余震のメカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 00:58 UTC 版)
原因は、本震時に解放されきれなかったエネルギーが放出されるためとみられる。 地震はプレートに力が加わってできた歪みが断層で発散されることにより起こるが、特に大地震の場合は一度の本震で長く深い断層が全て動いてしまうわけではなく両端や下部に引っかかったままの部分が残り、そこに新たに力が集中し始める。そうして連鎖的に周囲の断層も動いて歪みが解消するときに余震が発生する。 余震活動中に発生した余震の中で最大規模のものを最大余震とよぶ。最大余震のマグニチュードは、本震のマグニチュードよりも1程度小さいことが経験的に知られている。また、余震は、本震の震源が浅いほど多く発生する傾向にある。 余震が発生する範囲を余震域という。これは、大地震における断層のずれの範囲である震源域とほぼ一致する。大地震が発生したとき、震源からかなり離れた地域で地震が起こっても余震とは呼ばない。余震と呼ぶのは大地震など時間的・空間的にまとまった地震が発生したとき、その範囲内にある地震に限られる。余震域は概ね本震の断層面付近にあり、本震のマグニチュードが大きいほど余震域は広くなる傾向があり、その面積について次式が成り立つとされる。 log S = 1.02 M − 4.01 {\displaystyle \log {S}=1.02M-4.01} S:余震域の面積(km²) M:マグニチュード 余震域外の地震 大地震の後、余震域とは異なる地域で大きな地震や地殻変動が発生することがある。これらは、本震による振動が伝わったり地下の歪み方が変わったりすることによって地震が誘発されたと考えられ、大地震の本震による余効変動に含めたり、誘発地震として余震とは別の独立した地震とみなされる。例としては、2004年12月のスマトラ島沖地震後に発生した2005年3月のスマトラ島沖地震、2011年3月の東北地方太平洋沖地震後に発生した長野県北部地震と静岡県東部地震などがある。
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