卓球 卓球の概要

卓球

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/17 03:57 UTC 版)

卓球
統括団体 国際卓球連盟
通称 ピンポン
起源

1880年代

発祥はゴッシマテニスというインドの遊戯。やがてイギリスに伝わり上流階級で広まった。当時ボールはワインのコルクから削り出したものを使用していたと言われる。
特徴
身体接触
選手数 1人(シングルス)2人(ダブルス)で行う
男女混合 有 男女混合ダブルス(ミックス)
カテゴリ 屋内競技 球技
ボール プラスチック40 mm(ラージボール44mm)
実施状況
オリンピック 1988年-
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歴史

卓球は、ジュ・ド・ポームなどの古代のテニスゲームをもとに、19世紀後半にイギリスで考案された[1]。考案者についてははっきりと分かっていないが、ジェームズ・デボンシャーが1885年に特許を申請していることが分かっている[1]。1887年、著名なゲーム用品スポーツ用品メーカーであるジャック・オブ・ロンドンがゴシマという名前でこれを発売した[1]。最初の製品は商業的成功には至らなかったが、1900年ごろ、ボールをコルク製からセルロイド製に改良した。その後、プラスチック製に改良したところ、適度な弾力性が得られるようになったが回転量が減少したためカットマン(守備メインとする戦型)が不利になった。ジャック・オブ・ロンドンが、セルロイド製ボールを打つときの音に基づいてピンポンと命名して売り出すと、すぐに一般に普及した[1]

日本で最初にピンポンをした場所にある碑(岡山市)

日本には1902年に東京高等師範学校教授の坪井玄道がフランスから用具一式を日本に持ち込んで普及を始めたことを契機に広まった[2]山田耕筰の著作によると、1886年生まれの耕筰が15歳の時(1901年)に岡山で卓球をしたという記録がある[3]。1929年7月12日、日本卓球会が創立された[4]

国際卓球連盟 (ITTF) は1926年に誕生した。同年、ロンドンで最初の世界選手権が開催された。

ルール

用具規定

卓球台の上面は長さ2.74 m、幅1.525 mの長方形で、地面より76 cmの高さに水平に位置する。台の長辺に垂直に張られたネットによって、台は2つのコートに等分される。ネットは台から15.25 cmの高さに吊られ、台の両端に取り付けられたサポートによって支えられる。 ボールは直径40 mm(ラージボール44mm)のプラスチック製で、白色で無光沢のもの(ラージボールはオレンジ色で無光沢)[5]ラケットユニフォームの規定については用具の節を参照。

試合進行

スコアボード

先に11点を取ったほうが1ゲームを取得する。

ただ、双方が10点ずつとなったら、先に2点差を付けた方が1ゲーム先取となる(又は、11対11でも2点差を付けた方が勝ちとなる)。

試合開始前
一般のローカルな試合では最初にラリー練習を2分間し(時間の関係により、○本などと変更されることがある)、次にラケット交換(相手のラケットを確認する)とコイントス(日本ではジャンケン)を行う。大きな大会など、公認審判の入るような大会では、挨拶、ラケット交換、コイントス(じゃんけん)を行い、勝った選手は、「サービス」「レシーブ」「コート」のいずれかを選択することができる。
サービス
サービスは2本交代。ただし10-10以降は1本交代になる。
サーバーは静止しラケットを持っていない手(フリーハンド)の手のひらからほぼ垂直に16 cm以上 上に投げ、落ちて来るところをラケットによって「エンドライン」と呼ばれる台の後方から打球し、まず自分のコートにバウンドさせ、次にネットの上を越して、相手のコートにバウンドさせなくてはならない。サービスがネットに当って相手のコートに落ちた場合は、「レット」となり、サービスのやり直しになる。それ以外の場合はサービスミスになり、相手の得点になる。
また、サーブをするときには、ボールを選手の体やユニフォームで相手選手から隠してはならない。サービスをする時にトスが低かったり(16 cm未満のトス)、違法 (illegal) なサービスではないかと審判が疑問を持った場合は注意が与えられ、サービスのやり直しをするが、再度、同様の疑わしいサービスはフォルトとなり、相手の得点になる。明らかな違反サービスは(注意されることなく)フォルトとされる。
レシーブ
相手コートと自分のコートに1バウンドずつした相手のサービスを相手コートに1バウンド以上させて返球する。
返球したボールは、直接、またはネットに接触した後に、相手のコートに落ちるように返球しなければならない。これが出来なかった場合、相手の得点になる。
ボールを自分のコートで2バウンドさせたり、ボールを自分の体に当てたり、ラケットに2度意図的に打ったり、相手が返球したボールが自分の台にバウンドする前に直接ラケットや体に当ててはならない。これらに該当した場合は相手の得点になる。但し、意図的でない、一連の打球動作におけるダブルヒットは有効。ラケットを持つ手の手首よりも先(指など)にボールが当たったり、ラバーに当たらずに相手のコートに入った場合も返球として有効で、相手の得点にはならない。
台上でのボレーは禁止。ボレーをすると相手の得点になる。また,プレー中にフリーハンドが台上に触れると失点になる。
チェンジコート
1ゲームが終わったら、コートチェンジをして次のゲームに入る。次のゲームでは、前のゲームで最初にレシーブをした選手からサービスを始める。
カウントの取り方
スコアボードの点数を付ける審判は、点数が入る度にサーバー側の点数・レシーバー側の点数を英語で発声する。中国国内ではサーバー側の点数・対・レシーバー側の点数の順で中国語で発声する。
その他
ラリー中にボールが割れた場合は、そのラリーによる得点は無効となり、ラリー後にボールを拾ってボールが割れたのが判明した場合は、そのラリーでの得点は有効となる。審判からボールを交換してもらった上で練習打(ラリー)をした後、サービスのやり直しにてゲームが再開される。
他のコートからボールが飛んで来てラリーの妨害になった場合は、そのラリーによる得点は無効となり、サービスのやり直しにてゲームが再開される。しかし、審判の許可なくラリーを中断した場合は、ラリーの中断になり、中断したほうの失点になる。
ゲーム中のタイムアウトは、1試合につき1回のみだがゲームを中断して取ることができる。但し、制限時間は60秒以内である。片方の選手がコートに戻った時には、もう片方の選手もコートに戻らなくてはならない。又、双方の選手が同じタイミングでタイムアウトを取った場合には双方のタイムアウトが消費され、その試合では双方がタイムアウトは使用できなくなる。
1ゲーム中、開始より10分が経過しても終わらず、双方の合計得点が18未満の時は促進ルールが適用される。または、双方が合意すれば最初から促進ルールが適用される。
バッドマナー(ラケットを台に投げつける、汚い言葉でののしる。フェンスを蹴飛ばす、台をラケットで叩くなど)の行為については警告として、イエローカードが提示される。2度目の同様な行為にはイエロー、レッドカードが提示され、相手に1点が与えられる。3度目の同様な行為には相手に2点が与えられる。4度目はレフェリー(審判長)に報告され、審判長が処断する。


  ラリー中に体やラケットがネットに触れた場合には「タッチネット」となり、触れたほうが失点となる。

ダブルス

基本的にはシングルスと同じルールで行われるが、いくつかの条件が加わる。

  • サービスは、サーバー側コートの右半面からレシーバー側コートの右半面へと、交差するようにバウンドさせなければならない。バウンドさせる面を間違えた場合は相手のポイントになる。
  • サービス後のラリーでは、ペアは交互に打たなければならない。同じプレイヤーが二度続けて打つと相手のポイントになる。
  • サービス権が相手に移動すると、サービスをしていなかった選手がレシーバーになり、それまでレシーバーだった選手が次のサーバーになる。
  • 1ゲームが終わって次のゲームに入る時は、前のゲームで最初にレシーブをしたペアからサービスを始める。その際、最初にサーバーになるのはペアのどちらの選手でも良い。レシーバーは、前のゲームと異なる組み合わせとなるようにする。
  • フルゲームでどちらかが5点を取った場合はチェンジエンド(コートを入れ替わる)をする。ただしサーバーは変わらないがレシーバーは変わる。

世界卓球選手権全日本卓球選手権などでは、男子2人または女子2人のペアで行われる通常のダブルスに加えて、男子1人、女子1人ずつのペアで行う混合ダブルスが行われている。

団体戦方式

団体戦は場合により様々な方式が取られている。世界卓球選手権などでは、双方のチームが3人の選手でシングルスにより最大5回対戦し、先に3勝した側が勝ちとなる方式が採用されている。北京オリンピックの団体戦では、3人の選手で4シングルス、1ダブルスを戦う方式が採用された。

日本国内では、日本卓球リーグを始めとして4人の選手(中学生等では6人の選手)による4シングル1ダブルス方式が多い。この場合、同じ選手がシングルスとダブルスの両方に出ることができる。大会によっては6シングル1ダブルス(関東学生連盟)や3シングル2ダブルス(新日本スポーツ連盟)などの方式もある。さらにローカル大会になると2シングル1ダブルスやダブルスだけの団体戦や男女混成の団体戦もあり、多彩な方式で行われている。

ルールの変遷

1900年代頃に欧州ゴム製のラバー(現在の1枚ラバーに相当するラバー)が開発され主流となったが[6]、それほど強い打球が打てなかったことやネットの高さが高かったこともあり[7]、守りに徹した方が有利であった期間が長く続き、1936年に行われた第10回世界卓球選手権では1点取るのに2時間以上もかかった試合の記録が残っている[7]1937年、日本初の国際試合が行われ、ハンガリーの元世界チャンピオンと対戦し、その際日本選手は初めてラバーに接した[6]。当時、日本選手のラケットには何も貼っていない状態(別称:木ベラ)でありながらも、好成績を収めた[6]。その頃、男子アメリカチームによって、指を使い、様々な回転を生み出すサービス「フィンガースピンサービス」が開発され、1937年に行われた第11回世界卓球選手権にて、初めて強い回転をかけたプレーが持ち込まれた[7]。これを駆使したアメリカチームは好成績を収めたが、その反面強い回転に慣れていない対戦相手はレシーブミスを連発し、ラリーが続かない展開となった[7]。ラリーが長すぎる、一方では短すぎる、と両極端な展開で観客が退屈と感じる試合が続出したことから国際卓球連盟はルールの改正を行い、ネットの高さを引き下げ、試合時間の制限、指を使いボールに様々な回転を与えるサービス(フィンガースピンサービス)の禁止を決定[7]。その影響で再び守備型が有利な状況となり、1940年代から1950年代初頭までは欧州の選手によるカット主戦型が全盛であった[6][7][8]

この状況が変化する転機は、第二次世界大戦後、1950年代に日本が新しい用具を続々と開発し、実戦に使用され結果を出したことである[6][7][8]。先ずは従来のラバーを裏返しにして貼る「裏ラバー」が使われるようになった。これは従来のラバー(現在の1枚ラバー、裏ラバーに対して表ラバーとみなされる)と比較してボールとの接触面積が広いため摩擦が大きく、強い回転をかけやすくなり、それを大きく活かした攻撃を行うことが可能となった。さらに、太平洋戦争時に航空機燃料タンク防弾用など、軍事用に用いられていた独立気泡スポンジが卓球の用具として使われるようになる。これは反発力が強く、従来のラバーと比べて打力が飛躍的に向上した[6][7][8]。それをラケットの打球面に貼り付けた「スポンジラバー」[8]、裏ラバーとスポンジを貼りあわせた「裏ソフトラバー」や、一枚ラバー(表ラバー)とスポンジを貼りあわせた「表ソフトラバー」が開発された。また、表ソフトのツブを発展させた「ツブ高ラバー」も開発された。それらの特徴を大きく活かしたスマッシュ攻撃を武器に、1952年の第19回世界卓球選手権で日本は大会初参加ながら、女子団体・男子シングルス・男子ダブルス・女子ダブルスの4種目で優勝と黄金時代の口火を切り、1950年代の世界選手権において日本選手が各種目にて優勝者を多数輩出した[6][7][8]

しかし1959年に国際卓球連盟は用具の制限に乗り出した。スポンジのみの使用は禁止され、スポンジラバーは消滅した。その他のラバーについても厚みが4 mmまでに制限された。

2000年から、ボールの直径は38 mmから40 mmになった。これによってボールの空気抵抗が増し、従来よりもラリーが続くようになった。しかしその一方で回転がかけにくくなり、またラバーが回転の影響を受けにくくなったために、カット型や前陣速攻型のような戦型は苦戦している[要出典]

2001年には、従来の21点制から11点制に変更され、サービスも5本ずつの交代から2本ずつの交代に変更された。

2002年にはサービス時にボールを隠す行為(ハンドハイドサービス、ボディーハイドサービス)が完全に禁止された。

2007年9月から日本国内での主要大会において有機溶剤性接着剤の使用が禁止された。2008年9月から全面的に有機溶剤性接着剤の使用が禁止され、その1カ月後に補助剤を用いた後加工が禁止された。また、アンチ加工された粒高ラバーの使用も禁止された。

2014年からボールの直径は40 mmのままでセルロイドボールからプラスチックボールが登場し、2015年からは主要な国際大会においても使用された。


  1. ^ 2020年10月から「TSP」と「VICTAS」がブランド統合しており「VICTAS」ブランドのみとなっている
  1. ^ a b c d HistoryofTableTennis”. International Table Tennis Federation. 2020年3月30日閲覧。
  2. ^ 卓球 知識の泉 藤井基男 2003年 株式会社卓球王国 P23
  3. ^ 山田耕筰著作全集3 株式会社 岩波書店 2001年 P667
  4. ^ 日本体育協会五十年史
  5. ^ SO Summer Sports Rules June 2016 (PDF) スペシャルオリンピックス日本
  6. ^ a b c d e f g h i 日本卓球栄光の歴史(2009年1月22日時点のアーカイブ) 2009年世界卓球選手権横浜大会公式サイト
  7. ^ a b c d e f g h i 世界卓球選手権の歴史(2009年1月22日時点のアーカイブ) 2009年世界卓球選手権横浜大会公式サイト
  8. ^ a b c d e 白髭隆幸・SPORTS 21、第三十回 卓球ニッポンを支えた名選手・荻村伊知朗インターネットアーカイブ) Japan Senior Online
  9. ^ フジテレビトリビア普及委員会 『トリビアの泉〜へぇの本〜 6』講談社、2004年。 
  10. ^ ハンドソウラケットの一例 ヤサカ公式サイト
  11. ^ よくある質問/Q.ラケットに表示されている打球感のハード、ソフトとはどういう意味ですか?(2008年8月11日時点のアーカイブ) バタフライ卓球用品/タマス公式サイト
  12. ^ よくある質問/Q.ラケットにもラバー同様に寿命はありますか?(2008年8月11日時点のアーカイブ) バタフライ卓球用品/タマス公式サイト
  13. ^ 【スポーツ異聞】「照明暗すぎる」「大会使用球を統一して」卓球“モノ言う王者・水谷隼”の問題提起 - 産経ニュース 2015年2月13日
  14. ^ a b プラスチックの材質分析例~ピンポン球の材質”. プラスチックス・ジャパン・ドットコム. 2020年1月15日閲覧。
  15. ^ 卓球ボールが変わる…「プラスチックボール」は選手にとって毒か、薬か - 東亜日報
  16. ^ 【卓球】思わぬ“洗礼”試合球6球だけ!美誠「気をつけて使わないと」 - スポーツ報知、2016年8月2日
  17. ^ フジテレビトリビア普及委員会 『トリビアの泉〜へぇの本〜 2』講談社、2003年。 
  18. ^ 今後の接着剤の使用とラケット検査について(日本卓球協会 平成19年6月11日) (PDF) 徳島県卓球協会
  19. ^ ルール変更について (PDF) (2008年9月15日時点のアーカイブ日本卓球協会 2008年(平成20年)9月13日
  20. ^ 「理念と経営」2016年8月号
  21. ^ 【アスリートを支える】青い卓球台 復興願って - 朝日新聞 2016年4月8日
  22. ^ Narinari.com 2015年9月8日付 2017年2月22日閲覧
  23. ^ 高島自身が提唱した「肩甲骨打法」や「楕円打法」を発展させたもので、利き手側の肘の軌道が「8の字」を描くことから命名された打法である。ラケットのスイング軌道が8の字を描くわけではない。
  24. ^ テレビ朝日日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』 2016年8月7日放送分より
  25. ^ エッジボール とは - コトバンク
  26. ^ 「観戦必携/すぐわかる スポーツ用語辞典」1998年1月20日発行、発行人・中山俊介、50頁。
  27. ^ レットとは - コトバンク、2016年6月24日閲覧
  28. ^ https://number.bunshun.jp/articles/-/832627
  29. ^ https://www.tv-tokyo.co.jp/tabletennis/news/2020/03/010022.html
  30. ^ なぜ中国は卓球が強いのか?<Vol1.水谷隼> ラリーズ 2019.08.02 (2020年8月17日閲覧)






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