ゲキテツ一家
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「荒野のコトブキ飛行隊」の記事における「ゲキテツ一家」の解説
「大空のテイクオフガールズ!」に登場する大マフィア「ゲキテツ一家」の女幹部たちで、タネガシに拠点を置き、複数の町(シマ)を取り仕切り、空賊や無頼者から町を守る用心棒も受け持っている。一家といえど幹部たちの血のつながりは無く、ほとんどは首領に拾われた孤児たちから成り立っている。一家の機体のマークはリボルバー式拳銃の6連弾倉に二枚羽の白いプロペラである。「外伝」4話ではフィオとローラが登場している。 フィオ 声 - 朝井彩加 ゲキテツ一家の幹部のひとりで通称「狂犬のフィオ」。乗機は紫電一一型。背は低く顔立ちが童顔で整っており、一見マフィアとは無縁のような容姿をしているが、負けん気が強くて喧嘩っ早い性格の持ち主で、特に「チビ」は禁句である。 縄張りの町であるオキエラの住民からは、他の幹部に比べてあまり顔を見せない上にみかじめ料以上の働きをしていないと時々文句を言われているが、年寄りからは孫のように人気があり、部下たちにも恐れられつつも子供の世話をする親のように慕われている。胸は大きい方だが、同年齢のローラと比べて圧倒的に低い身長を気にしている。また、酒が一向に呑めず、バーに立ち寄ってもホットミルクやオレンジジュースしか飲まない。タネガシ大抗争で両親を失い、孤児だったのを首領に拾われ育ててもらったことからファミリーへの忠誠心は非常に強く、また義理堅い一面もある。首領の影響か、フィオ組の建物は他の幹部のような洋風ではなく、古めかしい和風の作りである。自分のように抗争で両親を失うような子供がいなくなる世界を目指している。空戦では部下達を鼓舞するために先陣を切って吶喊するスタイルを取っているが、操縦が粗いため機体が時々エンジントラブルに見舞われる。実は射撃が得意であり、イベント「イヅルマ大追撃」でもその腕を発揮するが、本人としてはステゴロ(得物無しの殴り合い)で、実力で勝つのが好きであり、一発で勝負のつく銃の類はあまり使いたがらない。絵を描くことが好きだが壊滅的に下手である。イベント「ウキヲエ騒動」で自信の絵をウタマロにこき下ろされた挙句に破り捨てられた際はショックでマジ泣きした。 第二章でタネガシ近辺でまだゲキテツ一家と提携を結んでいないマフィアを説得して傘下に加えるべく、他の幹部と共に活動していたが、シグの策略に嵌って冤罪をかけられ、タネガシ刑務所へ収監されるが、バンカラ一家をはじめとする囚人の暴動に加え、イサカ達ゲキテツ一家の刑務所へのカチコミにより刑務所は陥落し、タネガシ自警団団長・ヒジリの供述によりシグが暗躍していたことが発覚した。 第三章で義父でもある首領を、シグと共謀した「極殺会」に拉致され、さらにタネガシ全土の空爆を引き換えに降伏を迫られるが、シアラのマフィアの覚悟を聞き、マフィアとして戦うことを決意し、イサカをはじめとする幹部の決断でフィオを首領代行の大親分となり、シグと極殺会への全面戦争を決断した。のちに極殺会と和解し、「穴」を介してユーハングの世界へ帰る首領を止めたい気持ちを抑え、再びイジツへ帰還すると約束した首領を見送る。そして二代目首領になるが、首領が戻ってくることを信じて一家の首領の座は保留し、ローラと共にイジツ中のマフィアを統合する旅に出た。 後日談としてカナリア自警団の第3章にも登場し、ローラと共にイヅルマに訪れた際にウタカのイヅルマ戒厳令に巻き込まれ、ウタカの野望を阻止するためにロイグと共にカナリア自警団に協力する。 「外伝」4話では一家が貸し付けた金を持ち逃げした男を捕まえるために、イヅルマに居るという報を聞きつけてローラと共に酒場に訪れ見つけるが、アコが訪れたために面倒事は御免だとその場を逃げ、男はアコに捕まった。以後もイベント「イヅルマ大追跡」や「ウキヲエ大騒動」で何の因果かアコと顔を合わせることとなり、その度に条件反射で逃げるようになる。 ローラ 声 - 藤田茜 ゲキテツ一家の幹部のひとりで、通称「死神のローラ」。乗機は零戦二一型。物腰柔らかな金髪美女で、カタギの若い男性や、他のシマの住民からも人気がある。それもあって握手会やライブなど、いわゆる「アイドル活動」でローラ組の資金を賄っており、毎回大盛況なこともあって本人もまんざらではない模様である。第一章の選挙でイサカと並んで最有力候補となっているが、自身としては現状さえ維持できればそれでいいからと棄権しようとして、逆にフィオに諫められている。流れ者としてタネガシに来た自身を拾って育ててくれた首領に実父以上の忠誠を誓っており、首領からは他幹部への伝言を頼まれるなど、かなり信頼されている模様である。また、首領に拾われたフィオの教育係を務めたこともあり、フィオにとっては頭が上がらない姉的存在である。実は男性であり、とある事情で自身が女顔であることもあって女装をしており、首領以外その事実を知る者はいない。シマの事務所はフィオ同様の和風邸宅の作りで、即興ライブ用にミラーボールが設置されている。射撃が得意で、フィオと同レベルである。 第三章で彼(女)の出自が語られている。父親は北の果ての荒野中のマフィア連合を牛耳る「極殺会」付きの、狙撃を得意とする暗殺者であり、妹のルーガとともに自身の身を守るために狙撃や暗殺術などを叩き込まれたが、組織の裏切り者として両親は粛清され、自身も囚われの身になった所をルーガにより救出された。しかし、その時の爆発に巻き込まれてルーガは生死不明となり、妹の分まで生き抜こうとルーガと同じ姿となってタネガシへ流れ着いて首領と出会い、家族として暖かく迎えられた経緯を持つ。のちに極殺会との抗争が一段落したあと、フィオと共にイジツ中のマフィア統合の旅に出る。 フィオのことは我が子のように可愛がっており、「外伝」4話ではサポート兼保護者としてフィオと共にイヅルマへ訪れ、後日談にあたるイベント「イヅルマ大追跡」ではガーベラを自慢するベルに対してフィオの方が可愛いと対抗意識を燃やした他、フィオに攻撃しようとする空賊に対しても激昂して情け容赦無く撃墜した。「ベニヤンマの逆襲」ではファンクラブのショウト支部や後援会のたっての願いもあり美人パイロット大会にシアラと共に参加する。 イサカ 声 - 諏訪彩花 ゲキテツ一家の幹部のひとりで通称「冷血のイサカ」。乗機は零戦二一型。 時間に厳しい完璧主義者で秒にまでこだわり、会合などの遅刻常習犯のフィオをよく説教する。政治的手腕も荒事もこなし、縄張りであるキノクの管理もしっかりと行なっているため、「冷血」という二つ名に反して老若男女から人気があり、第一章の選挙でローラと並んで最有力候補となっているが、時間に遅れるなどして予定が狂うとパニックに陥る。自身にも厳しく、毎朝起きる際に目覚まし時計の設定時間よりも早く起きないと死に至るトラップを仕掛けるほどである。酒には弱い方で言動が支離滅裂になり、大抵はカクテル代わりにラムネなどの炭酸飲料を飲む。首に下げている懐中時計は子供の頃に父親が誕生日祝いに買ってくれたもので、今でも形見としてメンテナンスをして大事にしている。空戦では主に指揮官として部下達に指示を出し、理詰めの戦略で空賊を翻弄する。 第三章で彼女の過去が語られている。両親はキノクで金貸しをしていたが、強盗に遭い両親は殺害され、当時取引きをしていたマフィアに頭を下げることに歯痒さを感じながらも、平穏のためには時には「抑止力」も必要と実感し、当時キノクで組長を務めていたサダクニに懇願してゲキテツ一家に入った経緯を持つ。養女として受け入れてくれたサダクニの恩義に報いるためにも、街を豊かにしようと政治学や経営学を勉強しながら組員として活躍し、やがて頭角を現してキノクの組長に抜擢され、彼より上の立場になっても、副長であり、また義父である彼を信頼している。のちにイジツ中のマフィア統合の旅に出るフィオとローラの代わりとして、その政治力を見込まれて首領代行となる。 イベント「ウキヲエ大騒動」では近年姐さんなどの芸術家が誕生していることから、イジツで新たな芸術革命が起ころうとしていると予測し、最近芸術関係の行商で頭角を現しているトリヘイらエリヰト興業と取引を持ちかけて契約を成立させ、成り行きで姐さん救出作戦に参加する。 ニコ 声 - 石上静香 ゲキテツ一家の幹部のひとりで通称「不死身のニコ」。乗機は零戦五二型。長身で鋭い眼光の女性で、常に寡黙で堂々とした態度をとる。男勝りで腕力があり、また腕っ節が強く喧嘩では無敗伝説を持ち、空戦でも主に命知らずな戦法をとる。縄張りのヤジョの住民たちの多くは彼女を頼ってきたお尋ね者で、常に不穏な空気が漂っているが、ニコに対して忠誠を誓っているため大きな揉め事は起きない。スクラップ屋の修理士である父親の影響で戦闘機をはじめとする機械の修理が得意であり、かつてヤジョ一帯は長らく抗争の激戦区でもあったため現在でもかなりの数の戦闘機が埋まっていることから、戦闘機を掘り起こしてはレストアや部品採りなどをして組の資金源としている。なお、父親は仕事では真面目だったが母親に逃げられて以来酒浸りになり、事あるごとにニコを殴っており、現在は全く会っていないため生きてるのか死んでいるのか分からないとのことである。 一見すると最もマフィアらしい人物だが、実のところは小さくて可愛いものが大好きな女性で、特にフィオが自身の好みなため、彼女を前にすると自分の世界に入ってしまい、時にはフィオ以外の幹部ですら平気で敵に回して小さくて可愛い者の味方に着く。部下達の勝手な解釈で彼女の意思とは逆の方向へ事態が進展することもあるが、冷静な判断力を持つ上に運にも恵まれているため、大抵は何事もなくプラスの結果になっている。他にも飼っている猫を中心に行動し、料理や刺繍、彫刻と平和的な多趣味を持つ。第一章の選挙については全く何も考えていない。 第三章でゲキテツ一家に入った経緯が語られている。昔出稼ぎで油田採掘をしていた際に崩落事故に遭ったが、持ち前の幸運により無傷な上、巻き込まれた従業員を全員救出したことで名が挙がった。彼女の度量に惚れて舎弟になった者や彼女を倒して名を挙げようとして喧嘩を売って返り討ちに遭って勝手に屈服した者などにより、「静かに暮らしたい」という本人の意思とは逆に、愚連隊として密輸やレストア戦闘機の販売などによって勢力を拡大させた。そんな時に一部の舎弟がゲキテツ一家のシマで騒動を起こし、話し合いで解決するため首領と出会い、兼ねてよりニコの性格を看破していた首領から一家に入らないかと持ちかけられ、その時に居合わせたフィオに一目惚れして一家に入った。 一見大人びた風貌をしているが、実は幹部の中では最年少であり、しかも未成年である。 イベント「怒りのアレシマ」ではレミのサポートとして共にアレシマに訪れ、コータとミナミの兄妹がマフィアに絡まれていたのを助けて、小さくて可愛い者達を守るべくゴリオシ一家と戦うことを決意し、ゴリオシ一家が襲撃に来た際はレンジと共に構成員達を叩きのめし、その際に人生で初めて共闘した仲間として、背中を任せられるとレンジを信頼した。 シアラ 声 - 花守ゆみり ゲキテツ一家の幹部のひとりで通称「魔性のシアラ」。乗機は雷電。 愛らしい外見・口調で縄張りの住人から人気がある。かなりサディスティックな性格で、他人を服従させることを喜びとしており、部下たちもマゾに目覚めており、シアラ組内はシアラを女王様としたハーレム状態になっている。ナイフの扱いに長けており、その腕前はフィオも一目置くほどである。 かつてタネガシで古い歴史を持つマフィアのボスの娘であったが、10年前に敵対するマフィアの襲撃で一家全員を失い、奇跡的に生き残った後にマフィアへの復讐のためにゲキテツ一家に入り、のちに復讐を果たしたことが第二章で語られている。当時はマフィアの娘という理由で友達が作れなかったが、今は苦楽を共にする仲間ができたとフィオ達との付き合いをそれなりに大事にし、彼女なりの愛情表現で時々フィオをからかったりしている。第一章の選挙では次期首領の座などには全く興味がなく、現状が維持できればよいとフィオたち幹部の現状を楽しんでいる。その出自から裏社会の「掟」に関して非情に徹しており、第三章で極殺会との抗争にタネガシ全土を巻き込み兼ねないと悩むフィオ達に対し、マフィアとしての覚悟を語って諭した。 操縦の腕もかなりのもので、旋回性能が零戦よりも若干劣る雷電を難なく乗りこなし、第二章でも成り行きでマフィアを巻き込みながらも一晩中ニコと対戦した他、イベント「ベニヤンマ団の逆襲」では首領の命令でショウトの美人パイロット大会に参加した。キリエを「芋娘」と呼び、空戦でもキリエをからかって判断力を鈍らせ、雷電の特性を活かした戦術で互角に渡り合った。キリエからラハマの町長より断然雷電を使いこなしていると評価されている。長時間雷電で暴れ回る(ヴィト曰く「楽しいこと」)と爆睡し、何があっても起きることがない。 レミ 声 - 田辺留依 ゲキテツ一家の幹部のひとりで通称「流れ雲のレミ」。乗機は零戦五二型。「〜っす」が口癖の、一見するとただの陽気な呑んだくれだが、スラム街から幹部までのし上がってきた実力者で、諜報・工作などの特殊な役割を担当しており、用意周到で抜け目ない性格である。レミ組一同、ほとんどがスラムの頃からの仲間であるため上下関係がほとんどなく、友人として接している。気さくな性格でかつ縄張りの治安にも貢献しているため住民から人気がある。 戦闘機での戦いでは敵機を囲むようにバレルロールを行なって逃げられなくする「籠目」なる必殺技を持つ。スラム出身の経験から自身よりも他人の幸福を優先にし、時々秘密裏に義賊的な活動をすること事もある。第一章の選挙についてはなるようになるしかないと考えており、首領の座にはあまり興味がない。また、フィオやローラには劣るものの、早撃ちにかけては自信がある。 第二章でゲキテツ一家に入った経緯が語られている。クロたちスラムの仲間と共に義賊的な窃盗団を結成していたが、とあるマフィアに捕まり、皆殺しにされそうになった所を首領の計らい(圧力)によって救われて一同まとめてそのままスカウトされ、彼に助けられなかったら今の自分達はいないと、クロをはじめとする仲間共々今でも感謝している。また、フィオ達が刑務所に収監された際は連絡役として刑務所に度々侵入した。第三章では兼ねてよりローラが男ではないかと推察しており、のちに男だと確認し、彼(女)の秘密を胸の中に仕舞った。 イベント「怒りのアレシマ」ではアレシマ周辺のマフィアの調査のためにニコと共に訪れ、行商人を装いヤミ市を拠点に活動し、後にレオナやレンジ達と共にマフィアの騒動に巻き込まれる。騒動後はアレシマ周辺のマフィアを鎮圧してゲキテツ一家の傘下に収め、レオナとチカ(コトブキ飛行隊)と知り合いになれたことに満足した。 首領 声 - 杉崎亮 タネガシに拠点を置く大マフィア「ゲキテツ一家」の首領。大変寛大な性格の持ち主で、カリスマ性もあることから、全シマの住民から慕われている。フィオたちからも父親のように慕われ、特にフィオにとっては育ての親でもあることから「オヤジ」と呼ばれている。かつて複数のマフィアが対立し激戦と化した時代に突如現れて身ひとつで対立を終結させた英傑であり、今でもイジツ中の裏社会でその名を知らぬ者はいないほどである。老齢なこともあって次期後継者をフィオたち6人の中から選挙で選ぶことを決めるが、実はフィオたち6人の女幹部達を試すために行ったことであり、結果として一致団結したフィオ達の姿を見て満足して改めて盃を交わし、死ぬまで首領の座は譲れないと続投を宣言した。 第三章で彼はユーハングであることが明かされ、さらには「穴」の出現場所について重大な情報を持っていることが判明し、「穴」の出現場所を知りたい極殺会により拉致された。 のちに彼がかつてタネガシ地域を担当する司令官で、自分達が持ち込んだ戦闘機をはじめとする兵器のせいで罪の無い人々が命を落としている現状を真摯に受け止め、ユーハングの世界に戻る際に、イジツへの贖罪のためにイジツに残ることを決意し、マフィア激戦区だったタネガシを命がけで平定し、「暴力による支配」ではなく「平穏のための抑止力」としてゲキテツ一家を興したことが彼の口から語られている。しかし「穴」の向こうでは今でも同胞が戦っていることから、叶うならユーハングの世界に戻って仲間と共に戦いたいと常日頃から思っており、タネガシ郊外で「穴」が空いた際にユーハングの世界に戻ることを決意し、フィオにゲキテツ一家の首領の座を譲り、再び戻ってくると約束して「穴」の向こうへと旅立った。 なお、首領の本名についてはアプリ内、および公式サイトにおいて正式な発表はされていない。 クロ 声 - 坂泰斗 レミ組副長を務める男性。レミとはスラムの頃からの幼馴染で、彼女の下で諜報活動などを行い、今でも親友として接するほか、だらしない私生活のレミの面倒を見ていることから厚く信頼されている。孤児の頃からひもじい思いをして生きてきたため食べ物に対しては多少執着しており、食い意地も張っている。第二章や第三章でもレミの補佐として秘密裏にレミに付いてきており、結果としてレミたちの危機を救うこととなる。 シグ 声 - 佐原誠 ゲキテツ一家の幹部のひとりで、首領補佐で組の中では最古参の男性である。長髪に隻眼で、眼帯をしている。今回の後継者争いで自身が選ばれなかったことが発端で6人を亡き者にしようと暗躍する。後に後継者争いが御破算になるとフィオたちを慰めつつ歓喜し、次こそは後継者に選ばれようと奮起した。第二章ではそれでも自身を脅かす者として危険視し、全員を失脚させるべく暗躍し、手始めに傘下に収めているタネガシ自警団を使ってフィオを冤罪にかけてタネガシ刑務所へ収監させた。しかし、計画が失敗すると兼ねてより北の果ての荒野を支配する極殺会と取引きをするという強硬策に出て、その条件として首領を拉致して身柄を極殺会に引き渡した。しかし計画が失敗に終わると粛清と情報隠蔽のためにルーガに戦闘機ごと撃墜された。のちにパラシュートで脱出していた所を拘束され、ドクダミ一家の尋問に遭うが、この時に『開眼』してしまい、以後は源氏名「シグコ」として、ドクダミ一家のオカマバーで第二の人生を歩むこととなる。 ヘイハチ 声 - 柳田淳一 フィオ組の副長。いつもフィオと同伴し、一言多い性格でその度にフィオにどやされるが、ある意味堂々と意見を言える立場として他の組員から頼りにされ、またフィオも隠すことなく正直に言ってくれることに信頼できるとまんざらではない様子である。所有する機体は紫電。 サダクニ 声 - 綿貫竜之介 イサカ組の副長。両親を失いゲキテツ一家に入りたいと懇願したイサカを拾い、組員としてまた娘として育てた彼女の義父かつ「マフィアの生き方」を教えた教師である。やがて頭角を現して自分より上の立場である幹部になったことに、本当は彼女ほどの才があるならカタギとしての生き方も選んでほしかったと思いながらも、シマの住民に慕われている姿に上司として、また義父として自慢の娘を誇らしく思っている。 ヴィト 声 - 濱本大史 シアラ組の副長。眼鏡をかけた優男風の男で、シアラ組のブレインとしてシアラに進言などをしているが、彼もまたシアラの調教によりマゾに目覚めており、口答えする度に「ご褒美」をもらい、組員たちから羨ましがられている。弛まぬ努力の末に数100クーリル離れた先のシアラの匂いを嗅ぎ分けることができ、第二章でシアラの危機を救った。 トラオ 声 - 白石兼斗 ニコ組の副長。喧嘩で無敗の伝説を持つニコを「恐ろしい人」として忠誠を誓っており、ニコの心境を勝手に冷酷な人物風に解釈して部下達に説明し、結果としてニコの恐ろしさを助長している。 キクチヨ 声 - 石狩勇気 ローラ組の副長。マフィアとは無縁に近い風貌をしており、主にローラのアイドル活動のスケジュールや資金面を管理しているマネージャー的存在である。自身もローラを崇拝している。 しろうさぎ団 イサカのシマに勝手にお邪魔してきた空賊で、頭目はハットを被った顎髭の生えた男性である。彼らが所有する機体は隼三型。シマのバーで偵察に来ていたフィオと喧嘩沙汰を起こし、部下と共に見張りに来ていたイサカにより一時は沈静化するが、翌日イサカのシマを襲撃する作戦を決行する。途中フィオに足止めされるが、コネを通じた他の空賊と共にフィオを包囲する。しかし、イサカの部隊が増援してきたことで、逆に包囲されて次々と列機が撃墜され、頭目もフィオに撃墜された。 ドクダミ一家 ボスのタカオと幹部のクニヨとカツミを中心とした全員オカマの新参マフィア。オカマという理由で町を追い出された連中がタネガシ近辺の空の駅跡地にバーを作り、やがてオカマがオカマを呼び、大規模な歓楽街になった所をアワモリ団に狙われていたが、同盟を結びに来たイサカとレミの協力で事なきを得て、全員サダクニに一目惚れしたこともありゲキテツ一家と同盟関係を結んだ。以後は歓楽街ならではのツテで情報収集をし、イサカ達に提供している。 一家のマークは紅い唇。 ミサキとナギサ エクレア一家に土地を追われて、辺境のシクヤマに集落を構えている村民の代表をしている姉妹。妹のナギサはフィオにそっくりで、ローラ以外見分けが付かないほどであり、姉のミサキはナギサが好き過ぎるあまりに刑務所で会ったフィオを義妹にしようとするほどである。シクヤマの山の洞窟にユーハングの施設があったことが分かると、キヨマロの依頼を受けたヒジリにより冤罪をかけられてミサキとナミエを含む配下はタネガシ刑務所に収監され、エクレア一家の襲撃により風前の灯かと思われたが、ニコとシアラにより窮地を救われたナギサはゲキテツ一家にミサキの救出を依頼し、後にミサキと再会を果たした。以後ゲキテツ一家と同盟関係を結び、第三章ではシグと極殺会のタネガシ全域へのカチコミに、ヤジョ(ニコ組)への援軍に駆けつけた。 ナミエ ミサキの部下。ヒジリに冤罪をかけられ、ミサキと共にタネガシ刑務所に収監された。ミサキの妹になりたかったと思うほどに慕っている。のちにバンカラ一家のマコトと文通する仲になった。 バンカラ一家 筆頭のトドロキに副官のマコトをはじめとする新参武闘派集団で、イジツのマフィア統一を夢に掲げている。タネガシのはずれにある学校跡地を根城にしており、全員学ラン風の制服を着ている。同盟を結びに来たフィオに一目惚れしたトドロキが一方的に結婚を申し出(なおマコトはローラに惚れていたが、のちにナミエと文通する仲になる)、切磋琢磨の末に空戦での決着で敗れた直後にヒジリの策略によりフィオたちと一緒にタネガシ刑務所へ収監される。刑務所内でもフィオに協力し、刑務所陥落後はゲキテツ一家と同盟関係を結び、フィオのことはまだあきらめないと宣言した。 一家のマークは3つに分かれた炎。 アワモリ団 イケスカ動乱の混乱に乗じて結成した空賊もどきの新参マフィア。裏でヒジリと取引をしており、ドクダミ一家の歓楽街を拠点にすべく襲撃したがイサカとレミにより失敗し、後にタネガシを襲撃すべくエクレア一家と手を結び襲撃するがシアラ組をはじめとするゲキテツ一家総動員による迎撃で壊滅した。 キヨマロ ユーハングの伝統文化を受け継いでいる古参マフィア「エクレア一家」のボスで、公家口調で話す。シクヤマの山にユーハングの施設があると聞き、ヒジリとの裏取引で邪魔者のミサキに冤罪をかけてタネガシ刑務所に収監し、同盟を結びに来たニコとシアラを利用して排除しようと目論む。しかし、ニコとシアラの空戦に巻き込まれて飛行隊は大打撃を受けて失敗し、後に残った戦力でアワモリ団と協力してタネガシを襲撃するが、シアラをはじめとするゲキテツ一家に壊滅的大打撃を受けた。 ヒジリ タネガシ自警団の団長。普段からあまり働かず、その上ゲキテツ一家が自警団として機能しているために、自警団は文字通り名ばかりで形骸化している。しかも裏でシグと癒着し、職権乱用やマフィア達との裏取引などやりたい放題でのさばっていた。シグの命令でフィオとローラに冤罪をかけ、タネガシ刑務所へ収監するが、後にフィオに扇動された囚人たちの暴動に加え、イサカたちゲキテツ一家のカチコミで刑務所は陥落し、全ての悪事がバレた上に日頃から不満を抱き反旗を翻した自警団員たちにより権限を剥奪された。恨みを抱いていた者たちになぶり殺しにされることを恐れて、身の安全の保障と引き換えにシグとの癒着を告白した。その後はドクダミ一家に身柄を拘束されている。 ルーガ 北の果てのマフィア連合を牛耳る「極殺会」付きの暗殺者にしてローラの実の妹。麻酔や睡眠薬などの薬学に長けており、針を飛び道具としている。昔、両親を極殺会に粛清され、捕われていたローラを救うべく単身極殺会に出向きローラを救出したものの、爆発に巻き込まれて死亡したと思われていたが、顔に重度の傷痕を残すほどの重傷を負いながらも奇跡的に生きていた。しかし、同時に記憶喪失になり、それを利用した極殺会により嘘を吹き込まれ、極殺会に忠誠を誓っている。シグとの取引きで首領の拉致に協力し、後に計画に失敗したシグを粛清として戦闘機ごと撃墜する。なお、極殺会のマークは二本角を生やしサングラスをかけた髑髏である。首領であり育ての親でもあるナンブからは、次期首領の座と極殺そばを後世に伝える蕎麦職人として日々修行を受けており、彼女も蕎麦職人として生き甲斐を見出している。 ナンブ 北方のマフィア連合を統括する「極殺会」の首領。彼もまたユーハングで、かつてゲキテツ一家の首領の部隊の部下でもあった。実家が蕎麦屋で自身も生粋の蕎麦職人である。ユーハングがイジツから撤収する際、ユーハングの世界で【戦禍】によって多くの人々の命が失われていく有様に失望し、またイジツの食文化に惹かれていた彼はイジツに残って食文化を守ることを決意し、首領の手引きで部隊を脱走し、北方でソバの栽培や販売をしていく傍ら、イジツでの食料品の販路が命がけなことから、抑止力として「極殺会」を結成し、その強面とカリスマ性で組織を拡大していった。 ローラの父親も組織(=販路)を脅かす敵対勢力を排除する暗殺者である傍ら蕎麦職人として修行し、ナンブも自身が編み出した「極殺そば」と首領の座を任せられると期待していた。しかし、ローラの父親が蕎麦屋として独立したいと申し出たため、組織の面子上止む無く果し合いで倒し、同時にローラの母親も流行り病で急逝し、養子として迎え入れようとしたローラとルーガも色々な早とちりと勘違いをされた結果、ローラには逃げられ、瀕死の重傷を負ったルーガが記憶喪失になったことから、ルーガを後継者兼蕎麦職人として育てていた。 時折開く「穴」から外来種の種が降ってきて、外来種によりソバをはじめとする農作物の生態系に影響が出ると兼ねて懸念しており(フィオ達はいまひとつ理解できておらず閉口していたが、イジツの食糧事情を熟知していた彼にとっては死活問題に値していた)、その時偶然にも取引を申し入れたシグから首領のことを知り、せめて生きているうちに「穴」を消そうと、「穴」の発生について研究をしていた首領を拉致した。しかし、のちに彼が同胞のためにユーハングの世界に戻ろうとしていることを知って彼の胸中を汲み、フィオ達ゲキテツ一家との抗争の手打ちをして同盟を結んだ。
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