狂乱鬼
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「OUT (井口達也・みずたまことの漫画)」の記事における「狂乱鬼」の解説
1年前に丹沢の策略により離散した斬人6代目幹部を中心に結成された暴走族。斬人を取り戻すことを最大の目的としており、その斬人に比肩する勢力を手に入れるため、他チームとの抗争を行い勢力を拡大している。特に西千葉でも有力チームであった爆神蜘を勢力下に置いたことで、斬人に対抗しうる規模を持つこととなった。最終目的は、斬人を解散させて完全消滅させることだとニカクの口から明かされている。 弦巻 良樹(つるまき よしき) 狂乱鬼総長であり、かつての斬人6代目総長。1年前、丹沢の策略により少年院送りとなった過去を持つ18歳。また丹沢からは斬人5代目総長であった皆川状介を殺害した張本人と目されているが、実は彼を殺害したのは事実であり、その理由も過去に皆川のやり方に反発して内部壊滅を狙っていた際に先走った本郷流希亜が皆川によって殺されるという出来事に遭い、その復讐から手を下したというものである。 達也曰く「太陽のような男」と言われるほど明朗快活な性格で、総長に相応しい器の広さを持った男。女性の好みは幅広く、本人曰く生まれてこの方ブサイクな女性には出会ったことがないとのことである。とある弁当屋の唐揚げ弁当が大好物。 抜群の運動神経に裏打ちされた喧嘩の腕前はすさまじく、狂乱鬼決起集会の際に行われた100万円争奪バトルでは二十数名の猛者を相手に1人で勝ち抜くほどの強さを見せ付けた。 ただ明るく器の広い男というだけではなく、上述の決起集会で敗れた後も反抗的な態度をとる爆神蜘総長の春川(通称ハルケン)に対して良樹自らの生爪を剥いで渡したり、海を一方的に痛めつけた不良格闘家を圧倒した後巨大な岩石で押し潰そうとするなど、並々ならぬ狂気を露わにすることもある。 達也とは西千葉駅前でナンパをしている際に遭遇、お互い少年院の出で保護委託中ということで意気投合し、上述の不良格闘家との喧嘩の際も達也とはモメたくないことを明言している。 三浦 佑也(みうら ゆうや) 狂乱鬼副総長。18歳。オールバックにしたドレッドヘアーと眉毛がないことが特徴。良樹・フーリン・イッカク・ニカクとは異なり、少年院送りにはなっておらず、出所したフーリンを門の外で出迎えていた。 西千葉でも5本の指に入ると言われるほどの喧嘩の腕前を持つ猛者であり、賢三からも「三浦が狂乱鬼のメンバーということは斬人7代目の勝ちはなくなった」と評される程である。爆神蜘との代表戦では特攻隊長の柿崎を一瞬で倒している。強面の風貌とは裏腹に性格は非常に純粋かつ真面目であり、人の言動を何の疑いもなく真に受け、それと逆のことが起こるとムダに疑心暗鬼に陥るため、フーリンからは「根が真面目過ぎる」と言われている。イッカク・ニカクから日々脅されている海を常に気に掛けるなど心優しい一面も持つ。達也と初対面の際、達也が相応の猛者であることを見抜いていた。 元々は西千葉内で4本の指に入る規模を誇る暴走族「阿修羅」の副総長であったが、中学時代から良樹達斬人6代目幹部とは中学連合を組む程仲が良かった。上述の丹沢の策略による斬人6代目幹部離散時に逃げ切った海から協力を懇願されたことにより、阿修羅名物である自身1人でメンバー全員と喧嘩をする「1対総マン」をやり切り、全治2ヶ月の重傷を負いつつも阿修羅を脱退。また三浦を慕う阿修羅の精鋭17人も三浦の後を追い、それにより狂乱鬼が結成されることとなった。 風間 美鈴(かざま みすず) 狂乱鬼遊撃隊長であり、かつての斬人6代目幹部メンバー。18歳。通称「フーリン」。長身ながら黒のボブカットに、黒を基調とした花柄のワンピースを纏ったオネエを思わせる風貌が特徴だが、自身はゲイではないことを明言している。語尾に「にゃん」を付け、「ゴルバッキー」という非常に硬いネコのぬいぐるみを肌身離さず所持している。学生の時はセーラー服を着て学校に通っていたが、その風貌から周囲からは敬遠されていたようである。良樹達と同じく、1年前に丹沢の策略により少年院送りとなった過去を持つ。 狂乱鬼発足直後、田口の暴挙に耐えかねた沢村達を唆して田口を襲撃させ、自身は部下十数人を連れて丹沢を襲撃。丹沢を連れ去ることには失敗するも、「ゴルバッキー」を使った攻撃で丹沢を追い詰めたり、駆け付けた圭吾の木刀による攻撃をかわしつつ喉元に鋭い縦拳を入れて大ダメージを負わせるなど、高い戦闘能力を持つことが明らかになっている。また、学生の頃も、自分を陰で笑った者を叩きのめすなど当時から強かったことも窺える。姉が「風の間」というスナックを経営しており、その場所が狂乱鬼の集会場所の1つとなっている。 楽崎 海(らくざき かい) 狂乱鬼幹部の1人であり、かつての斬人6代目幹部メンバー。18歳。小柄で黒髪、メガネをかけた到底不良とは思えない風貌をしており、同じ狂乱鬼幹部メンバーのイッカク・ニカクからは日常的に脅されている。三浦と同じく1年前のゴタゴタで少年院送りになっていない。 西千葉のアウトロー情報に精通していることに加え、卓越した人心掌握術と参謀能力を有することが狂乱鬼幹部たる所以であり、フーリンによる丹沢襲撃や沢村達による田口襲撃の扇動、狂乱鬼決起集会での良樹の立ち居振る舞いなどは全て彼の指示に依るものであった。斬人と爆羅漢の抗争時も、斬人の年少メンバーの中に変装して紛れ込み下原賢三と情報のやり取りをしており、爆羅漢が勝利したら斬人7代目を狂乱鬼へ売り渡すよう契約を交わしていた。 斬人脱退を余儀なくされ行くアテがなくなっていた田口を狂乱鬼へのメンバーへ誘い込み、田口の情報から斬人幹部メンバーの行動パターン、出没場所を確認し、斬人の戦力をそぎ落とすことと丹沢を炙り出すことを目的に斬人へゲリラ戦を仕掛けている。 賢三達「名無死」をボディガードに従えトレーニング直後の達也と面会し、狂乱鬼に力を貸してくれるよう交渉するも失敗し、逆らった場合に達也の叔父・叔母および「三塁」を襲撃するつもりだったことを見透かされたため怒りを買う結果になりながらも、斬人に加担せず今回の抗争に一切関与しないことを達也に約束させたことで何とか交渉を終える。田口が指示通りに目黒を殺害すると狂乱鬼のヤードに匿うも、それでも不審な点から目黒の死を疑い、後に田口が捕らえた翔と蓮を助けた上に本当のことを話したため彼がスパイであるという確信に至り、賢三から入手した拳銃を手に姿を現す。そして、翔を銃撃し、隙を突いてきた田口も早撃ちで負傷させるも、状況から嘔吐して怯んでしまい、それを狙った田口に銃撃された。 良樹が足を潰したボクサーを笑い泣きしながら何度も殴打する、武藤・沢村達斬人若手メンバーに敗北したハルケン・大島達元爆神蜘のメンバーを丸裸にしてロープで縛り正座させ、金属バットで何度も殴り付ける等、見た目に反して狂気や苛烈さを持ち合わせているが、反面あまりにも惨い状況になった際には耐えきれずに嘔吐するなどやや精神面が弱い時もある。 角田 一輝(かくた いっき) 狂乱鬼親衛隊長であり、かつての斬人6代目幹部メンバー。18歳。通称「イッカク」。下原孝二を超える211センチメートルの長身かつ細身で、会話の際は「オウ!」としか言葉を発さない奇妙な男(但し「オウ♪」や「オウ?」など会話の内容に合わせ語調は若干変えているようである)。良樹など一部の人間は話の要旨を理解できるようであり、少子高齢化・消費税増税などの社会問題に関心を持っているようである。ニカクは双子の弟にあたり、互いのタイマン戦では戦況を食い入るように見守り一喜一憂する程の仲良しである。良樹達と同じく、1年前丹沢の策略により少年院送りとなった過去を持つ。戦法は彼自身がいわゆる「損傷中毒者」であることに依るものであり、幼少のころ交通事故に遭い生死を彷徨った弟・ニカクを守るため、喧嘩に巻き込まれたときダメージに耐え続けた際、自己犠牲によるヒロイック精神が芽生えたためにその性質を持つようになったとされる。 爆神蜘との代表戦では副将を務め、副総長である大島と対戦。序盤は遅いモーションの攻撃を仕掛け大島のパンチを浴びつつも、徐々にスピードを上げていくチェンジオブペースの戦法を駆使し、最終的に顔面への膝蹴り一撃で勝負を決めてしまった。 メンバーを率いて翔と蓮、松坂を襲い、彼らを返り討ちにする。その後、駆け付けた目黒と対戦し、一本背負いを喰らうが、その直後に目黒の頭を鷲掴みにして首を絞めることで気を失う寸前まで追い込むも、爪を抉ってまでも根気を見せた目黒によって手をへし折られる。その後目黒を猛攻撃で圧倒し、とどめにバットで殴ろうとするが、受け身の取れない背後からの背負い投げを受けて敗北した。 角田 瑛二(かくた えいじ) 狂乱鬼特攻隊長であり、かつての斬人6代目幹部メンバー。18歳。通称「ニカク」。兄・イッカクとは対照的に身長は並ではあるものの、尋常ではない量の筋トレにより規格外の身体の厚みを手に入れたパワーファイター。上述の幼少時の交通事故後、自身を過剰なまでに守ろうとするイッカクに憧れを持ち、自身も強くあろうとハードトレーニングを続けたことにより今の肉体が形成されたとのことである。イッカクと同じ髪型をして同じタトゥーを入れている。良樹達と同じく、1年前丹沢の策略により少年院送りとなった過去を持つ。 口数の少ないイッカクとは対照的に言葉数は多いが喧嘩っ早い性格で、爆神蜘との代表戦に突如現れ高額なファイトマネーを吹っ掛けた下原賢三を挑発したり、狂乱鬼決起集会前に良樹の誘いにより居合わせた達也に詰め寄るなどの態度を見せている。(但し一歩も引かない達也の態度を気に入り、すぐに意気投合している)さらに海曰く「狂乱鬼の中で最も残虐非道な男」とのことであり、以前より他チームのメンバーなどの拷問を得意としている。また海のことは日常的に脅してはいるものの、彼の並外れた人心掌握術には一目置いている。 爆神蜘との代表戦では大将を務め、総長であるハルケンと対戦。凄まじい強さを誇ると噂されていたハルケン相手では負ける可能性が高いと考えていた三浦やフーリンの心配をよそに、ハルケンの顔面目がけた素早く重い一撃を決めて即座に勝利した。 イッカクが目黒に倒されたことで敵を取るため彼と対峙し、圧倒的な力で目黒を追い詰めるが、現れた田口に妨害され、最終的には古傷を見抜いた目黒の一撃によってその部分を打ち抜かれて敗北する。死ぬ間際、田口と目黒に良樹の目的を明かし、静かに息絶えた。その後、遺体は目黒を探していた海たちによって発見され、後に確認に訪れた良樹たちに見せ付けられた。 本郷 流希亜(ほんごう るきあ) かつての斬人6代目メンバー。フーリンから「ゴルバッキー」というあだ名をつけられており、2年前の狂命戦争で命を落とした故人である。狂乱鬼幹部達曰く、口数は少ないが友達思いな男とのことであり、明るい髪色のミディアムヘアが特徴の美少年であった。 小学生時代、海が通う小学校に転入してきた過去があり、無口な性格から一人ぼっちでいたところを海に声をかけられ、親友になった。その後海を頻繁にいじめていた三浦、火咲の悪ガキコンビに怒り、当時中学生も恐れていた火咲にタイマンを挑み引き分け、それがきっかけで4人の間に友情が生まれた。 中学進学後も海、三浦、火咲と行動を共にしていたところ、井逆中学校に通うフーリン、イッカク、ニカクに出会う。当時流希亜を良く思っていなかったニカクとタイマンになるが、当時は小柄で喧嘩がそれほど強くなかったニカクに圧勝、それがきっかけでニカク達とも仲良くなり、中学連合を結成するに至った。 その後良樹、海たちと共に斬人に入隊。16歳のころ、狂命戦争の真っ只中で5代目総長、皆川状介を始末するための斬人6代目会議の際、皆川子飼いの丹沢達斬人7代目を警戒している発言をしていた。その会議で良樹が全員に勝手な動きをしないよう忠告していたものの、それを無視し皆川を単身襲撃するも失敗。その後皆川に拘束され凄惨な拷問の末に殺害された(表向きは行方不明扱いとなっている)。 彼の壮絶な死は斬人6代目メンバーに計り知れないショックを与え、良樹が皆川を殺害することを決心した契機となった。 春川 剣一郎(はるかわ けんいちろう) 西千葉でも有力チームであった暴走族「爆神蜘」の元総長であり、「ワンパンのハルケン」という通称で有名な西千葉アウトロー界のビッグネームの1人。18歳。通称通りその巨体から繰り出すパンチは強力無比で、かつてはタイマンの喧嘩では負け無しであった。また自分の意に沿わない人間は徹底的に拷問・ヤキ入れを行う上、タイマンで倒した相手の生爪を剥いでコレクションするという異常な趣味を持つ。 恐るべき実力を持ちつつも狂乱鬼との代表戦では上述の通りニカクに敗北、その後のハルケン自身の進退はニカクの提言により良樹によって委ねられることになった。その後上述の100万円争奪バトルでは立て続けにタイマンを行い疲弊していた良樹を1度はダウンさせるも、ダウンは演技であった良樹の一撃に撃沈。その後も良樹を頑なに認めない態度を取っていたが、生爪収集を趣味としていることを知っていた良樹が、自分自身の生爪を剥いで手付けとして恵んでくれたことに涙しながら感激し、狂乱鬼傘下に入ることを決めた。その後も良樹から貰った生爪を自身の数珠の間に挟み込み、自分が従うのは良くんだけと顔を赤らめながら語っている。 狂乱鬼加入後は上述の通り武藤・沢村達を襲撃。沢村を一撃でダウンさせ、武藤にマウントを取られた際力の入らない態勢でも大ダメージを与えるパンチを繰り出し優位に勝負を進めるも、総合格闘技に精通した武藤の粘り強い攻撃に屈しダウン。しかし直後数珠の間に挟んでいた良樹の生爪がなくなっていたことに気付き、半狂乱状態で武藤に襲い掛かり失神寸前まで追い詰めたが、武藤に隙を突かれ三角締めから腕ひじきを喰らい、腕を折られたことで敗北。 その後警察からの拘束は辛くも逃れるが、大島達共々海から凄惨な拷問を受けることとなり、クビを宣告されかけるが既に行き場所を失っていることから残留を泣きながら懇願し、最終的に海から受けた謎の指令を行うという引き換えに狂乱鬼に残留することとなった。その際に海から武藤・沢村達との喧嘩の現場で紛失したと思われていた良樹の爪を受け取り、露出した男性器を勃起させて興奮していた。 大島 良介(おおしま りょうすけ) 上述の暴走族「爆神蜘」の元副総長であり、180センチメートル近い長身と鍛え上げた筋肉質の体躯が特徴。18歳。傷害事件を起こし高校を中退する前はアマチュアボクシングのミドル級千葉県チャンプにまで上り詰めた実力者であり、そのスピードと重さを兼ね備えたパンチで多くの不良を喧嘩で沈めてきた。 狂乱鬼との代表戦では上述の通りイッカクに敗北、その後はハルケンが良樹に心酔したことにより、元爆神蜘メンバーと共に狂乱鬼の一員として活動するようになる。 狂乱鬼加入後は上述の通り武藤・沢村達を襲撃。ハルケンにマウントを取った武藤をバットで襲うが、沢村に攻められタイマンに発展。得意のボクシングで沢村を圧倒するが、隙を突かれバットで脛を折られ、倒れ込んだところに頭部近くにバットを振り下ろされ、あまりの恐ろしさに失禁してしまうただし沢村曰くその行動は「遊撃隊仕込みのハッタリ」であり、最初から頭を砕くつもりはなかった)。脛を折られた直後、狂乱鬼メンバーに車へ担ぎ込まれ逃走したため、西千葉警察による拘束は免れた。 柿崎 明(かきざき あきら) 上述の暴走族「爆神蜘」の元特攻隊長であり、大柄な体躯とパンチパーマのような髪型が特徴の18歳。かつて通っていた条西高校では頭を張っていた。 狂乱鬼との代表戦では対戦相手の三浦が狂乱鬼にいることに驚きながらも、自身が西千葉No.5に取って代わると息巻いて勝負を挑むが全く歯が立たず敗北。からも「全然大したことなかった」等と評される始末であった。 ハルケン、大島同様に狂乱鬼加入し、狂乱鬼のユニフォームを着た圭吾達と共に達也、トシの前に現れた。トシ曰くかつて自身と圭吾が通っていた中学校の頭であり、中学2年時の転入生で一匹狼であった圭吾を気に入らず、仲間達と共に頻繁に圭吾を袋叩きにしていたらしい。 上述の通り圭吾をトシにけしかけるが、反対に喉元に八角棒の一撃を入れられた上、身体中を殴打されるという憂き目に遭っている。 上述のイッカク率いる狂乱鬼の目黒襲撃に参加するが、首にギブスを巻く等圭吾に受けたダメージが残った痛々しい状態であったため、目黒から「家で休んでなよ」と窘められる始末であった。仲間達が次々と倒されつつも目黒に立ち向かう男気を見せるも、あえなく撃沈している。
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