正調
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 03:58 UTC 版)
調の本体であり、繊維製品をもって納入した。正調は大きく分けて絹で納入する調絹(ちょうきぬ)と布で納入する調布(ちょうふ)に分けることが出来る。当時において、絹は天皇などの高貴な身分の人々が用いる最高級品であり、その製品は「布」とは別の物とされていた。従って、当時の調布とは、麻をはじめ苧・葛などの絹以外の繊維製品を指していた。 時代によって違うものの、大宝律令・養老律令の規定に基づけば、 調絹は長さ5丈1尺・広さ2尺2寸で1疋(1反)となし、正丁6名分の調とする。 調布は長さ5丈2尺・広さ2尺4寸で1端(1反)となし、正丁2名分の調とする。 とされていたが、実際の運用においては、養老年間に改訂が行われ、 調絹は長さ6丈・広さ1尺9寸で1疋(1反)となし、正丁6名分の調とする。 調布は長さ4丈2尺・広さ2尺4寸で1端(1反)となし、正丁1名分の調とする。 とする規定が定められて、これを元に徴収が行われていた。 特に美濃国で作られた絁(絹織物)である美濃絁と、上総国で作られた布(麻織物)である望陀布は、古くから品質は上質とされ、かつ東国豪族の忠誠の証を示す貢納品としても評価され、「東国の調」と呼ばれて古くから宮中行事や祭祀に用いられてきた。このため、美濃絁・望陀布に関する規定が特別に設けられていた。
※この「正調」の解説は、「租庸調」の解説の一部です。
「正調」を含む「租庸調」の記事については、「租庸調」の概要を参照ください。
「正調」の例文・使い方・用例・文例
正調と同じ種類の言葉
- >> 「正調」を含む用語の索引
- 正調のページへのリンク