ローエングラム陣営の軍人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:21 UTC 版)
「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事における「ローエングラム陣営の軍人」の解説
アルフレット・グリルパルツァー (Alfred Grillparzer) 声 - 嶋崎伸夫(旧:第46話) → 咲野俊介(旧:第66〜97話) 大将。元レンネンカンプの幕僚(OVA版では参謀長)。のちにロイエンタール麾下。旗艦はウールヴールンの姉妹艦エイストラ(OVA版)。 バイエルライン、トゥルナイゼンと共に帝国の将来を嘱望されている若手提督。軍人以外にも帝国地理博物学協会の会員資格を持つ探検家提督としても知られており、地理学者としても将来を期待されているなど、大将級の若手提督の中では最も期待されている人物。一方で作中では野心家として思慮の浅い行動を取ることが多く、致命打となるウルヴァシー事件以外にも、ケンプの葬儀の場で学会の入会認可の報を聞いてトイレで喜んだり、同格の大将といえど年長で先任であるベルゲングリューンの軍事査閲監就任に公然と不満の態度を示すなどのエピソードがある。野心が強く栄達を望むがゆえに、戦乱の世が終わりかけ、功績を上げる機会が減っていることを憂慮している。 登場以前はレンネンカンプの幕僚で、彼の高等弁務官就任に伴い指揮艦隊が二分された際にその1つを率いる提督に任命される。ラグナロック作戦において物語に登場し、マル・アデッタ星域の会戦ではクナップシュタインと共に先鋒を務める。同盟領が完全に併呑されると、ハイネセンに着任し、旧同盟領統治の暫定的なトップとなる。ロイエンタールがノイエラント総督就任するとクナップシュタインと共に彼の指揮下に入る。ウルヴァシー事件が発生すると事件の調査と治安回復のために現地に派遣されるがロイエンタールに有利な情報(地球教の関わり)を隠して彼の叛乱を既定化させ、逆賊となった彼を討つことで功績を上げようと企む。そして同僚のクナップシュタインを説得して引き込み、彼と共に第2次ランテマリオ会戦で機を見ての裏切りを画策する。会戦終盤でロイエンタールに裏切りの砲火を浴びせるも、結局は返り討ちにされるという醜態を見せ戦線離脱、さらにロイエンタールの親友であるミッターマイヤーを避けて(比較的穏やかな)ワーレンに降伏する。以上の醜態に加えて、メックリンガーのウルヴァシー事件再調査により、彼の調査事実隠匿がロイエンタールの叛乱の遠因となったことが明らかになり、メックリンガーから「晩節を汚した」と厳しく糾弾され、最期はラインハルトによって軍籍・階級を剥奪された上で自裁を命じられる。 ブルーノ・フォン・クナップシュタイン (Bruno von Knapfstein) 声 - 檜山修之(旧) 大将。旗艦はウールヴールン(OVA版)。のちにロイエンタール麾下。 グリルパルツァーの同僚で、真面目な性格から清教徒のようであると評される若手提督。レンネンカンプの忠実にして有能な教え子と評され、ごく正統的な用兵術を用いる。グリルパルツァーほどあからさまではないが栄達を望んでおり、彼と同じくベルゲングリューンの軍事査閲監就任には公然と不満の態度を示し、ロイエンタール叛逆事件では最終的に裏切りの計画に乗る。 登場以前はレンネンカンプの幕僚で、彼の高等弁務官就任に伴い指揮艦隊が二分された際にその1つを率いる提督に任命される。ラグナロック作戦において物語に登場し、マル・アデッタ星域の会戦ではグリルパルツァーと共に前衛を務める。その後、ロイエンタールがノイエラント総督就任するとグリルパルツァーと共に彼の指揮下に入る。その後、ウルヴァシー事件が起こりロイエンタールの叛逆が既定のもとなると、当初は王朝への忠誠心からロイエンタールへの協力を拒み官舎に軟禁状態となる。しかし、グリルパルツァーから裏切りによって功績を立てる計画を打ち明けられてこれに与し、表向きロイエンタール軍として第2次ランテマリオ会戦に臨む。だが自軍をロイエンタール軍の弱点とみなされたため、裏切りを実行する間もなく、ミッターマイヤー艦隊の猛攻を受け戦線は崩壊、自身も旗艦の爆発に巻き込まれ戦死する。その後、裏切りの計画を部下達はまったく知らなかったため、グリルパルツァーの裏切りを最も果敢に迎え撃って抵抗したのがクナップシュタイン艦隊だったという皮肉な結末が続く。戦後処理においてもロイエンタールに最後まで従ったものは処分されないこととなり、戦死したクナップシュタインもその生前の地位と名誉が保証される。 カール・エドワルド・バイエルライン (Karl Edward Beyerlein) 声 - 大山尚雄(旧:第20、26話) → 林延年(旧:第44〜103話) ミッターマイヤーの幕僚。中将(のち大将)。 ミッターマイヤーの部下であると同時に将来を期待されるローエングラム陣営の若手提督の一人。ミッターマイヤーを強く敬愛しており、作中ではアッテンボローと戦闘指揮能力は拮抗すると説明され、さらに後世に「ミッターマイヤーの後継者、有能で誠実で清廉な軍人」と評されたとあるが、現在軸上ではしばしば経験の浅さゆえの欠点を窘められる(最終盤でも、若手提督の代表として名を挙げられるも、ミッターマイヤーから全般的な上級大将と大将の能力差を嘆かれた上で、バイエルライン個人については「なお経験をかさね、視野を広くし、識見を養う必要がある」と評される)。基本的にはミッターマイヤーの部下として彼との会話シーンが多く、バイエルラインの視点でミッターマイヤーほか、ロイエンタールなどの他の主要人物について語られることも多い。 物語上の初登場は第8次イゼルローン攻防戦で、救援に来たミッターマイヤー艦隊指揮下の提督の一人として登場する。その後はミッターマイヤーが参加した戦闘において、彼の指揮下の提督として名が登場することが多く、また、上記の通り、ミッターマイヤーと会話を交わすシーンも多い。戦闘においては、回廊の戦いではミッターマイヤー艦隊の先鋒を務め数で劣るアッテンボロー艦隊と対峙するが、罠と知りつつ相手の後退にわざと乗り、半包囲されかかって損害を出す(ただし即座に退却して損害を最小に押し止める)。第2次ランテマリオ会戦では突出したところを用兵巧者であるロイエンタールに狙われ、副司令レマー中将ほか3名の提督戦死という大損害を被る。 アントン・フェルナー (Anton Ferner) 声 - 堀内賢雄(旧) / 千葉一伸(D) 大佐(のちに少将)。ブラウンシュヴァイク公の部下で、後にオーベルシュタインの副官。 如何なる危機でも自分の才覚で切り抜けることが出来ると考えている自信家の青年将校。当初はブラウンシュヴァイク公の部下であったが、後述の経緯から敵であるラインハルトに自らを売り込み、その神経の図太さを評価され、その場で難物であるオーベルシュタインの副官に任命される(そのオーベルシュタインもかつては自分をラインハルトに売り込んで部下になっている)。実際、仕事ぶりは優秀で指示を忠実に実行しながら自己の裁量で適切と思われる行動を取る柔軟さを持ち、そもそもオーベルシュタインの部下でいられるという豪胆さを見せる。上司のオーベルシュタインを観察し、作中ではフェルナーの推測という形でオーベルシュタインの意図が述べられることが多い。 物語への登場はリップシュタット戦役の直前からで、シュトライトと共にラインハルトの暗殺計画をブラウンシュヴァイク公に具申するが却下されると、独断専行でラインハルト襲撃を自ら部隊を率い行おうとする。だが先を見越していたラインハルトが配備した部隊に追い返され逃亡し、門閥貴族派の拘束が始まると自ら元帥府へと出頭する(ノイエ版ではアンネローゼを人質にしようとしてその場で拘束される)。そこで自らを売り込み、その忠誠心を非難されても一顧だにしなかったことから、半ば呆れつつもオーベルシュタインの副官として登用されることとなる。オーベルシュタインが軍務尚書になった後も引き続き彼の側近を務め、第8次イゼルローン攻防戦ではオーベルシュタインに指名されてケンプが同作戦の最高司令に相応しいと具申する。ローエングラム王朝成立後は軍務省調査局長となり、階級も准将となる。物語終盤、オーベルシュタインがハイネセンに着任したときには軍務省官房長(少将)となっており、ラグプール刑務所の暴動事件では味方の誤射で左上腕貫通銃創の重傷を負うものの、現場指揮官として適切に対処する。 ハンス・エドアルド・ベルゲングリューン (Hans Eduard Bergengrün) 声 - 田中亮一(旧) / 樋渡宏嗣(D) 元キルヒアイス麾下の提督(少将)でロイエンタールの幕僚(参謀長)。中将(のち大将)。終盤は新領土総督府軍事査閲監(総督代理)。 かつてキルヒアイスの麾下で勇名を謳われた提督(少将)。キルヒアイスの随員として捕虜交換式に出席した。キルヒアイスの死後、ロイエンタール麾下に移り、その後、彼の参謀長となる(中将)。以降、物語終盤まで彼の側近として作中に登場し、戦闘では艦隊運用を担う。しばしば野心的な冗談を言うロイエンタールに対し、讒言の原因となるかもしれないので慎むべきと忠告するなどし、彼から得難い存在だと評され、人格的にも能力的にも最大の信頼を寄せられる。また、元上官のキルヒアイスを強く慕っており、その死の原因の一端となったオーベルシュタインに反感と不満を抱えており、終盤にロイエンタールに付き従った理由の1つともなる。 初登場は第3巻4章で、亡きキルヒアイス麾下から他提督へ転属となった高級士官の一人として名前が登場する。本格的な登場は”神々の黄昏”作戦からであり、以降上記の通り、ロイエンタールの信頼する幕僚として作中に登場する。エルフリーデに絡むロイエンタールの皇帝への叛逆嫌疑では、彼への忠誠心の他にも黒幕がオーベルシュタインの可能性もあって盟友ビューローらと事態解決に奔走する。物語終盤、ウルヴァシー事件に端を発するロイエンタール叛逆事件では、ラインハルトの下へ赴き釈明すべきとロイエンタールを諌めるが、これがオーベルシュタインやラングの策謀であれば暗殺される恐れもあるというロイエンタールの指摘を認め、最後まで従うことを決める。第2次ランテマリオ戦後、致命傷を負ってハイネセンに戻ったロイエンタールに帯同し、その死後にやってきたミッターマイヤーにも代表として出迎える。その後、敬愛するキルヒアイスとロイエンタール両提督を失ったショックからブラスターで自殺し、また、その際にはラインハルトを痛烈に批判する。 OVA版ではキルヒアイス麾下時代の登場が増えている。カストロプ動乱において、当初ラインハルトの幼馴染に過ぎないとされていたキルヒアイスの能力に懐疑的で、軍事行動中にも関わらず酒びたりになっていたが、彼の素質を見抜くと即座にタンク・ベッド睡眠で酒気を抜いて作戦に備える潔さを見せる。 ノイエ版でも同様にキルヒアイス麾下時代の様子が描かれており、初登場はカストロプ動乱においてキルヒアイスに同行した時で、この時点の階級は大佐。 フォルカー・アクセル・フォン・ビューロー (Volker Axel von Bülow) 声 - 村山明(旧) / 西嶋陽一(D) 元キルヒアイス麾下の提督でミッターマイヤーの幕僚。大将。 かつてはキルヒアイス麾下でベルゲングリューンと勇名を競い合った年長の提督。キルヒアイスの死後、ミッターマイヤー麾下に移り、高級士官がみな若い同艦隊にあって年長者ゆえの見識の高さなどで、ミッターマイヤーから相談役として信頼される。基本的にはミッターマイヤー艦隊の提督としてバイエルライン、ドロイゼン、ジンツァーと共に名が挙がることが多く、個人としての活躍は少ないが、終盤では盟友ベルゲングリューンとの絡みで登場することが多い。 物語上の初登場は第8次イゼルローン攻防戦で、救援に来たミッターマイヤー艦隊指揮下の提督の一人として登場する。その後は上記の通り、ミッターマイヤーが参加した戦闘において、彼の指揮下の提督として名が登場することが多い。エルフリーデに絡むロイエンタールの皇帝への叛逆嫌疑において盟友ベルゲングリューンと共に事態の解決にあたる。また、第2次ランテマリオ会戦戦後は、自殺を決意したベルゲングリューンを必死に説得するも、無駄に終わってしまう。 OVA版ではベルゲングリューンと同じく、キルヒアイス麾下時代の登場が増えている。ベルゲングリューンほどあからさまではないが、当初はキルヒアイスの能力に懐疑的であり、その後、その軍事の才を見て評価を改める。 ノイエ版でも同様にキルヒアイス麾下時代の様子が描かれており、初登場はベルゲングリューンと同様で、この時点の階級は大佐。 ホルスト・ジンツァー (Horst Sintzer) 声 - 林一夫(旧) キルヒアイス艦隊の幕僚。大佐。のちにミッターマイヤー麾下の提督(少将)。 人物描写は特に無いが、キルヒアイスの部下としては彼の存命中に登場している珍しい人物(ほとんどは元キルヒアイス麾下として作中に初登場する)。アムリッツァ星域会戦やリップシュタット戦役中にコーネフの輸送船がミッターマイヤー艦隊と遭遇した場面で登場し、また外伝では捕虜交換式にも参加していたことが明かされる。キルヒアイス死後は、ミッターマイヤー艦隊に配属され、以降、バイエルラインら同僚と共にミッターマイヤーが参加した戦闘で姿を見せる。原作においては”神々の黄昏”作戦で名前が登場したのを最後に、以降の動向は不明である。 道原版ではカストロプ動乱時にワルキューレのパイロットとして参戦していたことが描かれている(当時は中佐)。 ドロイゼン (Dreusen) 声 - 斉藤茂一(旧) ミッターマイヤー麾下の提督。登場時の階級は不明だが最終は大将。 バイエルラインやビューローと共に名が挙がる勇将。作中ではもっぱら他の同僚提督らと共に名が挙がり、人物描写はほぼないが、オーデッツとミッターマイヤーの会見ではラインハルトを侮辱する発言を行ったオーデッツにビューローと共に怒声をあげる。物語終盤、シヴァ星域の前哨戦となる不意の遭遇戦の帝国側の指揮官としても登場し、最終的には撤退を選ぶが、手堅い判断能力を示す。 アムスドルフ (Amsdorf) 声 - 清川元夢(旧1期)・水内清光(旧2期以降) / 鷲見昂大(D) ミッターマイヤーの副官。少佐。 原作ではランテマリオ星域会戦時に副官を務めており、その後、回廊の戦い時にも登場する。 OVA版ではリップシュタット戦役時から登場し、第2次ランテマリオ星域会戦時にもその職位にある。 エミール・フォン・レッケンドルフ (Emil von Reckendorf) 声 - 安宅誠(旧) / 辻井健吾(D) ロイエンタールの副官。少佐。 作中で詳しい人物描写はないが、少なくとも第8次イゼルローン攻防戦からロイエンタールの副官を務めており、彼の新領土着任、そして叛逆事件を経ての彼の最期まで付き従う。第2次ランテマリオ戦後はハイネセンにやってきたミッターマイヤーらを総督府にて出迎える。 ゾンネンフェルス (Sonnenfels) 声 - 内田聡明(旧) ロイエンタール麾下の提督。中将。 第2次ランテマリオ会戦から登場し、詳しい来歴は不明だが、ロイエンタールの新領土総督着任に伴って彼の麾下に加わった新参ではない。第2次ランテマリオ会戦の激闘では、ロイエンタールの高級幕僚の中では頭部を負傷するもベルゲングリューンと共に生き残り、総督府への帰還まで付き従う。戦後、ハイネセンにやってきたミッターマイヤーらを総督府にて出迎え、なおも配下の兵士で武装をとかずに銃口を彼らに向けたものを叱咤する。 アレクサンデル・バルトハウザー (Alexander Barthauser) ロイエンタール麾下の提督。少将。 ロイエンタール麾下の勇将として知られ、際立った才幹はなく、大兵力を統率する器量もないが、命令に忠実で骨惜しみせず働くためロイエンタールから信頼される。少数の兵の動向によって局面が変わるような場面で起用されたといい、回廊の戦いではわずかな時間と言えど、ヤン艦隊の猛攻からブリュンヒルトが退避する時間を稼ぐ。第2次ランテマリオ会戦にもロイエンタール麾下で参加するも戦死する。 ディッタースドルフ (Dittersdorf) 声 - 古澤徹(旧) ロイエンタール麾下の提督。 第2次ランテマリオ会戦から登場し、詳しい来歴は不明だが、ロイエンタールの新領土総督着任に伴って彼の麾下に加わった新参ではない。第2次ランテマリオ会戦の激闘ののち、負傷して降伏する。 リッチェル (Ritzschel) 声 - 岸野一彦(旧) シュタインメッツの幕僚(ガンダルヴァ駐留艦隊司令部総書記)。少将。のちロイエンタールの幕僚(新領土総督府査閲副総監、中将)。 ロイエンタールがノイエラント総督に着任するにあたって旧同盟領に関する知識を買われて軍事査閲副総監となった人物(それ以前にもシュタインメッツの幕僚の一人としてわずかに名前が登場している)。目立った登場はなく、ロイエンタール叛逆事件の際の動向も不明で、第2次ランテマリオ戦後はハイネセンにやってきたミッターマイヤーらを武官の代表として文官代表であるエルスハイマーと共に出迎えている。 セルベル (Serbel) 声 - 不明(旧) シュタインメッツの副官。中佐。 回廊の戦いにおいて旗艦が被弾した際にシュタインメッツと共に戦死する。その際、閣下の左脚は完全に潰れていると最期まで客観的な報告を行い、シュタインメッツからいつも正確な報告で今まで助かったと労われる。 ハルバーシュタット (Harberstadt) 声 - 茶風林(旧) ビッテンフェルトの幕僚(副司令官)。大将。 上官ビッテンフェルトに似て血の気の多い軍人。ただし、ビッテンフェルトと同じく卑劣は嫌い、回廊の戦いの直前の艦隊内での作戦会議において、ある幕僚が卑劣な策を献策してビッテンフェルトに罵倒された際には、グレーブナーと司令官の見識を感心し合う。のちオーベルシュタインとの諍いでビッテンフェルトが軟禁された時には、冷静なオイゲンと異なり、脅迫するような真似の言動をしたため、ワーレンに窘められる。ラグプール刑務所の暴動では黒色槍騎兵を率いて鎮圧にあたり、憲兵隊と一触即発のところをフェルナーに制される。 グレーブナー (Grahbner) 声 - 山下啓介(旧) ビッテンフェルトの幕僚(参謀長)。大将。 上官ビッテンフェルトに似て血の気の多い軍人。ただし、ビッテンフェルトと同じく卑劣な行動は嫌う。オーベルシュタインとの諍いでビッテンフェルトが軟禁された時にはハルバーシュタットと行動する。 オイゲン (Eugen) 声 - 北島淳司(旧) / 喜山茂雄(D) ビッテンフェルトの幕僚(副参謀長)。少将。 指揮官のビッテンフェルトを頂点に猪武者が多い黒色槍騎兵艦隊において、ほぼ唯一例外的に冷静で慎重な人物。回廊の戦いでは猪突猛進するビッテンフェルトを的確になだめ、第2次ランテマリオ会戦では機転を利かせて戦線崩壊を防ぐ。ビッテンフェルトがオーベルシュタインとの諍いで拘禁された際には激発する他の同僚たちとは違い、冷静にミュラーとワーレンに対処を頼み、ワーレンから「ビッテンフェルトには過ぎた部下」と評される。 原作では特に外見に関する描写はなく、OVA版では地味な中年男性として描かれている。道原版ではビッテンフェルトより年少に見える青年に描かれており、登場シーンが多い。また道原版の『銀河英雄伝説画集』に原作者自ら書き下ろした4コマにも登場する。ノイエ版では口と顎に髭をたくわえた武人然とした容姿で描かれている。 ホルツバウアー (Horzbauer) 声 - 竹村拓(旧) ルッツの補佐役。中将。 詳しいことは不明だが、かつて自身と兄が救われたことからルッツを強く敬愛する軍人。ルッツからも事前に結婚することを明かされるなど信頼されていた。作中にはワーレンとルッツの歓送迎会で起こったテロ事件において負傷した上官ルッツとオーベルシュタインに代わり、現地の警備と犯人捜査の担当者として登場する。ルッツの死後は復讐のため、自ら望んでミッターマイヤー艦隊に移り、第2次ランテマリオ会戦に参加する。 OVA版では第2次ランテマリオ会戦での活躍も描写されており、クナップシュタインを戦死させている(原作ではクナップシュタインを討った艦隊は不明)。 コンラート・リンザー (Konrad Linser) 声 - 稲垣雅之(旧) / 赤城進(D) リッテンハイム艦隊所属の輸送艦デューレン8号の副長。大尉。後にワーレン艦隊の艦隊航法オペレーター(中佐)。 リップシュタット戦役において、リッテンハイム艦隊の後方部隊として補給を担当していた輸送艦の副長。キフォイザー星域の会戦の終盤において逃走を図るリッテンハイムの基幹部隊の航路上にいたため、邪魔だと攻撃され、その際に右腕を失う重傷を負う。その後、門閥貴族に悪態をついてコンラート・フォン・モーデルと共に降伏し、続くガルミッシュ要塞包囲戦では、キルヒアイスに門閥貴族の非道の生き証人として要塞への降伏勧告を行うことを訴え出て認められる。戦役後はワーレン艦隊に所属し、地球侵攻戦では義手であったことから同じく義手であったワーレンの知遇を得て先鋒役を務める。また、その際に地球教団に潜入していたユリアンと出会う。 コンラート・フォン・モーデル (Konrad von Model) 声 - 菊池正美(旧) / 富樫美鈴(D) リッテンハイム艦隊所属の輸送艦デューレン8号に搭乗していた少年兵。登場時12歳。のちアンネローゼの近侍。子爵家出身。 リップシュタット戦役でラインハルトに敵対したモーデル家の子息。幼年学校生で、上等兵待遇でガルミッシュ要塞に配属される途中、リッテンハイム艦隊の補給部隊に配属されていたが、そこでキフォイザー星域の会戦に巻き込まれることとなる。リッテンハイムの味方殺しで、死屍累々の輸送艦内で奇跡的に無傷で済み、重傷を負った輸送艦の副長で同じコンラートという名のリンザー大尉と出会う。その後、彼に従って共にキルヒアイスに降伏する。 戦役後にはアンネローゼに引き取られ、彼女の近侍として登場する。物語終盤にアンネローゼがフェザーンに移った時にも彼女の近侍として登場している。 ハインリッヒ・ランベルツ (Heinrich Lanbertz) 声 - 山口勝平(旧) 幼年学校生。ロイエンタールの従卒。14歳。のちミッターマイヤー家の一員。 第2次ランテマリオ会戦ののち、ハイネセンに帰還したロイエンタールの最期を看取った人物であり、その際に、彼の最期の言葉「わが皇帝(マイン・カイザー)、ミッターマイヤー、勝利(ジーク)、死」を記録したことで後世に知られる。また、エルフリーデが置いていったロイエンタールの息子(のちのフェリックス)を預かり、ロイエンタールの遺言に従ってミッターマイヤーに引き合わせる。その後も乳児を抱いてミッターマイヤーに帯同し、そのまま彼の被保護者としてミッターマイヤー家の一員となる。 アイヘンドルフ (Eichendorff) 声 - 桑原たけし(旧) ケンプ艦隊の分艦隊司令官。少将。第3巻の登場人物。 ケンプ麾下でまず一流の用兵家と評される提督。第8次イゼルローン攻防戦の前段となるイゼルローン回廊での偶発的遭遇戦(ユリアンの初陣)の帝国側の司令官。訓練が目的であった同盟側が明らかに不利であったが、ヤンの勇名を踏まえて罠の可能性も考慮し、慎重策を取ったことで勝機を逃す。最終的にヤン率いる増援の到着を受けて、潔く撤退を決める。のちの第8次イゼルローン攻防戦にも名前が登場しており、ケンプから危機に陥ったミュラー艦隊を救うよう命令されている。以降、登場はなく動向は不明。 フーセネガー (Fußenegger) 声 - 依田英助(旧) ケンプの幕僚(参謀長)。中将。のち大本営情報主任参謀。 第8次イゼルローン攻防戦の終盤において登場し、ケンプに撤退を進言する(そこでケンプが要塞に要塞をぶつける案を思いつき、同戦役の最後のシーンに移る)。その後、致命傷を負って死を覚悟したケンプに要塞から撤退するよう命令され、ミュラーにケンプの最期を伝える。その後の去就は不明だが、物語後半の回廊の戦いにおいて大本営情報主任参謀として再登場している。 モルト (Molt) 声 - 鈴木勝美(旧) リップシュタット戦役時の帝都駐留部隊司令官。のち宮廷警備最高責任者(職責上はケスラーの部下)。 誠実で重厚な初老の武人。用兵の名人というタイプではないが、リップシュタット戦役で帝都の留守居役を任されるなど、ラインハルトから信頼される。ラインハルトが事実上帝国の実権を握った後には宮廷警備の責任者となる。後の幼帝誘拐事件においては、事前に計画を察知したラインハルトより、たとえ赦しても責任を感じて自裁してしまうだろうと危惧される(まったく瑕疵がないモルトを死なせてしまうことはラインハルトに陰謀を見逃すことを躊躇させる)。誘拐発生後、やはり正式な処分前に自殺してしまい、彼の名誉と遺族を保護するようラインハルトから通達される。 グレーザー (Graeser) 声 - 亀井三郎(旧) 陸戦隊指揮官。大佐。第4巻9章の登場人物。 帝国によるフェザーン占領において、同盟弁務官事務所の制圧の命令を受ける。しかし、ユリアンの策によって足止めされ、最重要であったコンピューターの情報確保にも失敗し、歯ぎしりを立てる。 ゾンバルト (Sombardt) 声 - 加門良(旧) 少将。第5巻6章の登場人物。 若手将校の一人で、”神々の黄昏”作戦において功への焦りからラインハルトにウルヴァシーへの物資輸送船団の護衛を直訴し、その任を受ける。その際、ラインハルトから補給の重要性や敵が狙ってくる危険性を再三注意されるが、失敗したら自らの命をもって全軍の綱紀粛正の材料として欲しいと高言を吐く。無能ではなかったものの、自身の適性には合わない輸送護衛の任務から油断し、ヤンのゲリラ戦法の餌食となる。生還を果たすものの、何度も注意されたにも関わらず油断したことや、その高言によって毒による自裁を命じられる。 OVA版では帝国暦490年の新年のパーティーにてトゥルナイゼンとの会話シーンが追加されている。この会話中で同年代でミュラーだけが昇進したことに対して不満や功に焦った発言をしており、上記のエピソードの印象を強めるものとなっている。 ラッツェル (Lattzer) 声 - 相沢正輝(旧) レンネンカンプの部下。大佐。第6巻の登場人物。 バーラトの和約体制下においてレンネンカンプ高等弁務官の命令でヤン家の監視にあたった軍人。実直な人物であるがゆえに、私怨に近いレンネンカンプに反感を覚え、むしろ監視対象であるヤンに好感を抱く(ヤンも彼の立場を慮って友好的に接する)。その後、根拠薄弱な密告状を信用するレンネンカンプを諫言し、極めて論理的にヤンの反乱はありえないと指摘する(しかしレンネンカンプはこの告発状を根拠にヤンを逮捕させ、一連の騒動が起こる)。レンネンカンプ誘拐後にはミュラーに事のあらましを報告し、「あえて平地に乱をおこすもの」と一連の騒動がレンネンカンプに原因があったことの証人となる。 その後、ヤン暗殺事件においてミュラーがイゼルローンに弔問した際にも、その随行員の中に彼の名前がある。 オットー・ヴェーラー (Otto Wehler) 声 - 上田敏也(旧・第70話) ルッツの部下。中将。第7巻5章の登場人物。 第10次イゼルローン攻防戦において、ヤン側の罠で要塞から誘い出されたルッツに代わり、要塞防衛の最高司令官となる。前もって仕込まれていた要塞システム無効化のキーワードによって手も足も出ない状態に追い込まれ、ユリアンの降伏勧告に対して部下の安全な退去を要求して受諾する。その後、要塞失陥の責任をとり、司令室でピストル自殺する。その際に自らの血で汚さないようテーブルクロスを引くなどの事後の配慮を行っており、ユリアンから敬服される。 アルフレット・アロイス・ヴィンクラー (Alfred Alois Winkler) ウルヴァシー基地司令官。中将。第9巻の登場人物。 ラインハルトのハイネセン御幸の際、道中で頼ったウルヴァシー基地の最高指揮官。能力と閲歴を買われてその重責を担ったが、地球教の陰謀によってサイオキシン麻薬の中毒者にされ、ウルヴァシー事件に関与したことが示唆される。事件後は行方不明となり、死体も発見されなかった。グリルパルツァーの捜査では軍医のカルテによって上記の麻薬中毒の症状を見せていたことまでは判明していたが、それ以上の情報はなく捜査は行き詰まり、ロイエンタール叛逆事件に発展することになる。 マインホフ (Meinhof) 声 - 成田剣(旧) ウルヴァシー基地の兵長。第9巻5章の登場人物。 ウルヴァシー事件において10億帝国マルクの懸賞金に目がくらみ、仲間達と共にラインハルトの命を狙う。しかし、土壇場で思い直して味方を撃ち殺し、ラインハルトに謝罪する。その場でラインハルトに赦されると軍曹に任命され、ブリュンヒルトへの案内役となるも、間もなく別の襲撃者に襲われて射殺される。 ホフマイスター (Hoffmeister) 声 - 山野史人(旧) 元ファーレンハイト麾下で、ビッテンフェルト麾下の提督。中将。第9巻7章の登場人物。 ファーレンハイト麾下の勇将として知られた提督。ファーレンハイトの戦死後、同艦隊はビッテンフェルト艦隊に吸収されていたが、第2次ランテマリオ会戦に登場し、故ファーレンハイトの勇名を辱めるなと激励して旧来の黒色槍騎兵たちと功を競い合う。その勢いのままにロイエンタールの巧妙な用兵策を食い破り、普段冷静な彼を唖然とさせ、失笑させかける。 ヴァーゲンザイル (Wagenseil) 声 - 山口健(旧) 艦隊司令官。大将。10巻2章の登場人物(名前だけは大親征時にも登場し、グリルパルツァー、クナップシュタイン両艦隊に次ぐ位置で艦隊を指揮している)。 イゼルローン回廊帝国方面の警備を担当していた艦隊司令官。イゼルローン革命軍から攻撃を受けると、ヤン亡き後の敵を捨犬と侮蔑して舐めてかかり、そのまま第11次イゼルローン攻防戦に発展する。第5次イゼルローン攻防戦でのシトレの並行追撃策を採用して意気揚々と挑むものの、ユリアンも策を熟知しておりトゥールハンマーの射程内に引きずりこまれてしまう。最終的には自らの危機も厭わないワーレンの救援で生還を果たすものの、自身はワーレンを狙う別働隊の存在を知らせる余裕もないほど慌て、結果、ワーレン艦隊は大きな損害を被ってしまう。 この戦いはローエングラム陣営の主要提督らにヤン亡き後もイゼルローン軍は手強い存在であることを示すと同時に、ヴァーゲンザイルの醜態は帝国軍の上級大将と大将の間の能力格差を目立たせ、ミッターマイヤーに危惧される。 ヤーコプ・ハウプトマン (Jakob Hauptmann) 声 - 掛川裕彦(旧) 少佐(後に大佐)。OVA版のオリジナル人物。 元はフェルナーの部下で、彼によるリップシュタット戦役前夜のシュワルツェンの館襲撃に参加する。その後、ラインハルトの部下となったフェルナーの命令でスパイとして貴族連合軍の一員を装いガイエスブルク要塞に潜入し工作活動を行う。特にヴェスターラントへの核攻撃に関して説得に失敗したアンスバッハの嘆きをブランシュヴァイク公に密告した当人であり、これによって聡明なアンスバッハを指揮中枢から遠ざけさせるという功績をあげる(原作では密告した者がいると記述される)。また最終決戦時には要塞の主砲制御室の守備兵を説得し降伏させる。 ローエングラム朝でもフェルナーの部下であり、ラグプール刑務所の暴動鎮圧で彼を補佐する。 クルト (Kurt) 声 - 屋良有作(我・旧) 伍長。戦艦の砲手。当初はブリュンヒルト、5話ではキルヒアイス艦隊の高速戦艦に所属。OVA版のオリジナル人物。 戦いの意義やキルヒアイスの戦術を後輩のトニオに説いて聞かせるという形で、視聴者への解説役を務める。『わが征くは星の大海』では出撃前夜の上陸時にトニオと行動を共にし、若く美人のホステスが飾り窓にいるクラブに入ったが、直後、熟女の群れに取り囲まれるというコメディリリーフ役も務める。アスターテ会戦時には既に左腕が義手になっていた(いつ負傷したのかは不明)。 トニオ (Tonio) 声 - 小林通孝(我・旧) 二等兵。ミューゼル艦隊の兵士。OVA版のオリジナル人物。 状況をよく理解できておらず、クルトから説明を聞くという形で視聴者への解説役を務める。『わが征くは星の大海』では前夜に遊びすぎて戦闘の最中に眠りこけてしまい、戦闘が終わった途端に目が覚めたというコメディリリーフ役も務める。 ルイ・ヘルム (Louis Helm) 声 - 菊池正美(我) 中尉。ミューゼル艦隊に所属する巡航艦ニューベのオペレーター。『わが征くは星の大海』に登場するオリジナル人物。 イゼルローン要塞のクラブで他の艦隊の士官が口にしたラインハルトへの誹謗に反発して殴りかかるが、キルヒアイスに止められる。第4次ティアマト会戦ではミューゼル艦隊に前進命令を出して自らは動かない本隊に憤る。 ウイン・ファンデンベルグ (Winn Vandenberg) 声 - 堀内賢雄(我) 少尉。ミューゼル艦隊に所属する巡航艦ニューベのオペレーター。『わが征くは星の大海』に登場するオリジナル人物。 巡航艦ニューベのオペレーター。第4次ティアマト会戦前、ルイ・ヘルムの引き起こした喧嘩に加わり、キルヒアイスに止められる。会戦中にはルイとともにミューゼル艦隊の扱いに憤る。
※この「ローエングラム陣営の軍人」の解説は、「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の解説の一部です。
「ローエングラム陣営の軍人」を含む「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の記事については、「銀河英雄伝説の登場人物・銀河帝国」の概要を参照ください。
- ローエングラム陣営の軍人のページへのリンク