反射法地震探査データ処理
【英】: seismic data processing
磁気テープに録音された反射記録は電子計算機によりデータ処理を施される 。 一般に、反射波は地中を伝播{でんぱ}する途中で急激に減衰する。加えて反射波以外の優勢な雑音が混入する。データ処理の目的は、減衰した地震波を適度な振幅に復元し、各種の雑音波を除去して S/N 比を高めることである。これには大別して二通りの概念がある。第 1 は、受露点を増やして記録の多重性を増加させることである。第 2 に、雑音波のいろいろな特性をうまく利用したフィルターをかけることである。前者は、CDP 重合と呼ばれている。重合数が N トレースあれば S/N 比は √N 倍向上する。実際には、CDP 重合を行う前に、反射波列をそろえるための NMO 補正がかけられる。代表的なフィルターには次のものがある。(1) デコンボリューション・フィルター:地震波の厄介な性質として、地中を伝ぱする途中で徐々に分解能が低下することがあげられる。これを再び高分解能の波に戻して薄層の分離を容易ならしめる機能を有するのがこのフィルターである。(2) バンド・パス・フィルター:地震波を周波数領域に変換してスペクトル分布を見ると、信号の占めるスペクトル領域と雑音波の占めるスペクトル領域に差のある場合がある。そこで、信号のスペクトル領域のみを通過させるバンド・パス・フィルターをかけることにより、両者を分離することができる。(3) 速度フィルター:記録断面上で地震波を波列の連なりとしてみると、反射波の連なりとそれ以外の雑音波の連なりには明らかな違いがある。この点に着目して、反射波列の連なりのみを拾い出すフィルターを速度フィルターという。これは二次元フィルターの一種である。(4) マイグレーション:一般に、地表で観測される反射記録は地下構造が水平層でないかぎり地下構造の誤差を含んでいる。これは、真の反射点と無関係な位置にトレースを並べてしまうからである。これを補正して真の地下構造に戻すのがマイグレーションの機能である。 |

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