飛電インテリジェンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 23:25 UTC 版)
「仮面ライダーゼロワン」の記事における「飛電インテリジェンス」の解説
読みは「ひでんインテリジェンス」。正式社名は「株式会社飛電インテリジェンス」。本社の住所は「東京都東品川エリア来図3-22-1」。インターネット関連事業を基本とし、AIの開発やロボティクス事業、AIロボの派遣業や最先端技術の開発・製造などあらゆる分野を手がける日本最大手のAI企業。 人々をサポートする医療用のAIを研究し、AIの実用化にこぎつけ、1984年ごろに人々の生活にAIを役立てるための第一歩としてAI搭載の犬型ロボット「ONLY ONE!」を発売。その後、多くの試作を経てAI搭載の人型ロボット・ヒューマギアを2000年代初頭に完成させる。だが、人間社会へヒューマギアを送り出すための多くの実験を必要としていたため、2007年にヒューマギア運用実験都市計画を政府機関と協力して推進したことで、その功績によって2016年にヒューマギアの実用化が認められた。 お仕事5番勝負でZAIAに敗北したため買収され、ZAIAの子会社となったが、激化するアークの破壊活動から街を守るため、再び或人が社長に復帰した。 「飛電」は四字熟語の「紫電一閃」をもじったものである。 社屋の外観はCGで描写されている。人を表したα棟とAIを表したβ棟を橋で渡し、手を繋いでいる、人とAIの共存を表したデザインとなっている。 飛電 或人(ひでん あると) / 仮面ライダーゼロワン 本作品の主人公。N.E.1997年5月1日生まれの22歳。身長176cm、体重62kg、血液型O型。朝が弱いため、遅刻の常習犯でもある。其雄の笑顔が見たいという願いを夢に人々を笑顔にするため自称爆笑ピン芸人のアルトとして活動していたが、お笑いのセンスが全くないため全然売れず、営業先の遊園地くすくすドリームランドの支配人である根津光国から解雇を宣告されてしまう。 その後、是之助が亡くなったことを受け、イズによって遺言の公開に立ち会うために飛電インテリジェンスへと連れて来られ、彼の遺言状から飛電インテリジェンスの2代目代表取締役社長に指名されるが1度はこれを断り、くすくすドリームランドに戻った。だが、ヒューマギアの腹筋崩壊太郎が迅によってベローサマギアとなったことから、それを止めるためにイズから飛電ゼロワンドライバーを受け取り、仮面ライダーゼロワンに変身し、マギアを倒したことで根津を始めとして多くの人々が笑顔になったことから、ゼロワンとして戦うことが夢を叶える手段の一つだと理解し、社長に就任することを決意する。 12年前のデイブレイクに巻き込まれた際、ヒューマギアである其雄に命を救われたことでヒューマギアは人類の夢であり、大切な家族と考えており、イズたちにも分け隔てなく接している。「夢を持って前に進めばきっと笑える未来が訪れる」という生き方を信条にしているため、諫やヒューマギアに大きな影響を与えている。また、夢をないがしろにする者に対しては、時に激しい怒りを見せることがある。マスコミに対しての記者会見で社長への就任と一連のヒューマギアによる暴走事件が事実であることを認めた上で、事件の黒幕が滅亡迅雷.netであることを公表する。 或人がゼロワンの正体であることを知っているのは当初はイズと、自身の初変身時に居合わせた根津光国だけであり、A.I.M.S.にはゼロワンの詳細すら知られていなかったため、当初はゼロワン(或人)を暴走したヒューマギアと判断した諫と唯阿に銃撃されていたが、事実を隠蔽することはしない意思を証明するため、自ら諫の前で変身し、正体を明かした。また、福添や山下の前でも変身するようになり、ゼロワンであることが社員にも伝わることになる。後にゼロワンとして戦っていたことが自身の社長解任を巡る解任動議で社員たちの心をつかむことにつながった。 ZAIAとのお仕事5番勝負の最終戦の演説対決に敗北したために飛電インテリジェンスを買収され、自身も社長の座から降りることになり、ゼロワンへの変身が不可能になってしまうが、新たに設立した飛電製作所の社長に就任することで再びゼロワンに変身した。 アークに対抗するべく、仮面ライダーゼロツーを衛星ゼアと同化したイズの協力で完成させるが、アークゼロによって飛電製作所を破壊されてしまう。その後、飛電インテリジェンスの社長を辞任した垓から後任として指名される形で同社の社長に復帰する。 第42話でイズが滅に破壊された悲しみと怒りが大いなる悪意に転じたと判断したアズから渡されたアークワンプログライズキーとアークドライバー ワンで仮面ライダーアークワンとなる。その後はイズを破壊した滅への復讐に執着するが、彼を庇った迅を破壊してしまったことに激しく動揺する。その後、ゼアの中での其雄と再会した後、滅と対決し、ゼロワンリアライジングホッパーに変身して滅を倒す。名前は「或る人」をもじったもので、「a man」という意味で聖人君子ではなく、ただの人が主人公であることで、必ずしも主人公が正義を謳うだけのヒーローではなく、どこにでもいる人間として描きたいという想いを込めている。 シリアスでダークになりそうな人工知能をテーマとした日曜の朝の作品で、人間とアンドロイドとの対比を描く中で、感情を持たない機械であるAIロボの対極として、その感情の一つである「笑い」を表現する明るさとポジティブを担保する感情豊かなお笑い芸人で、ストレートに感情を描けるキャラであり、人類の生活をAIが豊かにすると信じる側として設定された。企画段階では、AIに仕事を奪われた売れないお笑い芸人のフリーターが職を転々としてバイト先にいる悪いAI搭載アンドロイドが暴走したため変身して倒すという設定であった。しかし人間が悪いからAIが悪いということとなったため、AIと分かり合う主人公のほうが現代的ということとなり、シリーズ全体を通しての主人公のアイデンティティが求められフリーターとは立場の違う、人工知能搭載人型ロボットを開発した企業の「社長」という要素が加えられた。その後はヒューマギアに育てられた設定のためお笑い芸人という設定が外されそうになったが、東映プロデューサーの大森敬仁のこだわりで両方の設定が取り入れられて元お笑い芸人ということとなり、後のインタビューでも物語の根幹に関わる職業ではなく、ディープでダークな作品に寄ってしまうAIを扱った話の作品で、「お笑い芸人」という或人のキャラクター性は番組を明るくするギミックになったと語っている。実際に社会にAIが導入されている世界観のため、そのような現実を踏まえて、これまで敵として描かれていたAIを認め、人間との壁をなくし、ヒューマギアに育てられたキャラクターとなった。葛藤を抱える主人公は、暗くなりすぎないように空気を読まずにギャグを滑り倒すことで、明るい雰囲気を保つようにし、視聴者層のメインターゲットが子供たちであることから暗さを笑い飛ばす作業であると同時に、ゆくゆく厳しい状況に立たされたときに、お笑い芸人という設定がいい効果をもたらす期待を抱いているという。従来の仮面ライダーシリーズの主人公像からの脱却として、悪と戦うヒーローではあるが、それと同時に正義が何なのかわからずに板挟みの中にいる反骨精神に溢れたキャラクターが多かった時代から解放させ、少し気楽な気持ちで新たな世代が見られるようにするため、或人はただ抗うのではなく、俯瞰して状況を観られるようになり、その視点であるからこそ苦境を乗り越えられるように描いている。或人の正体については色々な憶測はあるが、人間だからこそ感情の機敏を描けるわけであり、人間ではなくヒューマギアであったとしたらそれを隠しながら物語を作るのは大変であるという。ギャグに関しては、ギャグ指導のハッピー遠藤がいるが、そのギャグについて指導をするだけであり、脚本にする段階でギャグを書こうとするとどうしてもダジャレになってしまうという。 高橋は、或人を演じるにあたりテンションの強弱とセリフの抑揚を自然に融合させることや、要所要所で変顔を入れることなどを意識しており、或人と同様に人々を笑わせたいという気持ちを重視している。また、「守るべきところは守る」という或人の社長像を見せつつ、或人のギャグの信念として叫び芸を貫き通しているため、テンションの高いピン芸人としてサンシャイン池崎も参考にしている。迅との戦いの際には、子供同士のチャンバラごっこを意識しており、「くまちゃん」と言いながらプログライズキーを差したり、「おりゃー!」と言いながらやっている。ゼロワンになってからのイズとの芝居では顔が出ていないため少し声を高くしてオーバー気味に演じている。 高橋は、オーディションの中で唯一ギャグを面白い意味ではなく、お笑い芸人のキャラクターとしての或人を表現する計算をして何回も変えてやっていたため、全会一致で選ばれたという。 イズ 本作品のヒロイン。秘書型AIアシスタントで、飛電インテリジェンスの社長秘書を務めるヒューマギア。身長163cm。ゼロワン計画の中枢を担う存在として製作され、自身が記録した戦闘データを基にゼアの協力を得て新たなキーを構築するなど、ゼロワンの戦闘をサポートする。当初はやや無感情の性格のため融通が利かず、或人のギャグの詳細について説明するため、彼からはそれを嫌がられている。しかし、或人との関わりの中で彼の考え方をラーニングしたことで個性的な性格となって人間性を身に付けていき、気に障った言動に対して舌打ちしたり、諫の理解不能な言動に対して挑発する一方で或人のギャグに一緒にノったり、自作のギャグを披露したりもしており、後者では或人に「どんどん俺色に染まってく」と嘆かれている。或人にアイテムを渡しに行く際には高速で動く。ワズ・ナゾートクという旧世代型の探偵ヒューマギアで、是之助が製作した自身のプロトタイプが登場している。 滅がバルカンに討伐された際、ゼロワンに嬉々として報告したことで逆上した迅が腕から伸ばした触手に貫かれたことで、一度機能停止にまで追い込まれたが、ザットにより無事修理された。 メタルクラスタホッパーの制御を可能とするために或人に助けられた全国のヒューマギアに声をかけ、プログライズホッパーブレードの開発を行った。 或人の退任後、垓によって機能を強制停止させられた状態となっていたが迅により救出され、ヒューマギアプログライズキーのデータで再起動し、ゼアが再び或人をゼロワンと認めたため、飛電製作所を設立した後、シンギュラリティに達し、自らの意思で再び或人の社長秘書になった。 アークによってゼアが乗っ取られた後は、ゼアと同化しアークに対抗する手段を構築して仮面ライダーゼロツーを完成させた。しかし、ヒューマギアの蜂起を促す滅の説得に当たるも、その彼が放ったアタッシュアローの攻撃を受けて半壊し、或人にヒューマギアの未来を託して爆発四散した。 後述の理由から復元は出来ないため、或人たちはイズの姿を模した新たな社長秘書ヒューマギアの個体を残存したデータから二代目として起動させ、イズに近づけさせるため、1からラーニングさせていくこととなった。後に『REAL×TIME』で過去のイズと遭遇し、記憶を引き継ぐこととなった。テーマがAIのため、AIのキャラをレギュラーとして一人入れることでどういう着地点を迎えるかという意味合いで置き、主人公が社長になったため、ステレオタイプの感じの秘書としてと、ヒロインとしての役割として或人の側に置くこととなった。戦いの現場にヒーローとヒロインのペアで向かうという形をやりたかったため、女性型となり、男性やシェスタのように引いたポジションにする案もあったが、魅力的なアンドロイドを鶴嶋が演じたため、現在のようなイズになったという。第42話での退場は元々は予定にはなかったが、三条が書いた脚本でデータを残していないという設定が出たため、或人が闇堕ちするという展開の逆算から、滅と戦う怒りのきっかけの選択肢の中で最も成り得るものとして滅に倒されて爆発する「イズの死」というものとなり、滅においても動揺や後悔などその後の滅の心の動きとして最もかけ離れたように見える感情を産み出すための展開として、或人が悪意を持って滅と対決するシチュエーションならば、人類とAIとの戦いの結末を描けると判断されたものである。最終回で同型のヒューマギアが登場した展開については、本作品のテーマがラーニングであることを見せ、冬の劇場版でどうなるかという引きになるため、プロデューサーの大森は正解であったと述べている。 衣装に緑色が入っているため、合成による撮影の際にはホワイトバックを使用している。また、唯阿との違いを出すため、シャープなショートボブにし、眉毛を動かさない話し方や声、立ち姿や赤いリップ、前髪パッツンや上下パッチリのまつ毛は鶴嶋本人が決め、ベースメイクやウィッグは第1話のころから少しずつ変えているといい、当初は白だったネイルも黒に変更している。瞳の光彩はコンタクトレンズによる表現のほかに、編集で着色しているものもある。 演じる鶴嶋乃愛は、人間らしさが出る仕草を制限し、普段の声よりも淡々と高い声で喋ることで、他の登場人物との違いを出している。イズがすべてのヒューマギアの基準、軸になるキャラであるため、ブレずにキャラクターをしっかりと立たせた基本の型となった。そのため、初期のイズはゼロ状態で、誰もが想像するザ・AIという感じを意識している。第42話での退場のシーンは監督の杉原から「母親が描かれていない或人は、母親に当たる部分をイズに見ていた」と言われたことから、死に対しての恐怖を考えていないヒューマギアとして、或人との別れを惜しむのではなく、或人なら夢を絶対に叶えられるはずと信じてやまない秘書の仕事を全うする気持ちで、秘書らしいポーズをして少しだけ微笑んだ優しい笑顔で終わらせることとなった。エピローグに登場した新たなイズは、アズを演じた期間があったため、感情移入し過ぎずに演じることができたという。 ゼロワンと戦闘中にいる際に、相棒として動きを付けられるときには、ゼロワンと一緒にポーズをするなどなるべく動かすようにしている。第12話のスライディングのシーンは、スーツアクターが別に撮影した映像を編集で繋いでいる。 アズ 特別編『プレジデント・スペシャル』に声のみ登場したもう一人のイズ。敬語が使い慣れておらず、アーク以外には翻弄する言動をするなど不審な点が多かった。 ゼロワンに関するデータを消滅したと騙って、或人にこれまでの経緯を話させるが、パート2終盤にて、その正体がゼロワン(或人)についてのバトルデータをラーニングするために、人工衛星アークがイズの容姿に似せて送り込んだアークの使者にして専属秘書を自称するヒューマギアであると判明した。 テレビシリーズ本編には第35.5話から登場し、滅亡迅雷.netの4体のシンギュラリティデータを収集してアークに渡した。その後第42話で再登場し、イズに滅がアークワンになるシミュレーションを見せ、彼に破壊されるよう仕向けたうえで、イズを失った或人をアークワンにし、或人によって迅を失った滅をアークスコーピオンにして、彼らを新たなアークに仕立て上げようとし、互いの悪意を増大させることで人間とヒューマギア双方に対決を煽らせ、悪意の連鎖によって無数のアークを生み出し、世界を滅亡させようと企む。だが、二人が悪意を乗り越えたことで企みが失敗したため、エスに接近して仮面ライダーエデンを生み出す。 ファイナルステージではアークゼロワンプログライズキーと飛電ゼロワンドライバーを使って仮面ライダーアークゼロワンに変身した。オープニングでの髪の長いイズは、演出を担当した杉原輝昭のアドリブによるもので、ゼアに対するイズのように、アークに対する悪の秘書もいるのではと登場したものであり、メインライターの高橋悠也は番組序盤のインタビューで今後の展開に取り入れていきたいと述べている。当初はコロナがなければもう少し計算を持って終盤に登場させる予定だったが、緊急で制作することとなった総集編で、普通に既にやっている画の総集編をやっても視聴者の注目を引かないため、気を引かせるために、善意側のイズに対してアーク寄りの狂言回しのようなポジションのキャラクターとして、実際にアズが創作されてそこでお披露目し、円滑に話を進めるため第35.5話からもう一度登場させるものとなった。イズの悪の部分のイメージをまとうものであり、或人の「悪意」を引き出すという展開は、誰の心にも「悪意」があるという比喩になったため、無理なく出せるものとなった。初登場となった第35.5話で、ソーシャルディスタンスを考慮して、1対1の会話で常に済むように、順次インタビューする形式で構成された形で生まれたのがアズである。オープニングの髪の長いイズは鶴嶋の地毛である。第35.5話は特別編のため、同話のみの存在と想定していたため、当初は別のヘアメイクと衣装も考えられたが、準備の時間がなかったため、アークカラーの赤いメッシュにするのみとなった。ネイルの色もイズの緑と黒に対して、赤と黒となっている。 『プレジデント・スペシャル』の台本では「アズ」という名前ではなく、「赤イズ」という名前だった。 アズを演じる鶴嶋は当初は滅のように暗い感じの低い声で演じていたが、プロデューサーの大森の提案で、いたずらっ子や本当に悪い子、小悪魔のような人を小バカにしている少しムカつく感じを出すため高い声で演じている。イズの場合は表情の作り方を抑えるところがあったが、アズではより人間っぽくするため、やりたい放題やったという。鶴嶋はAIではなく、実態がないARなのかもしれないという話は聞いたというが、出自や過去に関しては何も知らないという。 福添 准(ふくぞえ じゅん) 飛電インテリジェンスの取締役副社長。野心家であり、是之助の逝去に伴って自身が2代目社長を狙っていたが、是之助の遺言から或人が2代目社長に指名されたことを知り愕然とする。 或人が2代目社長に就任後も、その座を諦めておらず、虎視眈々と彼の失墜を望んでいるが、「成功すれば社の利益になり、失敗すれば社長を追い落とす口実になる」という理由で或人の行動を妨害しないこともある。 ヒューマギアの暴走に対する社への不信感からの世論への責任を或人に負わせて解任を目論み解任動議を開くも、ゼロワンとして戦ってきた或人の功績が株主たちの心をつかみ失敗。或人のゼロワンとしての働きに一定の理解を示しつつも、油断しているとその座を狙う旨を宣言している。 飛電インテリジェンスに対する思いは熱く、ZAIAに飛電インテリジェンスが買収された際にも会社を去る或人に対し、是之助から預かった会社を最後まで見届ける責任があるためしがみついてでも会社に残ると告げ、引き続き副社長の座に残った。 或人に代わって飛電インテリジェンスの社長となった垓が、ザイアスペックの暴走に対する装置としてレイドライザーを飛電インテリジェンス名義で販売することについて或人から批判を受けた時には消極的な姿勢を取っていたが、垓が発売日にザイアスペックをあえて暴走させようとした際には、山下と共に飛電製作所を訪ねて垓を社長の座から引きずり下ろすため、ヒューマギアプログライズキーで復元したシェスタに、垓の汚職に関するデータを集めるよう指示した。嫌な感じではあるが、愛されるキャラを意識して演じたという。 シェスタ 秘書型AIアシスタントで、飛電インテリジェンスの副社長秘書を務めるヒューマギア。福添からの信頼も厚いほど能力は高いが、イズとは違い、柔軟性や融通性を学習しておらず、常に内部で数十から数百件の案件を処理しており、リソースを業務に割り振っていることから、乏しい感情表現しかできないため、無表情のままで笑うなどほとんど表情を変えることはなく、あくまでも職務に忠実であるが、或人に福添の秘書であると告げたり、イズと競い合うなど、確固とした個性を実際は持っている。 ZAIAが飛電を乗っ取った際に機能停止するが、福添たちの願いで復元され、垓の不正調査を行った。或人が闇堕ちしたことで飛電に暴徒と化したヒューマギアたちが押しかけた際は、福添とともに土下座して頭を下げるという行動を取った。シェスタを演じる成田のロボットが感情がないというイメージから、淡々と表情を作らずに話したといい、人間と関わることで人間らしさを少しずつ出していったという。 山下 三造(やました さんぞう) 飛電インテリジェンスの専務取締役で、福添の側近。 基本的に福添の腰巾着的存在として菓子折りを持ってきたり、純粋悪ではなく姑息なタイプの人間であるため、彼の意見に同調をするが、或人の解任動議の際には彼の擁護を行った。 福添と同じく飛電がZAIAに買収された後も専務の座に残った。態度をその場に合わせてよく変えるが、意外と会社思いのため、飛電が支配されたときは率先して垓の不正を暴こうとした。山下を演じる佐伯は、その役名から「三下」をイメージしており、衣装合わせで、本作品の登場人物の中でメガネを掛けているのがいなかったため、メガネキャラとなった。 飛電 其雄(ひでん それお) 或人の父親の姿をしたヒューマギア。1997年に本当の其雄とその妻が亡くなった後、是之助によって父親型ヒューマギアとして製作され、或人を父親代わりとして育てる。或人とともに2007年に実験都市で暮らしていたが、デイブレイクの爆風から或人を庇って大破して活動を停止した。 12年前のデイブレイクではアークの暗躍を察知し、人間とヒューマギアを守る仮面ライダーを開発後、自らアークに仕込んだ自爆プログラムによって爆破させて打ち上げを阻止したことが判明したが、その際に自身のバックアップデータも消滅してしまった。 映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』にはデイブレイクで機能を停止する前の其雄が登場し、仮面ライダー1型に変身した。ヒューマギアはロボットという設定ではあるものの、人間らしさもあった方がいいと言われ、全体としてはロボットらしさを出し過ぎないようにするものとなったが、人間らしすぎると人間と見分けがつかなくなることから、なるべく瞬きをしないように気を付けて演じているという。 元々は『令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』で描くことを前提とするキャラクターであった。其雄が仮面ライダーに変身するという設定は、企画段階で或人に社長設定が加わった際に挙がった「家庭を持つ父親ライダー」という案が元となっている。元々はテレビシリーズには第1・2話のみの出演の予定で、『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』の撮影後、山本の再び出演したいという意向で、再度出演することを考えていたものの、自粛の影響で余裕がない状況となったが、意味のあるシーンで登場させるものとなり、其雄が仮面ライダーの大元を作った存在であるため、終盤のタイミングで或人と話すのに最も適している人物として確かだったため、ゼアそのものの意識であり、その善性を或人が其雄のイメージとして感じ取ったものとして登場することとなった。 撮影で使用している衣装は、1型のデザインに合わせてマットな加工がされており、『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』では撮影時の明るさを変えることでダークに見えるようになっている。 飛電 是之助(ひでん これのすけ) 或人の祖父で、ヒューマギアを開発・実用化し、事業を拡大した飛電インテリジェンスの創業者で、初代代表取締役社長。享年75歳。本社ビルには自身の肖像画が掲げられている。 人の生活に人工知能を役立てるためAIの開発を1980年代から推進。12年前の事件からヒューマギアが暴走する危険性を認識し、ヒューマギアを制御する力として其雄が設計した飛電ゼロワンドライバーを軸としたゼロワン計画を準備し、孫の或人を2代目社長に任命するよう遺言状を残した。また生前には垓との交流があったことも明かされている。 ゼロワンドライバーやヒューマギアの特許は全て彼が所有しており、或人にそれらは引き継がれていた。 アイちゃん 飛電製作所が初めて生み出したオリジナル人工知能の友達型AI。或人が発案し博士ボットが製作。必ずしも人型のAIに囚われる必要はないという或人の発想で手のひらサイズの小型ユニットで、人間の側にいて話を聞いてくれるだけでありながら、諫や唯阿の相談相手になり不安を解消させ、垓とさうざーが和解するきっかけも作った。
※この「飛電インテリジェンス」の解説は、「仮面ライダーゼロワン」の解説の一部です。
「飛電インテリジェンス」を含む「仮面ライダーゼロワン」の記事については、「仮面ライダーゼロワン」の概要を参照ください。
- 飛電インテリジェンスのページへのリンク