渡辺和史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 09:00 UTC 版)
渡辺和史 七段 | |
---|---|
名前 | 渡辺和史 |
生年月日 | 1994年10月6日(30歳) |
プロ入り年月日 | 2019年10月1日(24歳) |
棋士番号 | 319 |
出身地 | 東京都新宿区 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 豊川孝弘七段 |
段位 | 七段 |
棋士DB | 渡辺和史 |
2024年5月9日現在 |
渡辺 和史(わたなべ かずし、1994年10月6日 - )は、将棋棋士[1]。豊川孝弘七段門下[1]。棋士番号は319[1]。東京都新宿区出身[1]。東京都立白鷗高等学校・附属中学校[2]、大正大学文学部歴史学科(日本史コース)卒業[3]。
棋歴
プロ入りまで
1999年(5歳頃)、父が突然仕事帰りに将棋の盤と駒を買ってきた事がきっかけに始める[1][4]。
2006年、第31回小学生名人戦[5]・第5回全国小学生倉敷王将戦 高学年の部東京都代表[4][6]。
関東研修会を経て、2008年に関東奨励会入会[4]。
奨励会三段リーグは、第54回(2013年度下期)より参加[1]。初参加の成績は1勝17敗に終わるも、師匠の豊川孝弘から「まだ先がある。二段に落ちてもいいくらいの気持ちで」と励まされ、のびのびと指せるようになったという[4][7]。第65回(2019年上期)三段リーグにて、現行制度で最多タイ(達成当時)の勝利数となる16勝2敗の成績を挙げ、リーグ1位で四段昇段プロデビューを決めた[1]。
プロ入り後
デビューとなった2020年度から活躍し、31勝15敗と大きく勝ち越した。また、この成績により第71回NHK杯の「総合成績優秀者」による予選シード権を手に入れると、本戦1回戦でも井上慶太に勝利した[注釈 1]。
2021年度は、順位戦2期目となる第80期順位戦にて、9勝1敗(1位)の成績でC級1組への昇級及び五段への昇段を果たした。特に最終局は「勝てば昇級が確定、負ければ6位」という状態になったが、相手は「勝てば降級点回避」が決まる長谷部浩平との大勝負だった。結果、渡辺は長谷部との激闘を制したが、「最後はたまたま勝ちが転がり込んできた感じで反省の内容」と振り返っている[8]。また、歴代7位タイとなる20連勝を達成し、将棋大賞の連勝賞を受賞した。
2022年度は、開幕5連敗とつまずいたものの、10月から連勝を重ね第81期順位戦にて、B級2組への昇級と六段昇段を果たした。また二年連続での連勝賞(18連勝、歴代10位タイ)を受賞した。
棋風
人物・エピソード
- 趣味はバスケットボール[1][10]。中学・高校時代には昼休みに同級生だった佐々木勇気と一緒にバスケに興じており[11]、今でも佐々木勇を部長とした将棋連盟バスケ部に所属している[11]。
- 最後となった三段リーグでは、前述通り現行制度で最多タイの勝利数となる16勝2敗の成績だったが、渡辺自身は「自分の実力からしたら出来過ぎ。運が味方をしてくれた。」とコメントしている[7]。また、師匠の豊川からはTwitterで「和史!おめでとう!」とプロ入りを祝福された[12]。
- 2023年12月25日より連載開始の少年ジャンプ+『目の前の神様』(久野田ショウ)の将棋監修[13]。
昇段履歴
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
- 研修会(関東研修会)
- 奨励会(関東奨励会)
- 四段昇段以降
- 2019年10月 1日 : 四段 = プロ入り [1]
- 2022年 3月10日 : 五段(順位戦C級1組昇級、通算64勝29敗)[24][注釈 2]
- 2023年 3月 7日 : 六段(順位戦B級2組昇級、通算91勝43敗)[30][31][注釈 3]
- 2024年 5月 9日 : 七段(竜王ランキング戦連続2回昇級、通算116勝61敗)[37][注釈 4]
主な成績
将棋大賞
在籍クラス
開始 年度 |
順位戦 出典[40]
|
竜王戦 出典[41]
| ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
2019 | 78 | 四段昇段前 | 33 | 6組 | -- | 0-1/昇3-1 | ||||||||||||
2020 | 79 | C249 | 6-4 | 34 | 6組 | -- | 2-1/昇2-1 | |||||||||||
2021 | 80 | C225 | 9-1 | 35 | 6組 | -- | 3-1/昇1-1 | |||||||||||
2022 | 81 | C128 | 9-1 | 36 | 6組 | -- | 5-1 (2位) | |||||||||||
2023 | 82 | B223 | 6-4 | 37 | 5組 | 1-1 | 5-0 (1位) | |||||||||||
2024 | 83 | B210 | - | 38 | 4組 | -- | ||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
年度別成績
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 3 | 1 | 2 | 0.3333 | [42] |
2016年度 | 3 | 1 | 2 | 0.3333 | [43] |
2017年度 | 0 | 0 | 0 | -.---- | |
2018年度 | 4 | 2 | 2 | 0.5000 | [44] |
2019年度 | 2 | 1 | 1 | 0.5000 | [45] |
通算 | 12 | 5 | 7 | ||
2019年10月1日 四段昇段 四段昇段前の成績(棋士通算成績の合算対象外) |
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) | 通算成績 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019年度 | 6 | 3 | 3 | 0.5000 | [46] | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
2020年度 | 46 | 31 | 15 | 0.6739 | [47] | 52 | 34 | 18 | ||
2019-2020 (小計) |
52 | 34 | 18 | 通算成績 | ||||||
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
2021年度 | 43 | 31 | 12 | 0.7209 | [48] | 95 | 65 | 30 | 0.6842 | [49] |
2022年度 | 42 | 29 | 13 | 0.6904 | [50] | 137 | 94 | 43 | 0.6861 | [51] |
2023年度 | 36 | 20 | 16 | 0.5555 | [52] | 173 | 114 | 59 | 0.6589 | [53] |
2021-2023 (小計) |
121 | 80 | 41 | |||||||
通算 | 173 | 114 | 59 | 0.6589 | [53] | |||||
2023年度まで |
脚注
注釈
- ^ 2回戦では、師匠の豊川を1回戦で破った千田翔太と対局し敗北。
- ^ 第80期順位戦C級2組11回戦・長谷部浩平四段 戦(2022年3月10日対局)の対局開始前時点の渡辺の通算成績は、棋譜中継コメント(4手目)より「渡辺の(略)通算成績は57勝29敗(0.663)」[25]。この対局に勝利し「通算58勝29敗」。
この成績には未放送のテレビ棋戦である「第30期銀河戦本戦Cブロック4-6回戦」の3局(3勝0敗、2021年12月-2022年2月対局、2022年4月以降放送)[26][27][28]および「第72回NHK杯予選」の3局(3勝0敗、2022年2月対局、2022年3月下旬に対局結果公開)[29]の対戦成績を含めておらず、この未算入の「6勝0敗」を「58勝29敗」に加算して「通算64勝29敗」。 - ^ 第81期順位戦C級1組11回戦・都成竜馬七段 戦(2023年3月7日対局)の対局開始前時点の渡辺の通算成績は、棋譜中継コメント(7手目)より「渡辺の(略)通算成績は84勝43敗(0.661)」[32]。この対局に勝利し「通算85勝43敗」。
この成績には未放送のテレビ棋戦である「第31期銀河戦本戦Dブロック4-6回戦」の3局(3勝0敗、2022年12月-2023年1月対局、2022年4月以降放送)[33][34][35]および「第73回NHK杯予選」の3局(3勝0敗、2023年2月対局、2023年3月下旬に対局結果公開)[36]の対戦成績を含めておらず、この未算入の「6勝0敗」を「85勝43敗」に加算して「通算91勝43敗」。 - ^ 2024年5月9日時点で公開された渡辺の通算成績は116勝59敗[38]。この成績には未放送のテレビ棋戦である「第32期銀河戦本戦Dブロック7回戦」の1局(0勝1敗、2024年4月3日対局、2024年6月27日放送)[39]および「第74回NHK杯 本戦」の1局(0勝1敗、2023年5月12日放送)の対戦成績を含めておらず、この未算入の「0勝2敗」を「116勝59敗」に加算して「通算116勝61敗」。
- ^ 2023年7月12日の100勝達成局の次の対局は第82期順位戦B級2組2回戦・対及川拓馬七段戦(2023年7月19日)で[54]、この対局開始前時点での通算成績は棋譜中継コメント(3手目)より「渡辺の今年度成績は6勝4敗(0.600)/(略)/通算成績は100勝47敗(0.680)」[55]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m
- 「新四段誕生のお知らせ」『日本将棋連盟』2019年8月15日。
- 「新四段誕生のお知らせ」『日本将棋連盟』2019年9月7日。
- ^ 相崎修司. “「藤井聡太七段とは一局でも多く当たりたい」多くのドラマを経て、新四段2人がデビュー | 観る将棋、読む将棋”. 文春オンライン. 2020年11月27日閲覧。
- ^ -歴史学科卒業生の活躍 大正大学 2019年10月18日
- ^ a b c d 「渡辺和史四段プロフィール」『甲斐日向将棋教室』。2020年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「第31回小学生将棋名人戦【代表選手一覧】」『日本将棋連盟』。
- ^ 「第5回 大山名人杯争奪全国小学生倉敷王将戦 高学年の部 成績表 (PDF)」『文化振興課 倉敷市』。(注:出典元の表記は「第4回」と誤記)
- ^ a b “渡辺和史三段、石川優太三段がプロ入り決める 10月1日付で四段昇段― スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポーツニッポン (2019年9月7日). 2019年10月1日閲覧。
- ^ “昨日の対局は勝ちでした。” (2022年3月11日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ NHK杯テレビ将棋トーナメントにおける羽生九段の評。2023年6月18日放送
- ^ 渡辺 和志 Twitter
- ^ a b 読売新聞2023年5月17日夕刊「将棋ざっくばらん」より
- ^ “和史!おめでとう!” (2019年8月15日). 2022年5月22日閲覧。
- ^ “監修させて頂いた漫画「目の前の神様」が本日から連載開始しました。是非お読み頂ければ嬉しいです。” (2023年12月25日). 2023年12月25日閲覧。
- ^ 「関東・東海研修会名簿」『日本将棋連盟』。2003年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「関東研修会F・Gクラス」『日本将棋連盟』。2007年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「関東研修会Eクラス」『日本将棋連盟』。2007年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「関東研修会B・Cクラス」『日本将棋連盟』。2007年1月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「関東研修会B・Cクラス」『日本将棋連盟』。2007年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ a b 「関東奨励会4級【2008年3月~2008年9月】」『日本将棋連盟』。
- ^ 「関東奨励会3級【2008年10月~2009年3月】」『日本将棋連盟』。
- ^ a b 「関東奨励会1級【2009年10月~2010年3月】」『日本将棋連盟』。
- ^ 「関東奨励会初段【2010年4月~2010年10月】」『日本将棋連盟』。
- ^ 「関東奨励会二段【2011年4月~2011年9月】」『日本将棋連盟』。
- ^ 「渡辺和史四段が五段に昇段」『日本将棋連盟』2022年3月11日。
- ^ (
要購読契約)「長谷部-渡辺和 | 2022/03/10 第80期順位戦C級2組11回戦」『名人戦棋譜速報』2022年3月10日。
- ^ 「第30期銀河戦 本戦トーナメント Cブロック 4回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 「第30期銀河戦 本戦トーナメント Cブロック 5回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 「第30期銀河戦 本戦トーナメント Cブロック 6回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 2022年2月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^ 「渡辺和史五段が六段に昇段」『日本将棋連盟』2023年3月8日。
- ^ 「通算成績(2023年3月8日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』。2023年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ (
要購読契約)「渡辺和-都成 | 2023/03/07 第81期順位戦C級1組11回戦」『名人戦棋譜速報』2023年3月7日。
- ^ 「第31期銀河戦 本戦トーナメント Dブロック 4回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 「第31期銀河戦 本戦トーナメント Dブロック 5回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 「第31期銀河戦 本戦トーナメント Dブロック 6回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 2023年2月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^ 「渡辺和史六段が七段に昇段|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2024年5月10日。
- ^ 「通算成績(2024年5月9日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』。2024年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「第32期銀河戦 本戦トーナメント Dブロック 7回戦」『囲碁・将棋チャンネル』。
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
- ^
- 2015年6月 0勝1敗/2015年6月の対局結果 - 日本将棋連盟
- 2015年11月 1勝0敗/2015年11月の対局結果 - 日本将棋連盟
- 2016年2月 0勝1敗/2016年2月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^
- 2016年6月 0勝1敗/2016年6月の対局結果 - 日本将棋連盟
- 2016年11月 1勝0敗/2016年11月の対局結果 - 日本将棋連盟
- 2017年3月 0勝1敗/2017年3月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^
- 2018年5月 1勝1敗/2018年5月の対局結果 - 日本将棋連盟
- 2018年11月 1勝0敗/2018年11月の対局結果 - 日本将棋連盟
- 2019年3月 0勝1敗/2019年3月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^
- 2019年5月 1勝1敗/2019年5月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^ 2019年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 2020年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 2021年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 通算成績(2022年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2022年4月1日時点のアーカイブ)
- ^ 2022年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 通算成績(2023年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2023年4月1日時点のアーカイブ)
- ^ 2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ a b 通算成績(2024年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)
- ^ 2023年7月の対局結果 - 日本将棋連盟
- ^ (
要購読契約)「渡辺和-及川 | 2023/07/19 第82期順位戦B級2組2回戦」『名人戦棋譜速報』2023年7月19日。
関連項目
外部リンク
- 渡辺和史 棋士データベース - 日本将棋連盟
- 渡辺 和史 (@beaverwatakazu5) - X(旧Twitter)
将棋 棋士番号・女流棋士番号 一覧 |
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番号一覧には退会者の番号を含む / 詳細は 将棋棋士一覧 および 将棋の女流棋士一覧 を参照 |
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