反射法とは? わかりやすく解説

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反射法


反射地震探査法

読み方はんしゃじしんたんさほう
【英】: seismic reflection method
同義語: 反射法  

地中伝播{でんぱ}した弾性波地層境界面で反射し、再び地表戻ってくるのを観測して地下構造解釈する方法
現在集油構造位置深度解明する最良方法とされている。反射記録には反射波のほかに多くの雑震動入っていて、そのままでは反射波認識し難い。信号反射波)と雑音比すなわち S/N 比高くすることで信号を見やすくできるが、現場測定技術その後データ処理技術における技術向上は、ほとんどがこの S/N 比向上を目的としている。
測定現場における技術上の主なものは、数多い発震点と受震点を用いることで、前者多孔爆破法pattern shooting)、後者群設置法grouping)という。いずれも下方への指向特性持ち平方向に伝ぱする波(例え表面波など)を減衰させる効力持っているデータ処理では信号雑音の間に差異を見いだし、それによって雑音減衰させるいわゆるフィルター信号強調するフィルターには大別してバンド・パス・フィルター速度フィルター、デコンボリユーション・フィルターがある。測定データ処理両者にまたがるものとして CDP 重合法がある。反射面平と仮定すると、その上任意の反射点を通る波動経路無数にありうる波動経路異なると経路長が変わるので、反射波出現時刻が変わる。これに適当な時間補正をして反射時刻をそろえ、すべてを加算するなら反射波強調され他の波動は小さくなる
この効果極めて高いので、最近では盛んに用いられている。この方法の過程において、地中弾性波速度分布求めることができる。精度が十分高とはいえないが、地層弾性波速度分かることは、その地層物性解明近づくことであり、一方では、音波検層sonic log)やウェル・シューティングwell shooting)などから求められる速度資料合わせて地下構造解析精度高くすることができる。データ処理結果は、記録断面図record section)の形で出される記録断面図横軸水平距離を、縦軸反射波出現時刻を示す。この断面図の上反射波読み断層や尖滅{せんめつ構造など構造解釈をして深度断面図作る深度断面図から、必要とする地層の形をコンター・マップcontourmap)にして表現する、この過程解析・解釈(interpretation)という。
ときには深度断面図作らずに、反射時間だけでコンター・マップ作ることもあり、これを time contour map という。近来反射波読み取りからコンター・マップ作るまでをコンピューター使って実施している。この場合には、解析担当者さまざまな判断しながら反射波拾っているのに対して機械的に拾い上げているので、結果そのまま利用するわけにはいかない。しかし、読み取り深度変換あるいはコンター作図過程中で省力化することができるので、今後利用は増すであろうコンター・マップ作るという三次元的な調査をするときには、測線を格子状組んでいわゆる測線網を作らなければならない。このときの測線間隔などは、この調査がどの程度精度要求しているかによって定められる。ごく荒っぽい結果よければ(概査)、測線間隔は粗でよい。試掘井位置定めようというのであれば構造の形が明確になるよう細かい間隔計画しなければならない試掘後も再び反射法を必要とすることは少なくない。すなわち、貯留層の範囲知り最適な油田開発計画の立案のための反射法がそれである。また、測定作業からデータ処理簡単な解析までを請負業者実施させることは普通に行われているが、石油会社としての判断のためには、データ処理から解析までを自己の手でやり直すのが常道である。(→CDP 重合



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