第2次ランテマリオ会戦
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「銀河英雄伝説の戦役」の記事における「第2次ランテマリオ会戦」の解説
宇宙暦800年/新帝国暦2年11月24日~。叛乱を起こしたロイエンタールと、討伐を命じられたミッターマイヤーの戦い。「双璧の争覇戦」とも。 きっかけとなったウルヴァシー事件が発生したのは10月7日、叛乱発生の日時は明確な宣戦布告が無いため不明だが、行方不明だったブリュンヒルトが発見された10月29日には、既に叛乱が既成事実となっていた。ラインハルトがミッターマイヤーに(拒否権付きで)討伐を命じたのは11月1日、ミッターマイヤー艦隊及び配下に加わったビッテンフェルト、ワーレン艦隊が影の城付近に集結したのは同4日、ラインハルトがロイエンタールの新領土総督の地位と元帥号を剥奪したのは同16日(会戦後に元帥号剥奪は撤回されている)、同日ロイエンタールはミッターマイヤーと最後の交信を行ったが、交渉は決裂している。 ロイエンタール側の兵力は艦艇35,800隻/522万6400人(ただしこれは新領土総督に任じられた時の兵力。その後の損害や脱落は不明だが、開戦時に約520万と記述されている)。配下のグリルパルツァーは、派遣されていたウルヴァシーの捜査から戻ってきた時点で裏切りを企んでいたが、表面上は叛乱に同調し、クナップシュタインもグリルパルツァーに説得されてロイエンタールに協力を約束した。 ミッターマイヤー側の兵力はビッテンフェルト、ワーレン両艦隊を合わせて艦艇42,770隻/将兵460万8900人。これに加えてメックリンガー艦隊11,900隻がイゼルローン方面から侵攻している。ただし開戦時はミッターマイヤー艦隊(将兵259万人)のみであり、ビッテンフェルト、ワーレンは遅れて戦場に到達する。 11月24日9時50分。対峙した両艦隊は正面から砲撃戦を開始した。当初は戦力差からミッターマイヤーが不利だったが、機動能力を最大限活用して戦況を拮抗させていた。25日8時30分、ビッテンフェルト艦隊の内脱落を免れた約1万隻が戦場に到着し、ロイエンタール軍の左翼に攻撃を開始した。同日19時、ワーレン艦隊が到着し、戦力比はほぼ対等となった。だがその直後、バイエルラインの分艦隊がロイエンタールの策略で包囲網に引きずり込まれて損害を出し、副司令官のレマー中将は戦死した。 ミッターマイヤーはロイエンタール軍の弱点が、配下になって間もないクナップシュタインやグリルパルツァーにあると考え、攻撃を集中した。29日6時9分、クナップシュタインが乗艦もろとも戦死。そのためクナップシュタイン艦隊は指揮系統を失い戦力を低下させたが、ロイエンタールは巧緻を極めて不利な戦況を転換し、旧ファーレンハイト艦隊と合併したばかりで統合がまだスムーズでないビッテンフェルト艦隊に打撃を与えた。ビッテンフェルト艦隊の各艦艇は後退の気配を見せたが、「退く奴は砲撃する」というビッテンフェルトの暴言をオイゲンが通信で流したため、かろうじて踏みとどまり、シュワルツ・ランツェンレイターと旧ファーレンハイト艦隊との反目も逆に好作用して猛反撃に転じた。30日16時、そのビッテンフェルト艦隊が後退してロイエンタール軍が一時優勢となり、火力と機動力を駆使して左側面から反包囲しようと試みたが、ワーレン艦隊の奮闘で阻止された。 戦闘はその後も続いたが、12月3日、メックリンガー艦隊がイゼルローン回廊を通過してハイネセンに向っているという報告を受けたロイエンタールは、戦闘継続を断念して後退に転じた。ミッターマイヤーはなおも追撃したが、12月7日、反転迎撃を始めようとしたロイエンタール軍に、その一艦隊であるグリルパルツァー艦隊が攻撃を加え始めた。裏切りに気がついたロイエンタールは反撃に転じたが、乗艦のトリスタンが被弾し、吹き飛ばされた艦の建材の一部がロイエンタールの左胸部を貫いた。また、グリルパルツァー艦隊の裏切り行為に対して、最も反撃を試みたのは戦闘中裏切るつもりであったことを知らなかったクナップシュタインの残存艦隊であったのは皮肉といえる。グリルパルツァーは返り討ちにされ、ロイエンタール艦隊主力は指揮系統の潰乱により烏合の衆と化したが、ディッタースドルフ分艦隊が殿軍として残り、ロイエンタールは戦場を脱出してハイネセンに撤収、戦闘は終了した。 ロイエンタールは瀕死の身ながらなお毅然としてハイネセンに帰り着き、民事長官エルスハイマーの軟禁を解いて政務と軍務の全権を掌握してほしいと頼みこれを承諾させる。そして、ヨブ・トリューニヒトを呼び出すが、席上ラインハルトに対する侮辱の言葉を吐いたトリューニヒトを射殺する。次にエルフリーデ・フォン・コールラウシュが初めてロイエンタールとの子を連れて現れる。ロイエンタールはミッターマイヤーにその子を託せと言って殺すなら自分の銃を使えと言うが、エルフリーデ・フォン・コールラウシュは子供を置いていずこかに消えてしまう。酒盃を前にミッターマイヤーを待ったが、ミッターマイヤーは親友の死に際に間に合わなかった。また、副司令であったベルゲングリューンも直後にロイエンタールの後を追う形で自ら命を絶った。
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