矢倉規広とは? わかりやすく解説

矢倉規広

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/03 07:40 UTC 版)

 矢倉規広 七段
名前 矢倉規広
生年月日 (1974-09-27) 1974年9月27日(49歳)
プロ入り年月日 1994年10月1日(20歳)
棋士番号 212
出身地 大阪府
所属 日本将棋連盟(関西)
師匠 桐山清澄九段
弟子 崎原知宙
段位 七段
棋士DB 矢倉規広
2015年7月2日現在
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矢倉 規広(やぐら のりひろ、1974年9月27日 - )は、将棋棋士棋士番号は212。桐山清澄九段門下。大阪府出身。

人物

名字が、将棋の戦法の一つである「矢倉」と同じであるということで、とかく話題となるが、実際は、居飛車振り飛車ともに指す。力戦を得意とする。また、居飛車穴熊対策の一つである矢倉流中飛車は彼の名に由来する(急戦矢倉の一種である矢倉中飛車とは異なる)。

棋歴

プロ入り以来3期目の参加となる第56期順位戦(1998年度)で8勝2敗の好成績を収めるも、次点で昇級を逃す。同じ8勝2敗でも矢倉よりリーグ表順位が上の岡崎洋深浦康市が昇級した。このときのリーグ表順位は、矢倉が5位、岡崎が2位、深浦が3位であり、僅かな順位の差に泣いた。

1998年度、1999年度の王位戦において、2年連続でリーグ入り。1998年度は、紅組リーグで北島忠雄に1勝を挙げたのみとなり、リーグ陥落。1999年度は白組リーグで藤井猛高橋道雄らを破って3勝2敗としたが、矢倉を含む4名が3勝2敗で並んだ。そして、トーナメント形式で行われた白組プレーオフ1回戦では矢倉は再び高橋を破るが、決勝で屋敷伸之に敗れて挑戦者決定戦に進むことはできなかった。

第13期(2000年度)竜王戦6組において、昇級者決定戦を制し、5組へ昇級。

第17期(2004年度)竜王戦5組において、初のランキング戦優勝を果たすと同時に、4組へ昇級。本戦の1回戦では6組優勝者の西尾明に勝利した(2回戦で3組優勝者の神谷広志に敗退)。

2006年度は大不振に陥り、年度単位で5勝17敗の成績に終わった。しかし、順位戦では3勝7敗の成績で、降級点の回避には成功した。

第67期順位戦(2009年度)C級2組6回戦(佐藤紳哉戦)において、大阪が正しい対局場であったにもかかわらず、事務方のミスで対局通知に東京と記してあったことから、不戦敗にはならず対局が翌日に延期されるという珍事があった[1]

第22期(2009年度)竜王戦4組において2回戦で敗退。また、昇級者決定戦(敗者復活)のトーナメントでは4連勝するも、3位決定戦(決勝)で敗退する。竜王戦では通常2度敗れると昇級はできないが、中原誠(1組)の引退による上位クラスの欠員補充のため、4組では追加の昇級者決定戦が組まれ、3位決定戦の敗者2名である矢倉と脇謙二が対決することとなった。矢倉はこのチャンスを物にし、脇に勝利。自己最高の3組へ昇級した。

第25期(2012年度)竜王戦では2連敗を喫し、4組へ降級となった。2012年度の全成績では21勝12敗と勝ち越しに成功したが、以降は2023年現在に至るまで、年度全成績での勝ち越しが出来ていない状況が続いている。

第78期順位戦(2020年度)で苦戦し2勝8敗で終えた結果、初めての降級点が付くこととなり、その後第80期順位戦(2022年度)、第81期順位戦(2023年度)にも降級点を喫し、フリークラスへの陥落が決定した。

弟子

女流棋士となった弟子

名前 女流2級昇級日 段位、主な活躍
崎原知宙 2023年11月01日 女流1級

(2024年2月29日現在)

昇段履歴

  • 1986年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 1990年00月00日 : 初段
  • 1994年10月01日 : 四段(第15回奨励会三段リーグ1位) = プロ入り
  • 1999年06月11日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝、通算100勝71敗)[2]
  • 2005年07月28日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝、通算220勝160敗)[3]
  • 2015年07月01日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝、通算370勝308敗)[4]

主な成績

在籍クラス

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦 (出典)竜王戦
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1994 53 四段昇段前 8 6組 -- 3-2
1995 54 C247 6-4 9 6組 -- 5-2
1996 55 C218 7-3 10 6組 -- 2-2
1997 56 C206 8-2 11 6組 -- 3-2
1998 57 C201 5-5 12 6組 -- 2-2
1999 58 C220 6-4 13 6組 -- 4-1
2000 59 C214 6-4 14 5組 -- 2-2
2001 60 C212 6-4 15 5組 -- 2-2
2002 61 C210 7-3 16 5組 -- 4-2
2003 62 C205 6-4 17 5組 1-1 5-0
2004 63 C215 7-3 18 4組 -- 2-2
2005 64 C205 7-3 19 4組 -- 1-2
2006 65 C207 3-7 20 4組 -- 1-2
2007 66 C233 7-3 21 4組 -- 2-2
2008 67 C206 6-4 22 4組 -- 6-2
2009 68 C217 5-5 23 3組 -- 2-2
2010 69 C221 4-6 24 3組 -- 1-2
2011 70 C224 4-6 25 3組 -- 0-2
2012 71 C229 7-3 26 4組 -- 2-2
2013 72 C209 6-4 27 4組 -- 1-2
2014 73 C212 5-5 28 4組 -- 1-2
2015 74 C220 5-5 29 4組 -- 2-2
2016 75 C223 4-6 30 4組 -- 2-2
2017 76 C233 4-6 31 4組 -- 3-2
2018 77 C233 5-5 32 4組 -- 2-2
2019 78 C230x 2-8 33 4組 -- 1-2
2020 79 C245* 4-6 34 4組 -- 2-2
2021 80 C238*x 3-7 35 4組 -- 0-3
2022 81 C247**x 3-7 36 5組 -- 2-2
2023 82 F編 37 5組 -- 1-2
2024 83 F編 38 5組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1994 11 7 4 0.6364 [5]
1995 36 21 15 0.5833 [6]
1996 35 21 14 0.6000 [7]
1997 36 22 14 0.6111 [8]
1998 42 23 19 0.5476 [9]
1999 39 24 15 0.6154 [10]
2000 37 18 19 0.4865 [11]
1994-2000
(小計)
236 136 100
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 33 17 16 0.5152 [12]
2002 28 16 12 0.5714 [13]
2003 40 25 15 0.6250 [14]
2004 36 22 14 0.6111 [15]
2005 30 15 15 0.5000 [16]
2006 22 5 17 0.2273 [17]
2007 26 15 11 0.5769 [18]
2008 33 17 16 0.5152 [19]
2009 32 19 13 0.5938 [20]
2010 35 18 17 0.5143 [21]
2001-2010
(小計)
315 169 146
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 32 16 16 0.5000 [22]
2012 33 21 12 0.6364 [23]
2013 27 11 16 0.4074 [24]
2014 28 14 14 0.5000 [25]
2015 30 14 16 0.4667 [26]
2016 30 12 18 0.4000 [27]
2017 30 13 17 0.4333 [28]
2018 29 13 16 0.4483 [29]
2019 29 10 19 0.3448 [30]
2020 29 13 16 0.4483 [31]
2011-2020
(小計)
297 137 160
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 29 7 20 0.2593 [32]
2022 34 16 18 0.4706 [33]
2023 18 5 13 0.2778 [34]
2021-2023
(小計)
81 28 53
通算 927 470 457 0.6364 [35]
2023年度まで

脚注

  1. ^ 「対局場が大阪だと思ったら東京だった」「起きたら昼前だった」将棋界、遅刻不戦敗事件簿(松本博文) - エキスパート”. Yahoo!ニュース. 2024年1月14日閲覧。
  2. ^ 近代将棋(1999年9月号)』近代将棋社/国立国会図書館デジタルコレクション、187頁https://dl.ndl.go.jp/pid/6047371/1/84 
  3. ^ 日本将棋連盟からのお知らせ(2005年8月30日時点のアーカイブ)”. web.archive.org. 2024年7月26日閲覧。
  4. ^ 矢倉規広六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年7月2日). 2019年6月10日閲覧。
  5. ^ [1][名無しリンク]
  6. ^ [2][名無しリンク]
  7. ^ [3][名無しリンク]
  8. ^ [4][名無しリンク]
  9. ^ [5][名無しリンク]
  10. ^ [6][名無しリンク]
  11. ^ [7][名無しリンク]
  12. ^ [8][名無しリンク]
  13. ^ [9][名無しリンク]
  14. ^ [10][名無しリンク]
  15. ^ [11][名無しリンク]
  16. ^ [12][名無しリンク]
  17. ^ [13][名無しリンク]
  18. ^ [14][名無しリンク]
  19. ^ [15][名無しリンク]
  20. ^ [16][名無しリンク]
  21. ^ [17][名無しリンク]
  22. ^ [18][名無しリンク]
  23. ^ [19][名無しリンク]
  24. ^ [20][名無しリンク]
  25. ^ [21][名無しリンク]
  26. ^ [22][名無しリンク]
  27. ^ [23][名無しリンク]
  28. ^ [24][名無しリンク]
  29. ^ [25][名無しリンク]
  30. ^ [26][名無しリンク]
  31. ^ [27][名無しリンク]
  32. ^ [28][名無しリンク]
  33. ^ [29][名無しリンク]
  34. ^ [30][名無しリンク]
  35. ^ [31][名無しリンク]

関連項目

外部リンク




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