む‐えん【無縁】
むえん 【無縁】
アジール
(無縁 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 04:48 UTC 版)
アジールあるいはアサイラム(独: Asyl、仏: asile、英: asylum)は、歴史的・社会的な概念で、「聖域」「自由領域」「避難所」「無縁所」などとも呼ばれる特殊なエリアのことを意味する。古代ギリシア語の「ἄσυλον[注 1](ásylon:侵すことのできない、神聖な場所)」を語源とする。具体的には、おおむね「統治権力が及ばない地域」ということになる。現代の法制度の中で近いものを探せば在外公館の内部など「治外法権(が認められた場所)」のようなものである。
- ^ σύλη(syle:占領・奪取する権利)に否定のαをつけたものに由来。
- ^ ただしアジールであった理由が「宗教的聖地」であったためかどうかについては争いがある。日本においては、伊藤正敏などは大寺社はそれ自身が「かなりの人口」「工業生産能力」「交易機能」などの都市機能を持っていたことに注目して「境内都市」という概念を主張している。その観点からは宗教地アジールは必ずしも「聖地である」という理由に基づくものではなく、宗教をきっかけとして誕生した有力な都市なのであり「自治都市」のヴァリエーションのひとつ、という位置づけとされる。[1]
- ^ 日本においては、たとえば織田信長による比叡山焼き討ち・高野聖の虐殺や豊臣秀吉による刀狩令。前者は特定のアジールに対する攻撃にとどまるが、後者は(一般的に農民などの武装解除を行ったと受け止められているがそれにとどまらず)寺社・自由都市などの武装をも解除するものであり、武力に基づいてアジールが域外権力から独立した存在であり続けることが可能な構造を否定しアジールを制圧するものであったと位置づけることができる。[2]
- ^ 日本におけるアジール解体の過程について、伊藤正敏は「絶対的無縁所」「相対的無縁所」という概念を提示している。絶対的無縁所とは外部権力と対等に渡り合える実力を持つアジールであり、相対的無縁所は外部権力から一定の自治を認められたが完全に権力の影響を避け得ていないものである。時代が下がるにつれ、絶対的無縁所から相対的無縁所に移行し、さらに相対的無縁所が消滅するという経緯をたどった。具体的には、中世から近世への移行によって絶対的無縁所はほぼ失われ、徳川幕府治世から明治政府への切り替えを契機として相対的無縁所もほぼ失われるに至った。[3]
- 1 アジールとは
- 2 アジールの概要
「無縁」の例文・使い方・用例・文例
- 貧乏は勤勉には無縁のものだ;稼ぐに追いつく貧乏なし
- 監督とは無縁であった私だが、なぜかメンバーに監督として選ばれてしまった。
- 英語とは無縁に育ってきました。
- 英語とは無縁に育てられました。
- 現代の日本で錬金術といえば、比喩的にしか使われない。モラルや羞恥心と無縁の政治屋や宗教家が、不正な手段でカネもうけをするときに。
- 彼はその事件とまったく無縁ではない。
- 当時、貧乏は彼らにとっては無縁なものと思われた。
- この金属は錆とは無縁です。
- 一部の政治家の「政治活動」は国民のニーズとは全く無縁だ.
- 無縁の墓
- 無縁の墓地
- 腐敗または不道徳とは無縁の
- 偏愛、利己心、偏り、詐欺とは無縁の
- 悪または罪とは無縁の
- 妨害とは無縁の
- 彼女はスキャンダルとは無縁であった
- 無縁の亡者
- 盂蘭盆に無縁仏のために設ける棚
- 無縁仏
無縁と同じ種類の言葉
品詞の分類
名詞および形容動詞(程度) | 無手無骨 無残 無縁 無為 無闇 |
名詞および形容動詞(関係) | こうけ 没交渉 堅固 無情 無縁 |
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