余震
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/04 01:16 UTC 版)

余震(よしん、英: aftershock)とは大きな地震の後に、近接地域で引き続いて多数発生する地震である。最初の大きな地震を本震と言い、本震より前に発生する地震を前震という。震源の浅い規模の大きな地震のほとんどは、余震を伴う。平均的には最大余震のマグニチュードは本震のそれよりも1程度小さいとされるが、本震に近いものや、稀に上回る規模の余震が発生することもある。
余震の回数と規模
体に感じる余震の回数は数十回から5000回まであり、東北地方太平洋沖地震では10,000回を超えた。期間も数日から数か月、巨大地震では年単位と地震によりまちまちである。ごく小規模の余震は本震発生から100年以上続くこともあり、現在でも1891年の濃尾地震や1945年の三河地震の余震が観測されている。
明治・大正期の地震学者・大森房吉は、この濃尾地震の観測から本震からの経過時間に伴う余震回数の減少を表す大森公式を発表している。現在は宇津徳治がこれを改良して発表した、以下の改良大森公式(大森・宇津公式)が使用されている。
原因は、本震時に解放されきれなかったエネルギーが放出されるためとみられる。
地震はプレートに力が加わってできた歪みが断層で発散されることにより起こるが、特に大地震の場合は一度の本震で長く深い断層が全て動いてしまうわけではなく両端や下部に引っかかったままの部分が残り、そこに新たに力が集中し始める。そうして連鎖的に周囲の断層も動いて歪みが解消するときに余震が発生する。
余震活動中に発生した余震の中で最大規模のものを最大余震とよぶ。最大余震のマグニチュードは、本震のマグニチュードよりも1程度小さいことが経験的に知られている。また、余震は、本震の震源が浅いほど多く発生する傾向にある[1]。
余震が発生する範囲を余震域という。これは、大地震における断層のずれの範囲である震源域とほぼ一致する。大地震が発生したとき、震源からかなり離れた地域で地震が起こっても余震とは呼ばない。余震と呼ぶのは大地震など時間的・空間的にまとまった地震が発生したとき、その範囲内にある地震に限られる。余震域は概ね本震の断層面付近にあり、本震のマグニチュードが大きいほど余震域は広くなる傾向があり、その面積について次式が成り立つとされる[2]。
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「余震」の例文・使い方・用例・文例
- 最初の地震の後、小さな余震がいくつか続いた。
- ここでは今も余震が続いている。
- 何百もの余震が続いている。
- 新潟県の旅館組合の職員は,「人々は地震が県全域に被害を与えたと考えているようだ。余震が状況をさらに悪くしている。」と話した。
- 相次ぐ余震のため,何千もの人が避難を強(し)いられた。
- 余震や大雨がさらなる破壊を起こすのではないかと心配されている。
- この地震と余震が原因で大規模な土砂崩れが数多く起きている。
- 雨や余震が救助活動を遅らせている。
- この地震はマグニチュード7.6で,その後に多くの余震が続いた。
- 警察,軍隊,医療部隊が余震の中,救助活動を行った。
- それから1か月後,震度6弱の余震がこの地域を襲い,同センターのメインプールや舞台の床に亀裂が入った。
- この地震の後に多くの余震が続いた。
- 家を失ったり,余震のため家に戻るのを怖がったりして,約280万人が避難所にとどまっている。
- 最初の強い地震以降,1000回以上の余震が熊本県と大分県で記録されている。
- その余震のいくつかは震度6に相当する大きさだった。
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