進退とは? わかりやすく解説

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し‐だい【進退】

読み方:しだい

《「しんだい」の撥音無表記》自由にすること。思いどおりにすること。

もとより、—ならぬ人の御ことなれば」〈源・真木柱


しん‐たい【進退】

読み方:しんたい

[名](スル)古くは「しんだい」とも》

進むことと退くこと。動くこと。

常人の情は兎角世の風潮従いて—する者にて」〈西村茂樹日本道徳論

身を動かすこと。立ち居振る舞い。「挙止—」

職を辞めるかとどまるかという、身の去就。「—を共にする」「—去就時機」「出処—」

心のままに扱うこと。自由に支配すること。

屏風(びゃうぶ)の高きを、いとよく—して」〈一二〇〉

「国ヲ—スル」〈日葡


進退

読み方:シンタイ(shintai)

土地人間心のままに扱うこと、支配すること。


進止

(進退 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/20 00:47 UTC 版)

進止(しんし/しんじ)とは、進退(しんたい)とも呼ばれ、土地財産人間などを自由に支配・処分することを指す。

概要

原義は文字の通り、「進む」ことと「止まる」「退く」ことを指していたが、自身のみではなく他者に対して同様の指示を行うと言う意味も有しており、やがてそれが発展して人や物を自由に取り扱うという意味を持つようになったと考えられている。古代日本においては所勘・沙汰などを含めた広い意味で用いられた。中世においては所領所職に対する充行没収あるいは補任改易の権利行使を意味するようになり、近世に入ると領主の任免が公儀に集約されたために土地や財産などに対する排他的支配権や私法的処分権を意味するようにあり、主に「進退」表記が用いられるようになった。

中世の進止については類似の概念である「知行」との関連について法制史の世界で論争があった。すなわち、中田薫は進止も知行も近代法における占有を意味しており、進止が人間に対しても及ぶという点を除けば両者は同一であると主張して、戦前における通説であった。これに対して牧健二石井良助高柳真三らがこれに反論した。牧らの反論の内容には違いはあるものの、知行が一定の不動産(所職・土地など)などに存在する各種の用益権の行使を指し、進止が補任や充行、改易などの人事やそれに付随する諸権限(年貢公事勧農検断に関する取扱)に対する処分権の行使を指すとしている。進止・知行の双方の権利を有する者を一円進止(いちえんしんし)と称する。

ただし、中世の土地法制においては複数の領主が存在しうる複雑な構造である上、公家政権と武家政権の併存などもあり、進止が誰に帰属するのか、また実際に行使できるのかという点に関しては上記の定義にもかかわらず常に問題を有していた。すなわち、一家(親子)や下級領主に関する進止は進止出来る者が親や在地領主など限られており、上記定義のような排他的な支配が認められていたが、上級領主に関する進止になるとその対象になる荘官などの現地領主の支配力が強力であったり、幕府による地頭人事に本所・領家は介入できないなど、所職が持つ性格や法令・慣習・政治的軍事的な力関係などによってその権利行使は制約を受けた。そもそも、本所・領家などの上級領主がその所領の全てを完全に管理することは不可能(荘官などが設置される最大の理由はそれを補う意味を有する)であり、表面上はともかく実際に自由に支配・処分をすることは困難であった。

参考文献


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