乱鬼との抗争に備えるためにも田口を斬人へ戻すよう進言したが聞き入れられず、挽回のため「幹部メンバー間で話し合いでも解決しない出来事は、他幹部の了承・立ち合いの元タイマンで決める」というルールに基づき丹沢にタイマンを申し込むが、要の反対に遭い失敗。最終的に田口を見捨てるという判断を変えない丹沢に見切りをつけ、自ら斬人を去った。 田口が狂乱鬼に本当に裏切っているかの判断のため、斬人を脱退した身にもかかわらず狂乱鬼から命を狙われている。 丹沢解体所で焼き肉パーティが行われていた日、後輩の松坂・蓮・翔の警護を受けながら公園を通り自宅へ向かっていたところ、イッカク率いる狂乱鬼の襲撃に遭う。自身を取り囲むメンバー達を素早い打撃技で次々となぎ倒し、三浦の後を追って阿修羅を脱退した猛者も逆一本背負いを喰らわせ片腕をへし折り圧倒。 その後松坂・蓮・翔を倒したイッカクと対峙、2年前に皆川状介を襲撃したルキアを返り討ちにしたことを明かした上でタイマンに発展。イッカクの攻撃をかわしつつ一本背負いを喰らわせるが、その直後に頭を鷲掴みにされた上に首を絞められ気を失う寸前まで追い込まれる(ここでサングラスが外れ初めて素顔が露わになる)も、自分の首の肉を爪で抉りその隙間からイッカクの手をへし折る離れ技を見せる。その後もイッカクの猛攻撃を受け敗北するかと思われたが、とどめのバットを振り被ったイッカクの背後に滑り込み、受け身の取れない背後からの背負い投げを喰らわせ、逆転勝利を収めた。元々イッカクとは同じ親衛隊の先輩後輩で苦楽を共にしてきた間柄であり、愛用しているサングラスもイッカクから譲り受けた等の感慨深い思い出もあり、倒れたイッカクを見つめる目黒の姿には哀愁が漂っていた。 イッカクを倒した後、松坂達と別行動を取り茂みの中で休憩をしていたところ、うっかり眠りにおちてしまい、目が覚めると目前にはニカクが立っているという最悪の状況に陥る。ニカクからの降伏の勧めを断り勝負を仕掛け、全く歯が立たない状況に陥りながらも途中から参戦した田口と共闘して二カクを倒す。その直後田口から襲撃を受けて殺害されたかに見えたが、実際は最初からスパイとなっていた田口およびスパイを指示した丹沢の策によって生きており、それでも重傷の身であったため賢三たちによってヤードの医務室に運ばれた。 マヌク・カンドゥ・優樹(マヌク・カンドゥ・ゆうき) 7代目斬人別動隊隊長でアフリカ系黒人とのハーフの17歳。大柄な体躯とコテコテの九州弁が特徴。 尊敬する伯父がナイジェリア系マフィアの権力者という立場から、そのツテを使い丹沢から狂乱鬼が隠れ家としてる可能性が高い千葉県内の外国人経営ヤードの調査を命じられる。しかしその伯父はバウンサーにて東京フィスト幹部社員・虎井に両脚を切断されたマヌク・カンドゥであるため、その境遇を気に病み丹沢解体所での焼肉パーティではくだを巻き大酒を喰らうなど荒れた様子を見せている。嘗て、斬人とモメて皆川状介に殺されそうになったところを丹沢と要の説得に助けられて斬人入りしている経緯があり、7代目斬人の仲間への想いは強い。戦闘面では物理的にも精神的にもタフで、三浦の不意打ちを受けて眼球が飛び出す損傷を受けながら応戦し、丹沢を逃す事に成功するも三浦によって後頭部に致命的なダメージを与えられ絶命する。 藤田・マルコス・勇勝(ふじた・マルコス・まさかつ) 斬人の別動隊に所属する準幹部で、要や丹沢と同い年の17歳。通称「マルコ」。 短髪で色黒の肌と、常時歯ブラシを咥えていることが特徴。田口の暴走を聞きつけ丹沢に伝えた上で、同胞の王と共に田口を糾弾した。ボクシングの使い手でその実力は高い。 田口脱退後、王と街を歩いているところを狂乱鬼の襲撃に遭う。脇腹をナイフで刺され負傷しながらも得意のボクシングで奮闘するが、突如敵として現れた田口のバットによる一撃で右腕を砕かれ、倒れこんだところを拘束されてしまった。しかし車に載せられた直後隠し持っていたナイフで狂乱鬼メンバーを脅し、致命傷を負いながら王を担いで逃走しその後の行方は不明。 王 劉昇(わん りゅうしょう) 斬人の別動隊に所属する準幹部で、要や丹沢と同い年の17歳。通称「ワン」。 長髪と細身の長身が特徴。主に同胞のマルコと行動を共にしている。中国武術の使い手でマルコ同様高い実力を有する。 同上の狂乱鬼襲撃では負傷したマルコを気遣いつつも奮闘を見せるが、田口に右腕を砕かれたマルコを庇った際に田口の蹴りを受け、怯んだところにバットのフルスイングを頭に受けてしまい失神。マルコ同様に拘束されてしまった。上述の通りマルコに担がれ逃亡しその後の行方は不明。 武藤 将吾(むとう しょうご) 斬人のメンバーで要や丹沢の1歳下にあたる16歳。斬人内における要の腹心であり、要を尊敬している。総合格闘技に精通しており、その実力は年少者でありながら斬人内でも上位に入る。 爆羅漢との抗争時は、達也との喧嘩後で手負いの要と2人でいたところ、No.3 下原賢三からゲリラ戦を仕掛けられる。要が賢三の運転するワゴン車に撥ねられた直後、いきり立って賢三に立ち向かうが一瞬で肩の関節を外され重傷を負う。そんな状態でも気迫で要の拘束だけは阻止したものの、要を守れなかった責任を強く感じると同時に、今井にも激しく糾弾される形となってしまった。後日、爆羅漢とのタイマン3本勝負が決定したときに、賢三とのタイマンを丹沢に申し入れるが断られる。しかし達也と賢三の殺し合いにまで発展しかけたタイマンを見て、丹沢が制止した意味を思い知らされることになった。 喧嘩っ早い今井をかねてより危険視しており、上述の爆羅漢抗争時の出来事もあって犬猿の仲である。 中学生時代から通っていた学校のトップを張れる程の実力を持っており、単身で幾度となく丹沢・要に喧嘩を売っていた。初戦こそ素手喧嘩で挑んだものの、2戦目以降は武器を使用するが、その度に要に返り討ちに遭っていた。しかしその際に要から素手喧嘩時の類いまれな運動能力と度胸を認められ、素手喧嘩を極めるよう勧められたと同時に、要をリスペクトするに至った。 狂乱鬼との抗争時は沢村達遊撃隊メンバーと西千葉市街を歩いている際に元爆神蜘総長の春川(通称ハルケン)率いる狂乱鬼メンバーの襲撃に遭い、ハルケンとのタイマンに発展。西千葉の不良ビッグネームであるハルケンの攻撃力と打たれ強さに苦戦するが、上述の要の教えを思い出し素手喧嘩を続行し、最終的にハルケンの腕を折り勝利するも、駆け付けた西千葉警察により拘束されてしまう。鑑別所に面会に行った沢村の姉によれば、凶器を使用していなかったことから早期出所が可能とのこと。 南国 翔太郎(なんごく しょうたろう) 斬人副総隊隊員で坊主頭の16歳。副総隊ではNo.2の張間からはエースと称される実力を持つ。負けん気が強く、武藤や沢村ら同世代の活躍に対抗心を激しく燃やしている。特にライバルでもあり兄弟分でもある武藤への意識は強く、ヤードでは袋小路となった副総隊の状況を打開すべく、要に却下された奇襲作戦を強行するも、三浦の右腕である間宮に返り討ちにされてしまう。 要の助けにより、何とか窮地を逃れて間宮と再びタイマンで勝負して、最後は得意の頭突きで戦いを制する。 沢村 良(さわむら りょう) 斬人遊撃隊員で要や丹沢の1歳下にあたる16歳で、同い年の武藤と仲が良く色々と相談をする間柄である。田口とは中学時代からの先輩後輩の関係であり、田口に頼み込む形で斬人へ入隊となった。 誤解から丹沢と一触即発になったり、下原賢三とのゲリラ戦前に要と殴り合いの喧嘩をしていた達也に対しては嫌悪感を持っていたものの、達也が賢三とのタイマン勝負で勝利したことに強く感謝の意を示し、要の復帰会の中で達也を褒め称えるなど憧れを持つようになっている。 しかしそのことが直属の先輩である田口の怒りを買い、ことあるごとにカツアゲや暴力を受けるようになり、我慢の限界に達していたところを狂乱鬼のフーリンにつけこまれ田口への報復を進言される。そして仲間数名と共に田口へ闇討ちを仕掛けるが上述の通り返り討ちに遭う。その後田口が達也に一騎討ちで敗北したことや、その事実を要・目黒の知るところとなったことにより田口と和解。狂乱鬼との抗争に備え田口の復帰を強く望んでいる。 狂乱鬼との抗争時は武藤と遊撃隊メンバーと西千葉市街を歩いている際に元爆神蜘総長の春川(通称ハルケン)率いる狂乱鬼メンバーの襲撃に遭い、隠し持っていたナイフを取り出しハルケンに特攻するが、強烈な右腕の一撃で返り討ちに遭い一時失神。復活後ハルケンにマウントを取っていた武藤をバットで殴ろうとした元爆神蜘副総長の大島を攻め、ボクシング経験者である大島に素手喧嘩では全く歯が立たず苦戦していたが、田口からの「この世界で上を目指すなら手段を選ぶんじゃねぇ」という教えを思い出し、路上に転がっていたバットを使い、大島の隙を突いて一撃を喰らわせ脛を折り勝利、その後武藤らと共に西千葉県警に拘束された。 松坂 周治(まつざか しゅうじ) 斬人親衛隊員でツーブロックの黒髪が特徴の16歳。親衛隊隊長である目黒から喧嘩を鍛え込まれたため、親衛隊若手トップの実力を持つ。不良としてはやや真面目な印象が強い青年。 丹沢からの指令により斬人を脱退した目黒の身辺警護を勤め、丹沢解体所で焼き肉パーティが開催されていた当日も仲間の蓮・翔と共に、仕事を終えた目黒を警護しながら公園を通り抜け目黒自宅へ向かっていた。その際にイッカク率いる狂乱鬼の集団に取り囲まれ、装備していた仕込みトンファーで応戦。ショートバットを持ったイッカク相手に奮闘するも、敗北する。 目黒がイッカクを倒した後、内応していた翔の連絡によって呼び寄せられた狂乱鬼のメンバーらの襲撃を受けるも結局は狂乱鬼を裏切った翔に助けられたこともあって撃退し、目黒の援護に向かう。田口による目黒殺害の現場を目撃し、その後丹沢解体所に駆け込み、目黒が殺されたと丹沢に報告するが、後に田口が斬人に戻るつもりで最初からスパイになっていたことを丹沢から知らされ、それにより目黒の死は偽装されていて本当は彼が生きていることも知ったため感涙した。 秀樹(ひでき) 斬人遊撃隊員で沢村と同じ16歳。通称「ヒデ」。名字は不明。 武藤・沢村達と西千葉市街を歩いている際、上述の狂乱鬼により襲撃に遭い、共にいた遊撃隊メンバー2名とナイフを取り出し応戦。しかしナイフで狂乱鬼メンバーを刺している内に恐怖心に苛まれ、怯んでいるところを後頭部にバットの一撃を受け失神。その後の安否は不明。 蓮(れん) 斬人親衛隊員で短髪とやや大柄な体躯が特徴の16歳。 丹沢からの指令により仲間の松坂・翔と目黒の身辺警護を勤めるも上述の通りイッカク率いる狂乱鬼と遭遇し、松坂・翔と共に仕込みトンファーで応戦するも一撃で鎖骨を折られてしまい、敗北する。その後、翔と共に狂乱鬼に捕らえられ、彼らのヤードに連行されるも命懸けでスパイになっていた田口に救われる。 翔(しょう) 斬人親衛隊員で後ろに束ねた少し長めの長髪と小柄な体躯が特徴の16歳。松坂、蓮と共にイッカクに立ち向かうも敗北した。実は狂乱鬼と内通していた人物であり、年少メンバーになりすまして斬人に潜入していた海と交流を持ったことがきっかけで、中学2年生の妹に危害を加えると脅しを受け、やむなく斬人の内部情報を流し続けており、イッカクの元から逃げた後は予め連絡していた狂乱鬼のメンバーを呼び寄せるも、最終的には狂乱鬼を裏切って二人を助け、その際に既に双方を裏切ったため自分に居場所がないことを自覚した上で街を出ると告げた。その後、蓮と共に狂乱鬼に捕らえられ、彼らのヤードに連行されるもスパイになっていた田口に救われる。 皆川 状介(みながわ じょうすけ) 斬人5代目総長で皆川千紘の実兄。2年前に勃発した「狂命戦争」で命を落とした故人で、作中で顔は定かになっていない。 小学生時代から丹沢、要とは仲が良く兄貴分として周囲から慕われていたが、小学5年時に父親が借金を苦に自宅を放火し、その際母親と祖父母が焼死したことにより人格が豹変。怒ると手が付けられない問題児となり、小学6年時にはゲームセンターでカツアゲをしてきた中学生数人を小刀でメッタ刺しにして重傷を負わせ少年院に送られた過去を持っている。 出所後も無数の小動物を燃やすなどの問題行動を起こし、その後鳴り物入りで斬人へ入隊し5代目総長に就任した。そのころも猟奇性は変わらず、敵対関係や意に沿わない人間へガスバーナーでの耳削ぎや顔焼きなどの凄惨な拷問を執行していた。そして自分のような人間の居場所を作り出すため、後々「狂命戦争」と呼ばれる大規模抗争を自ら引き起こしたが、実は抗争の際に自分を襲った本郷流希亜から拷問の末に殺害しており、それに激昂した良樹によって殺害されたことが判明した。その猟奇性は丹沢曰く「いつ誰から殺されてもおかしくないクソ野郎だった」とのことである。 そのような人間性でありながら仲間には異様なまでに優しく、負傷した仲間には非常に厚遇を敷いていたことから、当時の仲間達からは恐れられながらも好かれていた。丹沢と要が不良同級生の兄であるヤクザ集団に呼び出された際に現場に駆け付け、落とし前として自身の小指を切り落とすよう命じられるも躊躇なく切り落とし2人を助けたことがある。特に丹沢との出会いでは、自殺しようとした彼を助けたばかりか、その原因となった丹沢の母親の彼氏を殺害する形で彼の窮地を救うなどその時から仲間想いであったことも窺えた。 天野 令士(あまの れいじ) 斬人5代目副総長で、浅黒い肌に金髪のオールバックが特徴の目つきの鋭い男。自身を差し置いて、斬人の事実上のNo.2の呼び声高い遊撃隊長の福山荒史に対し、あまり快い感情を抱いていない模様で過去においては、度々意味ありげな視線を送っていた。 現代に於いては、県外に逃げており、海の依頼で彼を捜索していた下原賢三に本郷流希亜と血判状に関する情報を提供した。ヤードでの6代目と7代目の抗争では、黒金冬真と遠巻きに状況を観察している。尚、現代では黒髪に染めた模様。 福山 荒史(ふくやま あらし) 斬人5代目遊撃隊長でありながら、事実上の皆川状介の右腕を務めた男。幼少期に薬物依存症の母の薬物を隠した際に、割れたビール瓶で目を抉られ、その晩に母を亡くすという過去を持ち、母の口癖だった「神様ありがとうございます」という言葉を他人に強要する癖がある。 非常に頭脳明晰且つ独自のコネクションを持つ5代目斬人のブレーンであり、皆川状介のバランサーでもある。保険料の徴収の際、小道具を駆使した戦法で中学時代の山口、長嶋を追い詰めるが返り討ちに遭い、その後行方を晦ました彼を案じた部下兼恋人のフーリンが山口を尋問する為に攫った事により、斬人からの報復と勘違いして、状介を襲撃し斬人とことを構えてしまった長嶋等を状介を説得して斬人に引き入れる。 重政(しげまさ) 5代目斬人の幹部。大柄な男で、状介とは同じ中学の出身。 有星(ゆうせい) 5代目斬人の幹部。帽子を被った男で、状介とは同じ中学の出身。 黒金 冬真(くろがね とうま) 7代目世代のアイスマンと呼ばれる男。状介から丹沢、良樹と同じくらい目をかけられていた男で、5代目斬人時代には少年院に入っていた。現在はヤードの戦いを天野と共に観察に来ている。状介が南田を殺した際に奪ったブレスレットをどういう経緯か身につけている。
※この「斬人」の解説は、「OUT (井口達也・みずたまことの漫画)」の解説の一部です。
「斬人」を含む「OUT (井口達也・みずたまことの漫画)」の記事については、「OUT (井口達也・みずたまことの漫画)」の概要を参照ください。
- >> 「斬人」を含む用語の索引
- 斬人のページへのリンク