ランテマリオ星域会戦
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「ランテマリオ星域会戦」の解説
宇宙暦799年/帝国暦490年2月8日。フェザーンを占領して同盟領に侵攻した帝国軍本隊と同盟軍本隊の戦い。 帝国軍は1月30日にポレヴィト星域に集結し「双頭の蛇」の陣形に編成を変えた。第1陣=ラインハルト、第2陣=シュタインメッツ、第3陣(事実上の先陣)=ミッターマイヤー、第4陣=ミュラー、第5陣=ワーレン、予備兵力=ファーレンハイト/ビッテンフェルト。戦力は戦闘用艦艇11万2700隻、支援用艦艇4万1900隻、将兵1,660万人。 同盟軍は2月4日にバーラト星系から進発した。司令官がビュコック、総参謀長がチュン・ウー・チェン、副官がスーン・スールズカリッター。参加艦隊はパエッタ中将の第1艦隊に加えて、同盟中から集めた艦艇で新設された第14艦隊と第15艦隊。新設された二つの艦隊の司令官には、第14艦隊にはモートンが、第15艦隊にはカールセンが、それぞれ中将に昇進して任命された。兵力は艦艇数3万2900隻、将兵520万6000人。この戦いに先立ってビュコックは元帥に、チュン・ウー・チェンは大将に昇進している。 2月8日13時40分、同盟軍は帝国軍ミッターマイヤー艦隊の側面5.1光秒の距離に位置し、その5分後に攻撃を開始した(OVAでは13時に5.2光秒の距離に位置し、攻撃開始のタイミングを計っていたが、味方の一部が勝手に砲撃を始めてしまうという混成艦隊の弱みが出てしまったため、そのまま全軍に攻撃を命令し、戦闘状態に突入した)。ビュコックは慎重に戦闘を進めるつもりだったが、帝国軍の示威行動に驚いた同盟軍の一部が動揺し、半狂乱になって攻撃を行った。この攻撃がミッターマイヤー艦隊に亀裂を生むという意外な戦果をあげ、そのまま押し込む形で同盟軍前衛部隊は前進し、帝国軍に少なからぬ損害を与えた。だが、ほとんどヒステリーに近い状態になって行った攻撃により、同盟軍の陣形は乱れ、統制も失われかけていた。またビュコックは、ミッターマイヤー艦隊がすぐに体勢を立て直すであろう事を察し、同盟軍全軍に後退と陣形の再編を命じた。同盟軍が後退するタイミングで、体勢を立て直したミッターマイヤー艦隊が反撃に転じ、さらに他の帝国軍艦隊が同盟軍の左右両翼に攻撃を開始したため、同盟軍は一転して守勢に立たされる。同盟軍はビュコックの指揮の下、地の利を生かして戦線を立て直すが、攻勢に出ることは望めなくなる。翌2月9日、同盟軍は守勢に徹してヤン艦隊の到着に望みをつなぐ作戦に転じて恒星風のエネルギー流を挟んで反対側に布陣しなおした。ミッターマイヤーも負けない事に徹したビュコックの戦術に手こずる事となる(原作小説では具体的な戦術の描写は無いが、OVA版においては、チュンの献策により、帝国軍前衛部隊の艦艇の機関部だけを破壊し漂流させて「盾」することで帝国軍主力からの攻撃を防いでいる)。だが、消耗戦の末に戦力差は明確となってくる。9日11時、同盟軍にとどめを刺す事を決めたラインハルトは、待機していたビッテンフェルトに出撃を命じた。ビッテンフェルトは帝国軍と同盟軍の間のエネルギー流を強行突破すると、同盟軍の集中攻撃に耐えながら反撃して同盟軍主力を粉砕、勝敗が決した。だがその時、帝国軍の背後からヤン艦隊が接近している事が判明したため、帝国軍は一時パニックを起こした。その隙に同盟軍本隊の残存戦力は戦線離脱に成功した。ラインハルトは体勢を立て直すため一時撤収し、戦場から2.4光年離れたガンダルヴァ星域の第2惑星ウルヴァシーを占領して侵攻の拠点とした。ヤンはビュコックの本隊と合流し、バーラト星系に撤退した。 なお、この時、帝国軍の駆逐艦ハーメルンIVを乗っ取ったユリアン達が、最後尾のフィッシャー艦隊に接触し、合流を果たしている。
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