オーバーマン
オーバーマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 03:37 UTC 版)
「OVERMANキングゲイナー」の記事における「オーバーマン」の解説
基本的な動力理論はシルエットマシンと同系統ながらその数倍の性能を持つ発展技術を使うロボット。 外装と動力が一体化されたシルエットマシンとは違い、人工筋肉といえるマッスルエンジンで駆動される。基本構造は脊椎動物に類似した骨格と筋肉・神経系からなり、それらを覆う皮膚、さらには専用の「衣服(オーバーコート)」を持つ。オーバーコートは装甲としてだけではなく、オプション機能の装具としても利用される。 動力源はシルエットマシンと併せて外装を使った太陽光発電の類(光子を直接エネルギーに変換している?)であることが漫画で明らかにされている。また、アニメ版劇中では「リキュール」と呼ばれる調合を必要とする液体をマッスルエンジンのパッケージ(柔らかく、袋状の莢を持つ)に注入し、手作業で全体に行き渡らせて補充している様子が描かれている。 オーバーマンは駆動に際してフォトンマットと呼ばれる高エネルギーを放出(半ば質量を持ったエネルギー放射)する。このフォトンマット放出をコントロールすることで飛行・慣性制御を行い、さらには防御・攻撃に利用することも出来る。ある程度以上のフォトンマット放出は天使の輪や仏像の光背(後光)のようにも見えるフライングリングと呼ばれる光輪を形成する。 オーバーマン起動時にはシルエットエンジンを動作させるのと同系統のエネルギーを周囲に大量放出するため、シルエットエンジン側が動作できなくなってしまう「起動干渉」とよばれる現象が発生する。 オーバースキル オーバーマンが持つ特殊能力。 オーバーマンの機種によって多様な能力があるが、その一部はオーバーコートに依存しており、他のオーバーマンのコートを着ることによりそのオーバースキルを利用できる。単体でオーバースキルを発揮する物もあるが、オーバーコートを使用することでその能力を増幅できる。なお、オーバーコートの使用は違法行為となっている。 サイコオーバーマン 心を読む、心理状態を変化させるなど精神に関するオーバースキルをもつオーバーマンの総称。 アーリーオーバーマン 古いオーバーマンには人間のそれとは異質な意思を持つ物があり、この意思がしばしば搭乗者との衝突を招くこともある。アーリーオーバーマンの場合は、単なる乗物としては不適切なほどの自立性が在ると同時に、人間の感情に反応しやすい。また現在のオーバーマンよりも遥かに扱い難い高性能の存在として扱われている。 オーバーセンス オーバーマンの操縦者のオーバーマンへの適性。シンシア・レーンのように特に高いオーバーセンスを持つ者はオーバーマンの潜在能力を引出し、他の者の操縦時とはまるで別の機体のような戦闘力を発揮させる。血筋による生まれ付いての才能に拠る所が大きいと考えられている。 ただし、強すぎるオーバーセンスには、ジンバに乗ったアスハムや、オーバーフリーズ習得後のキングゲイナーに乗ったゲイナーのように、オーバーマンの性能に心を奪われる危険性が伴ってくる。 オーバーフリーズ オーバーデビルの系統に見られるオーバースキルで「何でも凍結させてしまう力」。あらゆる物体を一瞬で凍りつかせるだけではなく、特定のものだけを選択的に凍りつかせたり、さらにはフライングリンクのような無形のものや「良心」や「愛情」といった心理まで凍りつかせるといった、単なる極低温による凍結に留まらない力を持つ。 キングゲイナー ドームポリス・ウルグスク領主であるメダイユ侯爵家の屋敷にコレクションとして保管されていたオーバーマン。起動者ゲイナー・サンガによって「キングゲイナー」のコードネームを与えられる。その特徴は髪の毛のような頭部パーツと、顔面にある3対の線であり、戦いの中で表情があるかのように形状を変える。敵からは「髪の毛のあるオーバーマン」「白銀色のオーバーマン」「ヤーパンのオーバーマン」などと呼ばれたが、リオンネッター戦からは敵側もキングゲイナーというコードネームを知るようになった。その出自・能力共に謎が多いが極めて汎用性が高い。アーリーオーバーマンの特性を持つオーバーマンであり、オーバーデビルの眷属である可能性や、対オーバーデビル用オーバーマンとして開発された可能性を示唆されている。 「加速」のオーバースキルを持ち超高速戦闘が可能で、ゲイナーの操縦センスとその能力の向上とに相俟って戦果を重ね、数々の危機を切り抜ける。このオーバースキルの「加速」は単なるスピードアップという意味ではなく、分子レベルでの運動の加速という効果も持ち、後述の「オーバーフリーズ」や「オーバーヒート」のような現象も引き起こす。 武装には、銃としてだけでなくチェーンソーのように刃を回転させて対象を切り裂く斬撃装備としても使用可能なチェーンガンと呼ばれる武器を持ち、他にも短剣として使用する「ピン」、ポシェットから取り出して投げると大量の子爆弾をバラまく「散弾手投げ弾」、チェーンガンに装填して使う「オーバーフリーズバレット」を装備する。それぞれの武装および弾薬は左腿にある「ポシェット」という袋(一種の「四次元ポケット」のような機能がある)の中にスペアがあり、劇中ではオーバーセンス完全覚醒後に、オーバーデビルを相手にチェーンガン二刀流を披露した。 防具としてコクピットを守るブラジャーという装甲を装備している。このブラジャーには、左胸に3つチェーンガン用の予備の弾を収納する他、フォトンマットの発生装置を備えている。 人間に似た基本系と関節の稼動範囲から概ね人間に可能な仕事をオーバーマンサイズでこなせる。 オーバースキルや基本的な機体の性能の良さ、ゲイナーの技量などにより他のオーバーマンでは比肩できない多彩な技をこなし、「オーバーマルチキック」・「真っ向唐竹割り」・「ニンポーカラテ」(変幻自在の体術。ゲイナーがキングゲイナーに教育した技である)・チェーンガン二刀流・背負い投げなどの体術、剣術を使う。また、フォトンマット(フライングリング)を使った攻撃・防御も得意としており、チェーンガンにフォトンマットの影響を与える「チェーンマット」や、フォトンマット最大出力による広範囲攻撃、フォトンマットを使った「フォトンバリヤー」などの技を使う。 オーバースキルは以下のように様々な形で発動している。分身や瞬間移動をしているように見えるほどの高速移動。 操縦者には(時間を操っているかのように)周囲の動きがゆっくりに見えて、その中で自分だけ素早く動ける。 キングコールドという冷却技を防御用に使ったオーバースキルである「コールドガード」(マグマすら凍らせることができるが機体の消耗が激しい。後の「オーバーフリーズ」の片鱗ともとれる)。 「加速」のオーバースキルの応用で、あらゆるものを凍りつかせるオーバースキル「オーバーフリーズ」(発動前に周囲のシルエットエンジンからエネルギーを奪い取り、天候を操作してオーバーフリーズを使うなどの芸当も見せる)。 「オーバーフリーズ」の効果を持つ弾丸「オーバーフリーズバレット」。 「オーバーフリーズ」とは正反対の高熱を発する「オーバーヒート」。 これらは他のオーバーマンに比べてもやはり多彩である。また、ラッシュロッドとの戦いで時間停止らしき能力を使ったことや、ブラックメールのコートを装備して「透明化」のオーバースキルを発動したこともある。 XAN-斬- アニメ未登場の黒いキングゲイナー。ブラックオーバーマンとも呼称される。ゲイナーが搭乗したキングゲイナーより、過去の時代での姿と言われているが詳細は不明。主武装は敵に投げ付けたりも出来るクナイと、ポシェットに収納された身丈以上の日本刀「アクナギノツルギ」であり、格闘能力は極めて高い。手裏剣型のフォトンマットにより中・遠距離戦もこなせ、さらに強固なフォトンマットを持つ万能機。 侍のような風貌、武装や後述の必殺技から、ヤーパン(日本)に関わる機体だという説があるが、やはり詳しい詳細は不明である。 必殺技は「加速」のオーバースキルを使った「ヤーパンニンポー」であり、オーバースキルでの分身で一斉に敵を攻撃後、分身と共に敵を取り囲み、フォトンマットで大爆発を仕掛けるという派手な攻撃を仕掛ける。ゲームなどの演出では、フォトンマットが花弁のように散るなど、演出も凝っている。 ラッシュロッド シベリア鉄道警備隊隊長ヤッサバ・ジンの駆る、シベリア鉄道警備隊の看板オーバーマン。「ベロウズ」と呼称される鞴(ふいご)に似た形状の手持ち式超高熱火炎放射器を武器として使う。また両手の付け根に2連装ロケットランチャーを各2門・計4門装備する(ただし劇中では機関銃のように連射されるなど、ロケット弾というより通常の弾丸に近い描写がされている)。 オーバースキルは「時間停止」で、対象物に対して手をかざして光るエネルギー体(劇中では「ストップビーム」と呼称)を投射することで、その物体の時間経過を止めることができる。停止させた時間はいつでも自由に解除できる。頭部の信号機に似た部位を破壊されるとその能力は使用できなくなる。第4話で破壊されてしまい、オーバーコートは回収され、本体は分解されてキングゲイナーの補修部品にされた。 漫画版ではオーバーミラーというバリアを発生させる全く別のオーバースキルを使用する。 ラッシュロッド(ストップコート装着後) ラッシュロッドにオプション装備の「ストップコート」を装着させたもの。ストップコートは時間停止のオーバースキルを強化するもので、マント状の部分の裏面からエネルギー体を放ち広範囲の時間を止められる。劇中では先頭の都市ユニット(一号ユニット)全体の時間を止め、ゲイナー達を立ち往生させたほか、30分に渡って嵐の時間を停止させ、中に入ったキングゲイナーを暴風で攻撃した。その他、掌に留めたストップビームを叩きつける「時間止め張り手」という技も披露した。 ブラックメール ヤッサバが囚われた後のシベリア鉄道に配備された、頭頂部に突き出た目玉状の部位が特徴的なオーバーマン。 「ブラックコート」と呼ばれるオーバーコートを装着することで「透明化」のオーバースキルを発動する。見た目だけでなくあらゆるセンサーからも姿を隠すことができる。ケジナンが受領し、ヤッサバに強奪された。ヤッサバはこれを使ってヤーパン・エクソダス全体を危機に陥れたものの、ゲインの策略によりガウリ隊ほか市民有志らの集中砲火を浴びて大破。オーバーコートは回収・修復され、後にユニット起こし作戦においてキングゲイナーが着用した。その際、ブラックメールの目玉状の部位をキングゲイナーが着用したが、これはあくまでキングゲイナーにとって大きすぎる当オーバーコートのサイズを合わせるためのものであり、透明化は頭から背中そして腰のあたりまで覆った部分で行われる(つまりこれが「ブラックコート」)。 また、オーバーコートはオーバーデビル戦において、オーバーデビルが実体化させゲイナーに着用させた。 ゴレーム セント・レーガンの伝統的なオーバーマン。「機体硬化」のオーバースキルによる高い防御力を持つ。パワーコートを装着することでパワーゴレームとなる。 近接格闘性能に優れているだけではなく、中距離から遠距離の戦闘もこなす。高すぎる防御力が搭乗者の慢心を招くこともある。特徴は頭部にある赤い4つ眼といえる。また自動操縦機能も搭載している。 アンダーゴレームよりは汎用性に欠けるが機銃系統のオプション装備が豊富である。2丁ある片手用の小銃とディスクハープンというオレンジ色のチャクラム型武器が代表格。ディスクハープンは大量に小型のディスクを放つ・トゲを出して斬撃能力を高める・大型化する・相手の腕にはめて締め付けるなど、操縦者のセンス次第で多くの戦法があるオプションとなっている。大型化した時のディスクハープンは白兵戦用武器としても使用可能。常時携帯している武装では無いが、この2つの他に両手持ちのライフルも使う。 アスハム・ブーンとザッキ・ブロンコが指揮するエクソダス阻止・ゲイン奪還のために編成された特別任務部隊に複数機が配備されたが、全機ともシンシアの操るドミネーターに撃破された。また対オーバーデビル戦においてシベリア鉄道詰問の目的で動いていた別働隊が大量投入し戦闘を繰り広げたが、それらも1機を残してオーバーフリーズを受け大破している。 パワーゴレーム ゴレームのパワーコート装着型。どっしりとした相撲取りのような姿をしている。オーバースキルは「怪力」で、高層ビルほどの都市ユニットを放り投げるという荒業を見せた。さらに異常に高い防御力のため、パンサー隊の集中攻撃を無視し続けたほどである。しかし初めてキングゲイナーに対峙した際、素体となっているゴレームの機動力・格闘戦能力に支障をきたすことが理由でパワーコートは脱ぎ捨てられた。作中の登場に関しては、この時が最初で最後である。 アンダーゴレーム ロンドンIMAの特務部隊、セント・レーガン所属の量産型オーバーマンで、ゴレームの一般兵用の機体。飛行時に座禅のようなポーズをとり、フライングリングが光背のように展開することから仏像型オーバーマンとも呼ばれる。2体1組で敵を挟み込むことで「衝撃」のオーバースキル・通称「マッハバンドシェイカー」や、その発展技として、2体で衝撃のオーバースキルを球体にして飛ばし、電撃をまとったアンダースティックで跳ね返して敵に当てる攻撃(劇中では「火炎弾攻撃」と呼称)を発動させることができる。 他にもハンドガン、ミサイルとして飛ばせる指、ワイヤーで伸びる手による格闘とワイヤーから手を切り離し自在に操る「リモートフィスト」、左手に盾として使用できる大型の3連マシンガン「シールドガン」(腰に取り付け可能)を持つ。さらに、シールドガンには右手で持つ伸縮自在の棍棒「アンダースティック」が装着されている。アンダースティックは伸ばしている時の耐久力は無いものの、チェーンガン程度のサイズの時なら電撃を流すことができ、この時はチェーンガンと鍔迫り合いをすることや、前述のオーバースキルで作り出した火炎弾を跳ね返すことも出来るので白兵戦用の武器としては申し分ない性能を持つ。このように豊富な武装を持ち、特別なオーバーマンの操縦スキルを持たない一般兵でも扱いやすい機体になっている。 ザッキ機は機体を赤く高熱化させて、氷を溶かしながら潜ったりもした。 ジンバ アスハム・ブーンがドームポリス「ポリチェフ」の領主ピルウィッツ公から事実上強奪したオーバーマンで、単機でポリチェフ住民のエクソダスを阻止した。巨大な目玉のような模様が描かれた、ハート型の頭部が特徴。「窃盗」のオーバースキルを持ち、物体を透過する手や伸縮する腕、手から放たれるエネルギーを使用することで、大小構わず如何なるものも盗むことが可能である。盗むだけが能力ではなく、脚部に2本の対オーバーマン用のカッターを装備しており、それを用いた高速格闘能力も備えている。しかし、アスハムは盗むことに熱中してしまい、それをゲインに見透かされ腕を失って撤退した。 ジンバ(赤) オーバーフリーズしたサラ・コダマが駆る赤色のジンバ。アデット専用ドーベックと死闘を繰り広げたが、技量の差とゴレームの乱入でアデットに戦局を傾けられ、オーバースキルを保っておくための「袋」を破壊され撃破されている。 一度きりの登場とはいえ、ヒロインが駆るオーバーマンである。 ブリュンヒルデ 「ミイヤの街」と呼ばれた太古の遺跡(巨石群)の中心部で長い間眠り続けていた「(伝説の)彷徨えるオーバーマン」の異名を持つ。最初のエクソダスを行ったとされる初代ミイヤと深い関係がある「アーリーオーバーマン」でコックピットにはミイヤの映像が残されていた。 通常のオーバーマンの数倍の巨体で竜のような姿をしており、大中小と3対計6本持つ腕のうち一本が失われている。「重力」のオーバースキルを持ち、腹部にブラックホールのようなものを発生させて周囲のあらゆる物体を吸収する能力を有する。また頭部から「ブリュンビーム」という破壊力の強い光線を発射する。 ゲインの駆るシルエットマシン・ガチコの左腕に取り付けられている太い腕はこのブリュンヒルデのもので、デスネッタの襲撃によりガチコが大破した際にも左腕は無傷で残り、後にゲインが乗り込むことになるオーバーマン・エンペランザにもこの腕はそのまま付けられた。 ブリュンヒルデは一度、自身の強力な力によって作中世界から姿を消したが、終盤においてオーバーデビルの暴走に呼応する形で再出現、オーバーデビルとの一騎討ちの末に、オーバーフリーズの直撃を受け完全に消滅した。 アントリオン 本来は地下鉄掘削用に用いられる、四肢のみにオーバースキルを持つ作業用のセミ・オーバーマン(シルエットマシンとオーバーマンの中間のような機体)。作業用のため戦闘能力や銃火器を装備していないが独特な装備としては四肢から発射するドリルビットと4本の腕につけられた8本の爪を持ち、ドリルビットの発揮するオーバースキル「掘削」による自由自在の地中移動能力を発揮する。また、地盤を緩めたり磁場に干渉することも可能な上、マグマの中でも活動可能なほどの耐熱性能も有する。ドリルビットは単体でもオーバースキルを発動でき、キングゲイナーはエンゲ機から奪った2つのドリルビットのオーバースキルを発動し、1つは投げて脱出用の横穴作りに使用し、もう1つを手に持って脱出地点までの縦穴を掘るのに使った。 ドームポリス・ガンガランの地下で、カシマル・バーレの指揮の元、ケジナン、エンゲの3機でキングゲイナーと地下で会敵したが作業用であることから殊更に戦闘を行うことはせず、隙を突いてマグマを活性化させて凍土を溶かし、都市ユニットを沈み込ませようとした。 メックスブルート ケジナンがシベリア鉄道上部より受領したオーバーマン。 搭乗者のイマジネーションを直接的に幻として映し出す「幻影」のオーバースキルを持ち、ほぼ無制限に幻を映し出すことが可能である。幻は攻撃されると消える特徴がある。幻は広範囲に複雑なものも出せるがメックスブルートからある程度離れると消えてしまう。アデット・キスラーを幻で追い詰めたものの、作り出す速度を上回る速さでキングゲイナーに幻を撃破された続けた結果、幻の過剰出力からオーバースキルが機能停止し、暴かれた本体を一瞬の内にバラバラにされた。 武装は緑色の電撃球「メックスサンダー」。ドーベックの上部装甲に防がれる程度の威力であり、攻撃力は高いとはいえない。 プラネッタ カシマル・バーレのオーバーマン。 人の心の内を探り出し、周囲にその意思を放出させる「伝心」のオーバースキルを持つ。そのオーバースキルを広範囲に発動させ、広範囲の人々を混乱させることを得意とし、直接戦闘でも「伝心」のオーバースキルによる先読みで相手の攻撃を間違いなく回避するというほぼ無敵とも言える能力を持っていた。武装はマントを変形させた近距離から中距離攻撃用の電気兵器干渉用鞭(ゲイナーは電磁干渉鞭と呼称)のみである。鞭一発一発の威力は大きくはないが、攻撃を回避出来ずに数を受け続けたキングゲイナーは脚部装甲の破壊やダメージ蓄積による機能麻痺という被害を被っている。 カシマルがヤーパン・エクソダスの集団に攻撃をかけた際、オーバースキルを利用してキングゲイナーとガチコを執拗に追い詰めたが、ゲイナーが「どんなことを考えていても読み取られてしまう」というオーバースキルを逆用しようと延々と続けた繰言が偶然ながらカシマル本人の忌み嫌う話であったため、話を遮断しようとオーバースキルを停止してしまった隙を突かれてプラネッタはキングゲイナーに左手と右足を切り取られて中破、カシマルは単独飛行が可能な脱出ポッドとなっている操縦席で煙幕を巻きながら脱出した。 後にオーバーデビル(ゲイナー)の暴走を止めるため、エンペランザがこのオーバースキルを利用するためにオーバーコートを着用した。 プラネッタと後述するデスネッタ、リオンネッターは、人間の精神・感覚に影響するオーバースキルを持つことから「サイコオーバーマン」と総称されることもある。 デスネッタ カシマル・バーレのオーバーマン。プラネッタ大破後に受領したもので、精神的攻撃により人を不安にさせるという、「不安」のオーバースキル「不安ウェーブ」を使う。 通常は分離式自律稼動型の突撃自爆戦車と合体しており、素体はプラネッタと同じものを使用しているが、突撃戦車と切り離された状態では戦闘能力は皆無であり、それを補うためにミラーコートを装備してカモフラージュすることが可能となっている。精神攻撃を操作する装備はデスネッタが直接手に持ってリモートコントロールしており、これを通じて突撃自爆戦車の遠隔操作が可能となっている。突撃自爆戦車には大量の爆薬を積み込んでおり、周囲に甚大な被害を与えるようになっている。 ヤーパン・エクソダス阻止でこの機体を導入した際、ゲイナーに「(不安の)発信源に近付くほどに不安が増す」という特性を感づかれ、それが原因となり発見されて撃破こそされなかったもののリモコンを破壊され遠隔操作不能となってしまい撤退を余儀なくされた。戦果としては精神支配に囚われたガウリを利用することで、取り込んだガチコを結果的に突撃戦車の自爆という形で大破させている事が挙げられる。その後は登場していない。 味方に不安ウェーブの効果が出ないように、ウェーブ遮断メットという不安ウェーブの効果を遮断するヘルメットがシベリア鉄道警備隊に配られたが、ちょっとの衝撃で用を成さなくなった。 リオンネッター カシマル・バーレが最後に搭乗したオーバーマンで、一本足の蟹オーバーマンと呼ばれた。 対象がもっとも苦手なものを投影し具現化させる「恐怖具現化」のオーバースキルで、キングゲイナーやアデットの駆るドーベック、サラの駆るパンサーを苦しめた。このオーバースキルはメックスブルートほど自由かつ大量に幻を作れたりはしないが、実体があって戦力になる強力なオーバースキルである。一定以上の攻撃を受けると消滅するようだが、簡単に次の幻を作り出すことができる。相手が苦手なもの以外にリオンネッター自体の分身も作れる。武装は手持ちの4連ミサイルランチャーのみだが、2本の足を必要としないほどの推力と両腕による近接戦はかなり強力。 オーバースキルの優位性を過信したカシマルがゲインが最も恐怖する記憶(10年前のエクソダス失敗でのガエラという女性との死別)を投影したこととカシマルに利用されたことを悔やんだ親友エリアルが自決したことがゲインの逆鱗に触れ、エンペランザとの一騎討ちとなって敗走する背後から、怒りの余り自らのポリシーをかなぐり捨てたゲインのエンペランザによる乱射を受け爆散した。 ドミネーター キッズ・ムントの隠し持つシベリア鉄道警備隊秘蔵の伝説のアーリーオーバーマン。手足を伸ばす・体の一部を武器や盾に変化させる・硬度を高める・体積の増加・ダメージを受けても再生する・パイロットの顔かたちを機体に映し出すといったほとんど何でもありのオーバースキル「変形」を持つ。また、体積増加の応用で体の一部を弾として撃ち出すこともできる。戦闘時は人型が基本だが、移動時や待機時は「ドミネーターカプセル」と呼ばれる卵のような形に変形する。オーバースキルのみならず、基本的な機動力や運動能力も高い。 シンシアのオーバーセンスと相俟って、高機動かつ変幻自在の絶大な戦闘能力によりキングゲイナーを圧倒しゲイナーに重傷を負わせる。思いもよらずゲイナーに重傷を負わせたことに衝撃を受け、塞ぎ込んだままのシンシアからアスハム・ブーンが奪取・搭乗する。 キッズ・ムントが2号機を隠し持っていたが、オーバーフリーズに拮抗する能力を持ちながらも覚醒したオーバーデビルによって撃破された。 自動操縦機能を搭載しており、空中に待機させ呼び寄せることができる。衝撃吸収用のエアバッグ機能を搭載している。 ブラック・ドミ シベリア鉄道警備隊がドミネーターの量産型として制作したオーバーマン。鉄道警備隊本社親衛隊に配備されている。変形するは腕のみで、2体1組で電撃攻撃が可能。オーバースキルは「絡め手」。このスキルでオーバーデビルと戦うが、オーバーフリーズさせられてしまった。残りはアスハム・ブーンの指示でキングゲイナーを攻撃するが撃破された。アスハムの命令を無視した2機は無事だった。 エンペランザ 寄せ集めの部品から作られたゲイン専用オーバーマン。名前はかつてウッブスのエクソダス時にゲインが駆っていた外観や性能を明らかにされていないオーバーマンに由来している。ガチコの大型ライフルとブリュンヒルデの左腕を装着しており重力操作のオーバースキルを発揮し、ブラックホールラケットというオーバースキル技も披露した。暴走したオーバーデビルとの戦いではプラネッタのオーバーコートを装着し高機動戦闘を行ったが、最終的にはオーバーデビルの激しい攻撃を回避しきれずに頭部の陥没、左肩の突起の破損、両膝を切断された末に墜落した。 大型ライフルは右肘に折りたたまれて接続されている。そのため重心がやや右より。 オーバーデビル 最悪かつ最強(最凶)のオーバーマン。アーリーオーバーマンと同様に人間のそれとは全く異質な意思を有し、世界を凍らせるという野望があり、人間の欲望や葛藤に敏感に反応する性質を持つ。過剰性能から周囲に災厄を招き、制御・抑制不能な状態(暴走)となることも多く扱いには注意を要する。暴走したオーバーデビルはその高い基本性能もあって災害しか巻き起こさない。通常のオーバーマンの数倍の巨体、豚のような顔、コウモリのような耳、そして細長い脚と六本の腕をもった不気味な姿をしている。全てを凍りつかせるオーバースキル「オーバーフリーズ」を持つ。氷の門「アイシングゲート」を開くことが出来る。高いオーバーセンスを持つ者を取り込み、操ってしまう。 「オーバーフリーズ」の他にも様々な能力を持ち、光の反射率を変えて自身の大きさを錯覚させる、手の先など体の一部を変形させてキングゲイナーや列車を取り込む、オーバーマンやオーバーコートを実体化させたりゲイナーをオーバーマン化させる、ネットの世界に入り込みそれを通じて現実世界をオーバーフリーズさせるなどの現象を引き起こした。 かつてブリュンヒルデがパーツに分解してシベリアの大地に封印したが完全には封印できてはいなかった。それをキッズ・ムントが発掘してアガトの結晶の動力源としていたが、アガトの結晶に連れ込まれたシンシアを取り込んで単体として復活し、ゲイナーやサラの心を凍りつかせて自分の配下にした後、シベリア鉄道の線路に仕込まれたマッスルエンジンを介して自らの野望を果たそうとしたが、プラネッタのオーバーコートを纏ったエンペランザの働きで正気を取り戻したゲイナーとシンシアの搭乗したキングゲイナーのオーバーヒートにより倒された。
※この「オーバーマン」の解説は、「OVERMANキングゲイナー」の解説の一部です。
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