柵木幹太
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/23 08:44 UTC 版)
柵木幹太 四段 | |
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名前 | 柵木幹太 |
生年月日 | 1998年2月18日(27歳) |
プロ入り年月日 | 2023年4月1日(25歳) |
棋士番号 | 338 |
出身地 | 愛知県西尾市 |
所属 | 日本将棋連盟(関西) |
師匠 | 増田裕司七段 |
段位 | 四段 |
棋士DB | 柵木幹太 |
2023年4月1日現在 |
柵木 幹太(ませぎ かんた、1998年2月18日 - )は、日本の将棋棋士である。愛知県西尾市出身。名古屋大学工学部卒業、名古屋大学大学院工学研究科中退[1]。増田裕司七段門下。棋士番号は338。
棋歴
2009年、奨励会に入会。三段リーグには第59回(2016年前期)から参加。同期に藤井聡太、西山朋佳がいる。
三段リーグでは初参加の第59回リーグで降段点(4勝14敗)を記録。続く第60回リーグでも7勝11敗と負け越すが降段点を回避し、3期目以降は悪くとも指し分け(9勝9敗)以上の成績を残していた。
三段リーグ11期目となる第69回リーグでは、12勝4敗で迎えた最終日の2局に2連勝すれば2位以上の可能性があったが、1勝後の最終局で岡部怜央に敗北した事で13勝5敗の3位・次点に終わった[注釈 1]。
14期目となる第72回リーグにおいて、成績8位で迎えた最終日に2連勝し13勝5敗で成績3位となり、2回目の次点を獲得した[注釈 2]。なお、この第72回リーグでは6位以内が全て13勝5敗となる激戦で、前期成績による順位の差が命運を左右した。3位の柵木(順位10位)と4位の齊藤優希(順位11位)の順位差は1枚差で、一つ前の期の第71回リーグでの柵木と齊藤優の直接対決で柵木が勝利していたことが、この順位差に影響していた。
2つ目の次点を獲得した柵木は四段昇段の権利を行使し、2023年4月1日付での四段昇段(フリークラス編入)を決めた[2]。また、当時の柵木は第59回三段リーグ最後の「生き残り」であり、柵木の四段昇段によって第59回リーグ当時の参加者29名全員が三段リーグを「卒業」(四段昇段または退会)した[注釈 3]。
プロ入り3年目となる2025年度、4月25日の第38期竜王戦6組昇級者決定戦の南芳一九段戦に勝利し、「良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上」という順位戦・フリークラスからの昇級規定を満たしC級2組へ昇級を果たした[3]。順位戦への参加は第85期からとなる。
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人物・エピソード
- 柵木は師匠である増田裕司門下初のプロ棋士であり、大師匠である森信雄にとって初の孫弟子でもある(ただし、女流棋士を含めるとカロリーナ・フォルタン(片上大輔門下)の方が先にいる)。そのため、四段昇段時は大師匠の森からも祝福された[4]。
- 四段昇段時に母親へ電話で報告した時の心境について、「『よかったね…』と言ってもらえた、自分からは言葉が出なかった」と語っている[5]。
- 将棋に専念するため2021年時点で大学院を休学しており、文字通り背水の陣で三段リーグに臨んでいた。そして三段リーグで昇段枠に及ばない状況が続いた事に付随して、「プレッシャーがかかると弱い」と自己分析をしている。しかし、プロ入りを決めた際の第72回三段リーグは最終日時点で11勝5敗の8番手という状況だったが、「厳しい位置だったからこそプレッシャーなく指せた。勝てば上がれると信じていた」と振り返る様な冷静さを保ち、プレッシャーを跳ね除けた[6]。
- 三段時代の公式戦は苦戦が続き、6勝10敗と負け越している。特に第12期加古川青流戦では里見香奈に敗戦しており、同棋戦において女流棋士・女性相手に「対三段棋士」の初白星を献上する結果となってしまった。
昇段履歴
- 2009年関西奨励会入会[2] 9月 :
- 2016年[2] :三段(第59回奨励会三段リーグからリーグ参加)
- 2021年[7] 9月 (第69回奨励会三段リーグ成績3位、次点獲得)
- 2023年:四段(第72回奨励会三段リーグ成績3位、次点2回) 4月 1日[2][8] = プロ入り(フリークラス編入、昇段時25歳)
主な成績
棋戦成績一覧
- 竜王戦:第38期 6組敗退(1勝)・昇決1勝0敗 / 過去最高:6組(2勝・昇決-勝、第35期 = 当時三段)
- 順位戦:(編入フリークラス→C級2組昇級、第85期から参加)
- 王位戦:第66期 予選敗退 / 過去最高:予選 2勝(第65期)
- 叡王戦:第10期 予選敗退 / 過去最高:予選 1勝(第10期)
- 王座戦:第73期 一次予選敗退 / 過去最高:一次予選 1勝(第73期)
- 棋王戦:第51期 予選敗退 / 過去最高:予選 3勝(第50期、第51期 )
- 王将戦:第75期 一次予選3勝0敗 / 過去最高:一次予選 1勝(第74期)
- 棋聖戦:第96期 一次予選敗退 / 過去最高:一次予選 1勝(第95期・第96期)
(一般棋戦・若手棋戦)
- 朝日杯:第18回 一次予選敗退 / 過去最高:一次予選 1勝(第18回)
- 銀河戦:第33期 本戦敗退 / 過去最高:本戦 0勝(第33期)
- NHK杯:第75回 予選敗退 / 過去最高:予選 2勝(第74回)
- 新人王戦:第55期 3回戦進出(1勝0敗) / 過去最高:1勝〈2回戦敗退〉(第55期)
- 加古川青流戦:第15期 開始前 / 過去最高:0勝〈1回戦敗退〉(第13期・第14期)
在籍クラス
竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラスを参照。
開始 年度 |
順位戦
出典[9]
|
竜王戦
出典[10]
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期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
2021 | 35 | 6組三段 | -- | 1-1 | ||||||||||||||
2022 | 四段昇段前 | 36 | 四段昇段前 | |||||||||||||||
2023 | 82 | F編 | 37 | 6組 | -- | 1-1/昇3-1 | ||||||||||||
2024 | 83 | F編 | 38 | 6組 | -- | - | ||||||||||||
2025 | 84 | F編 | 39 | (開始前) | ||||||||||||||
84 | 2025年4月25日 C級2組昇級(第85期から参加) | |||||||||||||||||
2026 | 85 | C2 | - | |||||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 第35期竜王戦は奨励会員枠(三段)からの出場 |
年度別成績
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2017 | 2 | 1 | 1 | 0.5000 | [11] |
2018 | 2 | 1 | 1 | 0.5000 | [12] |
2019 | 3 | 1 | 2 | 0.3333 | [13] |
2020 | 0 | 0 | 1 | 0.0000 | [14] |
2021 | 6 | 3 | 3 | 0.5000 | [15] |
2022 | 2 | 0 | 2 | 0.0000 | [16] |
合計 | 16 | 6 | 10 | 0.3750 | |
2023年3月までの公式棋戦成績 (棋士通算成績の合算対象外) |
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2023年度 | 24 | 14 | 10 | 0.5833 | [17] |
2024年度 | 31 | 18 | 13 | 0.5806 | [18] |
(小計) | 55 | 32 | 23 | 0.5818 | |
通算 | 55 | 32 | 23 | 0.5818 | [19] |
2024年度まで |
脚注
注釈
出典
- ^ 「友達が「朝、藤井くん見たよって」初の名古屋大学出身棋士誕生」『YouTube』@chunichishogi 中日新聞 東京新聞 将棋【公式】、2023年3月11日。
- ^ a b c d “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2023年3月11日). 2023年4月1日閲覧。
- ^
柵木幹太[@masekan_shogi]「今日の対局は勝ちで、この結果フリークラスから昇級となりました。今年の順位戦には間に合いませんでしたが(抜粋)」『X(旧twitter)』2025年4月25日。2025年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。
{{citation ja}}
: CS1メンテナンス: 数字を含む名前/author (カテゴリ) - ^ “森信雄のツイートより”. Twitter. 2023年3月27日閲覧。
- ^ “朝日新聞記者、北野新太のツイートより”. Twitter. 2023年3月27日閲覧。
- ^ “愛知・西尾の柵木三段が将棋プロ入り決定”. 中日新聞. 2023年3月27日閲覧。
- ^ 「第69回奨励会三段リーグ戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「第72回奨励会三段リーグ戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
- ^
- 2017年11月 1勝0敗/2017年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- 2018年2018年(日本将棋連盟) 1月の対局結果 1月 0勝1敗/
- ^
- 2018年2018年(日本将棋連盟) 6月の対局結果 6月 1勝1敗/
- ^
- 2019年2019年(日本将棋連盟) 5月の対局結果 5月 1勝0敗/
- 2019年2019年(日本将棋連盟) 6月の対局結果 6月 0勝1敗/
- 2019年11月 0勝1敗/2019年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- ^
- 2020年11月 0勝1敗/2020年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- ^
- 2021年2021年(日本将棋連盟) 7月の対局結果 7月 0勝1敗/
- 2021年11月 1勝0敗/2021年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- 2021年12月 1勝0敗/2021年12月の対局結果(日本将棋連盟)
- 2022年2022年(日本将棋連盟) 1月の対局結果 1月 1勝2敗/
- ^
- 2022年2021年(日本将棋連盟) 7月の対局結果 7月 0勝1敗/
- 2022年11月 0勝1敗/2022年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- ^ 2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 2024年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 通算成績(2025年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2025年4月1日時点のアーカイブ)
関連項目
外部リンク
- 柵木幹太 棋士データベース - 日本将棋連盟
- 関西本部所属棋士 柵木幹太 - 関西将棋会館(日本将棋連盟)
- 柵木幹太 (@masekan_shogi) - X(旧Twitter)
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番号一覧には退会者の番号を含む / 詳細は 将棋棋士一覧 および 将棋の女流棋士一覧 を参照 |
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