最大加速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 16:03 UTC 版)
地震計や電子基準点などにより観測された、主な地震前後の変位(観測地点の移動)を以下に並べる。 一関西(岩手県一関市、震源に最も近く最大加速度4022ガルを観測した地点) - 地震波形から推定される変位153cm(合成値、分解すると東方向に45cm、北方向に44cm、上方向に140cm)、地中観測から推定される変位130cm(同、東方向に28cm、北方向に60cm、上方向に112cm)。観測データの上方向の加速度は下方向の2.5倍で、加速度の絶対値も3866ガルと特異的な値であった。また、地震により観測点が1メートル以上移動していた。 電子基準点の変位量場所方向1方向2方向3栗駒2東 94 南 116 上 210 栗駒西 15 北 13 下 2 皆瀬東 28 南 9 下 2 東成瀬東 21 南 13 下 1 雄勝東 10 南 2 上 1 湯沢東 8 南 4 上 0 水沢1西 8 北 5 上 3 平泉1西 15 北 3 上 1 岩手川崎A西 7 北 2 上 0 (岩崎観測点を基準、小数第1位で四捨五入、単位はcm) この一関市の観測点が最大加速度を記録した理由は、「観測点が断層の真上にあったため表層付近の地盤が大加速度の入力により弾性限界を超え、部分的に粒状体的な振る舞いをした為」と考えられ『トランポリン効果』と命名された。なお、この加速度は自由地盤(地表そのまま)の加速度を記録しているのではなく、観測施設の構造上の特徴によりロッキング振動を生じ浮き上がった観測施設(建物)が地面と再接触した際の衝撃力の影響を受けた波形を記録していた と、解析されている。また、ロッキング振動の影響がなければ、上下動最大加速度は1.6G程度であったとされている。ロッキング振動とは、ブロック型構造物が両端を中心に回転運動を繰り返す振動。
※この「最大加速度」の解説は、「岩手・宮城内陸地震」の解説の一部です。
「最大加速度」を含む「岩手・宮城内陸地震」の記事については、「岩手・宮城内陸地震」の概要を参照ください。
- 最大加速度のページへのリンク