撮影後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:11 UTC 版)
「ショーシャンクの空に」の記事における「撮影後」の解説
劇場公開された映画の完成版(ファイナル・カット)は142分で、撮影中にエイズで亡くなったダラボンの元エージェント、アレン・グリーンに捧げられた。最初の編集版は2時間半近くもあってグロッツァーが長いと判断し、レッドが投獄されてから刑務所に馴染むまでの長いシークエンスなど、いくつかのシーンがカットされた。このレッドのシーンに関してダラボンは、試写会では観客たちがレッドが成功しないことを確信していたために焦れていたようだったと述べている。他に時間の問題でカットされたシーンには、アンディの脱獄したトンネルを調査する刑務官の姿を映したものがあり、これはテンポが悪くなると考えられてカットされた。また、当初はアンディの犯行の様子を描いたコールドオープンで始まり、オープニングクジレット全体で彼の裁判の様子を描くというものであったが、より「パンチの効いた」オープニングにするために、これらのシーンは編集された。ダラボンが自己最高傑作と評した脚本上のある場面は、撮影スケジュールの関係で撮られることがなかった。そのシーンは夢を見ていたレッドがリタ・ヘイワースのポスターに吸い込まれ、太平洋の海岸で孤独で取るに足らない自分を発見して「恐ろしい、帰る方法がない(I am terrified, there is no way home.)」と言うものであった。ダラボンはこのシーンを撮影できなかったことを後悔しているという。 ダラボンのエンディングの当初の構想は、レッドがバスに乗ってメキシコ国境に向かう姿までで、その後の運命については曖昧なままであった。グロッツァーは、レッドとアンディがジワタネホで再会するシーンを入れることにこだわった。彼女によれば、ダラボンは「商業的で感傷的な(commercial, sappy)」エンディングと感じていたが、彼女自身は2人の再会を観客に見せたかったという。キャッスル・ロックはこのシーンを入れなくても撮影資金は出すことに同意し、最終的な決定権はダラボンに任せた。このシーンは当初アンディとレッドが初対面の時の台詞を復唱する長い再会の場面もあったが、ダラボンは「何てこった、俺たち可愛くない?(golly-gee-ain't-we-cute)」と言ってカットした。浜辺での再会は試写会の観客たちが気に入ったシーンだった。フリーマンとロビンスも、このシーンが必要な終わりをもたらすものだと感じていた。ダラボンは試写会の観客の反応を見た後、「私は思う。登場人物たちが長い冒険譚(サーガ)の末にたどり着く、不思議かつ高揚感を覚える場所だった……」と言い、このシーンを入れることを決めた。
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