地質調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 20:18 UTC 版)
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地質調査(ちしつちょうさ、英語: geological survey)とは、学術的な目的や資源探査等産業関連の目的のために地下構造(地質)を解明するため行う調査のことである。
通常、露頭の観察を元に行う調査のことを指すが、広義には、重力計や地震波を用いた物理探査やボーリング、リモートセンシングなども含まれる。
一般的な手法
野外で調査を行う前にまず事前調査を行う。事前調査には、付近地域の地質図や論文等による文献調査、空中写真や衛星画像、地形図による解析がある。
野外調査では、事前調査によって把握した情報を元に、調査ルートを決定し、露頭を探すところから始まる。露頭では、地層や岩石を観察し、層理面や断層面の走向・傾斜はクリノメーターを使って測定する。調べたことはフィールドノートやルートマップに記録する。必要に応じて岩石や化石の採集を行う。そして、地質調査の結果をもとにして柱状図や地質図を作成する。
通常、その日の調査で得た観察や測定の結果は、その日の内に整理・解析される。これは、長期間にわたって行われる調査においては、翌日以降の調査を効率的に進めるために、特に重要である。
日本における地質調査基準策定
2000年、日本地質学会は、地質学の調査法の基本と全体像を若手研究者や技術者に提供することを目的とした“地質基準”を策定した。これは、地質調査を行うにあたり調べなければならない事項を、得ようとする成果によって、必要最低限の調査項目であるDから、国際学会発表レベルの調査項目であるAまでの4段階に系統的に区分けし、もって「地質の理解」という研究者・技術者共通の目的を基準化しようという試みだった。
この基準は、得ようとする成果で規定された「性能基準」であり、その現状や調査手法については規定していなかったため、別途、説明書が作成され、また最低限の調査項目であるD基準の調査手法について解説書がまとめられ、発表された。
地質調査所
- アメリカ地質調査所 (USGS)
- 英国地質調査所 (BGS)
- 地質調査総合センター(AIST/GSJ) - 独立行政法人産業技術総合研究所所属。1882年に農商務省地質調査所として創立、1925年に商工省所属となり、第二次世界大戦後に通商産業省工業技術院地質調査所となる。2001年の中央省庁改編に伴う独立行政法人化で産業技術総合研究所地質調査総合センターとなった。
関連項目
参考文献
- 菅野三郎監修、奥村清編 『地学の調べ方』 コロナ社〈地学のガイドシリーズ0〉、1978年、ISBN 4-339-07500-0。
- 羽田忍 『地質図の読み方・書き方』 共立出版〈地学ワンポイント1〉、1990年、ISBN 4-320-04626-9。
- 日本地質学会地質基準委員会編著 『地質基準』 共立出版、2001年、ISBN 4-320-04636-6。
- 日本地質学会地質基準委員会編著 『地質学調査の基本 - 地質基準』 共立出版、2003年、ISBN 4-320-04642-0。
- 天野一男・秋山雅彦 『フィールドジオロジー入門』 日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編、共立出版〈フィールドジオロジー1〉、2004年、ISBN 4-320-04681-1。
外部リンク
地質調査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:28 UTC 版)
「地震考古学」、「歴史地震」、および「日本の断層一覧」も参照 古地震を引き起こしたり、将来大地震を引き起こす可能性がある断層活動履歴を地質調査により解明する試みも行われている。地表に近い断層については断層を横切るように溝を掘ってその断面を調べるトレンチ調査が主流である。トレンチ調査はサンアンドレアス断層で始まった手法で、日本では1995年兵庫県南部地震以降に行政が力を入れるようになった。海底の断層に対しては、音波探査で位置を推定した後に両側で掘削を行い年代を決定する手法が主に用いられる。航空写真や衛星リモートセンシングによりリニアメントを検出する手法も、補助的に用いられる。 海域の大地震については、地震の度に起こる隆起や沈降を反映した海岸段丘などを調査することで地震の履歴を推定する手法や、津波堆積物を用いた手法などがある。 他方、地殻内部の構造を知るために物理探査の一種である弾性波探査(地震探査)も行われている。爆薬などで起こす人工地震を利用したものもあれば、自然地震を利用したものもある。主に、地殻内の地震波速度の構造(三次元の地震波トモグラフィーなど)や、地震動の大きさに影響する表層地盤増幅率の調査が目的とされることが多いが、地殻内の密度や温度の調査も行われている。
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