ウイルス ウイルスの概要

ウイルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/22 23:46 UTC 版)

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ウイルス
ロタウイルスのCG再現画像
分類(ウイルス)
: 第1群:2本鎖DNAウイルス

第2群:1本鎖DNAウイルス
第3群:2本鎖RNAウイルス
第4群:1本鎖RNA +鎖
第5群:1本鎖RNA -鎖
第6群:1本鎖RNA+鎖逆転写
第7群:2本鎖DNA逆転写

名称

ウイルスは、「毒液」または「粘液」を意味するラテン語「virus」に由来する。古代ギリシアヒポクラテスは、病気を引き起こす毒という意味でこの言葉を用いている[要出典]

日本語名

ヨーロッパの主な言語での発音を以下に列挙する[2]

ヨーロッパ諸言語での綴り・発音
言語 単数形 複数形
綴り 発音 綴り
国際音声記号 片仮名
ラテン語 中性 vīrus [ˈwiːrʊs] ウィールス vīra[3][4]
イタリア語 男性 virus [ˈvirus] ヴィールス virus
ドイツ語 中性又は男性 Virus [ˈviːrʊs] ヴィールス Vira, Viren
スペイン語 男性 virus [ˈbiɾus] ールス virus
フランス語 男性 virus [viʁys] ヴィリュス virus
英語 virus [ˈvaɪrəs] ヴァイラス viruses
(viri[5], vira[6])

以上のような発音をもとに、多様な日本語表記が使用された。

日本語での表記(歴史的仮名遣含む)[7][8][9][10][11] [12]
太字三省堂大辞林」掲載表記)
音写
(語頭の "vi" の音写の違いで分類)
意訳
"v"\"vi" 1音節 2音節
1モーラ 2モーラ
長音含む)
3モーラ
(長音含む)
2モーラ
子音 [b] ビルス ビールス ビイールス バイラス 病毒[注 1][注 2]
濾過性病原体
[v] ィルス ヴィールス ヴイールス
ールス
ヴァイラス
イラス
[w][β̞] ウィルス ウィールス ワイラス
母音 [u̜]/[ɯ̹] ウイールス ウイルス

1953年昭和28年)に日本ウイルス学会が設立されたのを機に、「ウイルス」という表記が日本語の正式名称として採用された。その一方、日本医学会はドイツ語発音に由来する「ビールス」を用い、1970年代頃は「ビールス」呼称が学校や一般で使用されていた。現在は宿主に関わらず「ウイルス」が正式名称である[13][14]

なお、ウイルスの細胞外粒子を表す「: virion」の語には、「ウイリオン」ではなく「ビリオン」の読み表記が定着している。

特徴

ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖はできないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。自然科学生物学上、生物・生命の定義を厳密に行うことはできていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、代謝し、自己増殖できるものを生物と呼んでおり、ウイルスは「非細胞性生物」あるいは「生物学的存在」と見なされている[15]。感染することで宿主の恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまうことがある。ウイルスを対象として研究する分野はウイルス学と呼ばれる。

遺伝物質の違いから、大きくDNAウイルスRNAウイルスに分けられる(詳細はウイルスの分類を参照)。




注釈

  1. ^ 日本細菌学会が意訳。中国語に取り入れられ、現在でも使用されている。
  2. ^ 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第61条第1項第1号”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月17日閲覧。に「病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかった者」とあるが、この場合の伝染性疾患とは結核を指すとされている(労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について 平成12年3月30日・基発第207号より)。すなわち、この場合の病毒はウイルスではなく、細菌である結核菌を指す。

出典

  1. ^ 森安史典『あなたの医学書 C型肝炎・肝がん』株式会社誠文堂新光社、2009年、17ページ、ISBN 978-4-416-80933-4
  2. ^ Definition of "virus" > Translations for 'virus' (Collins English Dictionary)
  3. ^ William T. Stearn: Botanical Latin. History, Grammar, Syntax, Terminology and Vocabulary. Third edition, David & Charles, 1983. 「Virus: virus (s.n. II), gen. sing. viri, nom. pl. vira, gen. pl. vīrorum (to be distinguished from virorum, of men).」
  4. ^ Pons: virus
  5. ^ e.g. Michael Worboys: Cambridge History of Medicine: Spreading Germs: Disease Theories and Medical Practice in Britain, 1865-1900, Cambridge University Press, 2000, p. 204
  6. ^ e.g. Karsten Buschard & Rikke Thon: Diabetic Animal Models. In: Handbook of Laboratory Animal Science. Second Edition. Volume II: Animal Models, edited by Jann Hau & Gerald L. Van Hoosier Jr., CRC Press, 2003, p. 163 & 166
  7. ^ 文章表現辞典(東京堂出版 1965年) p.48
  8. ^ 野田省吾、「学術集談会演説要旨」 実験医学雑誌 1937年 21巻 4号 p.385-388, doi:10.3412/jsb1917.21.4_38
  9. ^ 遠藤保太郎、「植物のヷイラス病」 蠶絲學雜誌 7(3): 195-207(1935), hdl:10091/6066
  10. ^ 深井孝之助,土佐英輔,西義美、「インフルエンザ・ヴイールスの赤血球による收着」 VIRUS., 1951年 1巻 2号 p.135-140, doi:10.2222/jsv1951.1.135
  11. ^ 波多野基一、「日本脳炎ウイールスの赤血球凝集反応 (第1報)」 VIRUS., 1952年 2巻 3号 p.187-194, doi:10.2222/jsv1951.2.187
  12. ^ 田久保茂樹,川久保義典、「家兎ニヨル發疹チフス病毒ノ實驗的研究」 細菌學雜誌 1930年 1930巻 416号 p.643-652, doi:10.14828/jsb1895.1930.643
  13. ^ 日本ウイルス学会について”. 日本ウイルス学会ホームページ. 2020年4月6日閲覧。
  14. ^ 日本植物病理学会編 (1995). 植物病理学事典. 養賢堂. p. 91 
  15. ^ マシューズ、ホルダ、アハーン『カラー生化学』西村書店刊、2003年5月15日発行(16ページ)
  16. ^ 「人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を越えて」p4 加藤茂孝 丸善出版 平成25年3月30日発行
  17. ^ Wendell M. Stanley - Facts”. NobelPrize.org. 2020年4月6日閲覧。
  18. ^ ハーシーとチェイスの実験”. 生物分子科学科 > 高校生のための科学用語集 > 生物用語. 東邦大学理学部. 2013年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月6日閲覧。





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