物理探査
読み方: ぶつりたんさ
【英】: geophysical prospecting
【英】: geophysical prospecting
地下の岩石や鉱物の物理的性質を利用して、地下構造や有用鉱物、地下水の所在を解明する技術の総称で、石油鉱業のみならず、金属鉱山、土木建築、温泉などの分野で利用されている。 物理探査の種類と応用分野を表に示す。分野炭化水素、金属鉱物など埋蔵された地下資源を対象とした探査には「物理探鉱」という言葉が慣例的に用いられているが、地下水や地表近くの地質状況を調べる土木工学的探査を含める場合には、概括的に「物理探査」という言葉が使われることが多い。また「地球物理学的探査」ともいわれる。物理探査の方法はいろいろあるが、石油鉱業ではそのうち、地震探査、重力探査、磁気探査が主として用いられている。地震探査法には反射法と屈折法とがあり、探査目的によって使い分けられる。坑井内検層、遠隔探知(remote sensing)も物理探査の分野に入れられる。大手の石油会社のなかには物理探査部門を持っているところもあるが、大部分の作業は専門の請負会社が実施している。物理探査の手順は大別して現場の測定作業、計算機などを用いるデータ処理作業と解釈作業に分けられ、これらを一貫して請負業者と契約することもできるが、別々に契約することも可能である。請負業者に作業を実施させる際、会社側から監督(supervisor)を派遣する。測定作業においてもデータ処理作業においても、監督の機能は極めて重要で、調査結果の質は監督の指示いかんに左右されることが多い。物理探査は油田開発の初期段階に用いられ、その結果有望な集油構造があれば、試掘がこれに続くというのが基本的な探査手順である。しかし、試掘の後にも物理探査、特に地震探査を繰り返し実施することは有意義であり、その例も多い。つまり物理探査は探鉱初期段階だけでなく、開発段階に入っても利用されうる技術なのである。かつての、どのような地下構造があるかを調べる物理探査から、そこにはなにがありそうかを調べるまでに発展しつつある状況で、石油探鉱のなかにおける物理探査の価値は一層高くなりつつあるといえる。 表 物理探査の種類と主な応用
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