最大余震
余震の中で最も規模の大きいもの。
大規模な地震は、単発ではなく群発で発生することが多い。群発地震の中で最も規模の大きな揺れが「本震」と呼ばれ、本震に続いて発生する揺れが「余震」と総称される。
最大余震の規模は、本震の規模に伴って大きくなるが、一般的には、本震のマグニチュードから1引いた値より小さくなるとされる。巨大地震の最大余震は、余震とはいえ、大地震である。
最大余震が発生するタイミングは、本震の直後とは限らず、数日後、数ヵ月後に発生する場合もある。事後評価であるため予見は難しい。なお、発生状況によっては、以前に発生した地震の余震と見るか、別の地震の本震と見るかで、意見が分かれる場合もある。
2007年のスマトラ島沖地震では、2007年9月12日に本震(マグニチュード8.5)が発生、翌日の9月13日に最大余震(マグニチュード7.9)が発生している。
2010年のチリ地震では、2010年2月27日に本震(マグニチュード8.8)が発生、翌月の3月11日に最大余震(マグニチュード6.9)が発生している。
2011年3月11日に日本の三陸沖で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、本震(マグニチュード9.0)の発生後1ヵ月の間にマグニチュード7クラスの余震が5回以上発生している。4月20日現在、気象庁は今後さらに巨大な余震が発生するおそれがあるとして警戒を呼びかけている。
余震
(最大余震 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/04 01:16 UTC 版)

余震(よしん、英: aftershock)とは大きな地震の後に、近接地域で引き続いて多数発生する地震である。最初の大きな地震を本震と言い、本震より前に発生する地震を前震という。震源の浅い規模の大きな地震のほとんどは、余震を伴う。平均的には最大余震のマグニチュードは本震のそれよりも1程度小さいとされるが、本震に近いものや、稀に上回る規模の余震が発生することもある。
余震の回数と規模
体に感じる余震の回数は数十回から5000回まであり、東北地方太平洋沖地震では10,000回を超えた。期間も数日から数か月、巨大地震では年単位と地震によりまちまちである。ごく小規模の余震は本震発生から100年以上続くこともあり、現在でも1891年の濃尾地震や1945年の三河地震の余震が観測されている。
明治・大正期の地震学者・大森房吉は、この濃尾地震の観測から本震からの経過時間に伴う余震回数の減少を表す大森公式を発表している。現在は宇津徳治がこれを改良して発表した、以下の改良大森公式(大森・宇津公式)が使用されている。
原因は、本震時に解放されきれなかったエネルギーが放出されるためとみられる。
地震はプレートに力が加わってできた歪みが断層で発散されることにより起こるが、特に大地震の場合は一度の本震で長く深い断層が全て動いてしまうわけではなく両端や下部に引っかかったままの部分が残り、そこに新たに力が集中し始める。そうして連鎖的に周囲の断層も動いて歪みが解消するときに余震が発生する。
余震活動中に発生した余震の中で最大規模のものを最大余震とよぶ。最大余震のマグニチュードは、本震のマグニチュードよりも1程度小さいことが経験的に知られている。また、余震は、本震の震源が浅いほど多く発生する傾向にある[1]。
余震が発生する範囲を余震域という。これは、大地震における断層のずれの範囲である震源域とほぼ一致する。大地震が発生したとき、震源からかなり離れた地域で地震が起こっても余震とは呼ばない。余震と呼ぶのは大地震など時間的・空間的にまとまった地震が発生したとき、その範囲内にある地震に限られる。余震域は概ね本震の断層面付近にあり、本震のマグニチュードが大きいほど余震域は広くなる傾向があり、その面積について次式が成り立つとされる[2]。
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最大余震
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新潟県中越地震において最も規模が大きかった余震は、本震からおよそ40分後の、10月23日18時34分に発生した、M6.5(最大震度6強)の余震であった。この余震で、2,515gal (当時強震観測史上最大値) の最大加速度を記録した。 この余震における、震度5弱以上の地点は以下の通り(観測点名は当時のもの)。 震度都道府県観測点名6強新潟県 小国町法坂・十日町市千歳町・川口町川口 6弱川西町水口沢・小千谷市城内・六日町伊勢町・広神村今泉・中里村田沢・安塚町安塚・入広瀬村穴沢・堀之内町堀之内・松代町松代・大和町浦佐 5強三島町上岩井・越路町浦・塩沢町塩沢・湯之谷村大沢・高柳町岡野町・和島村小島谷・三和村井ノ口・小出町小出島・長岡市幸町・浦川原村釜淵・与板町与板・上越市大手町・守門村須原・出雲崎町米田・牧村柳島・西山町池浦 5弱群馬県 白沢村高平・片品村東小川・北橘村真壁・昭和村糸井 新潟県 大島村上達・栃尾市大町・清里村荒牧・出雲崎町川西・広神村米沢・松之山町松之山・吉川町原之町・上越市木田・津南町下船渡・板倉町針・栄町新堀・頸城村百間町新田・柏崎市中央町・中之島町中之島 このほか、東北地方から近畿地方にかけての広い範囲で、震度4から震度1を観測した。兵庫県加古川市では、本震では体に感じる揺れ(震度1以上)は観測されなかったが、この余震では震度1の揺れが観測されている。
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