SBASとは? わかりやすく解説

衛星航法補強システム

(SBAS から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/12 02:45 UTC 版)

衛星航法補強システム(えいせいこうほうほきょうシステム 英語:Satellite-based augmentation systems, SBAS)は、既存の衛星測位システム(GNSS)に対し、静止衛星の補正信号を追加することにより、その精度や信頼性を向上させることを目的としたシステム。略称はエスバス航空機で利用される電波航法の精度向上を目的に導入され、それまで利用された地上の送信アンテナから補正信号を中波帯で送信する広域ディファレンシャルGPSWADGPS)や、ディファレンシャルGPSDGPS)と同義とされる[1]。測位衛星(単体測位)での誤差は、DGPSの運用を開始した1997年当時で100メートル程度あり、DGPSを利用することで1メートル程度にまで補正することが可能となった[2]。その後、測位衛星自体の精度が10メートル程度にまで向上したことにより、船舶で使用されるナビゲーションにおける国際海事機関(IMO)の性能要求基準を満たしているとして[2]、日本国内に29基あったDGPSは2019年に運用を終了した[3][4]


  1. ^ Kee, C., Parkinson, B. W., and Axelrad, P. (1991), "Wide area differential GPS"[リンク切れ], Journal of the Institute of Navigation, 38, 2 (Summer 1991).
  2. ^ a b c ディファレンシャルGPSの廃止について (PDF)”. 海上保安庁 (2017年6月30日). 2022年8月18日閲覧。
  3. ^ ディファレンシャルGPS”. 海上保安庁. 2022年8月18日閲覧。
  4. ^ 海上保安庁、ディファレンシャルGPSの運用を終了”. 内閣府. 2022年8月18日閲覧。
  5. ^ SBAS配信サービス”. 内閣府. 2022年8月18日閲覧。
  6. ^ a b 2周波SBASの最新動向 (PDF)”. 電子航法研究所 (2021年2月4日). 2022年8月19日閲覧。
  7. ^ “GAGAN System Certified for RNP0.1 Operations” (英語) (プレスリリース), インド宇宙研究機関, (2014年1月3日), オリジナルの2014年1月3日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20140103233538/http://isro.gov.in/pressrelease/scripts/pressreleasein.aspx?Jan03_2014 
  8. ^ Radhakrishnan, S. Anil (2014年1月11日). “GAGAN system ready for operations” (英語). The Hindu. http://www.thehindu.com/news/national/kerala/gagan-system-ready-for-operations/article5565700.ece 
  9. ^ Advances in BeiDou Navigation Satellite System (BDS) and satellite navigation augmentation technologies” (英語) (2020年3月16日). 2022年8月18日閲覧。
  10. ^ 航空衛星1号機の打ち上げに成功 測位誤差1メートル以下に”. KBS (2022年6月23日). 2022年8月19日閲覧。
  11. ^ 「GPS誤差補正」韓国航空衛星1号機、23日午前6時3分に南米で打ち上げ”. 中央日報 (2022年6月22日). 2022年8月19日閲覧。
  12. ^ 準天頂衛星を利用したSBAS整備 (PDF)”. 国土交通省航空局. 2022年8月18日閲覧。
  13. ^ Trial of accurate positioning” (英語). Geoscience Australia (2019年10月5日). 2020年4月25日閲覧。
  14. ^ GBASの概要 (PDF)”. 総務省. 2022年8月18日閲覧。


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