棋士_(将棋)とは? わかりやすく解説

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棋士 (将棋)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 02:12 UTC 版)

棋士(きし)は、将棋用語としては俗に「将棋指し」「プロ棋士」ともいい、本将棋職業(専業)とする人のこと。現代では日本将棋連盟に所属し、棋戦に参加する者を指す(狭義)。女性限定の制度による「女流棋士」(女流のプロ)やアマチュアへの普及・指導を担当する「指導棋士」は(狭義の)棋士ではない。


注釈

  1. ^ ただし、奨励会制度開始前に棋士になった場合は、初段になった時に「専門棋士開始」であったが、遡って「四段になった時がプロ棋士になった時」として適用している。
  2. ^ 実力制名人3期以上(もしくは抜群の成績で2期)で永世名人以外(すなわち5期未満)の70歳以上の引退棋士に贈られる称号である。したがって、実力制名人を獲得した者全員に贈られるわけではない。
  3. ^ 一時名人に推挙されるも当時専業棋士でなかったため辞退。後に棋界統一に貢献したことで名誉名人を贈られた。
  4. ^ 関根名人在位時には関根を凌ぐ実力者であり、次期名人と目されていた。しかし、関根が実力名人制を導入したことにより、すでに全盛期を過ぎていた土居は名人になれず、名誉名人を贈られた。
  5. ^ 江戸時代の家元制が崩壊してから日本将棋連盟が棋界の統一を終えるまでの間、現在の将棋連盟とは独立して活動していた関西の棋士が名乗った称号である。現在の日本将棋連盟は認めていない。
  6. ^ 次期名人に内定し、先代の兄・三代伊藤宗看の養子となっていたが、兄より先に没したため、特例として没後に追贈された。
  7. ^ 大阪名人を名乗ったことが東京側から名人僭称とみなされて追放されていたが、後に和解。没後に名人が追贈された。
  8. ^ 北条秀司の戯曲『王将』などで親しまれ、没後に追贈された。
  9. ^ 圧倒的な棋力から棋聖と呼ばれた江戸時代の棋士であり、十三世名人の関根金次郎によって公式に称号が追贈された。現在の棋聖戦は天野の称号に由来する。しかし、何らかの理由により現在の日本将棋連盟では天野の称号としてこれを使用していない。
  10. ^ 塚田は九段戦3連覇の実績によって永世九段となり、没後に名誉十段が追贈された。
  11. ^ 初代大橋宗桂が徳川家康から将棋所(名人)に任ぜられて400年の節目を記念し、日本将棋連盟から追贈された。なお、段位としての十段であるとされる。
  12. ^ また、家康は日本棋院からも囲碁殿堂に顕彰されている。
  13. ^ タイトルとしての九段と段位としての九段は明確に区別されてはおらず、称号も段位に準じて扱われる。
  14. ^ 永世九段の資格に基づいて九段を名乗ったが一般に段位として扱われている。
  15. ^ 永世九段の資格を得た時点で段位がすでに九段であり、両者はことさら区別されてはいなかったので、日本将棋連盟で段位とは別に永世九段として扱われたことはない。
  16. ^ 一般的には、タイトル戦の九段戦とは関係なく、段位としての九段の名誉称号とされている。
  17. ^ 金が名誉九段になった時点では段位制度が八段までしかなく、九段と言えばタイトル戦の九段戦であった。したがって、タイトル称号としての名誉九段として与えられた可能性がある。しかし、いずれにしてもタイトルとしての九段と段位としての九段はほとんど区別されていなかったため、現在では段位とみなされている。
  18. ^ 一般棋戦NHK杯でのみ使われる称号である。
  19. ^ 後に名人となった丸山忠久でも、奨励会の入会試験で2度落ちている。
  20. ^ 奨励会の段級位は、成績不振の場合には降級・降段することもある。
  21. ^ 第3-5期にアマチュア枠と女流枠が設けられていた。
  22. ^ 第30-32期はアマ枠を設けず。
  23. ^ 2022年度11月-3月の小山による実施まで。
  24. ^ 当初の予定では2022年11月-12月の期間で里見と小山の編入試験が並行して行なわれる予定であったが、小山の編入試験開始前の10月に里見の編入試験が終了する結果となり、両者の棋士編入試験が並行実施されることはなかった。
  25. ^ フリークラスに在籍できる最終年度の時点で6組に在籍している場合は、5組昇級が翌期の出場条件である。
  26. ^ 「年限」到達者の「次期棋戦参加条件」として「銀河戦優勝」を含めているが、一方、フリークラス編入者の順位戦復帰条件の一つ「全棋士参加棋戦優勝」には「銀河戦優勝」が該当しており、「年限」到達前に「銀河戦優勝」を達成した場合は当該者は順位戦に復帰し現役続行となる。従って、ここで記載されている「年限」到達者の「次期棋戦参加条件」は「年限」到達後の達成を含む(ただし進行中の棋戦に限る)ことが判る。
  27. ^ 具体例として、2011年度以降にフリークラス宣言をして、2014年度の各棋戦の最終対局をもって引退が決まっていた淡路仁茂は、竜王戦で5組に在籍した状態で現役最終年度を終え、当年度も5組残留相当の成績を修めたものの、翌年度の竜王戦には出場できずに全公式戦を引退となった。尚、淡路はこの規定により、2014年度の最終対局(第28期竜王戦5組残留決定戦・対森雞二)が、勝敗結果にかかわらず現役最終局となり、当該対局に勝利した事で、現役最後の対局を白星で飾るという将棋界では珍しい記録を残した。
  28. ^ 改定前は、引退が決まった年度の末日(3月31日)とされていた。この規定改定は、引退間際に翌年度のNHK杯戦の予選を通過した有吉道夫の引退予定変更とともに発表された。小阪昇は、この改定により、引退日が2010年7月14日まで延びた。
  29. ^ 戦後に四段に昇段し、日本将棋連盟に確実なデータがある棋士を対象としている[29]

出典

  1. ^ 東公平『升田幸三物語』(日本将棋連盟)P.36
  2. ^ 加藤治郎原田泰夫田辺忠幸『証言・昭和将棋史』(毎日コミュニケーションズ)P.10、P.215-220
  3. ^ 藤井聡太王将が最年少名人と7冠に王手 渡辺明名人から3勝 名人戦 - 毎日新聞デジタル 2023年5月22日掲載。
  4. ^ a b c d e 松本博文 (2019年6月11日). “羽生善治九段は6位 藤井聡太七段は93位 将棋界の席次はどのようにして決まるか”. Yahoo!ニュース 個人. 2020年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月15日閲覧。
  5. ^ 叡王戦第5期までの序列は、叡王戦を序列3位とする「竜王戦、名人戦、叡王戦、王位戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦」の順。同第6期以降は、叡王戦を序列6位とする「竜王戦、名人戦、王位戦、王座戦、棋王戦、叡王戦、王将戦、棋聖戦」の順。同第8期以降は、叡王戦を序列4位とする「竜王戦、名人戦、王位戦、叡王戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦」の順。2021年6月4日実施の棋士総会で公表された「令和2年度事業報告書」および「令和3年度事業計画書」の中での掲出順で上記の違いを確認できる。なお、叡王戦の創設前および第2期以前は上記の序列順から叡王戦を省いた順。情報公開 - 将棋連盟について”. 日本将棋連盟. 2022年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月25日閲覧。
  6. ^ 谷川浩司名人(当時)「その日、連盟に着くまでの私は、正にルンルン気分であった」”. 将棋ペンクラブログ. 2023年8月27日閲覧。
  7. ^ 将棋の「前竜王」や「前名人」の肩書廃止…20年以上、誰も名乗らず : 竜王戦 : 囲碁・将棋 : ニュース”. 読売新聞オンライン (2020年2月18日). 2020年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月18日閲覧。
  8. ^ 臨時総会について日本将棋連盟 2010年11月12日
  9. ^ a b c d e f g h プロ編入試験についてのお知らせ”. 日本将棋連盟. 2020年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月30日閲覧。
  10. ^ a b アマチュアの折田翔吾さん、棋士編入試験受験へ”. 日本将棋連盟. 2020年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月30日閲覧。
  11. ^ 「▲将棋△」『産経新聞』(東京本社)2019年11月11日付朝刊、12版、5面、囲碁・将棋欄。
  12. ^ 朝日新聞将棋取材班 (2019年10月28日). “ツイート”. Twitter. 2020年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月30日閲覧。
  13. ^ アマチュアの折田翔吾さん、棋士編入試験受験へ 【試験日追加決定】|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2020年1月30日閲覧。
  14. ^ 女流棋士・奨励会員・アマチュアにおける 棋戦優秀者への対応について|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2021年2月16日閲覧。
  15. ^ アゲアゲ将棋ユーチューバー、五番勝負でプロに挑戦”. 朝日新聞. 2020年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月30日閲覧。
  16. ^ 将棋ニュース - 女流棋士・奨励会員・アマチュアにおける 棋戦優秀者への対応について, 日本将棋連盟, (2021年02月05日), https://www.shogi.or.jp/news/2021/02/post_1989.html 2022年5月31日閲覧。 
  17. ^ 将棋の折田翔吾アマ、プロ編入受験へ - 2019年9月7日閲覧。「日本将棋連盟によると受験資格を得たのは4人目」(斜体は引用者)
  18. ^ 「第67回全日本アマチュア将棋名人戦」全国大会【開催報告】 - 2019年9月7日閲覧。「第67代アマ名人となった加來博洋さん。奨励会の元三段で、(後略)」(斜体、省略は引用者)
  19. ^ アマチュアの今泉健司さん、プロ編入試験受験へ日本将棋連盟 2014年7月24日
  20. ^ a b 今泉健司氏、プロ合格日本将棋連盟 2014年12月8日
  21. ^ プロ編入試験の資格獲得=大阪の折田翔吾アマ-将棋 - 時事通信社 2019年8月30日
  22. ^ 将棋ユーチューバー折田さんプロ入り「信じられない」 ”. www.asahi.com. 朝日新聞. 2020年2月25日閲覧。
  23. ^ 里見香奈女流四冠、棋士編入試験受験へ”. 日本将棋連盟 (2022年6月28日). 2023年1月11日閲覧。
  24. ^ 小山怜央アマ、棋士編入試験受験へ|将棋ニュース|日本将棋連盟, (2022-09-30), オリジナルの2022-09-30時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20220930074514/https://www.shogi.or.jp/news/2022/09/post_2183.html 2022年9月30日閲覧。 
  25. ^ 将棋ニュース - 女流棋士、女性奨励会員の棋戦参加について, 日本将棋連盟, (2019年08月07日), https://www.shogi.or.jp/news/2019/08/post_1810.html 2022年5月31日閲覧。 
  26. ^ フリークラス棋士の引退について日本将棋連盟 2010年07月14日
  27. ^ 引退規定の変更について日本将棋連盟 2010年02月25日
  28. ^ a b “将棋:14歳のプロ棋士誕生 最年少記録62年ぶり更新 - 毎日新聞” (日本語). 毎日新聞. (2016年9月3日). オリジナルの2018年1月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180127055249/https://mainichi.jp/articles/20160904/k00/00m/040/004000c 2018年4月11日閲覧。 
  29. ^ a b 新四段誕生のお知らせ *藤井聡太(史上最年少四段)・大橋貴洸」『日本将棋連盟』、2016年9月3日。2018年4月11日閲覧。オリジナルの2017年3月12日時点におけるアーカイブ。
  30. ^ “【将棋】藤井聡太五段が中学生初の棋戦優勝 朝日杯オープン、六段に昇段” (日本語). 産経新聞. (2018年2月17日). オリジナルの2018年2月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180219011003/http://www.sankei.com/life/news/180217/lif1802170032-n1.html 2018年4月11日閲覧。 
  31. ^ 棋士派遣 - 日本将棋連盟
  32. ^ 段・級に関するご質問日本将棋連盟
  33. ^ 瀬川晶司氏のプロ入りについて日本将棋連盟



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