飛雪の滝キャンプ場とは? わかりやすく解説

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飛雪の滝

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 07:22 UTC 版)

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飛雪の滝
2018年
所在地 三重県南牟婁郡紀宝町浅里
位置 北緯33度45分32秒 東経135度55分33.7秒 / 北緯33.75889度 東経135.926028度 / 33.75889; 135.926028座標: 北緯33度45分32秒 東経135度55分33.7秒 / 北緯33.75889度 東経135.926028度 / 33.75889; 135.926028
落差 30 m
滝幅 12 m
水系 熊野川
プロジェクト 地形
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飛雪の滝(ひせつのたき)は、三重県南牟婁郡紀宝町浅里にある[1]

滝の概要

滝の落差は30 m、幅は12 mである[1][2]。滝は浅里神社の神域とされ[1]、東側に隣接する浅里神社は末社として瀧御前を祀っていた[3]。滝つぼや滝が形成する川では遊泳することができ[4][5]2018年(平成30年)からは隣接するキャンプ場でダッキーを借りて遊ぶこともできる[5]。天候次第では滝にがかかり[2]年末年始には住民らによって滝のライトアップが行われる[6]2018年(平成30年)のゴールデンウィークには17匹のこいのぼりが滝の前で揚げられた[7]

角川日本地名大辞典』では、「滝つぼ周辺の眺めは最高」と評している[1]。また、この滝を訪れた紀州藩主の徳川頼宣は滝の美しさを讃えて漢詩を詠んだ[2][8]。その一節に「風吹けば沫さながらの舞い」と詠まれたことから、滝の名前が「飛雪の滝」となった[2][8]。滝には熊野本宮大社の参詣に訪れた人々が多く訪れ、旅人を潤した[9]

滝の周囲はイワチドリ英語版というラン科植物の自生地であったが、乱獲によりほとんど見られなくなってしまった[10]。そこで1998年(平成10年)2月に神奈川県の愛好家からイワチドリの球根が贈られ、和歌山県新宮市の日本イワチドリ愛好会が滝の周りに約1,200個を植栽した[10]

2011年(平成23年)9月、台風12号が襲来し、滝は土砂で埋め尽くされ、浅里集落は壊滅的な被害を受けた[11]。その後、愛知ボランティアセンターや災害ボランティアネットワーク鈴鹿をはじめとする災害ボランティアの支援を得て復旧工事が行われ、2013年(平成25年)5月25日に復興記念として「元気やで!紀宝町川丈感謝まつり」を滝の前で開催した[12]

飛雪の滝と浅里地区

2011年台風12号襲来前の飛雪の滝(2009年)

滝のある浅里地区は紀宝町の西部に位置する農林業地域であり、熊野川をはさんで和歌山県新宮市と向かい合っている[1]。浅里はにほんの里100選に選定された地区であるが、1999年(平成11年)に小学校、2001年(平成13年)に中学校の分校が閉校し、1950年代から2009年(平成21年)までに人口が3分の1に減少するなど少子高齢化が進んでいる[6]。さらに2011年(平成23年)9月に台風12号により集落は壊滅的な被害を受けた[11]

そこで地域住民は、地域活性化のために三反帆(さんだんぼ)と呼ばれる川舟の再生などの活動を2007年(平成19年)に開始し[11]2015年(平成27年)からは浅里区と紀宝町・三重県・三重大学の連携事業としてなれずしの生産を行っている[13]。飛雪の滝は地域のシンボルと位置付けられており[12]、「飛雪の滝百姓塾」[14]・「飛雪の滝里山塾」[15]のように地域団体名に「飛雪の滝」を名に冠し、地元産の米に「飛雪米」と名付けるなどしている[16]

飛雪の滝キャンプ場

飛雪の滝キャンプ場

飛雪の滝キャンプ場は飛雪の滝に隣接するキャンプ場で、2001年(平成13年)8月に開業した[4]。運営者は地元の浅里区である[4]三重県1997年(平成9年)から4年の歳月と1億2300万円をかけて整備したもので、開業当初は管理棟・芝生のテントサイト(25区画)・炊事場・トイレを有していた[4]。2011年(平成23年)の台風12号で管理棟を流されるなどの被害を受けて休止、2013年(平成25年)に再開した[17]

2018年(平成30年)4月27日には紀宝町が2億2千万円をかけて1棟に4人泊まれるコテージ8棟と2階建ての交流拠点施設を増設し、リニューアルオープンした[18]。交流拠点施設は1階に[18]飛雪米や野菜を販売する[16]売店[16]と多目的スペース[18]、2階に20人宿泊できる研修室を設けた[18]。このリニューアルの際に公衆無線LANが整備され[16]、夏季のみの営業から通年営業に変更された[19]

交通

脚注

  1. ^ a b c d e 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編 1983, p. 1478.
  2. ^ a b c d e 飛雪の滝の観光スポット情報”. 観光三重. 三重県観光連盟. 2018年8月23日閲覧。
  3. ^ 浅里神社”. 三重県神社庁教化委員会. 2018年8月23日閲覧。
  4. ^ a b c d 汐崎信之"「飛雪の滝キャンプ場」がオープン 紀宝町"毎日新聞2001年8月5日付朝刊、伊賀版
  5. ^ a b c d 飛雪の滝キャンプ場リニューアルオープン〔紀宝町〕”. ぎふチャン:旬体験!三重県おでかけ情報 (2018年4月27日). 2018年8月23日閲覧。
  6. ^ a b 阿部英明「川舟 渡る暮らし」朝日新聞2009年3月16日付朝刊、三重版19ページ
  7. ^ 汐崎信之「飛雪の滝 コイ悠々、滝のぼり カヤック体験も」毎日新聞2018年5月2日付朝刊、伊賀版
  8. ^ a b 「紀宝町で浅里飛雪瀧祭り」読売新聞2006年10月30日付朝刊、北勢版28ページ
  9. ^ 「暑中水あり① 旅人癒やす古道の滝」日本経済新聞2004年8月3日付夕刊、名古屋版社会面36ページ
  10. ^ a b "山草「イワチドリ」を飛雪の滝に植栽 新宮の愛好会"毎日新聞1999年2月22日付朝刊、和歌山版
  11. ^ a b c 百合草健二「流された 家も希望も 台風12号で壊滅的被害 三重・紀宝町浅里 もう住めない 助けて」朝日新聞2011年10月9日付朝刊、社会面35ページ
  12. ^ a b 百合草健二"「元気やで」復興感謝し祭り 台風12号被害受けた紀宝・飛雪の滝"朝日新聞2013年5月26日付朝刊、三重版29ページ
  13. ^ 汐崎信之"浅里なれ寿司まつり 絶品「なれずし」に舌鼓 1100人にぎわい 紀宝"毎日新聞2016年2月1日付朝刊、伊賀版
  14. ^ 「新入社員が田植え応援 紀宝で名古屋の企業」朝日新聞2018年4月20日付朝刊、熊野版23ページ
  15. ^ 汐崎信之"飛雪の滝里山塾 地域おこし団体 浅里を元気に、廃校でカフェ 収益金「あすまいる」へ 紀宝"2017年7月9日付朝刊、伊賀版
  16. ^ a b c d 汐崎信之「紀宝町議会 閉会 1億5021万円補正予算可決 キャンプ場整備など」毎日新聞2017年12月15日付朝刊、伊賀版26ページ
  17. ^ 飛雪の滝キャンプ場、27日新装オープン 紀宝町振興に知事ら期待 三重” (2018年4月19日). 2018年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月23日閲覧。
  18. ^ a b c d 「紀宝のキャンプ場刷新」朝日新聞2018年4月26日付朝刊、三重版25ページ
  19. ^ 白石美里 (2018年3月20日). “紀宝町『飛雪の滝キャンプ場』リニューアルします!”. 白石美里のリポーターブログ. レディオキューブ FM三重. 2018年8月23日閲覧。
  20. ^ 路線図”. 紀宝町役場企画調整課. 2018年8月23日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


飛雪の滝キャンプ場

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飛雪の滝」の記事における「飛雪の滝キャンプ場」の解説

飛雪の滝キャンプ場は飛雪の滝隣接するキャンプ場で、2001年平成13年8月開業した運営者地元浅里区である。三重県1997年平成9年)から4年歳月1億2300万円をかけて整備したもので、開業当初管理棟芝生テントサイト25区画)・炊事場トイレ有していた。2011年平成23年)の台風12号管理棟流されるなどの被害受けて休止2013年平成25年)に再開した2018年平成30年4月27日には紀宝町が2億2千万円をかけて1棟に4人泊まれコテージ8棟と2階建ての交流拠点施設増設しリニューアルオープンした。交流拠点施設1階飛雪米や野菜販売する売店多目的スペース2階20人宿泊できる研修室設けた。このリニューアルの際に公衆無線LAN整備され夏季のみの営業から通年営業変更された。

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