零戦五二型(A6M5)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 13:41 UTC 版)
「零式艦上戦闘機の派生型」の記事における「零戦五二型(A6M5)」の解説
五二型は二二型の発展型で、折り畳み機構を廃して翼幅を三二型と同じ11mに短縮したものの、二一型や二二型のように円形に整形された翼端を持つ主翼と、エンジン排気による空気の整流・推力増強を狙い排気管を分割して機首部の外形に沿って配置する推力式単排気管が外見上の特徴である。なお五二型は三二型と同一エンジン装備で正規全備重量で200kg近く増加しているにも関わらず、最高速度は約20km/h、上昇力も向上しており、推力式単排気管の効果を垣間見ることができる。ただし極初期生産型には推力式単排気管が間に合わず、二二型同様の集合排気管を装備している。単排気管装備後に排気管からの高熱の排気がタイヤや機体外板を痛めることが判明したため、最下部の排気管を切り詰め、残りの排気管口付近に耐熱板を貼り付けるといった対策が施されている。なお、後期生産型では無線機が新型の三式空一号に換装された他、翼内燃料タンクに自動消火装置を装備して防御力を高めている。 三菱では1943年8月から生産が行われ、中島でも1943年12月から転換生産が行われている。武装強化型の甲・乙・丙を含めて終戦までに零戦各型でも最多となる約6,000機が生産され、レイテ沖海戦以降は特攻機としても使用された。
※この「零戦五二型(A6M5)」の解説は、「零式艦上戦闘機の派生型」の解説の一部です。
「零戦五二型(A6M5)」を含む「零式艦上戦闘機の派生型」の記事については、「零式艦上戦闘機の派生型」の概要を参照ください。
- 零戦五二型のページへのリンク