藤村の板前とは? わかりやすく解説

藤村の板前

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 09:48 UTC 版)

味いちもんめ」の記事における「藤村の板前」の解説

藤村」は東京新宿店を構える料亭京都吉川」で修行した熊野信吉花板として腕を振るい主人公・伊悟が働く店で、本作主な舞台となる。世間的にも名の通った一流料亭で、模倣店も出る程の格を持つが、超一流料亭板前には見下す者もいる。第1話では横川立板努め栗原川島、そして肩書き不明だが「増田」という板前と、老人(熊野曰く「じっつぁん」)が一人追い回し三年目谷沢、そして入ったばかりの伊というメンバー構成だったが、「増田」は2話冒頭で伊達に別れ告げて藤村」を去り入れ替わりボンさんが入る。「じっつぁん」は直後コマ最後に姿を消し、さらに第3話横川が「藤村」を去り第4話坂巻立板として加入。ここでようやく、栗原抜けて長友が加入するまでの期間はメンバー固定されるになった。 伊 悟(いはし さとる) 最初連載当時藤井フミヤばりに前髪垂らし料理学校首席卒業自分に「何もさせてもらえない」と不満ばかり口にし、仕事真面目にやらない男だったが、同い年追い回し3年目谷沢と得意の剥き物勝負して完敗するなどして気持ち入れ替えたことで、自分が『アヒル追い回し)』である事を自認して修行に励む事になる。性格お調子者花板本作での呼称基本的に親父さん」)の熊野をはじめ、横川坂巻といった立板、その他先輩時には殴られ叱咤され時には誉められ更には鬼怒川京都等の遠方へ「助」に行かされたりしながら追い回しからどんどん成長していく。熊野薦めで(というより全く聞かされないまま)京都料亭登美幸』で一年間修行したことがあり、この経験により自分目指す味は京料理基本だと気づく連載が進むにつれ板前としての技量確実に身についているが、料理学校同期藤村板前修業始めてから知り合った同世代比較する昇進するのが遅くあろうことか焼方一度昇進しながら、後輩の長友が辞めたために一時的とはいえ追い回し逆戻り登美幸で修行するになった際に追い回しから1年以上やり直す羽目にもなっている。これは伊自身も気にして落ち込んだ事があるが、熊野の、彼を(料理例えれば煮浸しのように)じっくり育てたいという意向からではないかと『花家』の煮方、清が推測している。料理対す情熱本物であり、自分の部屋には数々郷土料理資料数々料理VTRがある。 前述のように「藤村」の熊野兄弟子、「助」や修行行った先での板前からも多くの事を学んでいるが、現役板前のみならず余命幾ばくもない老人ホーム老婆雷干し)、焼き鳥屋台の店主火の扱いタレ重要性)、既に亡くなった名人板前亡霊焼き魚いくつかの料理)等からも大事な事を教わっている。 連載初期ひったくり捕まえた縁で香里という女子大生付き合っていたが、香里パリへ留学することになったことで半ば別れたようになってしまった。しかし伊煮方になる頃には三遊亭円鶴弟子である三遊亭小つるとも付き合いがあった(恋愛関係ではなく、あくまで友人として。伊の方はそれなりに想い寄せているが、小つるの方は「まんざらでもない」という程度)。 『新・味いちもんめ』からは、熊野が昔世話になった西新橋老舗料亭桜花」より、腕の良い板前貸してほしいと頼まれ藤村出て桜花出向する藤村では煮方だった伊もここでは1番下っ端追い回しから再スタートとなり(これは熊野意向よるもの)、会社組織のようなシステム化された板場や、社長始め変わったキャラクターが多い中で、藤村とのあまりの違い最初戸惑い上の者との衝突繰り返す。だが、持ち前ガッツ人柄徐々に回り変えて行き、伊を慕う者も徐々に増え1年ほど経ったところで煮方戻ったその後新設された「SAKURA」(桜花1階フロア営業)という店舗回されるその後SAKURA」の支店を出す話では伊店長への抜擢内定するも、紆余曲折経て自分顔つきをした料理出したい決意し以前修行した店や知人頼らないことを条件に、研修名目単身京都出向くことになる。京都では新たに出会った湯葉辰」や、割烹さんたか」で新たな修行始める。 『~独立編』では、雇われではあるが、料亭「楽庵」の店長花板となった。『~にっぽん食紀行』では、「楽庵」の店長である事は変わりないが、オーナー拝島指示前半北陸回ってその土地料亭体験取材していたが、後半に入ると「楽庵」に戻った。 『~世界の中の和食』では冒頭拝島に「楽庵」の閉店告げられ、また一板前戻り銀座一流料亭に入るが、さすがに今度初めから煮方としての入店であり、新たに花板となった板前には「自分の方が経験不足なのに申し訳ない」と初対面の際に謝罪を受けるなど、一目置かれ、かつ頼りにされている。 若手の頃はお調子者一方で頭に血が上りやすく、喧嘩場面で一方加勢して暴れたり黒田渡辺、東といった後輩達を怒鳴りつけたり手を上げる事もあった。連載長期化に伴い作中でもそれなりに時間経過しており、若手だった彼も「新」以降になると後輩から影で「オヤジ扱いされたりするようになる『新』終盤舞い込んだ独立話で料亭「楽庵」の店長となった後は、従業員達からは「大将」と呼ばれるようになり、若い頃とは打って変わり上に立つ人間としての風格成長見られるようになった父親大学教授)とは折り合い悪く、「藤村」への入店以降実家にも全く帰っておらず、両親近況基本的に兄からの連絡通じて知る。しかし、父親との「雪解け」を匂わせるエピソード最後に、あべ善太作の『味いちもんめ』は幕を閉じる(偶然とはいえ最終回もおかしないようエピソードであった)。後の独立編では、伊の店の楽庵に夫婦訪れ料理食べエピソードがあり、帰り際には伊が「また来てくれよ」と言い、ここでようやく父親との和解実現した一方で女性関係の方は、ボンさんと共にソープに行く描写はあるものの、時とともに回り先輩後輩次々と結婚していく中で、前述女子大生香里一時付き合う、第一作後半で円弟子の小つるとの交流などがあったが、「世界の中の和食」編終了に至るまで何度出会いがあったり、それを匂わす展開や合コン等に参加したりするものの、特定の彼女はおらず独身であった。『~継ぎ味』で、シングルマザーとなった香里10年ぶりに再会交流始まり、彼女の息子懐いているが、復縁を望む元夫存在香里気持ち元夫から既に離れている)があり、よりを戻すまでには至っていない。 連載当初趣味として太平洋戦争以前軍服収集し休みの日等はそれを着て街を歩くサバイバルゲーム興じていたが、戦争経験した老人達から戦中悲惨さ聞いてからはその趣味止めている。また、若手の頃は喫煙者であるシーン見られたが、原作者変った「新」以降ではそういった描写はあまり見られなくなった。 『~継ぎ味』の第1話で店の常連客よりまた独立話が舞い込むが、直後藤村」を訪れた時に藤村」の現状熊野体調崩している事、渡辺と東が辞めて追い回し一人という状況である事など)を目の当たりにし、下の者が育って花板もそれにふさわしくなり、自分がいる意味がなくなった料亭事情話して辞めて固辞する熊野谷沢押し切って藤村」に戻ってきた。 ボンさん 第1巻第2話ボンさん」から登場しているキャラクター。元僧侶。伊同僚であり、ソープ仲間でもある。当初は伊先輩であったが、途中から伊成長につれて立場変わったようで、伊ボンさんに対してタメ口をきくようになっているまじめな話をする時には敬語になる時も)。登場初期標準語だったが、程なく関西弁で話すようになった。伊お互い冗談軽口言い合ってヒジを『ガシガシ』とぶつけ合い、それを周囲困惑した表情で見つめているシーン本作定番勝敗描かれる場合は大抵ボンさん負ける)。瞳が互い違いになっている事が多い。 もともとは京都の寺にいた僧侶であったが、戦争中ビルマ戦線出征していた。終戦後戦前価値観が全く変わってしまった事で自暴自棄になり、芸者遊び等をしてばかりで、京都の寺を追放され丹波二本松JR園部駅からJRバス乗って篠山方面向かった所のようである)のある寺に追いやられるも、そこでは仏像売り払ってしまい逃げ出してしまう(これは「藤村」に来た時の熊野との面接でも正直に話している)。その後経歴については謎であるが、ひょんなことから料亭藤村」にやってくる。そして揚げ物担当の「油場」となる。彼の経歴については非常に謎が多く京大出と自称していたこともある。真偽のほど不明ではある(自ら「ウソや」「(勉強は)出来んかった戦争やったから…」と伊言っていたこともある)が、作品中でみせる博識ぶりからは、まんざらでもないように描写されている。 大のギャンブル好きであり、「藤村」に来た当初は伊相手に「花札」や「チンチロリン」等のサイコロ遊びで金を巻き上げており、特に競馬戦前日本ダービーからやっており、主人公には「50年損し続けている」と言われている。ギャンブル対象としてだけではなく好きだった馬カブトオーが殺処分される運命にあるのを聞き、伊たちと共に競馬稼いだ100万(カブトオーの子供であるカブトハナに一発勝負賭けた)を出して助けたこともある。 また落語にも造詣深く、円ストーリー初め登場した時は「最近の円は感心せん」と批判している。なおボンさん本名吉川広海よしかわ こうかい芸者衆には「ひろみ」と名乗っていた)となっている。 最初から油場任されたのではなく、元々前述の「増田」が藤村辞めたあとに出され求人広告見て藤村」を訪ね熊野今まで経験聞かれて「ボウズしてました」と話す(ボウズとは、板前世界では追いまわし の事)が、ボンさん言っていたボウズとは、本当お坊さんのことで、熊野油場任せた理由は、藤村の元立板横川サラ金取立てから救ってその横川からの勧めという理由と「元坊主なら衣をつけるのは上手そうだ」という熊野シャレから。しかし、揚げ物に関して実際にかなりの腕前で、熊野は「長い人生経験が、作るものに深み与えている」と評価し、後に萩原との会話で「ボンさんそれだけの腕がなければ使いません。歳は関係ないのです」と言い切っている。初期出てきた若い頃容姿幾分写実的に描かれているが、後期になると現在の姿そのまま若くたような容姿描かれている。 熊野 信吉くまの しんきち) 「藤村」の花板。「親父さん」と呼ばれる東京浅草出身で、落語家三遊亭円鶴とは幼馴染中学卒業とともに京都料亭吉川」の修行出た。そこで富田田辺知り合い寝食を共にした(京言葉はこの当時自然に身に付いた)。修行時代悔しことがあると、鴨川の下でよく泣き鴨川につかり自分戒めていたという(「吉川」の親父さんが亡くなった時も、葬儀夜に同所泣いていた)。その後吉川」での修行終えると、帝都ホテルからの花板誘い断り幼い頃からの知り合いだった主人亡くなった事で店が傾きかけていた「藤村」の花板となった基本的に温厚で懐の広い性格だが、怒った時には凄い剣幕でみんなを震え上がらせ、鉄拳容赦なく出る。味についても厳しく煮方になった熊野に味を見てもらい、ダメ出しされた事がよくある。かと思えば、時々オヤジギャグ飛ばし板場のみんなを固まらせる(もっとも、それほど寒いギャグない場合も、板場一同が固まる)、もしくはずっこけさせる。手が空いている時や客と談笑している時、首からぶら下げた手拭い両端それぞれのの手持って立っているシーンよくある。『~独立編』では、開店直前の「楽庵」を訪れ、伊を「大将」と呼び、それがきっかけで伊呼び名が「大将」に決まった。『~継ぎ味』では体調崩しており(第1話冒頭女将から切羽詰まった表情で「店を辞めてちょうだい!」と言われるなど、深刻な体調である事が示唆されている)、第2話以降休養していた。その後体調幾分回復して、完全復帰とはいかないまでも週何度かは板場立てるようになり、谷沢と伊上のとしてのあり方なども教えるようになっている坂巻 勝男(さかまき かつお) 横川出た後に来た「立板」。ゴルゴ13のような顔つき最初恐れられていた。「藤村」の仲居ゆきとは、元々20歳そこそこ結婚したが、当時の彼は付き合い称して金を湯水如く使い、けんかばかり遂に離婚。しかし「藤村入店直後再会し当初気まずさから店を辞めようとしたが、熊野に「お互い30過ぎて、昔とは違っているはず」と薦められた事で復縁、後に息子新太郎をもうける。仕事には厳しく、伊谷沢更には煮方栗原さえ包丁の峰で叩かれ教えられたが、仕事離れれば良き兄貴分で、みんなに慕われていた。子供の頃父親がいなかったため、よくバカにされたという辛い経験持っている田辺引退に伴い富田東京移動したため、京都の「花家」の花板となった年齢は、「藤村」に来た当初32歳(2歳下である妻のゆきが、それから1年後31であると言われるシーンより)で、その後「花家」で自身が「40近くになってからこっちに来たから」と述べている。異動当初は、「京都弁」はまだ使えず、客から「それでも商人あきんど)か? まるでお武家さんやないか」と文句言われるなど苦労したが、後に京都弁使えるようになり、客とも打ち解けられようになった谷沢 誠(やざわ まこと) 「藤村」の立板群馬県出身。伊とは同い年だが、伊より3年藤村」の先輩のため伊谷沢を「谷沢さん」と呼んでいる(彼の方当初を「伊橋さん」と呼んでいたが、上記理由で伊自身が「伊でいい」と言って、それからは呼び捨て)。物語序盤は伊と同じ追い回しだったが、3年間の実戦経験の差もあり実際技術は伊より遥かに上だった。内気話し下手極度緊張症で、脇板煮方になった際は、包丁握れなくなったり、味が分からなくなったりとトラブル生じたが、熊野励ましによりなんとか回復したその後小学校栄養士結婚した基本的に大人しい性格だが、怒る時は怒り、伊ふざけてみんなに袋叩き遭った時は(ギャグシーンではあるが)伊の頭に漬物石を落とすシーンもある。立板としてカウンター任されている実力本物で、客あしらい上手い熊野留守中には代理板場取り仕切り、伊らに的確な指示を出す事もできる。自分にはない伊明るく物怖じしない性格認めており、自身でもそういうところを見習おうとしていたり、終盤に入ると良き相談相手としても見るようになり、「藤村」の経営厳しさを伊相談したりもしている。『~継ぎ味』では体調崩して休養している熊野に代わって花板代理ともいえる立場務める事になった横川よこかわ) 「藤村」の立板だった。博打好きが嵩じ借金増え八百善野菜細工(わざと火の近く置いて痛んだ野菜持ってたように見せかける)し、他の八百屋商品を「藤村」に入れ代わりに金を貰う事を画策するが、熊野には以前から同様の手口見抜かれており、腕のいい立板横川失いたくないから目を瞑ってきた事を吐露されその場謝罪して藤村去った家族連れて夜逃げ同然に街を去った後は、小田原ドライブイン勤め更には温泉ホテル花板務めたが、藤村去った後の恩人過労栄養偏りによって亡くなった事で、働く人の体を考えた料理をつくろうと決心し栄養学一から学び直し「まるよこ」という定食屋開店した一度隣からのもらい火全焼してしまったが、その後常連客の多い会社協力復旧した。後に谷沢尿管結石倒れた際、伊助っ人頼まれるが「今の自分カレーライスカツ丼等ばかり作っている定食屋オヤジしかない。もちろん出している料理の味には自信持っているが、京料理世界からずっと離れてしまった以上、今の自分助っ人行ったところで迷惑をかけるだけだ」という理由断った。しかし熊野には、不祥事クビ同然に藤村」を去った自分今更助っ人になど行く資格はないという「けじめを守ろうとしている」事を見抜かれており、熊野が自ら横川訪ね、彼がいた頃に「追い回し」だった谷沢と伊それぞれ立板」「煮方」に出世している事を例に挙げ「もう十分な時が流れたんやないか?」と言われ続けて熊野頭を下げて頼まれた事に感激して助っ人承諾板場では全員の前で「もうこの板場には二度と入れない思っていた」と涙した剥きものが得意で、栗原言わせれば手先器用さ熊野以上との事。基本的に容姿変化しない本作登場人物の中で最も容姿変化した人物で、連載初期中期以降の「まるよこ」経営時ではほとんど別人栗原くりはら愛称クリ」。恰幅良い体格で頭は完全に禿げ上がっているが、物語初期時点ではまだ30歳手前藤村煮方だったが、出世藤村去り、違う店(白井)の立板となった新宿一帯一流料亭卸している魚河岸大問屋「神村水産」の令嬢お見合いをし、デートも順調で結婚まで秒読みという所まで発展したものの、藤村で伊谷沢坂巻鍛えられているのを見て自分人生自分の足で歩いていくと決め板前人生を棒に振る事にはならなかった。無印終盤に入ると「白井」の花板大谷」が歳を取った事で、実質彼が店を切り盛りしている事が語られた。また「独立編」終盤では、「藤村」で開かれた自分が「藤村」にいた頃には入っていなかった渡辺結婚式にも出席している。 川島 竹一かわしま たけいち) 藤村の「向板」後に「煮方担当だった。大きな体とタラコ唇といういかつい容姿だが性格は穏やか。父親脳溢血倒れ、左半身が不自由になってしまい、出身地高知戻り小さな居酒屋経営しながら父親面倒を見ることになったため、藤村去ったその際板場みんなの餞別に、お金ではなくそれぞれの身に付けているものを一つずつもらう事を希望し、それを自身身に付け仕事をする事で、離れていてもみんなと一緒に仕事をしている気持ち頑張りたいから、と語ったこの際熊野からは「物」ではなく、「かぶと煮」という「味」を贈られ、「花板が下の者に自分料理食べさせる」という最大限餞別感涙した。居酒屋経営にあたって、「藤村修行時代培った技術を使う機会がない事に悩みその事一度藤村」を訪ねるが、熊野薦めで円飲んでいる間に落語世界でドサ回り下衆ネタしか受けないような寄席でも、技術をしっかり見に付けている噺家演じるとある種の品が出る」例を聞かされ自分も「藤村仕込み冷奴等を作り出してみせる」と誓う。後に熊野倒れた際、忘年会予約客に頭を下げて藤村」に助っ人来てくれた。得意料理は「土佐造り」。後に谷沢尿管結石倒れた時も、「藤村」の近場では助っ人が見つからない事から伊熊野川島頼んでみたらと提案したが、熊野川島性格なら頼めば来てくれるだろうと認めつつ「だからこそ逆に頼むわけにはいかない」と却下した川島性格上、頼まれたらどんな都合の悪い状況だったとしても「藤村」の助っ人優先して承知しかねない為。前述通り、この時は横川助っ人に来た)。 長友 泰典(ながとも やすのり) 「藤村」の追い回しだったが、もう少し追い回し卒業という所で辞めたドライな考え方持ち主で、趣味野外観察コンピュータ昼食作りレトルトカレー作ろうとしたり、市販ダシの素を使ったりと、合理的に考えようとしていた。悪気はないがドライすぎる故空気読めない言動目立ちその度に伊カリカリしていた。自然の中に入る世話好きなるらしい学生時代母親帰宅が遅いため、ゆで卵空腹紛らわせることがしばしばあったため、軽いトラウマとなりゆで卵嫌いになった。追回し仕事行き詰まって求人誌仕事探していたこともあるが、ちょっとしたきっかけ立ち直り仕事続けていた。だが、やはり板前仕事には向いていないと判断したのか、直接的な描写前触れもなく、藤村から退職。伊は「バードウォッチング好きだったから『青い鳥症候群』ってやつにかかっちまったのかな」と揶揄したが、坂巻が「あいつも悩んだ末の決断のようだし、親父さんも納得したんだから」と取りなした。ボンさんは「もう少し追い回し卒業だったのに」と残念がり、谷沢同意した高知川島実家には、彼がいた頃の「藤村」の板前達の集合写真飾られている。 黒田厳鉄(くろだ がんてつ) 長友の辞めた直後入ってきた「藤村」の追い回し下の名前は『継ぎ味』で明らかにされた。通称名字「クロ」ルビ振られている。長友がいなくなって自分がまた追い回し逆戻りする事を恐れた必死に新人探しをしている時、あてもなく田舎から出てきて警官職務質問されている彼が、「板前になりたくて出てきた」と言っているのを聞き「『藤村』に来る予定だった新人だ」と嘘をついて強引に連れてきた。空手柔道をやっていて、暴漢追い払う腕っ節も強いが、大きな体とは裏腹に大人しく優しい性格渡辺加入により焼方に進むが、その性格ゆえ、年上渡辺注意しづらいらしく、かなり無理して指導していた。後に人手足りない「花家」の煮方となった。『独立編』終盤に「藤村」で開かれた渡辺結婚式にも出席した渡辺(わたなべ) 「藤村」の追い回し下の名前不明通称名字に「ナベ」とルビ振られている。激安ショップ働いていたが店が潰れ、また「物を右から左へ流す」仕事ではなく自分で物を作り出す仕事がしたくて「藤村」の面接受けた。完全な未経験のため、年下黒田の事も先輩としてきちんと立てる。東が入り追い回し卒業かと思われたが、それまで調理経験の差か焼方の技術で東を上回る事が出来ず追い回し続行するになった直後少々落ち込んだもののすぐに気を取り直して改め修行続行する決意表明している。自分面接し採用進言してくれた恩義もあってか、伊慕っているような描写よくあるとはいえ、伊定期的に参加している研鑽会から戻り、物や後輩八つ当たりした際「いい加減にして下さいよ!」と言い返した事もある。「独立編」では開店直後の「楽庵」へ、熊野指示で助として手伝い出された。藤村では焼方昇進しており、最近では脇鍋やらせてもらっているとのことまた、今の藤村は伊のいた頃とは違い、伊知らない後輩入ってきて育っているとも言及している(「独立編」以降、伊何度か「藤村」を訪ねる事があったが、その後輩達は出てきた事はない)。ボンさんと伊の「ガシガシ」は、「独立編」の時点では彼が相手になって続いてたらしい。「独立編」終盤結婚し、式は「藤村」で行われた。東の事は無印では「東さん」と呼んでいたが、独立編では東は煮方昇進しているにも関わらず結婚式の回では「東」「お前」と呼びタメ口聞いていた。『~藤村便り』までは「藤村」に在籍している事が描写されていたが、間を取らず始まった『~継ぎ味』の冒頭ボンさんから東と共に辞めた事が語られた。 東 達也(ひがし たつや) 「藤村」の焼方いろいろな店を歩いてきた。新人だが、入店直後板場では先輩渡辺より上の技術見せて焼方やることとなった性格基本的におっとりして人懐っこいが、合理的でかつての長友に調理技術経験プラスたようなタイプある程度技術自信持っているせいか、伊とは事ある毎に対立(というより、伊一方的にカリカリしている)するが、別に嫌っているわけではなくそれなりに認めている描写がある。『~にっぽん食紀行』において、煮方昇進している事が語られたが、『独立編』終盤渡辺結婚式では序列が下で第一作では君付けだった彼に対して敬語接していた(前述のように渡辺の方は「呼び捨て」や「お前」で、ため口)。『~藤村便り』までは「藤村」に在籍している事が描写されていたが、間を取らず始まった『~継ぎ味』の冒頭ボンさんから渡辺と共に辞めた事が語られた。

※この「藤村の板前」の解説は、「味いちもんめ」の解説の一部です。
「藤村の板前」を含む「味いちもんめ」の記事については、「味いちもんめ」の概要を参照ください。

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