パン工場の関係者
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「アンパンマンの登場人物一覧」の記事における「パン工場の関係者」の解説
アンパンマン(英:Anpanman) 詳細は「アンパンマン (キャラクター)」を参照 声 - 戸田恵子 性別 - 男 / 初登場回 - TV「アンパンマン誕生」 本作の主人公。頭があんパンでできた正義のヒーロー。お腹を空かせた者に自分の“顔”(※作中ではそのように呼ぶが、実際は頭部)を食べさせ、悪いことをする者がいれば「アンパンチ」や「アンキック」で懲らしめる。弱点はカビや水などで力が出なくなるが、新しい顔(頭)を焼いて交換すると元気100倍になる(バタコさんが投げて交換する)。 ジャムおじさん(英:Jam-ojisan) 声 - 増岡弘(TV第1話 - 第1464話、映画版第1作 - 第31作)→山寺宏一(第1465話 - ) 性別 - 男 / 初登場回 - TV第1話「アンパンマン誕生」 パン工場に住んでいるパン職人で、アンパンマンの生みの親。■トップ画にいる。「おいしくな〜れ…おいしくな〜れ…」と、食べてくれる人が元気になるように、笑顔になるように、真心を込めてパンを作っている。移動用パン工場のアンパンマン号でバタコさん、めいけんチーズと共に遠方でのアンパンマンの戦いをサポートする。当初は一人称が「わし」で口調も老人らしいものだったが、1990年代中頃からは一人称が「私」で口調も「〜だよ」など素朴なものへ変化している。周りからは基本的に「ジャムおじさん」と呼ばれており、呼び捨てにされることは少ない。 アンパンマンとそっくりな顔をしている。基本的にいつもコック帽を被っているが、コック帽を被っている部分は髪の毛がない状態である。人間に近い容姿だが、やなせによると他のキャラクター同様に人ではなく妖精に近い存在という設定である。 パンだけでなく他の料理や食べ物も作ることができる(天丼、カレールー、おむすび、ぶたまん、ハンバーグなど、食べ物のキャラクターに力を与えたり、転職への道を導いたりすることもある)。また、科学者としての側面も持ち併せており、巨大メカの発明や歴史や地理にも博識である。また、交友関係が非常に広く様々な知り合いがいる。つたで上空からダイブしたりと運動神経も抜群だが、体力にはあまり自信がない様子。オートバイから複葉機まであらゆる乗り物の運転もこなす。マジカちゃんのクリーナーやカメラのパチリくんのカメラなどあらゆる道具も完璧に修理できる。絵画の才能もあるが、アンパンマンと同様お芝居は苦手。 性格は優しく穏やかで、パン工場の関係者や町の住民をはじめ多くの人達からの信頼を寄せられている。さらに寛大で、例えばいきんまんでも悪事をしていない場合は協力したり食べ物を分け与えたりしている。ばいきんまんに誘拐された際 も、空腹に困っているドキンちゃんとかびるんるんにパンを焼いてあげるなど、達観したところもある。映画では、様々な姿に変えられたりパン工場を破壊されたりしてもアンパンマンを助けるために、新しい顔を焼いたりアンパンマン号を操縦したりして活躍している。誰かが弱音を吐いても「諦めてはいけない」と最後まで励まし続け、自らもまたその信念で行動するとても芯の強い人物でもある。子供達が竹とんぼや凧など昔ながらの遊びで楽しんでいるのを見て童心に返り、遊びの輪に加わることが多い。小さい頃の夢は自分で飛行船を作って冒険することで、のちに実現している。コーヒーが特に好物。 担当声優が増岡から山寺に変更されて以降はチーズとダブルキャストのため「ジャムおじさん/チーズ」名義でクレジットされている(交代直後の第1465・1466話ではクレジットされなかった)。 バタコさん(英:Batako-san) 声 - 佐久間レイ 性別 - 女 / 初登場回 - TV第1話「アンパンマン誕生」 Clip バタコさん パン工場でジャムおじさんの助手をしている女の子。■トップ画にいる。バタコさんの名前はバターに由来する。テレビアニメ版ではジャムおじさんの孫という設定があるが、諸説設定は様々である。一人称は「私」。やなせによると、ジャムおじさんと同じく彼女も人ではなく妖精に近い存在である(テレビアニメ版ではジャムおじさんと同様「ふつうの人間」)。年齢 は子供から大人までと様々な差がある(声をあてている佐久間は「小さな女の子だが、どことなく母性を感じさせる」とイメージして演じている)。テレビアニメ版では誕生日は4月3日。通常は「さん」付けであり、作中でもジャムおじさんやばいきんまん達以外からは「さん」付けで呼ばれているが、2000年代までのクレジットタイトルでは「バタコ」と呼び捨てにされていた。 ジャムおじさんと同じく基本的にいつもコック帽を被っているが、話や時期によって前髪の形がわずかに異なっている。 料理やお菓子作りのほか、裁縫も得意で、アンパンマン達のマントを作り、マントが破れたりした時は繕っている。 ジャムおじさんと同じく優しい性格で、寛大。家庭的で、掃除や洗濯が好きなことからふけつまんを嫌っていた。好きな食べ物は綿飴。ばいきんまんに人質にされることの多い人物の一人でもあるが、例えばいきんまんでも悪事をしていない場合は協力したり食べ物を分け与えたりしている。ばいきんまんが拾ってきた魔法の鏡によると「(アンパンマンワールドで)最も心の美しい女性」とのこと。原作では『月刊いちごえほん』版から登場。現在とは異なり、かなりやんちゃでハチャメチャな性格で口癖も「びじんのいのちはみじかい」だったが、テレビアニメ化に伴い、今のような性格になった。テレビアニメ版初期の頃はパン工場の誰よりもおむすびまんが旅から寄ってくるのを楽しみにしていた。たぬきおにから好かれているが、本人は気づいていない模様。かつてはジャムおじさんと異なり、お芝居が得意なほうだったが、現在は苦手になっている。 アンパンマンの仲間達の中では、彼の新しい顔(頭)を投げて届けることが一番多い。投げ方は多岐にわたり、ばいきんまんに顔を投げることを邪魔されてもほぼ百発百中でアンパンマンの顔を入れ替えることができる。アンパンマンの顔は、誰が投げても邪魔さえなれけば百発百中で入れ替えることができるが、多彩な投法を使うのは彼女だけ。 めいけんチーズ(英:Cheese, the dog) 声 - 山寺宏一 性別 - 男 / 初登場回 - TV第1話「アンパンマン誕生」 Clip めいけんチーズ ある日、森の中で泣いていたところを子供だったアンパンマンに助けられ、以来パン工場に住み着いている犬で性別はオス。■トップ画にいる。愛称はチーズ。書籍『アンパンマン大研究』では「名犬」という犬種だとしている。 バタコさんと顔の輪郭がそっくり。黄色い首輪を付けている。 犬なのに二足歩行やジェスチャーができる。走る時は四足になることが多い。壊れた犬小屋くらいなら自分で直せる。アンパンマン号の運転もこなしてしまう。アンパンマン達(特にバタコさん)にはチーズの伝えたいことが理解できる。言葉が話せないと思われがちだが、やなせによるとチーズも他のキャラクター同様に言葉をしゃべることができ、作中ではしゃべる必要がないのでしゃべらないだけらしい。初期は文字を読めなかった が、後に書くことはできるようになった。 名付け親のバタコさんとは一番仲が良い。クリームパンダやカバオくん達とも仲良し。原作での初登場となったいちごえほん版の第65回(1982年1月号掲載)では、元は当時犬嫌いだったばいきんまんがアンパンマンに対して送り出したスパイという設定になっており、最終的にばいきんまんを裏切ってバタコさんに懐いてしまい、そのままパン工場に迎え入れられたという結末が描かれている。 一斤の食パンを模した犬小屋はチーズが住み始める前から存在しており、現在のチーズの小屋は3代目で、壊れたり吹っ飛んだりした場合は自分で直すこともある。犬小屋で寝ることが多いが、稀にバタコさんの寝室で寝る時もある。「アンアーン!」と鳴き。強靭な歯でロープやバイキンメカのケーブルを噛み切ったり、穴掘りで幽閉先から脱出したり、特に鋭敏な嗅覚を活かしてばいきんまんの基地を探り当てたりさらわれたゲストキャラクターを見つけ出したり、空でアンパンマンの異常を知らせるサインに最初に気づくなど「名犬」の名に恥じない大活躍を見せることが多い。バタコさんと一緒にアンパンマンの顔(頭)を投げて届けることもある。ジャムおじさんやバタコさんとは異なり、ばいきんまんに対しては彼が悪さをしていない時でも警戒し、威嚇することもある。ジャムおじさんらがばいきんまんに優しくしようとすると、チーズが制したり、腑に落ちない顔を浮かべたりすることもある。そのため、ばいきんまんの変装をいち早く疑い、見破ってみせることも少なくない。 とても食いしん坊で、ゲストキャラがパン工場または町へ料理を振る舞いに来てくれると聞くたびに嬉しがる。箸などを器用に扱い、周りと同じように食事をするが、テーブルマナーの悪いところが目立ち、たびたびバタコさんに注意されている。アンパンマン曰く海水浴が好きらしい。ガールフレンドのレアチーズとは相思相愛でたびたびデートに誘っているが、待ち合わせに遅刻したりなど自身のドジな性格が災いし、彼女の機嫌を損ねてしまうことが多い。アンパンマン号の運転をすることも多いが、ジャムおじさんより少し運転が下手なようでアンパンマン号がドリフト走行している時は大抵チーズが運転している。演技力は高く、ゲストキャラクターの物真似も得意。ジャムおじさん達の仕事も積極的に手伝っているが、菓子作りを自分で上手くやれるまでは上達していない。普段から勇敢だが、レアチーズ絡みになる(彼女がばいきんまんにさらわれたり、彼女の飼い主であるウサ子の手作りクッキーをドキンちゃんが食べたがっていたためにばいきんまんがパン工場に侵入して奪いに来た時)とその勇敢さが彼女にいいところを見せようと割り増しされる。 担当声優の山寺は今作でチーズやジャムおじさんを含め20以上もキャラクターを担当しており、クレジットタイトルにおいて「ジャムおじさん/チーズ」 以外がクレジットされることはないが、一部の映画版では稀にその他の役名がクレジットされることがある。 Clip カレーパンマン Clip しょくぱんまん カレーパンマン(英:Currypan-man) 詳細は「カレーパンマン」を参照 声 - 柳沢三千代、冨永みーな(一時代役〈1999年〉) 性別 - 男 / 初登場回 - TV第2話B「アンパンマンとカレーパンマン アンパンマンの仲間で、彼と同じくジャムおじさんによって作られた。頭部がカレーパンで出来ている。短気で熱血な性格。口から熱いカレーを吹き出して攻撃する「カレービュー」が得意技。カレーがなくなると顔がへこんで力が出なくなるが、カレーをたっぷり補給して満タンにすると辛さ100倍になる。甘い食べ物は苦手で、食べ過ぎると体が弱ってしまう。カレーを作ることができる。 しょくぱんまん(英:Shokupan-man) 詳細は「しょくぱんまん」を参照 声 - 島本須美 性別 - 男 / 初登場回 - TV第3話B「アンパンマンとしょくぱんまん」 アンパンマンの仲間で、頭部が食パンで出来ている。アンパンマンやカレーパンマンとは違い、トースター山という山から生まれたらしい。「しょくぱんまん号」に乗って町や学校へ食パンを届けている。優しく紳士的な性格で芸術への関心が高い。 メロンパンナ(英:Melonpanna) Clip メロンパンナ Clip サンライズ系のメロンパン Clip ドミノマスク 声 - かないみか 性別 - 女 / 初登場回 - TV第200話「メロンパンナちゃん誕生」 1992年(平成4年)に初登場。メロンパンの女の子。流れ星(いのちの星の流群と大変よく似ている)を見たジャムおじさんが「皆が幸せに生きていくには、勇気と同じくらい優しさが必要」と考えたことから、メロンパンナが作られた。アンパンマンと違って成長した姿で誕生している。従来のパン工場関連のパンのキャラクターでは最初の女性キャラクター。一人称は「私」。クレジットタイトルやサブタイトルなどでは呼び捨てにされている が、ばいきんまん達 やロールパンナを除けば「ちゃん」付けで呼ばれるのが通例。また、登場初期にはアンパンマン達に呼び捨てにされることがあった。 アンパンマンや姉のロールパンナに比べて、身長・体格は心持ち小さい。頭部は色も形も円形のメロンパンのサンライズ系(■右側に画像あり)に似ており、マスクメロンの網目を模した縦横の線が顔に6本入っていて、そうしてできた格子模様のうち、両眼が位置する2つの面だけ色目が濃くなっているので、古き良き時代のアメリカンコミックヒーロー張りのドミノマスク (Domino mask) (■右側に画像あり)を装着しているかのような顔付きになっている。額には「m」の字が筆記体で記されている。黒目は緑色(■ミディアムシーグリーン)の濃淡2色で描かれ、よく目立つハイライトが入っているのが大きな特徴。おでこや服には「m」の文字が書いてある (服に書かれてあるマークの色は黄緑)。。緑の服を着ており服のマークと同じ色の手袋とブーツを履いている。 頭からメロンジュースを出す。このジュースにはカビなどの汚れや悪い心を浄化する力があり、姉のロールパンナが悪い心に染まった時には善い心を取り戻させる効果を発揮する。また、一度ブラックピエロになったピエロくんを元に戻すためにメロンジュースを使い切ったことがある。アンパンマンらと同じく顔(頭)に異常を来すと力が出なくなり、顔(頭)を交換しなければならない。ただし、アンパンマンの顔(頭)より耐久性は高めで、カビが生えたり、川に落ちて顔全体が濡れたり する程度ではアンパンマンのように極端に弱ることはない。映画版では、しょくぱんまんとカレーパンマンに比べて強制的に変身させられたり動きを封じられることは少ない。アンパンマンのようにお腹を空かせた人に顔(頭)を食べさせたり、カレーパンマンのように食べ物を与えたりすることはない。TV第397話A「ロールパンナとかぜこんこん」の中盤では、風邪をこじらせて寝込んでしまったが、薬を飲めば回復する。バタコさん同様、ばいきんまんに人質にされたり、拉致・監禁されることが多く、アンパンマン達が戦意喪失に追い込まれる際には「助けて、ロールパンナお姉ちゃん!」と叫んでロールパンナに助けを求めることが多い。心の中で助けを求めることもあった。 得意技は「メロメロパンチ」で、相手をメロメロにさせて戦意を喪失させたり、頑丈な金属を柔らかくしてしまうなど、ダウナー系とも言える不思議な非戦闘的効果を発揮する。効果時間は曖昧で、ポータルサイトの Q&A によれば、「好きな人と会った時や美味しい物を食べた時に『メロメロ』になる時と同じ位」とのこと。元気のなくなったカビンちゃんを元気づけるために用いたこともある。TV1456話B「クリームパンダと3ばいメロンパンナ」では、メロメロパンチを嫌がるメロンパン子にエンエンパンチを放たれたメロンパンナが泣かされている。このように、勢いに欠けるためにかわされてしまうことも多く、そのことから、状況によっては不意打ちの形で使われる。アンパンマン達と力を合わせて「ダブルパンチ」や「トリプルパンチ」を繰り出すこともある。腕力などではアンパンマンやバイキンメカに及ばないものの、身軽さが大きな武器で、飛ぶスピードはアンパンマンよりも速く、飛ぶ音もアンパンマンとは異なりレーザーガンみたいな音である。それもあってか、アンパンマン(SOS)のピンチをジャムおじさん達に知らせることが多く、新しく焼き上げたアンパンマンの顔(頭)を投げて届けることも多い。 可愛く優しい性格をした女の子らしい女の子。その顔(実質、頭でメロンパン)には「愛の花」の蜜が混ぜられており、ジャムおじさん曰く「誰にでも優しくて愛の心を持ったパン」。登場初期の頃は末っ子のような存在で、ナイーブで、ばいきんまん達が悪さをしていても優しく接したこともあった。また、「メロン"パンダ"」と呼ばれて怒るなど道化師的役回りも多かった。弟分のクリームパンダが登場した頃からは母性的な面も見られるようになり、徐々に道化師的役回りは影を潜めていった。しょくぱんまんやカレーパンマンと同じく普段はどのような生活をしているかは不明だが、パン工場で寝泊まりする描写は少なくない。ジャムおじさんに頼んで作ってもらった“姉”のロールパンナが大好きで、いつかずっと一緒に暮らせるようにと願っており、姉のことを思い出したり心配したりしている。気持ちの切り替えは早く、姉が飛び去るたびに涙を流すが、その際にアンパンマン達に励まされて元気を出すことが多い。弟分のクリームパンダにも優しく、彼のわがままな態度にも柔軟に応じる辛抱強さも持ち併せている。アンパンマンと違って食事をするシーンがある。食欲は旺盛で、ウサ子から「カバオくんみたい」と言われたこともある。学校で授業を受けることが時々ある。パン工場で仕事をしていない時は野原で草花遊びに興じていることが多い。 映画版ではアンパンマンの次に主役回が多く、ゲストキャラ(ノッシー、リリカ、マリン、カボちゃん、カーナなど)と深くかかわる機会も多かった。 やなせは、メロンパンナのキャラクター制作に取り掛かるまでメロンパンを食べたことがなかったという。 ロールパンナ(英:Rollpanna) 声 - 冨永みーな 性別 - 女 / 初登場回 - TV第300話「ロールパンナのひみつ」 1994年(平成6年)に初登場。ジャムおじさんがメロンパンナのために作ったロールパンの女戦士で、ジャムおじさんが作った最後のパンのキャラクター。ジャムおじさんは単なる仲間を作るつもりだったが、「お姉ちゃんが欲しい」と言うメロンパンナの願いを叶えてやることにし、彼女より後に生まれながらも「姉」に当たるロールパンナが生まれた。メロンパンナ同様、現在の姿で誕生している。名前はメロンパンナに似せて名付けられた。ロールパンナが登場する話では大抵メロンパンナも登場する。絵本では後述する海の白馬マリンに跨って登場することが多い。一人称は「私」で、男性語を話す。優しい心が強くなると丁寧口調になることもある。 頭部は白い布の覆面で眼の周り以外のほとんどを隠しており、一束の巻き毛が眉間(みけん)のあたりから飛び出している。覆面は外した場面も剥がされた場面も描かれていないため、どのような素顔をしているのかは分からない。黒目の色は濃い目のターコイズブルー(■)の濃淡2色で描かれ、メロンパンナと同じくよく目立つ眼球ハイライトが入っている。覆面の額の位置には赤い字で「R」と記されている。黒い服に、白手袋と白いブーツと白いベルトをしており、裏地が赤い紺色のマントを羽織っている。黒い服の胸の部分には赤色と青色のハートマークがあり、彼女の内なる善と悪(※後述)を象徴している。 妹のメロンパンナが10年に一度咲く「まごころ草」を偶然見つけたことでその花粉を加えてジャムおじさんが作ろうとしたが、それを聞きつけたばいきんまんが「バイキン草のエキス」も入れてしまったため、ロールパンナは善と悪という相反する心を一身に抱いて生まれてしまった。誕生直後にばいきんまんに「アンパンマンはお前の敵だ」と刷り込まれたことで、アンパンマンと対峙すると悪い心になり、アンパンマン達と戦うことになってしまう。正義のヒーローとは相剋せざるを得ない境遇にあり、アンパンマンのいるパン工場とは距離を置いている。善悪二つの心の板挟みに悩むロールパンナは、普段、くらやみ谷や高い岩山があちこちに連なる荒地にいる。メロンパンナに「一緒にいて欲しい」と懇願されても、パン工場へ帰ることを拒んでいる。 当初は悪い心になっても外見上は変化の無い描写だったが、途中から、悪い心になるとブラックロールパンナに変身するという設定に変わった。ブラック化すると、衣装の白かった部分は全て黒くなり、マントの色も彩度が低くなる。肌の色は屍人色(あるいは、ゾンビカラー)に、黒目は禍々しい赤色に変わる。胸にある二つのハートマークは、善い心が強調される時には赤いほうが、悪い心が強調される時は青いほうが光る。善い心と悪い心との間で気持ちが揺れ動き出すと両方のマークが交互に点滅し、頭を抱えて悩む。TV852話「ばいきんまんとブラックロールパンナ」、TV1283話「メロンパンナとブラックロールパンナ」、TV1319話「ジャムおじさんとブラックロールパンナ」ではブラックに変身し、アンパンマンを含めて仲間たちを襲撃する場面も見られるほか、TV998話B「しょくぱんまんとロールパンナ」ではアンパンマンが落ちてくる絵を見てブラックに変身する場面もある。映画第7作『ゆうれい船をやっつけろ!!』では、ドクター・ヒヤリによってまごころ草を全て抜き取られる形でブラックになってしまう場面もあった。映画第14作『ロールとローラ うきぐも城のひみつ』では、バイキン光線をまともに浴びてしまい、ブラックロールパンナの額のマークが「R」から「B」になり、胸の青いハートも真ん中に位置している。 メロンパンナとクリームパンダを大切に思っていて、特にメロンパンナが現れる(姿を見せる、話しかける、メロンジュースをかけるなどする)とブラック状態であっても元に戻る。TV第654話「ふたりのロールパンナ」では、ドクター・ヒヤリが開発した薬「フタリニナール」によって善い心と悪い心の二人に分かれ、善い心を持ったロールパンナは悪い心が抜けたため、口調も丁寧で穏やかな性格となり、破壊を好む完全な悪の心を持ったロールパンナが誕生してしまったことがある。“完全体”のブラックは、ばいきんまんの言うことすら聞かなくなり、メロンパンナの声にも全く反応せずに彼女さえ攻撃対象とした。また、善い心には悪い心を浄化させる能力が、悪い心には相手を石化させる能力が追加された。最終的には双方のロールパンナ同士による壮絶な戦いになったが、互いが激突したと同時に薬の効果が切れて元に戻った。その後、メロンパンナに「一緒にパン工場へ帰ろう」と誘われるも自分の悪い心が犯した罪を重く受け止めて飛び去ってしまう。ジャムおじさんは「いつか悪い心に勝つ日がやって来るだろう」と彼女を見送った。 主要な攻撃は新体操で使われているのと同じスティック付きリボン(帯状布)「ロールリボン」をくるくると回すことで繰り出される。得意技は特訓によって体得した「ローリングハリケーン」で、自分を中心にして高速回転して竜巻を起こすパターンと、リボンを回転させて気流を発生させるパターンがある。普段は1本だが、稀に2本所持している場合もあり、両手持ちで戦うこともある。ロールパンナは格闘戦でアンパンマンを圧倒する数少ないキャラクターだが、大抵はメロンパンナが現れて戦闘が中断する。また、アンパンマンのほうは前述の経緯からロールパンナとの戦闘を拒否しているため、普段はまともに戦おうとはしない。助けを求めてメロンパンナが叫ぶ時には、ロールパンナはどんなに遠くにいてもすぐに駆けつける。飛行時は直立不動の姿勢で飛ぶ。声色について、当初は善悪で大差なかったが、ブラック化すると野太い声に変化する描写に変更された。その後、善の状態でも以前に比べて低く落ち着いた雰囲気に変わっていった。メロンパンナと同じくばいきんまん達以外からは基本的に「ちゃん」付けで呼ばれることが多い がフラワー姫からは「さん」づけで呼ばれていた。。 やなせ曰く、宝塚歌劇団の男役をモデルにしており、また、「悪役(ブラックロールパンナ)のほうが美少女ぶりが冴えて格好よくなるのには少々困っている」「なぜこのような陰のあるキャラクターを考えたのだろう」などと語っている。登場する時や攻撃時の掛け声は、ターザンをイメージしている。 登場初期は強い者(アンパンマン、鉄火のマキちゃん、ばいきん仙人など)との勝負を望んでいたが、ブラックロールパンナにされた頃から普段は優しい気持ちのほうが強くなった。ばいきんまんやジャムおじさんによると、これはバイキン草の力が弱まっているため。クールで寡黙だが、普段は優しく大人しい性格で、特に小さい子供や弱い者には同情を寄せる。メロンパンナと同じく花が好きで、自然や動物を愛する女の子らしい面がある。自らが率先して犠牲になることができるアンパンマンの「強さ」も理解している。映画第9作『虹のピラミッド』ではジャムおじさんに代わってパンを作ったことがあるほか、裁縫もできる模様で、バタコさんの代わりにアンパンマンの破れたマントを繕ったこともある。しょくぱんまんに誘われて絵を描いたこともある。映画第12作同時上映『やきそばパンマンとブラックサボテンマン』では、自分同様にばいきんまんの手によって悪の道に進んでしまったブラックサボテンマンに同情を寄せる場面があった。また、映画第18作『いのちの星のドーリィ』でも、自分が心を持った意味に悩むドーリィと2人きりで話をしている。直接食事をする場面は見られないが、メロンパンナが作ったケーキを美味しいと言ったり、TV第753話B「ロールパンナとドクダミ夫人」では後ろ姿ながらどくだみ茶を飲むシーンがあり、飲食をしないというわけではない。 登場初期はテレビアニメ版・映画版ともに出番が多かったが、2000年代後半から出番が減少している。また、TV第998話B「しょくぱんまんとロールパンナ」以後、第1283話「メロンパンナとブラックロールパンナ」まで(放送期間では6年余り)ブラックロールパンナに変身することが無く、アンパンマンの名前を聞いたり彼と対峙しても悪い心が反応しなくなり、ばいきんまんがアンパンマンを倒すよう命令することもほとんど無かった。ロールパンナの話は前述の複雑な設定ゆえに複数の回に跨る伏線が多数散りばめられていて、彼女が頻繁に苦悩・葛藤し、着実に変化を見せる姿が描かれるなど、他のキャラクターの話に比べてドラマ性が強い作品が多く、やや大人向けのテイストになっている。 配役については、冨永がドキンちゃん役を引き継いでからはダブルキャスト(二重配役)となるため、基本的にクレジットされなくなった。 クリームパンダ(英:Creampanda) Clip クリームパン Clip クリームパンダ / 焼きたてのクリームパンを手にしている。 声 - 長沢美樹 性別 - 男 / 初登場回 - TV第469話「アンパンマンとクリームパンダ」 1998年(平成10年)に初登場。ある日突然ジャムおじさんが呼んだクリームパンの男の子。■トップ画にいる。パン工場関連のキャラクターでは最後に登場した。カスタードの国からやって来た。家族や経歴も不明だが、メロンパンナやロールパンナを「お姉ちゃん」と呼んで慕っており、彼女たちにとっては可愛い弟分という位置付けにある。一人称は「僕」。名前は、他のパン工場関連の男の子タイプのキャラクターが「〇〇パン + マン」という語構成なっているのと違い、女の子タイプのパンのキャラクターに使われる「〇〇パン + …ナ」をアレンジしたものとなっており、愛称的敬称も「ちゃん」が使われている(ばいきんまん達やロールパンナを除く)。 頭の形は、焼きむらを防ぐための切れ込みが数か所入った野球のグラブにも似たクリームパンにそっくりで、焼いたパンの色(濃い目の■小麦色)をしている。当初、本人は自分のことを「『クリームパン』だ!」と言い張っていたが、ジャイアントパンダのように眼の周りが黒いことから「クリームパンダ」と勘違いされることが多く、そのうち諦めて自ら「クリームパンダ」と名乗るようになった。キャラクターソングによると、これは「仕方がない」ことらしい。それでも単に「パンダ」と呼ばれるのだけは嫌がっており、しばしば「『パンダ』じゃないやい!」と抗う。しかし、ドン・キ・ホタテがサンチョ・パンダを呼んだ際は「パンダ」に思わず反応し、間違って返事をしてしまった。映画版では「くたびれパンダ」「くちびるパンダ」と呼ばれたこともある。クリーム色(■)の服を着て、黄色い手袋とブーツをしているが、アンパンマン達とは違ってベルトは着けていない。服の胸の部分には「C」をかたどった赤いマークがある。裏地がピンク色の赤いマントを羽織っている。 頭が野球のグラブ状なのを活かし、パンチを手ではなく頭で行うことが多い。登場初期は空を飛ぶのが苦手だったものの、アンパンマンやメロンパンナに特訓してもらったお蔭で安定して飛べるようになった。それでも、急な突風に煽られて墜落してしまい、マントを破ってしまうこともある。ジャムおじさん特製のカスタードクリームを食べると、非常に速く飛ぶことができる。得意技は頭突き技の「グー・チョキ・パンチ」で、末尾にグー・チョキ・パーのいずれかが入る(グーの頻度が高い)。威力はバイキンUFOを軽く突き飛ばして隙を作る程度でそれほど強くないが、つなぎの技となることが多い。メロンパンナと同様、アンパンマンの戦闘を後方からサポートする立場にいることが多く、アンパンマンがピンチになった時にはジャムおじさん達に知らせたり、新しく焼き上げられた顔(頭)を投げて届けることもある。前線で戦おうとする時もあるが、力不足のため、しばしば足手まといになってしまい、ばいきんまん達から見くびられて軽くあしらわれることも多い。 怖いもの知らずで意地っ張りな性格。負けず嫌いな一面もあり、映画第15作『ルビーの願い』のルビーや『いのちの星のドーリィ』のドーリィ、テレビアニメ版クリスマススペシャル「がんばれクリームパンダ!クリスマスの冒険」のアミちゃんなど、わがままで押しの強い女性と衝突することもしばしば。性格の不一致がなければ誰とでも仲良くなれるが、人見知りが激しい。アンパンマンと同じく舞台に立つと緊張してしまうことがある。他人に対して感情的になりやすく、時々自分を見失いがちになったり、周りが見えなくなったりしてしまう。初登場時は、ばいきんまんを落とし穴に引っ掛けたり、勝手にバイキンUFOを乗り回したりなど、悪戯好きだった。また、当初は甘えん坊で泣き虫な一面が強かったが、アンパンマン達と交流を重ねていくうちにわずかながら逞しさを見せるようになり、子供扱いされることも嫌うようになった。「悪者をやっつける強いヒーロー」を目指していたが、アンパンマンらに助けられたことをきっかけに、率先して人助けを行う彼らを尊敬するようになる。ロールパンナについては、初めは彼女を第一印象から怖がり、さらにブラック化した彼女を目の当たりにしたことで嫌ってしまうが、彼女の性質や事情をアンパンマンから聞かされたことで和解し、彼女を慕うようになった。 メロンパンナと同様、顔(頭)の一部や食べ物を与えることはない。アンパンマンと違って食事をするシーンがある。メロンパンナと同様、学校の授業に参加し、パン工場に寝泊まりすることがある(特に映画版)。普段はジャムおじさんが作ったパンを届けるお手伝いをしている。 好物はカスタードクリームで、豚肉の代わりにカスタードクリームを入れた「クリームまん」などを好む。前述したようにジャムおじさん特製のカスタードクリームを食べると飛行能力まで向上する。初登場時には「カスタードクリームしか食べない」と発言していたが、よくおやつやゲストキャラクターの料理などを呼ばれるので、実際に偏食をする描写は少なく、その一方で、食わず嫌いを克服する描写はある。当初は辛い物が苦手で、通常のカレーの代わりに辛味を控えた「クリームカレー」を食べていたが、普通のカレーライスを食べるシーンものちには描かれるようになった。餡の入った食べ物は敬遠する。
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