土星探査とは? わかりやすく解説

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土星探査

美しい輪をもつ土星は、水に浮くほど軽い天体

望遠鏡で見ると円盤のように見え土星は、太陽系のなかでは、木星次に大きな惑星で、大小30個の衛星をもってます。赤道にそった直径は、地球の約9倍です。密度小さく重さ地球95倍しかありません。に浮くほど軽い天体です。木星よりも外側軌道を、約10.5時間自転しながら、29.5年の周期公転してます。美しく見え土星の輪は氷のつぶでできていて、その幅は23km超えます。輪の層は大きく7つ分かれていて、ところどころすき間あります

パイオニア11号により数々の土星の「輪」を発見

パイオニア11号は、1979年9月1日土星2万900kmまで接近し史上初の近接撮影行ないました。その結果土星にはA環呼ばれる輪の外側F環、さらにE環G環存在確認しましたその後太陽系の外に向かって飛行続け83年6月13日太陽から、約45億2,100万kmのところで海王星軌道越えました

コンピューターで画像処理した土星の輪
コンピューター画像処理した土星の輪

土星の衛星やリングの正体を執に解明したボイジャー1号・ボイジャー2号

木星土星探査するボイジャー1号ボイジャー2号それぞれ木星探査したあと、1号1980年11月13日に、2号1981年8月25日土星に近づいて観測しました1号によって土星の輪から電波出ていてオーロラがあることや、タイタンの大気メタンでなく窒素(ちっそ)であり、生物のいる可能性が低いこと、衛星ミマスディオネレアにはクレーターがあることなどがわかりましたまた、新し衛星8個(現在では30確認)を観測撮影から発見し2号観測では、土星の輪厚さ150mくらいで、輪の中にはねじれているものや細い溝(みぞ)があるものなどがあることなどがわかりました

ボイジャー1号・ボイジャー2号
ボイジャー1号ボイジャー2号

大気圏内に突入して探査するカッシーニ土星周回探査機

NASAESA(欧州宇宙機関)と共同で、土星探査するカッシーニ探査機計画行なってます。カッシーニ探査機1997年10月15日に、ケープカナベラルから打ち上げられました。金星地球の重力利用して加速するスイングバイ航法土星向かい2004年7月1日到着して土星周回軌道のりました土星に関するさまざまな観測をし、さらにはカッシーニ搭載されていた小型探査機ホイヘンス土星の衛星タイタンパラシュート降下着陸させ、タイタン科学調査をしています。

土星探査機カッシーニと土星の衛星タイタンの調査を行なうホイヘンスの想像図
土星探査機カッシーニ土星の衛星タイタン調査行なうホイヘンス想像図


土星探査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 15:52 UTC 版)

土星探査(どせいたんさ)は、主に土星専用の無人探査機によって行われているが、地球からの距離が遠いこともあり探査の進み方は遅い。初期のミッションフライバイによるものであったが、2016年現在は土星周回軌道上にカッシーニが存在し、探査を続けている。

フライバイ

パイオニア11号

パイオニア11号の土星画像

土星へ最初に到達したのは1979年9月パイオニア11号である。惑星の雲頂から20000kmの場所を通過した。土星や幾つかの衛星の低画質画像が得られたが、画質は表面の様子を窺えるほど良くはなかった。また、土星の輪についても探査し、薄いF環や暗い層が太陽に向かってみた時実際は明るい、すなわちその部分に物質がないわけではないことがわかった。さらに衛星タイタンの気温が250K程度であることを測定した。[1]

ボイジャー

1980年11月、ボイジャー1号が土星系に到着、初の土星、土星の輪、衛星などの高解像度画像を送信した。それぞれの衛星の表面の特徴が初めて明らかにされ、アメリカ航空宇宙局 (NASA) ジェット推進研究所のボイジャー運用者がボイジャー1号をタイタンに近づけるアプローチを選んだことで、タイタンの厚い大気が発見された。これは衛星の大気に対する認知を大幅に引き伸ばしたが、一方でタイタンの大気が可視光線では貫けないことがわかり、表面の状態はまったくわからなかった。フライバイは軌道を太陽系平面の外に変更し、これによってボイジャー1号は天王星海王星冥王星へのグランドツアーができなくなった。

1981年8月には、ボイジャー2号が土星系に到着し、観測を行った。土星衛星のよりクローズアップされた画像が得られ、リングでの変化の証拠も得られた。土星の上層大気をレーダーで観測し、温度と密度のデータを測定した。結果、気圧が7kPaほどの高い層での温度は70K (-203°C)、120kPaほどの低い層では143K (-130°C) ほどであることがわかった。北極は季節の影響があるかもしれないものの10K程の低温であることがわかった。ただ、フライバイ中、本来可動するカメラが数時間作動しなくなり、幾つかの計画されていた画像撮影ができなかった。土星の重力が直接宇宙船の軌道を変えるために使われた。ボイジャー2号はその後も天王星と海王星へ探査を進めた。

これらの探査機によって幾つかの、惑星の環に近かったり環の中にあったりする新衛星を発見したほか、マクスウェルの空隙キーラーの空隙などを発見した。

周回機

太陽を隠す土星、カッシーニ撮影

2004年7月1日、探査機カッシーニが土星軌道投入噴射を行い、土星の軌道上に乗った。土星軌道投入前から、カッシーニは既に広範囲に土星系を研究していた。2004年6月、フェーベに再接近し、高画質な映像とデータを地球へ送信している。

カッシーニは2度のタイタンフライバイを行い、2004年12月25日にホイヘンス・プローブの投入を試みた。ホイヘンスはタイタンの表面に2005年1月14日に着陸し、大気降下中から着陸後にかけて大量のデータを送信した。2005年、カッシーニはタイタンと氷の衛星で複数のフライバイを行っている。

2006年3月10日、NASAはカッシーニがエンケラドゥスから火山の噴火のように湧き出る水を発見し、衛星内部に液体の水があるという証拠であると発表した[2]

2006年9月20日、カッシーニの写真によって、F環、G環、E環の間に以前は知られていなかった環が発見された[3]

2006年7月、カッシーニはタイタンの北極近くで炭化水素の湖を初めて発見し、これは2007年1月に確認された。同年3月、タイタンの北極近くの追加画像によって炭化水素の海が見つかり、最大の物はカスピ海ほどの大きさがあった。

2009年、探査機は新たに4つの衛星を発見した。第一次計画は2008年に終わり、宇宙機は合計74週を行った。2010年に探査機は最初の延長ミッションであるCassini Equinox Missionを開始した。現在は第2次延長ミッションCassini Solstice Missionを行っており、2017年9月まで続けられる予定である[4]

将来の計画

現在、NASAと欧州宇宙機関 (ESA) の協力下での土星探査としてタイタン・サターン・システム・ミッション (TSSM) が提案されている。TSSMはもともとESAのタイタン・エンケラドゥスミッション (TandEM) とNASAのタイタン・エクスプローラーの計画が合流してできたものであった。この計画ではカッシーニによって多くの複雑な現象が明らかにされた土星とその衛星であるタイタンやエンケラドゥスなどを探査する予定である[5]。TSSMは資金獲得のためにEJSMと対抗していたが、2009年2月、ESAとNASAはEJSMをTSSMより先に行うことを公表[6][7]、TSSMは後の打ち上げまで研究を継続することとなった。

中止された計画

他の提案された計画にタイタン表層海探査 (TiME) がある。タイタンのメタンの海に着陸できる降着装置での探査が考えられていた。この計画には2011年5月に300万米ドルが与えられ、ディスカバリー計画の一部として詳細な概念研究が行われた。しかし、2012年8月、NASAはこれらに投入されていた資金を回収し、次期火星着陸計画インサイトに投入することに決めた。

関連項目

外部リンク


「土星探査」の例文・使い方・用例・文例

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