gps
別表記:global positioning system
gps(ジーピーエス)とは~人工衛星を駆使した地理情報計測システムの名称です。地上のあらゆる地域の緯度・経度、高度が特定できる仕組みとして利用されています。GPSは「Global Positioning System」の略であり、直訳して「全地球測位システム」あるいは「全地球無線測位システム」などとも呼ばれます。
GPSは、地上の端末から高度およそ2万kmの軌道上に配置された「GPS衛星」へ信号を発信し、応答が返ってくるまでのわずかな時間差を計算・照合することで地理上の位置を特定します。複数のGPS衛星と同時に信号を授受することで、各衛星との応答時間の差が判明し、それによって精密な3次元の位置情報が取得できます。
位置情報の処理は地上の端末側で行わており、衛星自体が発信者の位置を把握しているというわけではありません。GPS端末としての機能は最近ではスマホ(スマートフォン)やカーナビ(カーナビゲーションシステム)などに不可欠の機能として組み込まれています。
GPS衛星は24基あり、地球をぐるりと取り囲むように配置されています。24基あると地球上のどんな僻地や極地に居ても最低3基のGPS衛星と通信可能であり、衛星3基と応答できれば精密に位置情報が割り出せます。
「GPS」という名称は、そもそもは米国が運用しているシステムの名称(固有名)であり、「人工衛星を使った測位システム」全般を指す一般名ではありません。一般名としては「GNSS」(全世界測位システム)という呼び方があります。しかしGPSが同種のシステムの代表格であり代名詞的存在となっているため、米国が運用している「(狭義の)GPS」以外のシステムも含めて広く「GPS」と呼ばれている場合がままあります。
GNSS、すなわち「(狭義の)GPS以外の衛星測位システム」としては、欧州連合(EU)が運用する「ガリレオ」、ロシアが運用する「グロナス」、日本が運用する「準天頂衛星・みちびき」などが挙げられます。高度な運用技術と莫大なコストを要する技術とうこともあり、自前のシステムを運用している国はそう多くはありません。日本は自国のGNSSを運用していますが、その名称はあまり浸透しておらず、しばしば「日本版GPS」のような表現が用いられます。
グローバルポジショニング‐システム【global positioning system】
ジー‐ピー‐エス【GPS】
GPS
読み方:ジーピーエス
別名:全地球測位システム
GPSとは、人工衛星と地上の制御局を利用して、自分の位置を測定するシステムのことである。高度約2万kmの6つの円軌道に4つずつ配された米国防総省が管理するGPS衛星からの電波を利用し、4つ以上の衛星からの電波の到着時間の差によって位置を測定する。この時、緯度、経度、高度などを数十メートルの精度で割り出すことができる。本来は軍事用に開発されたシステムであるが、最近では地学の研究や、自動車のナビゲーションシステムなどにも用いられている。
位置情報: | DLP EZナビウォーク Foursquare GPS GIS geoPORTAIL Google Maps |
【全地球測位装置】(ぜんちきゅうそくいそうち)
Global Positioning System(GPS).
人工衛星を利用した航法支援装置。理論上、地球上のどこでも正確な現在位置を割り出す事ができる。
船舶や登山用では緯度・経度のみを表示する小型の受信機を使い、地図や海図と照合する方式が一般的。
一方、ユーザー側で地図の不備が予想される場合(自動車や携帯電話・スマートフォンなど)には、画面上に地図を表示するタイプの端末が主流。
現在のGPSシステムは、アメリカ空軍が構築したシステムが民間に開放されたものである。
このため、GPSシステム全体の維持管理もほぼ全てアメリカ合衆国内で行われている。
開放当初はアメリカの軍事政策上の理由(敵に利用されることを防ぐため)から、米軍の軍用受信機以外で受信すると必ず数十mの誤差が生じるように設定されていた。
「SA(Selective Availability)」と呼ばれていたこの設定は現在解除されており、2007年にはジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)とアメリカ国防総省が「今後は恒久的にSAの設定を行わない」旨の大統領決定を発表しているが、将来、復活しないという保証はどこにもない。
この状況を憂う声もあり、日本・ロシア・EUなどは独自のGPSシステムを構築するための研究開発を進めている。
殊に近年、2008年以降の全世界的景気後退の影響を受けて米軍のGPS衛星運用予算が削減されている。
これによって老朽化した衛星の交換が遅れ、GPSシステムに悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。
このことも、各国でのGPSの代替となる衛星測位システムの構築を後押ししている。
位置特定のメカニズム
GPSは以下のようなメカニズムで受信機の現在位置を特定する。
- 専用の人工衛星を打ち上げる。
この衛星は原子時計を内蔵し、電波で現在時刻と衛星が飛行している軌道を放送する。
軍用の暗号化された高精度の信号と民生用の信号が同時に送出される。
- 時計を内蔵した受信機で、衛星からの電波を受信する。
送信から受信までの経過時間から、衛星までの距離を推定する。
光速は常に一定であるため、経過時間さえ正確であれば推定距離も必ず正確である。
とはいえ、時計の精度やコンピュータの処理能力による誤差は避けられない。
- 上記2.の処理を、最低3基の人工衛星について同時に行う。
3ヶ所からの距離が特定出来れば、その条件を満たす場所を1点に絞る事ができる。
純数学的にはまだ2点の候補があるが、そのうち1点は必ず大気圏外であるため除外できる。
- 受信した情報をコンピュータで検証・修正する。
時計の誤差が無視できないほど大きいため、これを修正するためにより多くの情報を必要とする。
そこで、受信可能な衛星電波は全て受信し、信頼性の低い情報を切り捨てるなどの演算処理を行う。
どう処理しても多少の誤差は残るため、最終的な表示位置はコンピュータの推定による。
- 以上の処理によって算定された位置情報をコンピュータが利用する。
一般的なGPS端末では緯度・経度を表示したり、画面上の地図を操作したりする。
ミサイルや誘導爆弾・無人機などの舵やエンジンを操作するためにも用いられる。
無線で位置情報を発信したり、ネットワークで繋がった別のコンピュータに送信する事もできる。
以上の処理を円滑に行うために、受信機の上空に最低3基の衛星が存在する必要がある。
その状態を地球全域で同時に実現する必要があるため、理論上24基の衛星を常に稼動させなければならない。
これに加えて精度向上や事故対策、老朽化に備えた予備も必要なため、実際に必要な衛星は30基を超える。
ディファレンシャルGPS
Differential GPS(DGPS).
GPSの測定精度を高めるための手法の一つ。
緯度・経度・標高の確定した基地局でGPS衛星の電波を受信し、補正情報を生成する。
受信機は自身のGPS情報を基地局からの補正情報によって検証し、誤差を相殺する。
日本では海上保安庁が全国27ヶ所の基地局を運用し、日本列島近海向けに中波ビーコンで送信している。
基地局として静止衛星を利用する方式や、既存の無線通信を利用する方法もある。
GPSにまつわる誤解
日本におけるGPSの代表的な利用例として、自動車に搭載される「カーナビ」がある。
これに関連して、以下のような話が伝えられている。
- GPS衛星は、カーナビを積んだ車にその車の位置情報を送っている。
- GPS衛星がカーナビのルートを引いている。
- GPS衛星は車の位置を逆探知できる。
- GPS衛星とカーナビが通信をしている。
- アメリカ軍やCIAがGPSから収集した情報を使って何か陰謀を企んでいる(多分エリア51かどこかで)
実態を言えば、GPS端末の情報を無線電波やインターネットで送信する事は可能であり、実際に行われている。
送信された位置情報のハッキングも原理的には可能であり、実際に行われていないという保証はない。
しかし、それをGPS衛星が受信する事はない。
GPS衛星には内蔵された時計の時刻や飛行中の軌道データを送信する機能しかないためだ。
結局のところ、カーナビの機能のほとんどはカーナビ自体に内蔵されたコンピュータに依存している。
なんらかの情報漏洩や不備があったとしても、それはやはりカーナビの小さな機械に起因する。
全世界衛星測位システム
アメリカ国防総省が配備した、衛星を利用した位置検出システム。24個の人工衛星によって地球全体をカバーし、同時に3個の衛星からの電波を受信すれば2次元の座標を、4個の衛星からの電波を受信できる状態では3次元の座標を確認できる。受信した信号を処理することで自動車、船舶、歩行者などすべての移動体の現在地が確認できるため、ナビゲーションシステムにおける測位(現在地を正確に把握すること)が可能となった。
参照 GPSナビゲーションシステムグローバル・ポジショニング・システム
(Global Positioning System から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 04:54 UTC 版)
グローバル・ポジショニング・システム(英語: Global Positioning System, Global Positioning Satellite, GPS、全地球測位システム)とは、アメリカ合衆国によって運用される衛星測位システム(地球上の現在位置を測定するためのシステムのこと)を指す。
注釈
- ^ ただし、宇宙空間からの電波を利用するため、電波の受信が著しく困難な、トンネル等の地下空間においては、特別な措置を施していない場合には、著しく受信精度が低下するか、若しくは、受信困難に陥る可能性が高い。
- ^ 100万分の1秒あったとしたら距離の誤差は300mにも及んでしまう
- ^ 太陽の見え方が日の出、直上、日没で異なることから理解しやすい
- ^ ドップラーシフト値を用いると、0.1 m/s以下の精度で速度計測が得られる。
- ^ 他に、カーナビでは移動方位センサ、速度発電機や操舵角(ハンドル)センサ等である程度の補正を行うものがある。
- ^ (例えば最寄の料理店を検索し電話を掛けて予約する)
- ^ 1979年時点でも、100分の1秒の精度が望ましいとされた。地震学会編、1979、『地震の科学』、保育社
- ^ つまり、衛星軌道の変更や閏秒実施通知の受け取りなど、指令電波は受けるが、GPS受信機からの電波を受信できる機能は持っていない。
出典
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- 1 グローバル・ポジショニング・システムとは
- 2 グローバル・ポジショニング・システムの概要
- 3 精度の比較
- 4 様々な用途
- 5 GPSにまつわる誤解
- 6 各国の衛星航法システム
- 7 脚注
- 8 外部リンク
「Global Positioning System」の例文・使い方・用例・文例
- Global Procurement Organizationはどういう意味ですか?
- Global Positioning Systemのページへのリンク